JPH0139200Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業の利用分野） この考案は、通称ヤニ取りパイプと称せられる
タバコホルダーに関する。

（背景技術） この出願人が提案した、透明体で構成したパイ
プ本体の煙道の途中に、軸部と細孔を有する円板
部とから成る一体成形の有彩色のタール抽出体を
嵌着して前記細孔が前記煙道内壁と若干の間隙を
設けて対向するように構成し、もつてタール類を
前記軸部の回りの煙道へ附着させるように成した
従来のタバコホルダーは、細孔と煙道内壁との間
の間隙を小ならしめなくてはならないので、この
部分で抽出されたタール類による目詰まりが生じ
易いという欠点があつた。

（技術的課題） この考案は、抽出されたタール類によつて細孔
が目詰まりするのを可及的に防止した、構造簡単
で成形容易かつ組立簡単なタール抽出体を有する
タバコホルダーを提供することを技術的課題とす
る。

（技術的手段） 上述した技術的課題を達成するためにこの考案
は、透明体で構成したパイプ本体内部に、タバコ
挿入口とこのタバコ挿入口よりも小径の煙道を軸
方向に設け、この煙道と前記タバコ挿入口との間
に軸部と複数の細孔を有する円板部とから成るタ
ール抽出体を嵌着して前記細孔が前記煙道の内壁
と若干の間隙を設けて対向するように構成したも
のにおいて、前記円板部を第一板状部とし、これ
を軸部と一体に成形して構成すると共に、第一板
状部に設ける細孔を中央部に位置させて設けてこ
の第一板状部をタバコ挿入口の底部に嵌着せし
め、前記軸部に第一板状部よりも小径で銅板製の
第二板状部を該第一円板部の細孔に対向させて若
干の間隙を設けて嵌着させ、この第二板状部を煙
道内部に周囲に若干のギヤツプを設けて収納させ
たものである。

（作用） 上述したように構成することによりこの考案
は、第一板状部に設けられた細孔が中央部へ寄る
と共に、タール抽出体によつて抽出されるタール
類は第二板状部上へ附着し軸部の方へ流れるの
で、目詰まりが生ずるのを極力防止できる他、第
二板状部を第一板状部とは別体に構成したので、
第一板状部を軸部と一体に成形をする際に高価で
複雑な成形用の割り型を使用しなくとも成形でき
る上に、第二板状部を銅板製とし軸部へ嵌着させ
る構成としたので、銅イオンによる殺菌効果によ
り雑菌が混入し易い煙道内部を殺菌でき、かつ組
立ても容易となるものである。

（実施例） 図面に依れば、１は円筒状のタバコ挿入部２
と、このタバコ挿入部２に続いて設けられた、吸
口側に段部３ａを有する略偏平状の吸口部３とか
ら成る、透明の合成樹脂で成型して構成したホル
ダー本体であり、タバコ挿入部２には大径のタバ
コ挿入口４が、吸口部３にはタバコ挿入口４より
も小径の、断面ラツパ型を呈した煙道５が各々設
けられ、互いに連通してパイプ本体１内を軸方向
へ貫通している。

６はタール抽出体であり、このタール抽出体６
は同じく合成樹脂製の軸部６ａと、この軸部６ａ
の上部に一体に設けられた、複数の細孔７，７，
７…を有する円盤状を呈した第一板状部６ｂと、
この第一板状部６ｂと若干の間隙を設けて軸部６
ａに嵌着された銅板製の第二板状部８とから構成
されている。尚、この第二板状部８の端部に設け
られた突起８ａ，８ａ，８ａは、これがないとお
互いが重なり合つて密着してしまい、組立時に互
い分離させなくてはならないのだ、これを防止す
るためのものである。そして、このタール抽出体
６は、軸部６ａを煙道５内へ弛挿させつつ、第一
板状部６ｂをタバコ挿入口４の底部へ嵌着させる
ことによつて、タバコ挿入口４と煙道５との間に
嵌着されると共に、第二板状部８はその周囲は若
干のギヤツプを設けて煙道５内に収納されてい
る。

したがつて、タバコ挿入口４へタバコの一端を
挿入させて喫煙すると、タバコの煙は第一板状部
６ｂに設けた細孔７，７…を通過する際に圧縮さ
れつつ加速され、再び膨張しつつ第二板状部８へ
衝突することにより、所謂、衝撃吸収法によつ
て、タール類がこの第二板状部８へ抽出されるこ
とになる。このタール類の取れ具合は外部より確
認することができ、５〜10本程度のタバコを喫煙
すると煙道５内はタール類で汚れ、吸口部３の出
口まで流れ出るようになるので、これをもつてホ
ルダーの寿命とし、使用を中止し、廃棄するもの
である。勿論、タール抽出体６を取り外して掃除
をして、もう一度使つても良い。

この考案に係るものも、抽出されたタール類
は、吸込時の風圧によつて飛ばされ、或いは所持
中に横に寝かされることにより流動して煙道５へ
附着することになるが、細孔７，７…が従来のも
のより中央部に位置するために、かかるタール類
が細孔７，７…の位置まで達することがないの
で、これらタール類による細孔７，７…の目詰ま
りを可及的に防止できるものである。

また、実施例のように第二板状部８を銅板製に
すると、この銅板がタール類を吸収する他、殺菌
性を発揮するので、衛生的であるという利点があ
る。

（効果） 以上詳細に説明したようにこの考案は、第一板
状部に設けた細孔が従来のものより中央へ寄り、
かつ、煙がこの第一板状部と対向している第二板
状部へ衝突するようにしたので、この第二板状部
で抽出されたタール類は、タール抽出体の軸部へ
附着すると共に、抽出されたタール類の量が多く
なつて所持中にこのタール類が流動して煙道へ附
着するようなことがあつても、細孔へタール類が
詰まるのを極力防止することができるという効果
を奏し得る。

この考案はまた、第一板状部と軸部とを一体に
成形し、この軸部に銅板製の第二板状部を嵌着さ
せる構成としたので、２枚の板状部を若干の間隙
を設けて対向させた状態で一体成形させるものに
較べ、成形型を高価で一回の成形個数も制限され
る割り型としなくとも良いので、安価に製造でき
る他、第二板状部は軸部へ嵌着させる構成とした
ので、組み立ても容易であるという作用効果を合
わせ奏し得る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図はそ
の側断面図、第２図は同正面図、第３図はタール
抽出体の分解斜視図である。 １…パイプ本体、２…タバコ挿入部、３…吸口
部、４…タバコ挿入口、５…煙道、６…タール抽
出体、６ａ…軸部、６ｂ…第一板状部、７…細
孔、８…第二板状部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透明体で構成したパイプ本体内部に、タバコ挿
   入口とこのタバコ挿入口よりも小径の煙道を軸方
   向に設け、この煙道と前記タバコ挿入口との間に
   軸部と複数の細孔を有する円板部とから成るター
   ル抽出体を嵌着して前記細孔が前記煙道の内壁と
   若干の間隙を設けて対向するように構成したもの
   において、前記円板部を第一板状部とし、これを
   軸部と一体に成形して構成すると共に、第一板状
   部に設ける細孔を中央部に位置させて設けてこの
   第一板状部をタバコ挿入口の底部に嵌着せしめ、
   前記軸部に第一板状部よりも小径で銅板製の第二
   板状部を該第一円板部の細孔に対向させて若干の
   間隙を設けて嵌着させ、この第二板状部を煙道内
   部に周囲に若干のギヤツプを設けて収納させたこ
   とを特徴とする、タバコホルダー。