JPH0144677B2 - - Google Patents
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- JPH0144677B2 JPH0144677B2 JP54166794A JP16679479A JPH0144677B2 JP H0144677 B2 JPH0144677 B2 JP H0144677B2 JP 54166794 A JP54166794 A JP 54166794A JP 16679479 A JP16679479 A JP 16679479A JP H0144677 B2 JPH0144677 B2 JP H0144677B2
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- Fertilizers (AREA)
Description
本発明は複合肥料の新規な製造方法に関するも
のである。 従来、硫加リン安等の複合肥料を製造する場
合、硫酸アンモニウムおよびリン酸アンモニウ
ム、またはいわゆる硫リン安と、硫酸カリウムを
原料としているが、この方法では予め硫酸カリウ
ムを製造しておく必要がある。硫酸カリウムの製
造方法には種々のものがあるが、硫酸で塩化カリ
ウムを処理する方法が一般的であり、この場合、
硫酸水素カリウムの生成する(1)式で示される第1
段階の反応と、硫酸水素カリウムの溶融塩と塩化
カリウムが反応して硫酸カリウムが生成する(2)式
で示される第2段階の反応に分けることができ
る。 KCl+H2SO4→KHSO4+HCl (1) KHSO4+KCl→KHSO4+HCl (2) 硫酸水素カリウムの融点は200℃であるので第
1段階の反応は溶融状態が維持され塩化水素ガス
の発生は容易である。このため第1段階の反応は
比較的円滑に進むが、第2段階の反応は吸熱反応
であり、しかも反応が進むにつれて固相反応とな
るため反応物の接触効果が良好とはいえず、完全
に反応を行なわせることは困難である。そのた
め、この方法では反応に400℃以上の温度を必要
とし、しかも未反応の塩化カリウムが残る可能性
が大きくなる。 本発明者等はこのような複合肥料を製造すると
き、予め硫酸カリウムを製造しておかねばならな
い不便さを回避できる効果的な方法について研究
を重ねていたが、塩化カリウムおよび塩化アンモ
ニウムを原料として、過剰の硫酸の存在下150〜
330℃の温度域で加熱溶融状態で反応させ、原料
中の塩素を塩化水素ガスとして除去した後に反応
生成物中の酸をアンモニアで中和し、所望により
リン酸を添加することにより、予め硫酸カリウム
を製造することなく、硫酸カリウムおよび硫酸ア
ンモニウムを主成分とし所望によりリン酸アンモ
ニウムをも主成分とする複合肥料を容易に得られ
ることを見出し本発明に到達したものである。 すなわち、本発明は塩化カリウムおよび塩化ア
ンモニウムの混合物に過剰の硫酸を添加し塩化水
素ガスを発生させる(3)、(4)式で示される第1段階
の反応、および第1段階反応生成物中の酸をアン
モニアで中和する(5)、(6)および(7)式で示される第
2段階の反応とからなるものである。 KCl+H2SO4→KHSO4+HCl (3) NH4Cl+H2SO4→NH4HSO4+HCl (4) 2KHSO4+2NH3→K2SO4+(NH4)2SO4 (5) NH4HSO4+NH3→(NH4)2SO4 (6) H2SO4+2NH3→(NH4)2SO4 (7) 本発明方法を更に詳しく説明すると、第1段階
では、塩化カリウムおよび塩化アンモニウムの混
合物に過剰の硫酸を添加し、150〜330℃、好まし
くは200〜260℃に保ち溶融状態で塩化水素ガスを
発生させる。この温度が330℃を超えると原料の
塩化アンモニウムが反応中に昇華するおそれがあ
るので好ましくない。このとき、撹拌するか、空
気、蒸気または不活性ガス等で発生する塩化水素
ガスを系外に追い出すことが反応を進行させるた
めに好ましい。塩化水素ガスを発生し終つた溶融
塩は、第2段階の反応で硫酸アンモニウムの分解
温度である280℃以下、好ましくは150〜260℃に
保ちアンモニアで中和する。この場合も撹拌等の
操作を行ない反応を促進することが好ましい。さ
らに第2段階の反応でアンモニアの添加と同時に
リン酸を或いはリン酸の添加後アンモニアを添加
することにより窒素、リン酸およびカリウムを含
む複合肥料を提供するものである。 又本発明方法は、硫酸カリウムを予め製造する
方法と比べ、未反応の塩化物の残存が殆んどみと
められず、しかも第2段階の反応を極めて低温で
操作することができるという利点がある。 本発明の第1段階の反応、即ち塩化水素ガスの
発生する反応では、原料の塩化カリウムおよび塩
化アンモニウムに対する硫酸のモル比が高くなる
につれて反応速度は大きくなるが、第2段階の中
和反応では硫酸のモル比が高くなるにつれてアン
モニアの必要量が多くなる。塩化水素ガスの発生
を容易にするためには溶融状態を保つ必要があ
り、これらの点を考慮すると塩化カリウムおよび
塩化アンモニウムに対する硫酸のモル比は当量で
ある0.5モル以上、好ましくは0.6〜1.5モルの範囲
とするのが良い。0.6モル未満では溶融状態の維
持が困難となり、また1.5モルを超えても塩化水
素ガスの回収に相応の効果の上昇は期待できず中
和するアンモニアガスの損失が大きくなるからで
ある。なお、本発明における塩化カリウムおよび
塩化アンモニウムの混合割合は肥料成分(銘柄)
に依存し、自由に選択することができる。 次に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。 実施例 1 塩化カリウムと塩化アンモニウムの1:1(モ
ル比)混合物に対する硫酸のモル数を種々変化さ
せた場合に発生する塩化水素を測定した。反応は
外熱式加熱装置を用い反応温度を260℃に保つて
行ない、加熱して得た溶融塩は1200ml/分の速度
で空気を吸収し、50rpmで撹拌した。
のである。 従来、硫加リン安等の複合肥料を製造する場
合、硫酸アンモニウムおよびリン酸アンモニウ
ム、またはいわゆる硫リン安と、硫酸カリウムを
原料としているが、この方法では予め硫酸カリウ
ムを製造しておく必要がある。硫酸カリウムの製
造方法には種々のものがあるが、硫酸で塩化カリ
ウムを処理する方法が一般的であり、この場合、
硫酸水素カリウムの生成する(1)式で示される第1
段階の反応と、硫酸水素カリウムの溶融塩と塩化
カリウムが反応して硫酸カリウムが生成する(2)式
で示される第2段階の反応に分けることができ
る。 KCl+H2SO4→KHSO4+HCl (1) KHSO4+KCl→KHSO4+HCl (2) 硫酸水素カリウムの融点は200℃であるので第
1段階の反応は溶融状態が維持され塩化水素ガス
の発生は容易である。このため第1段階の反応は
比較的円滑に進むが、第2段階の反応は吸熱反応
であり、しかも反応が進むにつれて固相反応とな
るため反応物の接触効果が良好とはいえず、完全
に反応を行なわせることは困難である。そのた
め、この方法では反応に400℃以上の温度を必要
とし、しかも未反応の塩化カリウムが残る可能性
が大きくなる。 本発明者等はこのような複合肥料を製造すると
き、予め硫酸カリウムを製造しておかねばならな
い不便さを回避できる効果的な方法について研究
を重ねていたが、塩化カリウムおよび塩化アンモ
ニウムを原料として、過剰の硫酸の存在下150〜
330℃の温度域で加熱溶融状態で反応させ、原料
中の塩素を塩化水素ガスとして除去した後に反応
生成物中の酸をアンモニアで中和し、所望により
リン酸を添加することにより、予め硫酸カリウム
を製造することなく、硫酸カリウムおよび硫酸ア
ンモニウムを主成分とし所望によりリン酸アンモ
ニウムをも主成分とする複合肥料を容易に得られ
ることを見出し本発明に到達したものである。 すなわち、本発明は塩化カリウムおよび塩化ア
ンモニウムの混合物に過剰の硫酸を添加し塩化水
素ガスを発生させる(3)、(4)式で示される第1段階
の反応、および第1段階反応生成物中の酸をアン
モニアで中和する(5)、(6)および(7)式で示される第
2段階の反応とからなるものである。 KCl+H2SO4→KHSO4+HCl (3) NH4Cl+H2SO4→NH4HSO4+HCl (4) 2KHSO4+2NH3→K2SO4+(NH4)2SO4 (5) NH4HSO4+NH3→(NH4)2SO4 (6) H2SO4+2NH3→(NH4)2SO4 (7) 本発明方法を更に詳しく説明すると、第1段階
では、塩化カリウムおよび塩化アンモニウムの混
合物に過剰の硫酸を添加し、150〜330℃、好まし
くは200〜260℃に保ち溶融状態で塩化水素ガスを
発生させる。この温度が330℃を超えると原料の
塩化アンモニウムが反応中に昇華するおそれがあ
るので好ましくない。このとき、撹拌するか、空
気、蒸気または不活性ガス等で発生する塩化水素
ガスを系外に追い出すことが反応を進行させるた
めに好ましい。塩化水素ガスを発生し終つた溶融
塩は、第2段階の反応で硫酸アンモニウムの分解
温度である280℃以下、好ましくは150〜260℃に
保ちアンモニアで中和する。この場合も撹拌等の
操作を行ない反応を促進することが好ましい。さ
らに第2段階の反応でアンモニアの添加と同時に
リン酸を或いはリン酸の添加後アンモニアを添加
することにより窒素、リン酸およびカリウムを含
む複合肥料を提供するものである。 又本発明方法は、硫酸カリウムを予め製造する
方法と比べ、未反応の塩化物の残存が殆んどみと
められず、しかも第2段階の反応を極めて低温で
操作することができるという利点がある。 本発明の第1段階の反応、即ち塩化水素ガスの
発生する反応では、原料の塩化カリウムおよび塩
化アンモニウムに対する硫酸のモル比が高くなる
につれて反応速度は大きくなるが、第2段階の中
和反応では硫酸のモル比が高くなるにつれてアン
モニアの必要量が多くなる。塩化水素ガスの発生
を容易にするためには溶融状態を保つ必要があ
り、これらの点を考慮すると塩化カリウムおよび
塩化アンモニウムに対する硫酸のモル比は当量で
ある0.5モル以上、好ましくは0.6〜1.5モルの範囲
とするのが良い。0.6モル未満では溶融状態の維
持が困難となり、また1.5モルを超えても塩化水
素ガスの回収に相応の効果の上昇は期待できず中
和するアンモニアガスの損失が大きくなるからで
ある。なお、本発明における塩化カリウムおよび
塩化アンモニウムの混合割合は肥料成分(銘柄)
に依存し、自由に選択することができる。 次に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。 実施例 1 塩化カリウムと塩化アンモニウムの1:1(モ
ル比)混合物に対する硫酸のモル数を種々変化さ
せた場合に発生する塩化水素を測定した。反応は
外熱式加熱装置を用い反応温度を260℃に保つて
行ない、加熱して得た溶融塩は1200ml/分の速度
で空気を吸収し、50rpmで撹拌した。
【表】
次に実験No.4、5および6における反応生成物
を温度220℃に保ちアンモニアで中和したものの、
塩素および遊離の硫酸の分析値を第2表に示す。
を温度220℃に保ちアンモニアで中和したものの、
塩素および遊離の硫酸の分析値を第2表に示す。
【表】
実施例 2
塩化カリウム21.1gと塩化アンモニウム18.5g
の混合物に硫酸52.4gを添加し反応温度を250℃
に保つた。1時間反応後の生成塩化水素ガスの収
率は仕込原料の塩化カリウムおよび塩化アンモニ
ウムに対して98.9%であつた。次に18.4gのリン
酸を添加し、温度を200℃に保つて10.3gのアン
モニアで中和した。1時間後の中和生成物の分析
結果を示す。 A−N 13.38% T−P2O5 13.13% T−K2O 13.27% Cl 0.14% 遊離H2SO4 0.71% 実施例 3 実施例2と同一条件での反応において、反応温
度、反応時間を変えて反応を行なつた。このとき
の生成塩化水素ガスの収率(%)を次に示す。
の混合物に硫酸52.4gを添加し反応温度を250℃
に保つた。1時間反応後の生成塩化水素ガスの収
率は仕込原料の塩化カリウムおよび塩化アンモニ
ウムに対して98.9%であつた。次に18.4gのリン
酸を添加し、温度を200℃に保つて10.3gのアン
モニアで中和した。1時間後の中和生成物の分析
結果を示す。 A−N 13.38% T−P2O5 13.13% T−K2O 13.27% Cl 0.14% 遊離H2SO4 0.71% 実施例 3 実施例2と同一条件での反応において、反応温
度、反応時間を変えて反応を行なつた。このとき
の生成塩化水素ガスの収率(%)を次に示す。
【表】
実施例 4
塩化カリウム22.7gと塩化アンモニウム9.2g
の混合物に硫酸46.7gを添加し、反応温度を230
℃に保つた。50分間反応後の生成塩化水素ガスの
収率は仕込原料の塩化カリウムおよび塩化アンモ
ニウムに対し99.8%であつた。 次に22.5gのリン酸を添加し、アンモニアガス
を0.5g/分で30分間吹き込み、温度150℃で中和
反応を行つた。得られた生成物の分析値は次の通
りであつた。 A−N 12.40% T−P2O5 16.28% T−K2O 14.74% Cl 0.10% 遊離H2SO4 0.62%
の混合物に硫酸46.7gを添加し、反応温度を230
℃に保つた。50分間反応後の生成塩化水素ガスの
収率は仕込原料の塩化カリウムおよび塩化アンモ
ニウムに対し99.8%であつた。 次に22.5gのリン酸を添加し、アンモニアガス
を0.5g/分で30分間吹き込み、温度150℃で中和
反応を行つた。得られた生成物の分析値は次の通
りであつた。 A−N 12.40% T−P2O5 16.28% T−K2O 14.74% Cl 0.10% 遊離H2SO4 0.62%
Claims (1)
- 1 塩化カリウムおよび塩化アンモニウムの混合
物を過剰の硫酸の存在下150〜330℃の温度域で加
熱溶融状態で反応させ原料中の塩素を塩化水素ガ
スとして除去した後に、アンモニアで余剰の酸を
中和することからなる複合肥料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16679479A JPS5692187A (en) | 1979-12-24 | 1979-12-24 | Manufacture of nonnchlorine furtilizer |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16679479A JPS5692187A (en) | 1979-12-24 | 1979-12-24 | Manufacture of nonnchlorine furtilizer |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5692187A JPS5692187A (en) | 1981-07-25 |
JPH0144677B2 true JPH0144677B2 (ja) | 1989-09-28 |
Family
ID=15837790
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16679479A Granted JPS5692187A (en) | 1979-12-24 | 1979-12-24 | Manufacture of nonnchlorine furtilizer |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5692187A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1301236C (zh) * | 2005-02-02 | 2007-02-21 | 高苏茂 | 氨化硫酸氢钾液生产硫基复合肥的方法及其配用的装置 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1045947C (zh) * | 1997-03-26 | 1999-10-27 | 山东红日化工股份有限公司 | 硫基氮磷钾复合肥的生产方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS55167124A (en) * | 1979-06-08 | 1980-12-26 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Manufacture of potassium sulfate |
-
1979
- 1979-12-24 JP JP16679479A patent/JPS5692187A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS55167124A (en) * | 1979-06-08 | 1980-12-26 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Manufacture of potassium sulfate |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1301236C (zh) * | 2005-02-02 | 2007-02-21 | 高苏茂 | 氨化硫酸氢钾液生产硫基复合肥的方法及其配用的装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5692187A (en) | 1981-07-25 |
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