JPH0138957Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はプリント基板に電子部品のリード線
を挿入装着する作業に用いられるプリント基板組
立パレツトに関するものである。

従来、プリント基板組立パレツトにおいて、プ
リント基板の両端を支持する桟の間隔調整および
固定は、プリント基板の大きさに合せて、上記桟
をネジなどで調整しながら締付固定する方法が採
られていた。

この方法によると、機種切替に伴う桟の調整、
締付に多大な労力と時間とを要し、多機種少量生
産の場合、全体的な作業能率の低下をきたす欠点
があつた。

このような事情から、プリント基板の位置決め
が容易な機種切替時間の少ないプリント基板組立
パレツトの提案が要請されていた。

この考案は上記のような要請に呼応してなされ
たもので、パレツト本体の上面に凸形または凹形
のフアスナーシートを貼着するとともに、プリン
ト基板の両縁部を係合保持する複数の桟の平行間
隔を上記プリント基板の幅寸法に合わせて選択的
に調整できるように上記パレツト本体のフアスナ
ーシートに係脱自在に係合するフアスナーシート
を上記各桟の下面に貼着したもので、きわめて簡
単な構成により多機種少量生産のプリント基板組
立作業を改善できるプリント基板組立パレツトを
提供するものである。

以下、この考案の実施例を図面にもとづいて説
明する。

第１図はこの考案の一実施例にかかるプリント
基板組立パレツトの使用状態を示す正面図であ
る。この図において、１は電子部品、２はプリン
ト基板、３は桟、４は凸形フアスナーシート、５
は凹形フアスナーシート、６はパレツト本体であ
る。

第２図は上記両フアスナーシート４，５の斜視
図、第３図は第２図の側面図、第４図は両フアス
ナーシート４，５の結合状態の側面図である。両
フアスナーシート４，５はマジツクテープという
商品名で市販されているもので、互いに向い合せ
て加圧密着すると、それらの化学繊維などで形成
された無数の係合子４ａ，５ａ同士が係合し、か
つ一定以上の力を加えないと両係合子４ａ，５ａ
間を分離できないという性質をもつている。

第５図は第１図の電子部品１、プリント基板２
を除いた状態の平面図、第６図は第５図のＡ−Ａ
線断面図である。パレツト本体（第６図）６は平
面的に矩形枠状に形成され、かつパレツト本体６
の相対向した１対の長辺部上面には、第５図のよ
うに上述した凹形フアスナーシート５，５が帯状
に形成されて接着剤などで貼付けられている。一
方、各桟３の上面側にはプリント基板２の端部を
保持する切欠部３ａが設けられ、また各桟３の下
面には、上述した凸形フアスナーシート４が帯状
に形成されて接着剤などで貼付けられている。

上記構成においては、３本の桟３のうち、たと
えば右端の桟３をその凸形フアスナーシート４に
よりパレツト本体６の２条の凹形フアスナーシー
ト５，５に係着固定しておく。そして、現物のプ
リント基板２，２の大きさに合せて中央および左
端の桟３，３の間隔を順次決定し、これら中央お
よび左端の桟３，３をそれらの凸形フアスナーシ
ート４によりパレツト本体６の２条の凹形フアス
ナーシート５，５に係着固定したのち、この係着
固定と同時に各桟３，３間に保持されたプリント
基板２の各孔（図示せず）に所定の電子部品１の
リード線（第１図）１ａを挿入装着するのであ
る。

また、各機３の取外しは、各桟３を両フアスナ
ーシート４，５間の結合力に抗して、手で強く引
つ張ることにより簡単に行うことができる。

上記のように各桟３はパレツト本体６に対し、
１対のフアスナーシート４，５を介して取付ける
ことにより、機種切替時のプリント基板２に合せ
ての桟３の位置合せと保持が同時に、しかも誰に
でも迅速にできることになり、多機種少量生産の
プリント基板組立作業を効果的に行わせることが
できる。

上記実施例では、３本の桟３はパレツト本体６
に対して全て着脱自在としたが、桟３の使用目的
からすると、桟３の使用本数に応じて、そのうち
の１本あるいは数本を始めからパレツト本体６に
固定しておくことができる。その際、桟の固定位
置をどこに設定するかは、プリント基板２の大き
さに合せて適切に決定される。また、上記実施例
では、凸形フアスナーシート４は帯状として桟３
の下面全体に貼付けたが、この凸形フアスナーシ
ート４は相手側の２条の凹形フアスナーシート
５，５に対応する部分、つまり桟３の下面両端だ
けに設けることができる。さらに上記実施例の場
合とは逆に、凹形フアスナーシート５を桟３側
に、凸形フアスナーシート４をパレツト本体６側
にそれぞれ設けることができる。

また、上記実施例では、パレツト本体６は矩形
枠状に形成されているが、これはつぎの理由によ
るものである。その１つは第１図に示された電子
部品１のリード線１ａが長い場合でも、そのリー
ド線の当たりを回避して、そのリード線をプリン
ト基板に正確に挿入させるためである。また、他
の１つは第１図のようにプリント基板２に各種の
電子部品１が完全に装着されたのち、これらを第
１図に示されたままの状態で一時的に保管すると
き、パレツト本体６上に各桟３を介してつぎのパ
レツト本体（図示せず）を、各電子部品１を押圧
することなく重合し、保管スペースを小さくでき
るためである。

以上のように、この考案によればパレツト本体
の上面に凸形または凹形のフアスナーシートを貼
着するとともに、プリント基板の両縁部を係合保
持する複数の桟の平行間隔を上記プリント基板の
幅寸法に合わせて選択的に調整できるように上記
パンフレツト本体のフアスナーシートに係脱自在
に係合するフアスナーシートを上記各桟の下面に
貼着したので、プリント基板組立パレツトとして
プリント基板の支持がきわめて確実となり、しか
もその構成が著しく簡単で、特に多機種少量生産
のプリント基板組立作業を大幅に改善することが
できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例にかかるプリント
基板組立パレツトの使用状態の正面図、第２図は
フアスナーシートの斜視図、第３図は第２図の側
面図、第４図はフアスナーシート同士の結合状態
の側面図、第５図は第１図の電子部品、プリント
基板を除いた状態の平面図、第６図は第５図のＡ
−Ａ線断面図である。 ２……プリント基板、３……桟、３ａ……切欠
部、４，５……フアスナーシート、６……パレツ
ト本体。なお、図中、同一符号は同一または相当
部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パレツト本体上で互いに平行に対向しかつ上縁
   部にプリント基板の両縁部を係合保持する切欠部
   を設けた複数の桟と、上記パレツト本体の上面に
   貼付けられた凸形または凹形のフアスナーシート
   と、上記各桟の下面に貼付けられかつ上記パレツ
   ト本体上のフアスナーシートの所定位置に係脱自
   在に係合するフアスナーシートを具備し、上記各
   桟の平行間隔を上記プリント基板の幅寸法に合わ
   せて選択的に調整可能に構成してなるプリント基
   板組立パレツト。