JPH0142816B2

JPH0142816B2 -

Info

Publication number: JPH0142816B2
Application number: JP18062083A
Authority: JP
Inventors: Teruyuki Uchida; Osamu Yoshihiro
Original assignee: Ube Industries Ltd
Current assignee: Ube Corp
Priority date: 1983-09-30
Filing date: 1983-09-30
Publication date: 1989-09-14
Also published as: JPS6072713A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は射出成形機により複雑な形状の成形品
や精密成形品を成形する際の射出成形機の制御方
法に関する。

近年、射出成形品は大形化すると共に精密成形
をも要求され、射出成形を行う際の射出成形機の
射出速度等の正確な制御が要求される。

例えば、キヤビテイの形状に応じて１シヨツト
中の射出速度を変化させ、成形品中に気泡の発生
や残留ひずみが生ずることを防止したり、又、溶
融樹脂がキヤビテイに充満された後の保圧を適宜
に制御することにより樹脂が冷却固化する際の温
度低下に基づく体積縮少等によるシンクスポツト
と称される凹み等を防止する等の必要が生じ、従
つて射出プランジヤー又はスクリユーの速度やキ
ヤビテイ内の圧力を変化させるプログラムドイン
ジエクシヨン法が現在行われている。

そして、溶融樹脂をキヤビテイ内に充填する射
出工程における射出速度の目標値と実測値との
差、又、溶融樹脂をキヤビテイ内に充填した後に
おける保圧工程における保圧の目標値と実測値と
の差による修正制御が行われているものの、その
制御方式は複雑であり、又、修正の応答が早く
て、過度の修正を行う虞れの少い適当な制御方法
が見出されていない現状である。

本発明は上述の欠点を改良し、容易に射出工程
と保圧工程とを制御し、製品の歩留り及び品質の
一層の向上を達成し得る制御方法として射出工程
における速度制御の方法を開ループ制御方式と
し、保圧工程における圧力制御を閉ループ制御方
式とするもとし、且つ、前記速度制御の修正は一
定の修正率をもつてステツプ単位での修正するよ
うにしたものであること以下の通り。

本発明における実施例を第１図に示すスクリユ
ーインライン式射出成形機１０に基づいて説明す
れば、プラスチツク材料を混練可塑性するスクリ
ユー１１を前進させて射出を行わしめる射出ラム
２０のシリンダ後室２２へは油圧ポンプ３１から
切換制御電磁弁３２と流量制御電磁弁３３を有す
る主油圧回路３０を介して送油が行われる。該流
量制御電磁弁３３は射出コントローラー４１から
の電気信号により射出ラム２０への送油量、即ち
射出工程における射出速度を制御する流量制御弁
である。

更に、第１図に示す如く油圧ポンプ３１と切換
制御電磁弁３２との間から電磁リリーフ弁３６を
介して油槽３９に油を戻す調圧回路３５を設け
る。該電磁リリーフ弁３６は前記射出コントロー
ラ４１からの電気信号により前記主油圧回路３０
の油圧を調整し、以て、溶融樹脂の射出時にシリ
ンダ後室２２に加わる圧力、及び保圧工程におけ
る保圧等を制御する。前記射出コントローラー４
１には射出ラム２０に加わる油圧を測定するラム
圧検出器４２からの電気信号、溶融樹脂に加わる
圧力を測定する樹脂圧力検出器４３からの電気信
号、及びスクリユー１１と同調して移動する同調
ロツド２５に設けられる磁気スケール４４により
スクリユー１１の位置及び移動速度が測定されて
電気信号として夫々送信される。尚、４７はオペ
レーシヨンコントロールボツクスであつて、プロ
グラムドインジエクシヨン法における油圧、射出
速度等各種の設定、表示をつかさどる。

前記スクリユー１１は適宜クラツチ、歯車１２
等を介してモーター１５により回転せられ、ホツ
パ１７からの樹脂材料であるペレツトが混練可塑
化され、溶融状態となつてスクリユー１１先端前
方に蓄積されると共に、該スクリユー１１は適宜
後退する。該スクリユー１１が所定位置迄後退す
ることにより所定量の溶融樹脂がスクリユー１１
の前方のシリンダバレル１３内に蓄積されると、
移動金型５１を固定金型５２に合せて型締し、射
出成形機１０を前進させて、第１図に示す如く、
ノズル１８を金型５２のスプルー５３に圧接して
射出ラム２０のピストン２１によりスクリユー１
１を前進させて溶融樹脂を金型５１，５２内のキ
ヤビテイ５５へ充填する如く射出し、製品の成形
が行われる。

このスクリユー１１の前進に際し、例えば、第
２図Ａに示す如くスクリユーストロークｌの位置
に応じてスクリユー１１の移動速度の設定を変化
させ、以て、キヤビテイ５５形状に応じた射出速
度の変化をもつて射出工程Ｓでの射出動作を行
う。

第２図Ａは５段階の速度変化を行うプログラム
ドインジエクシヨンの一例である。

更に、射出工程Ｓの終了後、スプルー５３から
の溶融樹脂の逆流を防止し、又、キヤビテイ５５
内成形品の冷却収縮を補充する為、保圧を加え、
充填材の配向性、製品内の残留ひずみ等を少くす
る為に、第２図Ｂに示す如く保圧を変化させる保
圧工程Ｈでの保圧動作が行われる。

ところで、上記の設定射出速度に対し、前記主
油圧回路３０における作動油の油温に基づく流動
特性の変化、フイルタ３８等の目づまり、弁特性
の変化、射出ラム２０のピストン２１のかじり等
種々の要因により実測される射出速度は設定射出
速度と誤差を生じ、修正の必要が生じる。

このプログラム制御における修正は、誤差の要
因が種々複雑であり、又、射出速度は流量制御電
磁弁３３にて制御されるも、主油圧回路３０の油
圧とも関連し、速度制御の修正と油圧制御の修正
とが牽連し適正な速度制御及び油圧制御を実施す
ることが困難である故、本発明は第２図Ｂに示す
如く射出工程Ｓにおける速度制御の修正を前回の
射出に所定箇所における射出速度測定に基づく開
ループ制御方式にて修正する領域Ｏとし、保圧工
程Ｈにおける圧力制御の修正は溶融樹脂に加わる
圧力の測定に基づき、直に設定値との誤差を修正
すべくフイードバツグをかける閉ループ制御方式
にて修正する領域Ｃとする。

この様に保圧工程Ｈの圧力制御を閉ループ制御
方式でもつて目標値に修正することとした故、射
出工程Ｓ時の油圧はシヨツト毎に修正する必要が
なく、常に一定油圧状態とすることができる。即
ち、射出工程Ｓの油圧PSは圧工程Ｈにおけるパ
ツク圧POへの切換が円滑に行われる所定圧に機
械的に一定圧としても保圧工程Ｈでは閉ループ制
御方式で油圧を修正する故、フイルタ３８の目
詰、油圧ポンプ３１、モーター１５等の変調等に
より油圧が変動しても正確に目標値の保圧工程Ｈ
を行うことができる。そして、この様に射出工程
Ｓにおける油圧PSは一定圧として修正変動を与
えない様にした故、射出工程Ｓにおける速度制御
の修正は、油圧を修正の変数とすることなく、流
量制御電磁弁３３の開閉度の修正をもつて容易に
射出速度の制御修正を行い得る利点を有する。

尚、射出速度制御の修正は、射出ラム２０への
作動油の温度上昇による粘性変化の如く経時的に
徐々に変化する要素と、ピストン２１のかじり等
の如く１シヨツト毎に変化する要素とにより、射
出速度が変化する故、設定された目標射出速度と
実測射出速度との差をもつて一気に修正を行うと
過度の修正（オーバーシユート）となる場合が生
じる故、例えば、目標射出速度の１％程度の修正
値でステツプ的に速度制御の修正を行うものとす
る。

更に、フローチヤート図をもつて本発明に係る
制御方法を詳述すれば、第３図に示す如く、先ず
イニシヤルセツトにより目標射出速度、射出速度
の変化、目標保圧、保圧の順次変化、射出速度誤
差を修正するときの開ループの修正率ステツプ等
の運転定数を設定し、イニシヤル運転をもつて保
圧工程における圧力の閉ループ制御をチエツク
し、本運転時の電磁リリーフ弁３６の開度の算出
や、射出工程時の油圧PSからパツク圧POへの切
換を行つた場合に閉ループ系によりオーバーシユ
ートを起す虞れがないか否か等を調べる。又、流
量制御電磁弁３３の弁開度も算出する。

上記イニシヤルセツト、イニシヤル運転によ
り、射出工程Ｓ保圧工程Ｈにおける射出速度、射
出圧、保圧及び速度変化、油圧変化、それらの各
定数等がすべて定まつたか否かにより射出を施す
るか否かの判断を行い、キヤビテイ形状に応じた
射出速度及び速度変化をもつてプログラム制御に
基づいて射出を行う。尚、該射出に際して次回の
射出における速度修正に必要な演算の為、速度測
定を行つていることは云う迄もない。しかる後、
プログラム制御に基づいて保圧を行い、該保圧工
程では、溶融樹脂に加わる圧力を測定し、設定圧
力と測定圧力とに差のある時は閉ループ制御方式
にて設定圧力に修正しつつ保圧を行い、保圧終了
後、金型５１，５２を開いて製品を取出し、前記
射出時の測定射出速度に基づき、設定射出速度と
の差及び修正量を演算し、測定射出速度と設定射
出速度との差に応じて、流量制御電磁弁３３を制
御するプログラムを所定の修正率をもつてステツ
プ状に補償し、次回の射出を行う如くして射出成
形を繰返し、製品を製造する。

尚、他の実施例としては第４図のフローチヤー
トに示す如く、イニシヤルセツトにて射出速度、
油圧等の運転定数を設定し、イニシヤル運転にて
射出成形機を運転しない状態で圧力の閉ループ制
御のチエツクを行い、前回の測定射出速度に基づ
いて速度制御における開ループ制御の補償をステ
ツプ状にて補償し、射出の制御に適していない場
合は再度イニシヤル運転、ステツプ状補償を行
い、射出準備が完了すれば射出速度のプログラム
制御に基づいて射出し、射出が支障無く行われれ
ば閉ループ制御方式により保圧のプログラム制御
を行い、その後射出速度の実測値と目標値とを比
較演算し、補正の要、不要、及び修正量等を算出
し、イニシヤルセツトの定数を補正するものとし
て、イニシヤル運転、ステツプ状補償により制御
プログラムのチエツクを行つて次回の射出を行う
ものとする。

要するに本発明はプログラムドインジエクシヨ
ン法にて制御される射出成形機１０において、射
出工程Ｓにおける速度制御を開ループ制御方式と
して修正するものとし、保圧工程Ｈの圧力制御を
閉ループ制御方式として修正するものとし、且
つ、前記速度制御の修正は一定の修正率をもつて
ステツプ単位での修正率をもつてステツプ単位で
の修正をしたことを特徴とする射出成形機の制御
方法である。

この様に、本発明においては、保圧工程の圧力
制御を閉ループ制御方式とすることにより、射出
工程時の油圧を機械的に一定として流量制御弁の
開度のみによる速度制御とすることができ、速度
制御の修正を容易として射出成形機の始動時にお
ける油温の変化、フイルター３８の目詰り、弁特
性の変化等による射出速度の変調に対し、補償制
御が安定的に実施でき、又、射出速度の修正は開
ループ制御方式をもつて、且つ、ステツプ単位で
補正を行うものとして測定値と目標値との誤差を
一気に修正しない故、射出ピストン２１のかじり
等の各シヨツト毎に射出速度を変化させる要因が
あつても過度の修正を行うことがなく、良好な射
出状態を得ることができる。

更に、射出工程における油圧を機械的に一定圧
としているといえども、保圧工程においては閉ル
ープ制御方式にて圧力修正を行う故、設定値に応
じた圧力で保圧を加えることができ、前記良好な
射出状態と相俟つて、精密成形を容易に可能とす
ることができる。

尚、イニシヤル運転により制御の定数等をチエ
ツクしておけば、保圧工程時の圧力制御における
外乱を極めて少くすることができる等種々の利点
を有する制御方法である。

【図面の簡単な説明】

第１図はスクリユーインライン式射出成形機の
概要図にして、第２図は射出速度及び射出圧力を
示す図、第３図及び第４図は本発明のフローチヤ
ート図である。１０＝射出成形機、１１＝スクリユー、１２＝
歯車、１３＝シリンダバレル、１５＝モーター、
１７＝ホツパ、１８＝ノズル、２０＝射出ラム、
２１＝ピストン、２２＝シリンダ後室、２５＝同
調ロツド、３０＝主油圧回路、３１＝油圧ポン
プ、３２＝切換制御電磁弁、３３＝流量制御電磁
弁、３５＝調圧回路、３６＝電磁リリーフ弁、３
８＝フイルタ、３９＝油槽、４１＝射出コントロ
ーラー、４２＝ラム圧検出器、４３＝樹脂圧力検
出器、４４＝磁気スケール、４７＝オペレーシヨ
ンコントロールボツクス、５１＝可動金型、５２
＝固定金型、５３＝スプルー、５５＝キヤビテ
イ。

Claims

【特許請求の範囲】

１プログラムドインジエクシヨン法にて制御さ
れる射出成形機において、射出工程Ｓにおける速
度制御を開ループ制御方式として修正するものと
し、保圧工程Ｈの圧力制御を閉ループ制御方式と
して修正するものとし、且つ、前記速度制御の修
正は一定の修正率をもつてステツプ単位での修正
としたことを特徴とする射出成形機の制御方法。