JPH0139613B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、絶縁体の外周を全面接地層化した収
納部の収納キヤツプに取付けられた限流ヒユーズ
を、収納本体から離脱した後、作業空間まで移動
するようにして限流ヒユーズ着脱時の作業性を改
善した限流ヒユーズの着脱を容易にした電力供給
装置に関する。

従来の電力供給装置として、例えば、第１図乃
至第４図に示すような気中開閉器を持つたものが
あり、限流ヒユーズが碍子１及び保持部２に支持
設置され、限流ヒユーズ３には溶断と同時に突出
する溶断表示部４が内蔵されている溶断表示部４
はレバー係止片６をトリガーし、レバー７等を介
してトリツプすることによりばね９を作動させ、
碍子５側の接点と限流ヒユーズ３側の接点を開放
する。尚、８は消弧室である。

以上の構成において、短絡等の事故が発生する
と、限流ヒユーズ３が溶断し、溶断表示部４が突
出し、レバー係止片６およびレバー７等を作動さ
せてスプリングをトリツプし、その蓄積エネルギ
ーによつて、開閉器接点を開放する（アークはア
ーク接点間で消弧室８において消弧される）（第
３図及び第４図参照）。

しかし、昨今、電力供給装置に対し、土地、建
物の有効利用を図るため、小形化の要請、又、保
守コストを低減するため、保守作業軽減の要請が
ますます強くなると共に、労働災害対策の見地か
ら安全性向上の要請が強くなつてきているにもか
かわらず、従来の電力供給装置にあつては、例え
ば、碍子１，５等が累積汚損して沿面抵抗が低下
するため、小形化に限度が生じるとともに安全性
が低下する恐れがあり、更に、沿面抵抗を所定の
値に維持するための保守頻度も増加する恐れがあ
る。

本発明は、上記に鑑み、小形化、安全性及び保
守性の向上を図りながら限流ヒユーズ着脱時の作
業性を改善するため、絶縁体の外周を全面接地層
化した限流ヒユーズ収納部を、収納本体及び所定
の沿面特性に必要な弾性嵌合強度を有して該収納
本体と嵌合する収納キヤツプより構成し、該収納
キヤツプを前記弾性嵌合強度に抗して着脱する収
納キヤツプ昇降機構と取り外した前記収納キヤツ
プを作業空間へ移動するレール手段を設けた限流
ヒユーズ収納部の沿面特性を向上した電力供給装
置を提供するものである。

以下本発明の限流ヒユーズの着脱を容易にした
電力供給装置を詳細に説明する。

第５図乃至第１２図は、本発明の一実施例を示
す。第５図乃至第１０図において、装置の主要部
の具体的構成を示す。又、第１１図及び第１２図
において、収容本体２０の正面構成及び側面構成
（一部截断）を示し、ヒユーズ引出用扉１８及び
１９のある収容本体２０の正面にて保守作業が行
われることを示している。

第５図及び第６図（第５図のＡ−Ａ断面図）に
おいて、装置は収容本体２０の中に、外表面がメ
タリコン処理されたエポキシ樹脂製の筒体２１、
並びに、外表面が導電性ゴムで覆われたゴム製の
モールド体であつて、負荷側ケーブル２２との接
続部を密閉被覆する機器直結形ストレスコーン
（ケーブルヘツド）２３及びヒユーズ挿入口を密
閉被覆するキヤツプ２４から成るヒユース収納ケ
ース２５と、一端をチユーリツプコネクタ２６を
介し、又、他端をキヤツプ２４に着脱自在に支持
固定させ、埋込み導体２７及び引出導体２８を介
し、夫々の端部を外部回路に電気的接続をする限
流ヒユーズ２９と、一端を限流ヒユーズ２９と光
学的に結合し、キヤツプ２４に埋設固定する光フ
アイバー３１と、光フアイバー３１の他端にて光
を検出し、該検出信号を処理し、プランジヤー３
２を突出させてトリツプレバー３３を押しあげ
（ラツチを外す）、例えば、第９図に示すような、
光フアイバー３１で伝送される限流ヒユーズ２９
の溶断時の発光を検出するフオトトランジスタ
Q₁、この検出信号を増巾するトランジスタQ₂及
びトランジスタQ₂の出力電流によつて付勢され、
プランジヤー３２を突出させるトリツプコイル
TCから成る信号処理部３４（機構部）と、軸３
５に係止するハンドル３６によつてエネルギーが
蓄積されるスプリング３７と、SF₆ガスで満たさ
れ、該ガス圧低下によつて動作するインターロツ
ク機構を有するガス室３８、並びに、該ガス室３
８に設定され、導体３９を介して、導体２８と電
気的接続する電極であつて、スプリング３７の放
出エネルギーで上方向に移動し、その移動時、先
端ノズル４３からパイプ４１内のガスを噴出する
機構を有する可動電極４４及びエポキシ樹脂４５
にモールド固定された電極であつて、一端をチユ
ーリツプコネクタ４２を介して可動電極４４に接
触し、他端を電源側ケーブル４６に電気的接続
し、該接続部を外表面を接地層化したゴム製の絶
縁補強部４７で密閉被覆した導体４８ａに接続さ
れた固定電極４８と、キヤツプ２４の一部と嵌合
結合し、該キヤツプ２４と一体化する摺動レール
５１と、該レール５１を摺動させるガイドレール
５２と、レール５１及び５２を上・下移動して、
キヤツプ２４を筒体２１に着脱するラツクジヤツ
キ５３と、V₀（零相電圧）検出部５４と、事故電
流を検出すると共に制御電源用バツテリーを充電
する電力を供給する変流器５５と、事故検出回路
からの信号を表示する表示部５６と、ハンドル等
による軸５７の回動操作によつて、入・切となる
接地・試験用端子５８とを有し、キヤツプ２４及
び絶縁補強部２３で被覆されない筒体２１の外周
面にメタリコン処理を施し、該外周面とキヤツプ
２４及び機器直結形ストレスコーン２３の導電性
ゴムで覆われた外周面を、集電部分６１及び６２
を介して電気的接続し、ケーブル２２の半導電層
６３（第７図のケーブル断面図参照：６４……導
体、６５……半導電層、６６……絶縁層、６７…
…シース）と共に接地し、限流ヒユーズ収納ケー
ス２５等を外周面接地層化する構成となつてい
る。又、絶縁補強部（ケーブルヘツド）４７、接
地・試験用端子５８のキヤツプ等も、同様に外周
面接地層化構造となつている。

尚、装置は第５図で示すように、常用（第５図
の左側部分）及び予備（第５図の右側部分）の２
系統を有し、その電気回路は第８図に示すように
なつている（第８図における各符号は既述の通り
で、Trはトランスであり、４９は開閉器部分で
ある）。又、装置は、３相の各相に対し、上記構
成を有し、第６図に示すように、Ｒ，Ｓ，Ｔの各
相用の限流ヒユーズ収納ケース２５Ｒ、２５Ｓ，
２５Ｔ等を収納本体内に整然と設置し、キヤツプ
２４Ｒ，２４Ｓ及び２４Ｔを摺動レール５１に一
括して結合する構成となつている。

以上の構成において、限流ヒユーズ溶断検出系
は、限流ヒユーズ溶断時の発光により光フアイバ
ーケーブルの入力端で露光を受け、光フアイバー
ケーブルの出力端の信号処理部で信号を入力処理
することによつて開閉器動作信号を出力するよう
になつており、可動部を持たないので、ヒユーズ
溶断を適確に検出して制御することができると共
に、溶断検出系の構成を簡単に、かつ、小形にす
ることができる。

又、限流ヒユーズ収納ケースは、ゴム製キヤツ
プを筒体に深くかつ弾性嵌合強度を有して被せ、
沿面距離を長くしかつ両部材間の密着度を高めて
沿面絶縁（界面絶縁）を確実にし、可動部を持た
ないヒユーズ溶断検出系を用いて、ケースを密閉
すると共に、ケーブルの半導電層とメタルコン処
理した収納部接地層を接続して外周を全面接地層
化した構成となつている。そのため、限流ヒユー
ズ収納ケースを小形にしても、ヒユーズ等の導体
部と大地間の絶縁を確実にすることができる。
又、累積汚損が生じても、沿面絶縁の低下を来す
こともないので、保守を頻繁にする必要がない。
更に、前記全面接地層化によつて、ケース等の絶
縁体に電位を持つことがないので感電事故の心配
もない。

一方、限流ヒユーズ溶断後のヒユーズの交換に
際し、第１０図に示すように、矢印Ｂの方向で、
ハンドル等を用いてギヤ６８を回転し、ラツクジ
ヤツキ５３を上方向の所定位置、即ち、第１１図
に示すヒユーズ引出用扉１８，１９等の位置にま
で移動し、該扉から摺動レール５１の把手６９を
操作して、第１２図に示すように、ストツパによ
る制御を受ける位置まで、摺動レール５１を水平
方向（ラツクジヤツキの移動方向に略直交する方
向）に引き出す。この操作において、キヤツプ２
４Ｒ，２４Ｓ及び２４Ｔは摺動レール５１と同一
の動きをし、各キヤツプは同時に、キユービクル
２０の前面に引き出され、各キヤツプに支持固定
している限流ヒユーズも、収納本体２０前面に引
き出される。この状態にて、全ての限流ヒユーズ
を交換し、再び把手６９を操作して、摺動レール
５１をキユービクル２０の中に押し入れ、ギヤ６
８を矢印Ｂと反対方向に回転し、ラツクジヤツキ
５３を下げて、限流ヒユーズを筒体に挿入すると
共にキヤツプを筒体に被す。

上記のように、溶断したヒユーズをラツクジヤ
ツキ、摺動レール等を利用して、収納本体の前
面、即ち、作業空間に引き出すことができるの
で、キユービクル内に保守作業のための空間を設
ける必要がなく、装置のより小形化を進めること
ができる。又、キユービクルの外でヒユーズ交換
作業の大半を行うことができるので、作業性が向
上する。

尚、本発明は、ヒユーズを移動する機構を上記
実施例に限定するものではなく、例えば、リン
ク、チエン等で構成し、少なくとも２次限的な動
きをする機構であればよい。又、電力供給装置と
して、ガス開閉器を用いたものに限定するもので
はない。

以上説明したように、本発明による限流ヒユー
ズの着脱を容易にした電力供給装置によれば、絶
縁体の外周を全面接地層化した収納部の収納キヤ
ツプに取付けられた限流ヒユーズを、収納体から
離脱した後、作業空間まで移動するようにしたの
で、小形化、安全性及び保守性の向上を図りなが
ら、限流ヒユーズ着脱時の作業性を改善すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は、従来の限流ヒユーズ付気
中開閉装置を示す図である。第５図は、本発明の
一実施例の構成を示す図である。第６図は、第５
図のＡ−Ａ断面を示す図である。第７図は、公知
のケーブルの断面を示す図である。第８図は、本
発明の一実施例の電気回路を示す図である。第９
図は、本発明の一実施例のヒユーズ溶断検出部の
構成を示す図である。第１０図は、本発明の一実
施例の作動を示す図である。第１１図は、本発明
の一実施例の収納本体の正面を示す図である。第
１２図は、本発明の一実施例の収納本体の側面を
示す図である。 符号の説明、１，５……碍子、２……保持部、
３……限流ヒユーズ、４……溶断表示部、６……
レバー系止片、７……レバー、８……消弧室、９
……ばね、１０……アーク接点、１１……開閉
器、２０……本体、２１……筒体、２２……負荷
側ケーブル、２３……機器直結形ストレスコーン
絶縁補強部、２４……キヤツプ、２５……限流ヒ
ユーズ収納ケース、２６，４２……チユーリツプ
コネクタ、２７……埋込み導体、２８，３９……
導体、２９……限流ヒユーズ、３１……光フアイ
バー、３２……プランジヤー、３３……トリツプ
レバー、３４……信号処理部、３５，５７……
軸、３６……ハンドル、３７……スプリング、３
８……ガス室、４１……パイプ（消弧室）、４３
……ノズル、４４……可動電極、４５……モール
ド部、４６……電源側ケーブル、４７……機器直
結形ストレスコーン絶縁補強部、４８……固定電
極、４９……開閉器部分、５１……摺動レール、
５２……ガイドレール、５３……ラツクジヤツ
キ、５４……V₀（零相電圧）検出部事故捜査信号
検出部、５５……変交流器、５６……表示部、５
８……接地・試験用端子、６１，６２……集電
部、６３，６５……半導電層、６４……導体、６
６……絶縁層、６７……シース、６８……ギヤ、
６９……把手。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 開閉器とその負荷側に設けられた限流ヒユー
   ズで構成する電力供給装置において、 前記限流ヒユーズを収納する収納本体、および
   該収納本体と弾性嵌合し、該限流ヒユーズを支持
   固定する収納キヤツプより構成され、外周全面が
   接地層化された収納部と、 前記収納キヤツプを前記収納本体に着脱し、前
   記収納本体から離脱した前記限流ヒユーズを作業
   空間まで移動する昇降およびレール手段とを具備
   することを特徴とする限流ヒユーズの着脱を容易
   にした電力供給装置。