JPH0148015B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 イ 発明の目的 （産業上の利用分野） 本発明は水泳リハビリテーシヨンなど水中運動
の際の心臓の状態を知る心電図検査に用いられる
心電図記録用防水電極に関するものである。

（従来技術） 今日医療技術の発達と心臓に関する一般診療レ
ベルの向上した結果、重い心疾患はもとより軽症
の心疾患も数多く発見され心症の治療に寄与して
いる。しかし、これらの軽症心疾患、殊に全国的
に行われている学童の学校心臓検診より発見され
た心疾患児は過激な運動である水泳の授業は禁止
されることがある。

これまでの小児循環器学では軽症学童心疾患児
が水泳を行つても安全であるという判断根拠は、
患児の地上における心電図検査による測定結果に
加え、消費エネルギーの面より検討されていた結
果の故である。これまでは水泳中の心電図記録時
電極がなく実際に水泳中の心電図検査が行われた
結果ではない。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、水泳中の循環動態は、地上の運
動と異り、水泳中に特異的変化がみられるととも
に、学童の水泳中の正確な循環動態が不明である
今日、軽症心疾患児の水泳中の安全性は確認でき
ない。従来の検査により前記の当然水泳を行つて
よいと考えられる軽症心疾患児の水泳を容認する
ことは困難であつた。

そこで実際に水泳中の心電図を記録して、これ
らの学童の水泳が安全であることを証明すること
が必要かつ急務になつてきた。

この水泳中の心電図を記録するためには、水泳
中の身体の皮膚面に電極を貼付して人体の皮膚面
に誘起する微電流を地上に設置してある心電計に
導出して、人体に発生する電位変化量を心電計で
測定する必要性がある。

そしてこの人体の皮膚面に貼付される電極は、
水中においては剥離し易く、そのため接着剤を用
いて貼付する場合もあるが、皮膚面に取り付ける
のが面倒で被検者に負担がかかつたり、折角接着
剤で取り着けても激しい水泳運動中に耐えられな
く剥離したり、また防水性も充分でない上よい心
電図記録が得られない等の問題点があつた。

ロ 発明の構成 （問題点を解決するための手段） そこでこの発明は、以上の問題点を解決するた
め発明されたものであつて、防水性の弾性材料よ
りなる碗状吸盤８の中心部に形成された貫通孔９
には、リード線２の先端部が前記吸盤８の凸面側
より凹面側へ貫通され、このリード線２の最先端
に装着された電極板１０が前記吸盤８の凹面側に
おいて前記貫通孔９を塞ぐようにして前記吸盤８
に密着され、前記電極板１０の外周縁部と前記吸
盤８の凹表面との間の接触部及び前記リード線２
の周面部と前記吸盤８の凸表面との間のすき間部
はそれぞれ弾性シール材１１，１２により密閉さ
れ、さらに前記吸盤８の凹表面上には、前記電極
板１０を取り囲む同心円に沿つて身体面の表面に
密着しうる環状の体表密着シート１４が貼着され
ている心電図記録用防水電極を提供することによ
つて、水中においても身体から剥離し難く、且つ
取り着けも簡単な心電図記録用防水電極を得るよ
うにしたものである。

（実施例） 以下図面に従つて本発明の構成が実際上どのよ
うに具体化されるかをその作用とともに説明す
る。

第１図は本発明の一実施例に基づく電極及びリ
ード線の組み合わせの一例を示す斜視図であつ
て、図中１はコネクターで、その一端には３本の
リード線２，３，４が接続され、その他端には第
４図に示されるようにアンテナ１６を付設した発
信器１５が連結されている。

この３本のリード線２，３，４の他端には電極
５，６，７が接続されている。

この電極５，６，７の構造を、第２図、第３図
に従つて説明すると、電極５は防水性の合成樹脂
製の弾性材料からなる碗状の吸盤８を備えてい
る。この吸盤８の中心部には貫通孔９が穿設さ
れ、この貫通孔９には前記リード線２，３，４の
うちのリード線２の先端部が吸盤８の凸面側より
凹面側へ向けて挿通貫通されている。この吸盤８
の貫通孔９に挿入されたリード線２の最先端には
電極板１０が設けられ、吸盤８の凹面側において
前記貫通孔９を塞ぐように密着されている。

この電極板１０の外周面部と前記吸盤８の凹表
面との間の接触部には、シリコンゴムのような弾
性シール材１１により密閉されているとともに、
前記リード線２の周面部と前記吸盤８の凸表面と
の間に形成されるすき間部はシリコンゴムのよう
な弾性シール材１２により密閉され、吸盤８の外
表面から水が浸入するのを阻止している。さらに
前記吸盤８の凹表面上には前記電極板１０を取り
囲む同心円に沿つて環状の体表密着シート１４が
接着剤１３により貼着されるとともに、体表密着
シート１４の表面にも接着剤が塗布されている。

以上のような構成の電極５，６，７を、第４図
に示されるように、身体の皮膚面の適宜個所に接
して吸盤８の外表面を押圧してやれば吸盤８の凹
表面上に貼着されている体表密着シート１４が身
体の皮膚面に密着し、且つ吸盤８がもとの形状に
復帰するための吸引力が働き身体の皮膚面に適確
に接着することが可能であるとともに、水中にお
ける水泳のような過激な運動を行つても身体から
剥離することはない。

ハ 本発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、碗状吸
盤を形成し、この碗状吸盤の凹表面上に体表密着
シートを貼着したので、体表密着シートの密着力
と碗状吸盤のもとの形状に復帰するための吸引力
と相俟つて、電極は適確に人体の外表面に密着
し、水中における水泳のような激しい運動を行つ
ても身体より剥離するおそれはない。

また電極は碗状吸盤を形成しているので、単に
吸盤を身体の外表面に接して押圧してやれば、電
極は身体の外表面に接着されるので、接着剤を用
いて身体に接着するという余計な手数を要せず、
簡易に接着でき被検者に負担がかからない。

さらに碗状吸盤は防水性の弾性材料よりなると
ともに、電極板の外周縁部と吸盤の凹表面との間
の接触部及びリード線の周面部と吸盤の凸表面と
の間のすき間部は、それぞれ弾性シールにより密
着されているので、防水性が確実で、耐久性にも
優れている等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例であつて、第１図は電
極及びリード線の組み合せの一例を示す斜視図、
第２図は第１図の電極の縦断面図、第３図は第２
図の電極の平面図、第４図は電極を人体の外表面
に接着した図である。 ８…吸盤、９…貫通孔、１０…電極板、１１，
１２…弾性シール材、１３…接着剤、１４…環状
の体表密着シート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 防水性の弾性材料よりなる碗状吸盤８の中心
   部に形成された貫通孔９には、リード線２の先端
   部が前記吸盤８の凸面側より凹面側へ貫通され、
   このリード線２の最先端に装着された電極板１０
   が前記吸盤８の凹面側において前記貫通孔９を塞
   ぐようにして前記吸盤８に密着され、前記電極板
   １０の外周縁部と前記吸盤８の凹表面との間の接
   触部及び前記リード線２の周面部と前記吸盤８の
   凸表面との間のすき間部はそれぞれ弾性シール材
   １１，１２により密閉され、さらに前記吸盤８の
   凹表面上には、前記電極板１０を取り囲む同心円
   に沿つて身体の表面に密着しうる環状の体表密着
   シート１４が貼着されている心電図記録用防水電
   極。