JPH0145097Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、積層形燃料電池に関するものであ
り、さらに詳しくいうと、多数の電池セルで構成
される積層形燃料電池に関するものである。

〔従来技術〕

従来の一般的なこの種の燃料電池の一部構成を
第１図に示す。図において、燃料側電極１、電解
液を保持するためのマトリツクス層２、空気側電
極３、両面に燃料ガス通路５と空気通路６を有す
るガス分離板４でなる。また、数セル毎に電極冷
却のため、冷却管７を有する冷却板８と、冷却管
７を保持するための冷却板フタ９が挿入されてい
る。

以上の構成により、燃料ガス通路５と空気通路
６にそれぞれ燃料ガス、空気を流すことにより、
燃料側電極３と空気側電極１との間で電気化学反
応を生じ、発電する。そして、これら電極とガス
分離板４、冷却板８を多数直列に積層させること
により実用的な電圧を発生させる電池が得られ
る。

しかし、従来の積層形燃料電池は以上のように
構成されていたので、ガス分離板と電極を一枚づ
つ積み重ねていかねばならず、かつ、多数セルを
積み重ねる場合に一個所で積む必要があるので積
み作業を進行作業とすることが不可能なため、作
業日数に長時間を要する欠点があつた。また、多
数セル積層された後、不良セルを見出しても上部
の方から一枚づつ分解しなければならず、下部セ
ルの不良の場合には全てを分解することが必要で
あるなどの欠点があつた。

〔考案の概要〕

この考案は、上記のような従来のものの欠点を
除去するためになされたもので、電池構成物の下
辺に対向して１対の凹部を形成することにより、
多数積層された電池セルを、容易に組立、分解を
することができる積層形燃料電池を提供すること
を目的とするものである。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面について説明
する。第２図において、１０は冷却板８と冷却板
フタ９の対向辺に加工して形成した凹部であり、
空気を通気するためのマニホルド取付の両端の部
分は切り欠きを形成していない。この凹部１０を
利用して第３図に示す電池ブロツク吊具１１を取
り付け積層された多数の電池セルを、容易に組
立・分解することを可能とする。

例えば、電池セルを400枚積層する燃料電池に
おいて、20セルごとに１枚凹部１０を形成するこ
とにより20個の電池ブロツクとして組立てること
ができる。そのため従来１個所にて１セルごと積
層作業をしなければならなかつたものを、数個所
にて20セルの電池を並行して組立て、最終的に20
個の電池ブロツクを組立てることにより、組立日
数が大幅に短縮できる。

また、不良セルを見出した場合、不良セルの含
まれる電池ブロツクを取出すことが可能となり、
トラブル処理を容易にかつ早く行なうことができ
る。

なお、上記実施例では冷却板８と冷却板フタ９
に凹部１０を形成したものを示したが、凹部１０
は、ガス分離板４、または燃料側電極１、または
空気側電極３に形成してもよい。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、燃料電池の
構成物に凹部を形成し、電池セルを数枚まとめて
組立、分解できるように構成したので、電池セル
組立を数個所で並行作業し、ブロツク化したもの
を組立することが可能となり、組立作業日数を大
幅に短縮することができる効果がある。また不良
セルが見出された場合、その不良セルを含むブロ
ツクのみ分解することが可能なため、不良セルの
手直し、または取除きが容易となり安価にしかも
短日数でトラブル処理が可能となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のものの斜視図、第２図はこの考
案の一実施例の斜視図、第３図は第２図のものに
電池ブロツク吊り具を取り付けた態様を示す斜視
図である。 １……燃料側電極、２……マトリツクス、３…
…空気側電極、４……ガス分離板、５……燃料ガ
ス通路、６……空気通路、７……冷却管、８……
冷却板、９……冷却板フタ、１０……凹部、１１
……電池ブロツク吊り具。なお、各図中、同一符
号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の電池セルを積層してなる積層形燃料電池
   において、前記電池セルを複数個づつのブロツク
   に分割した電池ブロツクと、この電池ブロツクの
   下辺に対向して形成した１対の凹部を備えてなる
   ことを特徴とする積層形燃料電池。