JP3001518U - 喫煙パイプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タバコの煙中のヤニを取る。 【構成】 本体１の一端部にタバコ６の端部が挿入され
る受容口２を形成し、他端部には吸い口３を形成し、受
容口２と吸い口３とを連通部４で連通させる。連通部４
内に、アルミ部材５を本体１の軸方向に設ける。アルミ
部材５の表面には螺旋状の溝５３を形成する。連通部４
内壁と溝５３とで螺旋状の煙の流路が形成される。温度
勾配のあるアルミ部材５表面との接触面積が増大し、従
来よりも多くのヤニを溝５３表面に付着させることがで
きる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、タバコを吸う際に使用する喫煙パイプに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

周知の如くタバコの煙中には、ニコチン、タールが含有されており、健康指向 が強まる今日、タバコの吸い口側に装着するいわゆるヤニ取り用の喫煙パイプが 多く使用されている。 従来のこの種の喫煙パイプは、プラスチックなどの合成樹脂からなる略パイプ 状の本体を有し、自体内に直線状の煙の流路を有するアルミ製の円柱体を当該本 体内に嵌装していた。そしてタバコの燃焼温度は約６００゜Ｃ程度であるので、 この高温の煙と前記円柱体との温度勾配を利用して、当該円柱体表面にヤニを付 着させるようにしていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところでこの種の喫煙パイプは、使い勝手の点から全長が約２〜３cm程度しか ない。そのため前記従来の円柱体に設けられた直線状の流路では、煙と当該円柱 体との接触面積がさほど大きくとれず、十分なヤニ取り効果を期待できなかった 。 これに対し例えば単に接触表面積を増大させるために、円柱体の表面にフラン ジ状のフィンを複数設けることも考えられるが、そうすると、フィンとフィンの 間の環状凹部によどみが生じ、結果的にさほどのヤニ取り効果を得ることができ なかった。

【０００４】 この考案はかかる点に鑑みてなされたものであり、基本的には煙との温度勾配 を利用して、その表面にヤニを付着させてこれを除去する構成を採るが、従来よ りも煙との接触面積を増大させつつしかも煙の流れに淀みを生じさせない喫煙パ イプを提供して、前記問題の解決を図ることを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的達成のため、請求項１では、本体の一端部にタバコの端部が挿入され る受容口を形成すると共に、本体の他端部には吸い口（口にくわえる部分）を形 成し、これら受容口と吸い口とを本体内で連通させ、さらにこの連通部分に略円 柱形状のアルミ部材を本体の軸方向に設け、当該アルミ部材の表面には螺旋状の 溝を形成し、当該溝の一部は受容口に、当該溝の他の一部は吸い口に通じている ことを特徴とするものである。

【０００６】 この場合、請求項２に記載したように、前記アルミ部材の形状を、吸い口側が 径小となる略円錐台形状としてもよい。

【０００７】 さらに請求項３に記載したように、本体の受容口内に段部を形成し、この段部 に係止される円板をアルミ部材の受容口側端面に設け、溝の一部に通ずる通気孔 を当該円板に形成した構成としてもよい。またこの円板はアルミ部材と一体に成 形してもよく、材質を代えて別体としてもよい。

【０００８】 またこれらの場合、請求項４に記載したように、本体内の連通部分におけるア ルミ部材と吸い口との間に、フィルタ、例えば活性炭フィルタを設けてもよい。

【０００９】

【作用】

請求項１によれば、本体内の連通部分内壁と、この連通部分に設けられたアル ミ部材表面の螺旋状の溝の部分とによって、螺旋状の煙の流路が形成される。そ して当該溝の一部は受容口に、他の一部は吸い口に通じているので、受容口にタ バコの端部を嵌入して吸い口から吸うと、タバコの煙は受容口から前記螺旋状の 流路を経て吸い口へと流れる。 そして前記螺旋状の流路はアルミ部材表面の溝によって形成されたものである から、タバコの煙は螺旋状の流路を流れている間、このアルミ部材表面と接触す ることになる。従って、従来よりも大幅に長い間、温度勾配のあるアルミ部材表 面と接触するので、従来よりもヤニ取り効果は大きいものである。

【００１０】 請求項２によれば、ヤニ取りに関する作用効果は、前記請求項１と同様である が、アルミ部材の形状が吸い口側が径小となる略円錐台形状であるから、本体の 連通部分にアルミ部材を設ける場合、受容口側から圧入固定することが簡単であ り、製造が容易なものとなっている。

【００１１】 さらに請求項３のように構成すれば、螺旋状の流路を介して、受容口と吸い口 とを連通させる構成を採ることが簡単であり、また本体内への圧入固定する場合 、円板がいわばストッパの役目を担うので、位置決めが容易で製造しやすいもの となっている。

【００１２】 請求項４によれば、アルミ部材と吸い口との間に、さらにフィルタが設けられ ているので、このフィルタによって、さらに煙中のヤニ（ニコチン、タール）を 除去することが可能となり、前出螺旋状の流路によるヤニ取り作用と相俟って、 極めて大きいヤニ取り効果が得られるものである。

【００１３】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明すれば、図１は本実施例に係る 喫煙パイプにおける本体１の平面断面、図２は同側面断面、図３は受容口側端面 、図４は吸い口側端面を示しており、この本体１は合成樹脂の射出成形によって 構成されている。そしてこの本体１の一端部（図１、図２の左側）には、タバコ の端部が嵌入される円形の穴によって構成される受容口２が、他端部には長方形 の穴によって構成される吸い口３が各々形成されており、これら受容口２と吸い 口３とは本体１内の連通部４によって連通している。

【００１４】 本体１の外形は、受容口２の部分までは同径であるが、連通部４からは漸次径 小かつ次第に偏平となっていく形状を有し、吸い口３部分の外形は図４に示した 通り、口にくわえやすい略偏平楕円形状となっている。

【００１５】 前記受容口２は、その開口端内部付近がテーパ状に広がりタバコの端部が挿入 しやすい形状となっており、さらに奥側にいくにつれて、第１段部２１、さらに 第２段部２２、第３段部２３が順次形成されている。このうち第１段部２１はタ バコの端部を係止するためのものであり、第２段部２２は、後述のアルミ部材５ に固着された円板５１の周縁部を係止するためのものである。

【００１６】 前記連通部４の受容口２側半分は、吸い口３側にいくにつれて径小となるテー パ形状をなし、吸い口３側半分は円筒内形をなしている。

【００１７】 かかる構成を有する本体１の連通部４内に、図５、図６、図７に示すような円 板５１、アルミ部材５が設けられる。即ちこのアルミ部材５の頭部となる側には 、円板５１が固着されており、全体として木ネジの先端を切断した形態を有して いる。そして円板５１の周縁部には、通気孔５２が、中心角９０゜おき計４カ所 に設けられており、さらにアルミ部材５の表面には、螺旋状の溝５３が形成され ている。

【００１８】 本実施例においては、この円板５１とアルミ部材５とをアルミ材で一体に成形 している。 そして一体となった両者を図８、図９に示したように、本体１内の連通部４に 固定する。本実施例では、アルミ部材５の先端を吸い口３側に向けて受容部２側 から圧入固定した。この場合アルミ部材５は、その先端にいくにつれて径小とな っており、連通部４のテーパ形状と相俟って、圧入固定しやすいものである。

【００１９】 本実施例は以上のような構成を有しており、使用する場合には図９に示したよ うに、従来のこの種のヤニ取り用の喫煙パイプと同様、タバコ６の吸い口側端部 を受容口２内に嵌入するだけでよい。

【００２０】 そうして吸い口３からタバコ６を吸うと、その煙は図中の矢印に示したように 、円板５１の通気孔５２、この円板５１と第３段部２３との間の空隙、アルミ部 材５表面の溝５３と連通部４内壁との間の流路、そしてアルミ部材５と吸い口３ との間の空間Ｓを経て、吸い口３へと流れていく。そうすると、同図からもわか るように、アルミ部材５の表面の溝５３が螺旋状であるため、その部分の流路の 長さは極めて長くなっている。即ち、当該部分において煙がアルミ部材５と接触 する部分の面積が極めて多くなっている。

【００２１】 その結果、この接触部におけるアルミ部材５との温度勾配によって、煙中のニ コチン、タールなどは、溝５３表面に付着し、従来よりも接触面積が大きい分、 付着するヤニの量も多くなり、従来よりも大幅なヤニ取り効果が得られるもので ある。しかも螺旋状の流路自体には、障害物がなく、煙の流れが淀むような場所 はない。したがって、極めて効率よく、しかも無駄なくヤニを付着させることが できるのである。

【００２２】 なお前記実施例では、アルミ部材５と円板５１とを同一材質で一体成形したが 、もちろんこれに限らず、例えば円板を合成樹脂で構成し、アルミ部材５を連通 部４内に圧入した後、円板を第２係止段部２２に係止させて、これを例えば受容 口２内周壁と接着するように構成してもよい。

【００２３】 さらに前出連通部４内の空間Ｓ内に、活性炭フィルタを始めとして各種フィル タを別途設ければ、このフィルタによってさらにタバコの煙中のニコチン、ター ル等を除去することができ、さらにすぐれたヤニ取り効果が得られる。

【００２４】

【考案の効果】

請求項１によれば、従来この種のヤニ取り用の喫煙パイプよりも長い間、温 度勾配のあるアルミ部材表面と接触するので、従来よりもヤニ取り効果は大きい ものである。 また螺旋状の溝を形成する加工は、既存のネジ溝形成の技術をそのまま転用で きるので、製造が容易でコストも低廉に抑えることが可能である。

【００２５】 請求項２によれば、ヤニ取りに関する作用効果は、前記請求項１と同様である が、本体の連通部分にアルミ部材を設ける場合、受容口側から圧入固定すること が簡単であり、製造がさらに容易なものとなっている。

【００２６】 請求項３によれば、アルミ部材を介しての受容口と吸い口とを連通させる構成 を採ることが簡単であり、また本体内への圧入固定する場合、位置決めが容易で 製造しやすいものとなっている。

【００２７】 請求項４によれば、フィルタによっても煙中の有害物質を除去することができ 、前出螺旋状の流路によるヤニ取り作用と相俟って、極めて大きいヤニ取り効果 が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る喫煙パイプの本体の平面断面図で
ある。

【図２】実施例に係る喫煙パイプの本体の側面断面図で
ある。

【図３】実施例に係る喫煙パイプの本体の正面図であ
る。

【図４】実施例に係る喫煙パイプの本体の背面図であ
る。

【図５】実施例に係る喫煙パイプに用いた円板の正面図
である。

【図６】実施例に係る喫煙パイプに用いたアルミ部材の
側面図である。

【図７】実施例に係る喫煙パイプに用いたアルミ部材の
外観を示す斜視図である。

【図８】実施例に係る喫煙パイプの斜視図である。

【図９】実施例に係る喫煙パイプの側面断面図である。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 受容口 ３ 吸い口 ４ 連通部 ５ アルミ部材 ５１ 円板 ５２ 通気孔 ５３ 溝

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体の一端部にタバコの端部が挿入され
   る受容口を形成すると共に、本体の他端部には吸い口を
   形成し、これら受容口と吸い口とを本体内で連通させ、
   さらにこの連通部分に略円柱形状のアルミ部材を本体の
   軸方向に設け、当該アルミ部材の表面には螺旋状の溝を
   形成し、当該溝の一部は受容口に、当該溝の他の一部は
   吸い口に通じていることを特徴とする、喫煙パイプ。
2. 【請求項２】 本体の一端部にタバコの端部が挿入され
   る受容口を形成すると共に、本体の他端部には吸い口を
   形成し、これら受容口と吸い口とを本体内で連通させ、
   さらにこの連通部分に、吸い口側が径小となる略円錐台
   形状のアルミ部材を設け、アルミ部材の表面には螺旋状
   の溝を形成し、当該溝の一部は受容口に、当該溝の他の
   一部は吸い口に通じていることを特徴とする、喫煙パイ
   プ。
3. 【請求項３】 本体の受容口内に段部を形成し、この段
   部に係止される円板をアルミ部材の受容口側端面に設
   け、溝の一部に通ずる通気孔を当該円板に形成したこと
   を特徴とする、請求項１又は２に記載の喫煙パイプ。
4. 【請求項４】 本体内の連通部分におけるアルミ部材と
   吸い口との間に、フィルタを設けたことを特徴とする、
   請求項１、２又は３に記載の喫煙パイプ。