JPH0144914Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は石油暖房機の燃焼切換装置に関する。

〔従来の技術〕

石油危機以来、あらゆる商品の経済性が追求さ
れ、より省エネルギー性の高い製品開発がすすめ
られてきた。

石油暖房機においても、燃焼範囲が大燃焼から
小燃焼までのものに対して、小燃焼より少ない微
小燃焼量で暖をとることが可能となつたものも実
現されている。燃焼状態は、石油暖房機の燃焼部
への燃料油の供給量で実質的に決まり、燃焼部へ
の燃料油の供給量は、大燃焼時に大で、小燃焼時
には小で、微小燃焼時には微小である。

従来の石油暖房機の燃焼切換装置は、ダイヤル
あるいはスライドレバー等からなる燃焼調節つま
みを、大燃焼位置と微小燃焼位置との間で所望の
位置に操作することにより、燃焼部への燃料油の
供給量及び該燃焼部への空気の供給量を所定量に
変化させることにより、所望の燃焼状態を得てい
た。即ち、微小燃焼状態の選択も、大燃焼乃至小
燃焼状態の選択と同じ燃焼調節つまみを操作する
ことにより、行なわれる。具体的には、従来の石
油暖房機の燃焼切換装置は、大燃焼状態と微小燃
焼状態との間で連続的に燃焼状態を変化させるこ
とができる燃焼調節つまみと、該燃焼調節つまみ
に応じて燃焼部への燃料油の供給量を制御する電
磁ポンプと、前記燃焼調節つまみに応じて前記燃
焼部への空気の供給量を制御する第１の空気供給
量制御手段としての第１のダンパーとを備えてお
り、燃焼調節つまみを微小燃焼状態の位置に合わ
せると、電磁ポンプは微小量の燃料油を燃焼部に
供給し、第１のダンパーは微小量の空気を燃焼部
に供給する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、微小燃焼は、大燃焼乃至小燃焼の場
合よりも正確に燃焼部への燃料油及び空気の供給
量を設定しないと、安定しない。ところが、上述
した従来の燃焼切換装置は、大燃焼から微小燃焼
まで、同じ燃焼調節つまみ及びダンパーによつて
連続的に制御されるので、微小燃焼させようとす
る時、燃焼調節つまみの正確な位置への固定やダ
ンパーの正確な位置への固定が行なえない。この
ため、従来の燃焼切換装置では、微小燃焼を安定
した状態で行なうことができない。

本考案の目的は、上記欠点を除去し、微小燃焼
時に燃焼部への燃焼油及び空気の供給量を所定量
に正確に固定することができ、安定した微小燃焼
を行なうことができる暖房機の燃焼切換装置を提
供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案によれば、大燃焼状態と小燃焼状態との
間で連続的に燃焼状態を変化させることができる
燃焼調節つまみと、該燃焼調節つまみに応じて燃
焼部への燃料油の供給量を制御する電磁ポンプ
と、前記燃焼調節つまみに応じて前記燃焼部への
空気の供給量を制御する第１の空気供給量制御手
段とを備えた暖房機の燃焼切換装置において、前
記燃焼調節つまみとは別に設けられ、操作される
と前記電磁ポンプに前記燃焼部への燃料油の供給
量を、前記燃焼調節つまみによる燃料油の供給量
よりも少ない一定量に固定させることができる微
小燃焼固定スイツチと、前記第１の空気供給量制
御手段とは別に設けられ、該微小燃焼固定スイツ
チの操作に応じて前記燃焼部への空気の供給量
を、前記燃焼調節つまみによる空気の供給量より
も少ない一定量に固定する第２の空気供給量制御
手段とを備えたことを特徴とする暖房機の燃焼切
換装置が得られる。

〔実施例〕

次に本考案の実施例について図面を参照して説
明する。

第１図、第３図〜第５図に示した本考案の一実
施例による石油暖房機の燃焼切換装置は、例え
ば、第２図のような石油暖房機に適用される。

まず、第２図を参照して本考案が適用される石
油暖房機について説明する。第２図の暖房機はポ
ツト式燃焼装置と呼ばれるものである。この暖房
機は、ポツト（燃焼部）１１と、電磁ポンプ１２
と、送風機１３とを備えている。ポツト１１内に
は電磁ポンプ１２により燃料油が供給される。ま
た、ポツト１１内には、ブロアモータ１３により
空気が供給される。ここで、電磁ポンプ１２は定
油面器１４からの燃料油をくみあげ、燃料油をポ
ツト１１内に供給する。また、ブロアモータ１３
は給排気管１５の給気部分から空気を吸いその空
気をポツト１１内に供給する。また、ポツト１１
内の燃焼による排ガスは熱交換器１６を介して給
排気管１５の排気部分から排出される。

なお、温度スイツチ１７は、熱交換器１６に設
けられ、ポツト１１内が燃焼状態にあることを検
出するためのものである。

第２図のポツト式燃焼装置は、第１図、第３図
〜第５図に示した本考案の一実施例による燃焼切
換装置により燃焼切換が行なわれる。

第１図を参照して、本実施例による燃焼切換装
置は大燃焼状態と小燃焼状態との間で連続的に燃
焼状態を変化させることができる燃焼調節つまみ
２１（第３図〜第５図参照）を備えている。この
燃焼調節つまみ２１には可変抵抗器２２が連動す
るように接続されている。可変抵抗器２２は、電
磁ポンプ１２によるポツト１１内への燃料油の供
給量が４〜16ml／minとなるような電圧を発生す
ることができる。この電圧は電子スイツチ２３を
介して電圧−周波数変換回路（以下Ｖ−Ｆ変換回
路と略称する）２４に与えられる。Ｖ−Ｆ変換回
路２４は受けた電圧に対応する周波数の信号に変
換する。Ｖ−Ｆ変換回路２４の出力信号アイソレ
ータとしてのフオトカツプラ２５に送られ、フオ
トダイオードの発光によりフオトトランジスタを
導通して電磁ポンプ１２にパルスを送る。この結
果、電磁ポンプ１２は燃焼調節つまみの設定位置
に応じた流量の燃料油をポツト１１に供給する。

２６は点火スイツチで、この点火スイツチ２６
を操作すると、ポツト１１内に設けられたヒータ
に通電され、ポツト１１内での燃焼が行なわれ
る。２７はJKフリツプフロツプで、点火スイツ
チ２６を一回操作すると、このフリツプフロツプ
２７はハイレベルの信号を出力し、トランジスタ
２８を導通させ、この結果、ブロアモータ１３が
駆動される。点火スイツチ２６をもう一回操作す
ると、ポツト１１内のヒータへの通電が断たれ、
ポツト１１内での燃焼が停止されると共に、フリ
ツプフロツプ２７がローレベルの信号を出力し、
トランジスタ２８をカツトオフさせて、ブロアモ
ータ１３の駆動が停止される。

温度スイツチ１７は、ポツト１１内が所定の燃
焼状態になつて所定の温度になると、閉じて、信
号線２９にハイレベル信号を出力し、逆に、ポツ
ト１１内が所定の燃焼状態にならず、所定の温度
に達していない場合（例えば、燃焼始動時）には
開いて、信号線２９にローレベル信号を出力す
る。

３０は燃焼始動時のポツト１１への燃料油の供
給流量（パイロツト流量）を決定するための第１
の固定抵抗部であり、この第１の固定抵抗部で３
０は、電磁ポンプ１２による燃料油のポツト１１
への供給流量が4.2ml／minとなる固定電圧を発
生する。この燃焼始動時のための電圧は電子スイ
ツチ３１を介して上述したＶ−Ｆ変換回路２４に
与えられ、電磁ポンプ１２にパイロツト流量
（4.2ml／min）の燃料油をポツト１１へ供給させ
る。

なお、電子スイツチ２３及び３１は、コントロ
ール端子ｃにハイレベル信号を受けると、可変抵
抗器２２及び第１の固定抵抗部３０からの入力信
号をＶ−Ｆ変換回路２４に与え、コントロール端
子ｃにローレベル信号を受けると、前記入力信号
のＶ−Ｆ変換回路２４への供給を禁止する。

本実施例では、前述の燃焼調節つまみとは別に
微小燃焼固定スイツチ４１が設けられている。微
小燃焼固定スイツチ４１は、操作されると、電磁
ポンプ１２にポツト１１への燃料油の供給流量
を、前述の燃焼調節つまみによる燃料油の供給流
量よりも少ない一定流量（３ml／min）に固定さ
せることができる。

JKフリツプフロツプ４２は、JKフリツプフロ
ツプ２７の出力信号がハイレベル信号のとき、微
小燃焼固定スイツチ４１を一回操作すると、信号
線４３にハイレベルの信号を出力し、微小燃焼固
定スイツチ４１をもう一回操作すると、信号線４
３にローレベルの信号を出力する。

４５は微小燃焼時のポツト１１への燃料油の供
給流量を決定するための第２の固定抵抗部であ
り、この第２の固定抵抗部４５は、電磁ポンプ１
２による燃料油のポツト１１への供給流量が上述
の３ml／minとなる固定電圧を発生する。この微
小燃焼時のための電圧は電子スイツチ４６を介し
て上述したＶ−Ｆ変換回路２４に与えられ、電磁
ポンプ１２に微小燃焼用の流量（３ml／min）の
燃料油をポツト１１へ供給させる。

なお、電子スイツチ４６は、コントロール端子
ｃにハイレベル信号を受けると、第２の固定抵抗
部４５からの入力信号をＶ−Ｆ変換回路２４に与
え、コントロール端子ｃにローレベル信号を受け
ると、前記入力信号のＶ−Ｆ変換回路２４への供
給を禁止する。

４７及び４８はアンドゲート、４９及び５０は
インバータ回路、５１は遅延回路、５２はトラン
ジスタ、５３はインバータ回路、５４はソレノイ
ドである。ソレノイド５４はインバータ５３の出
力信号がハイレベルの時、通電され、インバータ
５３の出力信号がローレベルの時には通電されな
い。

第３図〜第５図を参照して、ブロアモータ１３
とポツト１１との間の空気の通路には、燃焼調節
つまみ２１の調節位置に応じてポツト１１への空
気の供給流量を制御する第１の空気供給量制御手
段としての第１のダンパー６１の中央部が回転可
能に固定されている。第１のダンパー６１の一端
と上記空気通路の内壁との間にはばね６２が張ら
れ、第１のダンパー６１の他端と燃焼調節つまみ
２１との間にはワイヤ６３が張られている。

燃焼調節つまみ２１を大燃焼の位置に合わせる
と、第１のダンパー６１は、第３図や第５図の如
く、水平位置に保持され、大流量の空気をポツト
側に導くことができる。燃焼調節つまみ２１を小
燃焼の位置に合わせると、第１のダンパー６１は
第４図の如く、垂直位置に保持され、小流量の空
気をポツト側に導くことができる。

また、上記空気通路には、微小燃焼固定スイツ
チ４１の操作に応じてポツト１１への空気の供給
量を、燃焼調節つまみ２１による空気の供給量よ
りも少ない一定流量即ち、微小量に固定するため
の第２の空気供給量制御手段としての第２のダン
パー６４が、第１のダンパー６１の風下側に設け
られている。第２のダンパー６４の中央部が上記
空気通路の内壁に回転可能に固定されている。第
２のダンパー６４の一端は、ソレノイド５４に連
絡され、ソレノイド５４が通電されてない時には
第２のダンパー６４は、第３図及び第４図の如
く、水平に保持され、第１のダンパー６１によつ
て決まる流量の空気がポツト側に導かれる。ソレ
ノイド５４が通電されると、第２のダンパー６４
の一端がソレノイド５４側に吸引され、第２のダ
ンパー６４は第５図の如く、傾いた状態に保持さ
れ、第１のダンパー６１がどの状態にあろうと
も、第２のダンパー６４によつて決まる微小流量
の空気がポツト側に導かれる。

次に、第１図、第３図〜第５図を参照して、本
実施例による燃焼切換装置の動作を説明する。

まず、点火スイツチ２６を操作すると、ポツト
１１内のヒータに通電が開始され、また、JKフ
リツプフロツプ２７はハイレベル信号を出力す
る。このハイレベル信号によつてブロアモータ１
３が動作すると共に、もう一つのJKフリツプフ
ロツプ４２を動作可能にする。温度スイツチ１７
はこのような燃焼始動時には開状態であり、信号
線２９はローレベルである。この状態では、電子
スイツチ３１のコントロール端子ｃにはハイレベ
ルの信号が与えられているので、電子スイツチ３
１がオンし、第１の固定抵抗部３０による電圧が
Ｖ−Ｆ変換回路２４によつて対応する周波数に変
換され、電磁ポンプ１２はポツト１１へ上述した
パイロツト流量の燃料油を供給する。この場合、
ポツト１１はパイロツト流量の油の供給を受ける
と共に、燃焼調節つまみ２１に応じた量の空気の
供給を受け、燃焼が進む。

この状態で、微小燃焼固定スイツチ４１を操作
すると、信号線４３にハイレベル信号が得られる
が、信号線２９は上述のとおり、ローレベルであ
るので、アンドゲート４７の出力にはハイレベル
の信号が得られない。しかし、燃焼が進み、温度
スイツチ１７が閉じると、信号線２９はハイレベ
ルとなり、その時点でアンドゲート４７の出力に
はハイレベルの信号が得られる。アンドゲート４
７の出力がハイレベルになつた場合の動作は後に
述べる。

微小燃焼固定スイツチ４１を操作していない状
態で（即ち、信号線４３がローレベルの状態で）、
燃焼が進んで温度スイツチ１７が閉じると、信号
線２９はハイレベルとなり、この結果、アンドゲ
ート４８の両入力がハイレベルとなり、アンドゲ
ート４の出力はハイレベルとなる。この状態で
は、電子スイツチ２３のコントロール端子ｃにハ
イレベルの信号が与えられるので、電子スイツチ
２３がオンし、燃焼調節つまみ２１に連動する可
変抵抗器２２による電圧がＶ−Ｆ変換回路２４に
よつて対応する周波数に変換され、電磁ポンプ１
２は燃焼調節つまみ２１に応じた流量の油をポツ
ト１１へ供給する。この時、ポツト１１は燃焼調
節つまみ２１に応じた流量の空気を第１のダンパ
ー６１を介して供給されている。

このような状態の時に、微小燃焼固定スイツチ
４１が操作されると、フリツプフロツプ４２は信
号線４３にハイレベル信号を出力する。これによ
つて、アンドゲート４７はハイレベル信号を出力
する。

このようにして、アンドゲート４７の出力がハ
イレベルになつた場合、あるいは、前述したよう
に、温度スイツチ１７が閉じる前に微小燃焼固定
スイツチ４１が操作され、その後で温度スイツチ
１７が閉じることによつて、アンドゲート４７の
出力がハイレベルになつた場合、電子スイツチ４
６のコントロール端子ｃにハイレベル信号の信号
が与えられる。この結果、電子スイツチ４６がオ
ンし、第２の固定抵抗部４５による微小燃焼用の
電圧がＶ−Ｆ変換回路２４によつて対応する周波
数に変換され、電磁ポンプ１２は微小燃焼用の流
量の油をポツト１１内に供給する。

アンドゲート４７の出力のハイレベル信号は、
遅延回路５１で所定時間遅延された後に、トラン
ジスタ５２をオンとし、インバータ回路５３の出
力をハイレベルにする。この結果、ソレノイド５
４が通電され、第２のダンパー６４が第５図の状
態となり、ポツト１１に微小量の空気を供給す
る。

即ち、電磁ポンプ１２に微小流量の油を供給さ
せる指示を与えてから、微小流量の油がポツト１
１に達するまでは、それよりも大流量の油が油供
給管中に残つている。このような残留を安定して
燃焼させ、微小流量の油がポツト１１に達した状
態になつた時に、第２のダンパー６４を第５図の
状態に変化させ、微小流量の空気をポツト１１に
供給するようにするために、遅延回路５１が設け
られている。遅延回路５１の遅延時間は例えば、
40秒程度である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案では、大燃焼乃至小
燃焼の場合よりも正確に燃焼部への燃料油及び空
気の供給量を設定しないと安定した燃焼が得られ
ない、微小燃焼の場合のために、燃焼調節つまみ
とは別に、微小燃焼専用の油供給量を決める微小
燃焼固定スイツチを設けると共に、燃焼調節つま
みに連動する第１の空気供給量制御手段とは別
に、微小燃焼専用の空気供給量を決める第２の空
気供給量制御手段を設けたので、微小燃焼時に燃
焼部への油供給量も空気供給量も一定量に固定で
き、微小燃焼を安定した状態で行なうことができ
る。更に、本考案では、燃焼調節つまみとは別に
微小燃焼固定スイツチを設けたので、微小燃焼を
行なわせる際の操作を容易に行なうことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による暖房機の燃焼
切換装置の回路図、第２図は本考案が適用される
石油暖房機の概略図、第３図〜第５図は上記実施
例の空気流量調節のための部分を示した概略図
で、第３図は大燃焼時、第４図は小燃焼時、第５
図は微小燃焼時の状態を示している。 １１……ポツト（燃焼時）、１２……電磁ポン
プ、１３……ブロアモータ、１７……温度スイツ
チ、２１……燃焼調節つまみ、２２……可変抵抗
器、２６……点火スイツチ、３０……第１の固定
抵抗部、４１……微小燃焼固定スイツチ、４５…
…第２の固定抵抗部、６１……第１のダンパー、
６４……第２のダンパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 大燃焼状態と小燃焼状態との間で連続的に燃焼
   状態を変化させることができる燃焼調節つまみ
   と、該燃焼調節つまみに応じて燃焼部への燃料油
   の供給量を制御する電磁ポンプと、前記燃焼調節
   つまみに応じて前記燃焼部への空気の供給量を制
   御する第１の空気供給量制御手段とを備えた暖房
   機の燃焼切換装置において、前記燃焼調節つまみ
   とは別に設けられ、操作されると前記電磁ポンプ
   に前記燃焼部への燃料油の供給量を、前記燃焼調
   節つまみによる燃料油の供給量よりも少ない一定
   量に固定させることができる微小燃焼固定スイツ
   チと、前記第１の空気供給量制御手段とは別に設
   けられ、該微小燃焼固定スイツチの操作に応じて
   前記燃焼部への空気の供給量を、前記燃焼調節つ
   まみによる空気の供給量よりも少ない一定量に固
   定する第２の空気供給量制御手段とを備えたこと
   を特徴とする暖房機の燃焼切換装置。