JPH0141112Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、断熱箱の開口部を開閉する扉の閉塞
時に、断熱箱と扉との間を気密に保持する断熱箱
のガスケツト装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来のガスケツト装置は、ガスケツトの高さ方
向に二層の中空部を設け、該ガスケツトを扉に固
着するとともに扉の閉塞時にガスケツトに内蔵さ
れたマグネツトを断熱箱の開口部周縁に吸着さ
せ、以て、断熱箱及び扉間を気密に保持してい
る。

然しながら、上記構成のものは高さ方向に二層
の中空部を設けているから、ガスケツトの高さが
大となり、扉の閉塞時に該ガスケツトが倒れやす
く、しかも、熱漏洩面積が大で断熱性が低いとい
う問題がある。而してガスケツトの中空部を一層
にして高さ方向の寸法を小さくして薄形化すると
熱漏洩面積は小さくなるが、ガスケツト全体が弱
体化するので、該ガスケツトに内蔵されたマグネ
ツトが波打ち状となつてマグネツトと断熱箱の開
口部周縁との間で隙間を生じる虞れがあり、また
ガスケツトを扉の挿入溝に固着する場合の挿入作
業性も低くなるという新たな問題が発生する。

〔考案の目的〕

本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、ガスケツトの高さ寸法を薄形化するこ
とによつて熱漏洩面積を減少させ断熱性の向上を
図るとともに扉の閉塞時のガスケツトの倒れを防
止し得、しかも全体の強度を向上してマグネツト
の波打ちなどの変形を防止して断熱箱及び扉との
間の機密性を良好に保ち得、且つガスケツトの装
着作業性の向上をも図り得る断熱箱のガスケツト
装置を提供するにある。

〔考案の概要〕

本考案は、ガスケツトの一面に突設され扉と開
口部周縁の一方に設けられた嵌合溝に嵌合される
中空な嵌合部と、前記扉と開口部周縁の他方に吸
着するマグネツトを内蔵するとともに該マグネツ
トよりも幅狭な連通路を介して前記嵌合部内に連
通するマグネツト収納部と、前記連通路及びマグ
ネツト収納部を両側から挾むように形成された２
個の中空室とを設けることにより、ガスケツトを
薄形化するとともに強度の向上を図つたところに
特徴を有する。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明する。

１は断熱箱、２は断熱箱１に形成された開口
部、３は開口部２を開閉する扉で、これは断熱箱
１に回動可能に取着されている。４は開口部２を
囲むように扉３の内側面３ａに形成された断面台
形状の嵌合溝で、入口部４ａよりも奥部が幅広に
形成されている。５は軟質ゴム製のガスケツト
で、以下これにつき説明する。６はガスケツト５
の一面に突設された嵌合部で、第１図及び第２図
に示す上方に開口する中空部７を形成しており、
先端に形成された弾性を有する円錐形の凸部８が
嵌合溝４に嵌合されている。９はガスケツトの他
面側に形成されたマグネツト収納部で、これは断
面矩形状の中空部９ａ内に開口部２の周縁部２ａ
に吸着するマグネツト１０を収納しており、内側
面部９ｂに開口部９ｃを形成している。１１，１
１はマグネツト収納部９の内側面部９ｂと嵌合部
６を連結する連結部で、この連結部１１，１１間
にマグネツト１０より幅背狭な連通路１２が形成
され、これによつて嵌合部６の中空部７がマグネ
ツト収納部９の中空部９ａに連通されている。１
３及び１４はマグネツト収納部９及び連通路１２
を両側から挾むように形成された左右の第１及び
第２の中空室で、夫々の外壁部１３ａ，１４ａの
一端は嵌合部６の基部に連結され、他端はマグネ
ツト収納部９の側面部９ｄ，９ｄに連結されてい
る。

次に上記構成の作用につき説明する。まずガス
ケツト５を扉３に取着するには嵌合部６の凸部８
の先端を嵌合溝４の入口部４ａに当てがつた後、
強く押込むと、突部８は弾性変形しながら入口部
４ａを通過した後復元して嵌合溝４内に強固に嵌
合され、同時に第１、第２の中空室１３，１４の
外壁部１３ａ，１４ａが扉３の内側面３ａに圧接
された状態に密着される。一方、マグネツト１０
は開口部２の周縁部２ａに吸着されるので、ガス
ケツト５はその両面で開口部２の周縁部２ａと扉
３の内側面３ａに密着され両者間が気密に保持さ
れる。また、マグネツト収納部９は嵌合部６に連
通路１２を介して連結部１１，１１により連結さ
れているので、ガスケツト５の強度が増加でか、
ガスケツト５が扉３の内側面３ａに沿つて波打ち
状になることがなく、また薄形に形成したので扉
３を閉塞する時該ガスケツト５が倒れることもな
い。更に、ガスケツト５には開口部２と外部との
間に３個の中空部即ち第２の中空室１４、連通路
１２、第１の中空室１３を一層に設けたので、ガ
スケツト５の高さが低くでき且つ熱漏洩面積が小
さく断熱性がよい。また、マグネツト収納部９の
内側面部９ｂに開口部９ｃを形成したので、マグ
ネツト１０の挿入作業をこの開口部９ｃを広げて
マグネツト収納部９内の断面積を広げるつつ行う
ことができ、たとえ薄形で強度の弱いマグネツト
１０であつても、変形することなく容易に収納作
業を行うことができる。

尚、本考案は上記実施例に限定されるものでは
なく、例えば嵌合溝４を断熱箱１の周縁部１ａに
設け、ガスケツト５に収納したマグネツト１０を
扉３に吸着させるようにしてもよい等要旨を逸脱
しない範囲で種々変形が可能である。

〔考案の効果〕

本考案は、以上の説明から明らかなように、ガ
スケツトに形成された中空な嵌合部を連通路を介
してマグネツト収納部に連通させ、連通路及びマ
グネツト収納部の両側に２個の中空室を設けたの
で、ガスケツトの薄形化及び強度の向上を達成し
得て熱漏洩面積を減少させるとともに扉の閉塞時
にガスケツトが倒れること並びにガスケツトの波
打ち等の変形を防止でき、断熱箱と扉との間の気
密性を良好に保ち得、且つ総じて断熱性の向上を
図り得、且つマグネツトの収納作業性及びガスケ
ツトの装着作業性の向上をも図り得るという効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は横断面図、第２図はガスケツトの断面図であ
る。 図面中、１は断熱箱、２は開口部、３は扉、４
は嵌合溝、５はガスケツト、６は嵌合部、９はマ
グネツト収納部、１０はマグネツト、１２は連通
路、１３は第１の中空室、１４は第２の中空室を
示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断熱箱の開口部にこれを開閉する扉を設け、前
   記扉の閉塞時に両者間をガスケツトにより気密に
   保持するようにしたものにおいて、前記ガスケツ
   トの一面に突設され前記扉と開口部周縁の一方に
   設けられた嵌合溝に嵌合される中空な嵌合部と、
   前記扉と開口部周縁の他方に吸着するマグネツト
   を内蔵するとともに該マグネツトよりも幅狭な連
   通路を介して前記嵌合部内に連通するマグネツト
   収納部と、前記連通路及びマグネツト収納部を両
   側から挾むように形成された２個の中空室とを具
   備してなる断熱箱のガスケツト装置。