JPH0144106Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車等の車輛用シートのランバー
サポート装置に関するものである。さらに詳細に
は、エアーマツトの背当り状況を任意に調整して
乗員に快適な乗心地を与え得る車輛用シートのエ
アーランバーサポート装置に関するものである。

車輛用シートのエアーランバーサポート装置
は、シートの背当部内部に手動エアーポンプによ
り膨脹収縮せしめ得るエアーマツトを装備し、乗
員の好みに応じて該エアーマツトを膨脹させシー
ト背当部の乗員腰背部に接触する箇所のクツシヨ
ン硬さの調節や腰背部のサポートを図る如く構成
されたものである。第１図はこのようなエアーラ
ンバーサポート装置の構成を示した略側面図で、
シート背当部１内部に膨縮自在なエアーマツト２
が装備されている。シート背当部１の側面に設け
られたレバー３を手動操作してポンプ４を駆動
し、エアーマツト２に空気を送入して適宜膨脹せ
しめ、シートのクツシヨン材、表皮材等を介して
乗員の腰背部５をサポートせしめる。エアーマツ
ト２はシート背当部１内のＳばね等の弾性部材上
や表皮材とクツシヨン材の間に装備されることも
あるが、このような場合にはエアーマツトはシー
ト前面方向のみならず後方へも膨脹するため効果
が半減し充分なサポート機能を発揮し得ないの
で、本図示例においてはエアーマツト２はパネル
状支持部材６表面に装備され、一方向にのみ膨脹
し得る如く構成されている。なお、エアーマツト
２は内圧により膨縮自在なゴム袋等により形成さ
れ、また支持部材６は合成樹脂、硬質ゴム、各種
ボードまたはこれらの複合材の若干の可撓性を有
する剛性材料の板状体から形成されている。

ところが上記のような従来のエアーランバーサ
ポート装置においては、エアーマツト２が乗員の
腰背部に１箇所で当接するため、乗員に窮屈さや
痛みを感ぜしめるような不具合がある。この不具
合を避けるため複数箇所で腰背部をサポートさせ
るようにしようとすれば複数個のエアーマツトを
使用しなければならないこととなるが、これはエ
アー配管その他装置構成が複雑となりコストの高
騰を招く上、エアーマツト装備部が広範囲にわた
ることとなり、かえつて乗心地が悪くなる欠点が
ある。

本考案は上述のような従来のエアーランバーサ
ポート装置における欠点を除去し、エアーマツト
の背当り状況を任意に調整して乗員に快適な乗心
地を与え得るエアーランバーサポート装置を提供
せんことを意図してなされた。すなわち本考案の
装置は、、上記の如くシートバツク内部のパネル
状支持部材表面に膨縮自在なエアーマツトを装備
したランバーサポート装置において、該エアーマ
ツトの膨脹時にその膨脹部分を複数個に分割する
仕切部材を設けるとともに、該仕切部材の端部
に、螺桿に螺合された移動子を設け、かつ該螺桿
を回動可能にシートバツク内部に軸着し、螺桿を
回動させることにより、該仕切部材のエアーマツ
トに対する相対位置を水平および／または垂直方
向に移動させることを特徴とするものである。以
下、図面に示した実施例に基き本考案の構成を説
明する。

第２図は本考案の１実施例の要旨を説明する略
斜視図である。パネル状支持部材６表面に設けら
れたエアーマツト２の前面に当接する如く仕切部
材７が設けられる。仕切部材７は合成樹脂等の剛
性を有する棒状体または板状体等で形成され、エ
アーマツト２が膨脹した際にその膨脹部分を左右
の２部分に分割する。そしてこの仕切部材７は左
右（矢印）方向に移動させることができ、左右各
膨脹部分の大きさを変化せしめ得るものである。
この作用状態が第３図の平面図に示されている。
第２図、第３図に示したものは仕切部材が１個の
みのものであるが、この仕切部材は２個以上設け
てエアーマツト２膨脹部分の分割個数を増すこと
も可能である。第４図は仕切部材７を２個とした
ものの作用状態を示した平面図である。このよう
に膨張部分を多数個に分割することによつて、エ
アーマツト２の背当り状況をさらに快適とするこ
とができる。

第５図は上記のように仕切部材７を２個設けた
エアーランバーサポート装置の要部をシート背当
部１の表皮材、クツシヨン材等を取除いて示した
斜視図である。仕切部材７，７は、シート背当部
１内に水平に支持された螺桿８に螺合した移動子
９，９に固設されており、螺桿８のハンドル１０
を手動回動せしめることにより左右水平方向に移
動し、エアーマツト２との相対位置が調整され
る。

以上の諸例は仕切部材を垂直に設け水平方向に
移動し得る如くしたものであるが、仕切部材を水
平に設けて垂直方向に移動し得る如くすることも
可能である。

上記本考案の実施例を図示した図面において
は、エアーマツトを膨縮せしめるためのエアー配
管、ポンプ、レバー等の構造については図示を省
略したが、これらは従来公知の技術に従つて構成
すればよい。また仕切部材とエアーマツトを相対
的に移動せしめる位置調整機構も上記に例示した
ものには限らず、ラツク、ピニオン機構等任意の
公知手段を利用し得るものである。

本考案は以上の如く構成したものであるから、
車輛用シートのエアーランバーサポート装置にお
いてエアーマツトの膨らみ具合ならびにその位置
を任意に加減し得るので、乗員が好みに応じて背
当り状況を自由に調整することが可能となる。従
つて前記した如き従来の問題点が解消され、快適
な乗心地を与えることができるきわめて有用な考
案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエアーランバーサポート装置の
構成を示した略側面図、第２図、は本考案の要旨
を示す略斜視図、第３図および第４図は本考案の
作用状態を説明する平面図、第５図は本考案のエ
アーランバーサポート装置の１実施例の要部斜視
図、である。 １……シート背当部、２……エアーマツト、３
……レバー、４……ポンプ、５……腰背部、６…
…支持部材、７，７ａ，７ｂ，７ｃ……仕切部
材、８……螺桿、９……移動子、１０……ハンド
ル、１１……調車、１２……調帯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツク内部のパネル状支持部材表面に膨
   縮自在なエアーマツトを装備したランバーサポー
   ト装置において、該エアーマツトの膨張時にその
   膨張部分を複数個に分割する仕切部材を設けると
   ともに、該仕切部材の端部に、螺桿に螺合された
   移動子を設け、かつ該螺桿を回動可能にシートバ
   ツク内部に軸着し、螺桿を回動させることによ
   り、該仕切部材のエアーマツトに対する相対位置
   を水平に移動させることを特徴とする車両用シー
   トのランバーサポート装置。