JPH0141403Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ペダルの解放位置から所定操作位
置を検知して検知信号を発生するミシンのペダル
の操作検出装置に関し、特に、信号を検出する操
作位置を調節可能とした装置に関するものであ
る。

従来、ペダルを解放位置（中間位置）より前方
操作（前踏み）するときにはペダルの操作量に比
例する速度でミシンモーターを駆動し、後方操作
（後踏み）するときには一定速度でモーターを駆
動して返し縫いや糸切り等の動作を行なうように
していたが、このペダル操作初期に直ちにモータ
ーを始動させると針が急に上下動するので作業者
に不安を与え、その不安を解消するため、または
操作初期に押え足を自動的に下降させる等の作業
を行なうために、操作初期に所定の操作範囲の
〓遊び〓を設け、その〓遊び〓の操作範囲を越え
て操作するときモーターを始動させるようにして
いたが操作範囲の限界点、即ちモーターの始動時
期を設定するために、従来においては光感知、磁
気感知等の無接点の検知スイツチや、マイクロス
イツチ等の有接点の検知スイツチを設けて検知信
号を検出するようにした。しかし、その〓遊び〓
の範囲は作業者の塾練度、好み等により範囲を広
くとるものや狭くとるものがあり、このため検知
スイツチの取着位置を縫製作業前に作業者の技術
に合わせて調節するように、取付手段を着脱した
り位置をずらせる煩雑な作業を要し、またミシン
の振動等により取付手段が緩み取付位置がずれ再
調節を要し、作業能率を著しく低下するととも
に、前踏操作と後踏み操作との検出を各別に行な
うときには検知スイツチを複数必要とし、部品点
数を多くしてコストを高価にする等の欠点があつ
た。

この考案は、上記従来のものの欠点を除去する
ことを目的する。

この考案の実施例を図面により説明すると、ミ
シン頭部１を上面に載置して下面にミシン１に連
結するモーター２を支持したミシンのテーブル３
は、その手前側一側に電源スイツチ等を配置した
コントロールボツクス４を配置する。中間位置
（第２図Ｃ）より前方位置（第２図Ａ）と後方位
置（第２図Ｂ）へ回動操作可能としたペダル５
は、後方位置から前方位置への回動に比例して抵
抗値を増加する可変抵抗器VR₁（第３図）を設け
る。コントロールボツクス４にはその回動位置に
より可変抵抗器VR₂，VR₃（第３図）の抵抗値を
各別に増減可能とするダイヤル６，７が配置して
ある。VR₂はVR₁の前踏み操作に対応した抵抗範
囲に一致し、VR₃はVR₁の後踏み操作に対応した
抵抗範囲に一致するように設定してある。第３図
の電気回路はコントロールボツクス４内方に配し
てあり、報転入力（−）に可変抵抗器VR₁の可動
接点を接続し、非反転入力（＋）を可変抵抗器
VR₂，VR₃の各可動接点にそれぞれ各別に接続し
た比較回路M₁，M₂を設け、M₁は（−）側の入
力電圧圧が（＋）側の入力電圧より小さくなつた
とき所定電圧の前踏み検知信号を発生し、この前
踏み検知信号により駆動回路（図示しない）がミ
シンモーター２をペダル５の前踏み操作量に比例
した速度で駆動し、またM₂は（−）側の電圧が
（＋）側の電圧より越えたとき後踏み検知信号を
発生し、後踏み検知信号によりミシンモーター２
を一定速度で駆動し且つ布送り方向を逆転する返
し縫い回路（図示しない）を作用する。比較回路
M₁，M₂の（＋）側と出力側との間にR₁，R₂を
接続し、ヒステリシス巾を与えるようにしてあ
る。

この考案は以上のような構成であり、 ペダル５を中間位置より前踏み操作すると、可
変抵抗器VR₁の可動接点がその操作に比例し抵抗
値を増加するように変化し、VR₁がVR₂の抵抗値
より大きくなるとき、即ち比較回路M₁の（−）
側電圧が（＋）側電圧より下降するとき前踏み検
知信号を発生し、その検知信号によりモーター２
を始動する。ダイヤル６を操作してVR₂の抵抗値
を大きくすると、（−）側が（＋）側の電圧より
下降する時期が遅れ、ペダルの〓遊び〓の範囲は
広くなる。

中間位置よりペダル５を後踏み操作すると、そ
の操作に反比例してVR₁の抵抗は小さくなり、比
較回路M₂の（−）入力の電圧が（＋）入力の電
圧より高くなるまで返し縫いは行なわれず、その
間に自動的押え下げ等の作動を可能とし、（−）
電圧が高くなるとき後踏み検知信号を発生して返
し縫いを始める。ダイヤル７を操作して可変抵抗
器VR₃の抵抗値を小さくすると（＋）側電圧が高
くなり、（−）側が（＋）側を越える時期は遅く
なり〓遊び〓は大きくなる。

なお本実施例においては、ペダルの後方位置か
ら前方位置への回動に比例して可変抵抗VR₁の抵
抗値を大きくするようにしたが、反比例して抵抗
値が小さくなるように設定し、比例回路M₁，M₂
が（＋）入力の基準電圧に対する（−）入力の電
圧を比較するようにしてもよい。

また本実施例においては、ペダルの操作に応じ
て抵抗値を変化する可変抵抗器により比較回路の
反転入力の電圧を変化させたが、ペダルの操作に
応じてトランス等他の手段により比較回路の反転
入力の電圧を変化するようにしてもよい。

以上のようにこの考案によれば、解放位置及び
解放位置より一方へ離隔した前踏位置並びに解放
位置より他方に離隔した後踏位置とに回動操作可
能とし常には解放位置に維持する弾性力を受ける
ペダル５と、ペダルに関連配置しペダルの前踏位
置と後踏位置との間における回動変位量に対応し
て測定電圧を上下する電圧変動回路VR₁と、操作
により各別に移動調節可能としその変位量に対応
し変化する基準電圧を各別に発生する複数の調節
回路VR₂，VR₃と、前記各記基準電圧と測定電圧
とを各別に比較し測定電圧が基準電圧に対し上昇
または下降するのに関連してミシン所定機構を制
御するための各別の検知信号を発生する複数の比
較回路M₁，M₂とを備え、前記複数の調節回路の
少なくとも一対はペダルの解放位置に対し前踏位
置側及び後踏み位置側の量回動位置範囲に各別に
対応して設定した構成とすることにより、ペダル
の前踏み及び後踏みの各操作位置を請求範囲に記
載の簡単な回路構成で検出できるので、ペダルの
前踏操作による押え下降のための検出信号または
ミシンモータの起動・停止のための検出信号、及
びペダルの後踏操作による止め縫い時のモータ起
動のための検出信号または押え上昇や糸切りのた
めの検出信号等を発生させるのにスイツチ機構を
使わずに回路構成で達成でき、部品点数を少なく
してコストを廉価にするとともに機械的な故障等
を少なくして寿命を長くする効果が得られ、また
各検出信号を発生するペダル操作位置を変更調節
するときはダイヤル等を操作して比較する基準電
圧を調節すればよいから、調節作業が簡単且つ容
易になり、一度調節すればミシンの振動等により
調節がずれることもなくなり作業能率を著しく向
上する効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はミシンの斜視図、第２図はペダルの動
作説明図、第３図は電気回路、第４図はその動作
説明図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 解放位置及び解放位置より一方へ離隔した前踏
   位置並びに解放位置より他方に離隔した後踏位置
   とに回動操作可能とし常には解放位置には維持す
   る弾性力を受けるペダル５と、 ペダルに関連配置しペダルの前踏位置と後踏位
   置との間における回動変位量に対応して測定電圧
   を上下する電圧変動回路VR₁と、 操作により各別に移動調節可能としその変位量
   に対応し変化する基準電圧を各別に発生する複数
   の調節回路VR₂，VR₃と、 前記各記基準電圧と測定電圧とを各別に比較し
   測定電圧が基準電圧に対し上昇または下降するの
   に関連してミシン所定機構を制御するための各別
   の検知信号を発生する複数の比較回路M₁，M₂と
   を備え、 前記複数の調節回路の少くとも一対はペダルの
   解放位置に対し前踏位置側及び後踏位置側の両回
   動位置範囲に各別に対応して設定した構成とする
   ことを特徴としたミシンのペダル操作検出装置。