JPH0143982B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は鉛蓄電池のセル間を連結する接続装置
に関する。

セル間の接続は、各セル内に収納された極板群
に一体に取り付けた極性の突起部をセル間隔壁に
穿設された貫通孔内に挿入して、各突起部を相互
に当接せしめ、該突起部を抵抗溶接する方法が一
般に行なわれている。従来、この接続は極柱の当
接面がそれぞれ平坦に形成された面を当接して凸
電極で両側から加圧し該当接面を突出させて溶接
する方法や、凸面と凸面とを当接して溶接する方
法、あるいは凸面と凹面とを当接せしめて溶接す
る方法により行なわれていた。しかしながら、平
坦面を突出させて当接せしめる方法では突出部表
面が湾曲するため、溶接面積が一定せず、製品の
性能にバラツキが生じており、又、凸面と凸面と
を当接せしめる方法では、その位置合わせが難か
しく又、凸面と凹面とを当接せしめる方法では溶
接時のヒートバランスが悪く、いずれによつても
結果として、溶接不良が生じていた。

本発明はこのようなセル間の接続において、溶
接面の位置決めが容易で、しかもヒートバランス
も良好な接続装置を提供するものであり、第１の
極柱と、第２の極柱とを有し、 該第１の極柱は板状の立ち上がり部と、その側
面に突出する所定径の突起を有し、 該第２の極柱は板状の立ち上がり部と、その側
面に形成された凹部と、該凹部内の中央に設けら
れた該凹部よりは突出しない所定径の小突起と、
該凹部と小突起により形成された環状凹溝とを有
し、 該第１の極柱の突起の先端の径は、該第２の極
柱の該凹部の先端の内径よりは小さく該凹溝の幅
と該小突起の先端の径との合計と等しいか又はそ
れより大きく形成され、 該第１の極柱の突起と該第２の極柱の突起がセ
ルの隔壁を介して互いに当接して溶接されるもの
であることを特徴としている。

以下、本発明の一実施例を第１図ないし第３図
を参照して具体的に説明する。

第１図は本発明の一実施例の第１の極柱の正面
図及び断面図を示し、第２図は第１の極柱に相対
して接続される第２の極柱の正面図及び断面図を
示している。第１図における第１の極柱１は極板
群の複数の同極性耳を連結するストラツプと溶接
される底部２から垂直に起立して連設される板状
立ち上がり部３が形成されている。この立ち上が
り部３はその側面上部に円形部が形成されてお
り、その側面からは底部２が突出する方向とは反
対方向に先端面が所定の径ａを有する円錐状の突
起４が所定の長さｅを有して起立している。一
方、第２図における第２の極柱１１も同様に極板
群の複数の同極性耳を連結するストラツプと溶接
される底部１２及び立ち板状上がり部１３が形成
されるが、この立ち上がり部１３の側面上部の円
形部に円形の凹部１４が形成されている。そし
て、この凹部１４の内底面略中央には、先端面が
所定径ｂ及び所定の長さｆを有する円錐状の小突
起１５が形成され、該小突起１５の先端部位にお
いて所定の溝幅Ｃの環状凹溝１６が、形成されて
いる。そして第１の極柱１と第２の極柱１１の溶
接時にあつては、相対して配置される第１の極柱
１の突起４と第２の極柱１１の小突起１５とが当
接されるが、本発明においては、第１の極柱１の
突起４の径ａは第２の極柱１１の凹部１４の直径
よりは小さいも、該第２の極柱１１の小突起１５
の径ｂと環状凹溝１ｂの溝幅Ｃとを合した値と等
しいか又はそれより大きくなるように、すなわ
ち、ａ≧ｂ＋ｃの関係が充足されるように、各
ａ，ｂ，ｃの値が選定される。このような関係に
ある場合には、第３図のような第１の極柱１と第
２の極柱１１との衝合の際に、第１の極柱１の突
起４が常に第２の極柱１１の小突起１５上及び環
状凹溝１６の上側又は下側（あるいは左側又は右
側）のいずれかの溝上に位置するから、位置合わ
せが極めて容易になる。従つて、第１の極柱１と
第２の極柱１１の各突起４及び１５を当接する際
に、突起が正確に当接されなくても常に一定の接
触面積を得ることができる。

この場合、第２の極柱１１の小突起１５の長さ
ｆは環状凹溝の深さよりも若干小さく、すなわち
第２図においてｄ＞０で、形成するのが好まし
く、このように形成することにより、極柱の当接
の際に上下又は左右に極柱が滑つても第１の極柱
１の突起４は環状凹部１６が形成された凹部１４
の縁と衝突して外れることがない。

以上のように構成された本実施例によつて、セ
ル間を接続するには、第３図に示すように、蓄電
池電槽の隔壁２０に穿設された貫通孔２１内に第
１の極柱１の突起４を挿入して、対向する第２の
極柱１１の小突起１５に当接せしめ、各極柱の両
側から抵抗溶接を行なうことによりなされる。こ
の溶接の際には、第１の極柱１の突起４と第２の
極柱１１の小突起１５とがバランスよく溶け、さ
の溶解物が突起４が衝合している環状凹溝１６内
に入り込み、その部分の環状凹溝１６を埋めるた
め、溶接強度が増大すると共に極柱特性が向上す
る。

さらに、前記第１の極柱１の突起４の長さｅは
前記第２の極柱１１の小突起１５の長さｆよりも
大きく、すなわち、ｅ＞ｆの関係で、形成するの
が好ましく、このような関係を有する場合には第
１の極板１の突起４の径ａと第２の極板１１の小
突起１５の径がａ＞ｂであることから、溶接時の
ヒートバランスがより良好となり、より確実な安
定した溶接が可能となる。又、このような突起４
及び小突起１５はいずれも円錐状でなく、円柱状
に形成してもよい。又、突起４、小突起１５及び
凹部１４はいずれも正面円形に形成したものを示
したが、これに限定されるものではなく楕円形、
あるいは方形でもよく、要は突起が凹部内に一側
に偏位して嵌合された場合でも常に突起４に小突
起１５先端の全面が当接する寸法関係にあればよ
い。

以上、詳細に説明したように、本発明によれば
当接される極柱の位置決めが容易であり、かつ、
その位置決めにバラツキを生じても常に一定の接
触面積が得られるから、溶接を良好に行なうこと
ができ、高品質の鉛蓄電池が得られるセル間接続
装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の第１の極柱の正面
図及び断面図、第２図はその第２の極柱の断面図
及び正面図、第３図は溶接時の断面図である。 １……第１の極柱、４……突起、１１……第２
の極柱、１５……小突起、１６……環状凹溝、２
０……セルの隔壁、２１……貫通孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１の極柱１と、第２の極柱１１とを有し、 該第１の極柱１は板状の立ち上がり部３と、そ
   の側面に突出する所定径の突起４を有し、 該第２の極柱１１は板状の立ち上がり部１３
   と、その側面に形成された凹部１４と、該凹部１
   ４内の中央に設けられた該凹部１４よりは突出し
   ない所定径の小突起１５と、該凹部１４と小突起
   １５により形成された環状凹溝１６とを有し、 該第１の極柱１の突起４の先端の径ａは、該第
   ２の極柱１１の該凹部１４の先端の内径よりは小
   さく該凹溝１６の先端幅ｃと該小突起１５の先端
   の径ｂとの合計と等しいか又はそれより大きく形
   成され、 該第１の極柱１の突起４と該第２の極柱１１の
   小突起１５がセルの隔壁２０を介して互いに当接
   して溶接されるものである鉛蓄電池のセル間接続
   装置。 ２ 前記第１の極柱１の突起４の長さｅが前記第
   ２の極柱１１の小突起１５の長さｆよりも長く形
   成されていることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の鉛蓄電池のセル間接続装置。