JPH0142571B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は真空スイツチ管の耐電圧性能を向上
させるために行なうコンデイシヨニングに関する
ものである。

〔従来の技術〕

従来のこの種の装置としては第２図に示すもの
があつた。第２図は従来のグロー放電によるコン
デイシヨニング装置の構成を示すブロツク図であ
り、図において１は真空スイツチ管、２は交流電
源、３は抵抗、４は真空スイツチ管１の電極、５
は真空スイツチ管１のシールドである。又、上記
真空スイツチ管１の内部はヘリウム、水素、アル
ゴンなどのガス或いは少なくとも２種以上の混合
ガスを所定の圧力で封入してある。

次に従来の装置の動作について説明する。真空
スイツチ管は第２図１に示す如く構成されている
が、そのまま高電圧用のスイツチとして使用する
には電極４とシールド５の間の耐電圧性能が十分
でない場合がある。従つてこれをコンデイシヨニ
ングによつて耐電圧性能を向上させる必要があ
る。このようなコンデイシヨニングを行なうため
の従来のグロー放電によるコンデイシヨニング装
置は、第２図に示す如く、真空スイツチ管１の電
極４とシールド５との間に抵抗３を介して交流電
源２により電極４とシールド５の間の耐電圧以上
の電圧を印加し、電極４とシーシルド５の間にグ
ロー放電を発生させる。このグロー放電を発生さ
せることにより電極４とシールド５の表面はイオ
ン衝撃によりクリーニングされる。従つて真空ス
イツチ管をグロー放電を行なつた後に高真空に排
気すると電極４とシールド５の間の耐電圧性能は
グロー放電を行なわずに排気した場合に比べて向
上することとなる。このようにしてコンデイシヨ
ニングが完了する。又、抵抗３はグロー放電を発
生しやすくするためと、回路に必要以上の電流が
流れないように電流を制限するものである。又、
コンデイシヨニングを行なつた後の電極４の表面
にはシールド５の材料の被膜が、シールド５の表
面には電極４の材料の被膜が形成している。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記のような従来の真空スイツチ管コンデイシ
ヨニング装置ではシールド表面上に電極の材料被
膜が形成するためにシールドと電極間の耐電圧性
能は電極の材料によつて決定されてしまい耐電圧
性能を十分に向上することができないという問題
点があつた。

この発明はかかる問題点を解決するためになさ
れたもので、シールドと電極の間の耐電圧性能の
高い真空スイツチ管を得ることができるコンデイ
シヨニング装置を提供することを目的としてい
る。

〔問題を解決するための手段〕

この発明に係る真空スイツチ管コンデイシヨニ
ング装置は、電源に単一極性の電源を使用し、か
つ、シールドの電位が相対的に電極の電位より低
くなるような極性の電圧を印加してグロー放電に
よるコンデイシヨニングを用い、電極の表面にシ
ールドの材料による被膜が形成され、かつ、シー
ルドの表面に電極の材料による被膜が形成されな
いようにする。

〔作用〕

この発明においてはコンデイシヨニングの終つ
た後で電極の表面にシールドの材料による被膜が
形成され、かつ、シールドの表面に電極の材料に
よる被膜が形成されないので、シールドと電極間
の耐電圧性能はシールドの材料により決定される
こととなり真空スイツチ管の耐電圧性能を向上さ
せることができる。

〔実施例〕

以下、この発明の実施例を図について説明す
る。第１図はこの発明の一実施例を示すブロツク
図であり、第２図と同一符号は同一又は相当部分
を示し、２２は負極性の電圧を発生する単一極性
電源である。

次に、この発明の動作について説明する。第１
図のように接続された単一極性電源２２から抵抗
３を介しシールド５と電極４の間に、シールド５
と電極４の間の耐電圧性能以上の負極性の電圧を
印加すると、シールド５と電極４との間でグロー
放電が発生する。このグロー放電を発生させるこ
とにより電極４とシールド５の表面はイオン衝撃
によりクリーニングされる。従つて真空スイツチ
管をグロー放電を行なつた後に高真空に排気する
と電極４とシールド５の間の耐電圧性能はグロー
放電を行なわずに排気した場合に比べて向上する
こととなり、従来の装置と同様、真空スイツチ管
のコンデイシヨニングを行なうことができる。
又、抵抗３はグロー放電を発生しやすくするため
と、回路に不必要な電流を流さないように制限す
るものである。

以上、これらの動作は従来の装置と同様である
が、この発明においてはコンデイシヨニングのた
めの電源に単一極性電源２２を使用し、かつ、シ
ールド側が負極性になるような電圧を印加してい
るので、シールド５の表面には電極４の材料の被
膜は形成せず、反対に電極４の表面にシールド５
の材料の被膜が形成されることとなる。従つてシ
ールド５と電極４の間のグロー放電によるコンデ
イシヨニングを行なつた後の耐電圧性能はシール
ド５の材料により決定されることとなり、シール
ド５は通常高い耐電圧能力の材料で構成されてい
るので耐電圧強度の高い真空スイツチ管を得るこ
とができる。

なお、上記実施例では電極４を接地し、シール
ド５に負極性の電圧を印加する場合の構成におい
て説明しているが、これに限らずシールド５を接
地し電極４に抵抗３を介して正極性の電圧を印加
することによつても実現できる。

〔発明の効果〕

この発明は以上説明したとおりグロー放電によ
るコンデイシヨニングにおいて、電極側にシール
ド材料の被膜が形成され、シールド側に電極材料
の被膜が形成されないように構成されているので
耐電圧強度の高い真空スイツチ管を得る真空スイ
ツチ管コンデイシヨニング装置を得られるという
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示すブロツク
図、第２図は従来の真空スイツチ管コンデイシヨ
ニング装置の構成を示すブロツク図である。 図において２２は負極性の電圧を発生する単一
極性の電源である。なお、各図中同一符号は同一
又は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 真空スイツチ管のシールドと電極との間に所
   定のガスを所定の圧力に充填しグロー放電を発生
   させてコンデイシヨニングを行なう真空スイツチ
   管のコンデイシヨニング装置において、 電圧を印加する電源として単一極性電源を用い
   この単一極性電源の負極側を上記シールド側に正
   極側を上記電極側に接続し、上記電極側の電位が
   上記シールド側よりも高電位下において上記シー
   ルドと上記電極間でグロー放電を発生させること
   を特徴とする真空スイツチ管のコンデイシヨニン
   グ装置。