JPH0138527Y2

JPH0138527Y2 -

Info

Publication number: JPH0138527Y2
Application number: JP1981039341U
Authority: JP
Priority date: 1981-03-20
Filing date: 1981-03-20
Publication date: 1989-11-17
Also published as: JPS57153256U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、医用分析装置、特に血清中のタン
パク濃度測定等に用いられる生化学分析装置に好
適なターンテーブルに関するものである。

血清中のタンパク濃度を測定する方法の一つと
して、レーザ光源を使用する分子光散乱分析法が
知られている。この分析法による分析装置は、同
一の光軸上に配置されたレーザ光源および受光検
出器と、複数のキユベツト（試料収納容器）をレ
ーザ光線を横切る高さ位置において同心的に担持
するターンテーブルとを備え、ターンテーブルを
一定時間間隔で間欠的に回転させて、キユベツト
の各々に順次レーザ光線を照射するように構成さ
れている。この場合、キユベツト内の試料（血
清）に試薬（抗血清剤）を添加した直後に１回目
のレーザ照射を行なつて初期散乱光度を測定し、
孔原抗体反応の進行による混濁度を求めるため所
定時間経過後に第２回目のレーザ照射を行い、そ
の時の散乱光度と初期散乱光度とを比較すること
により、試料中のタンパク濃度の測定がなされ
る。このような装置においては、キユベツトがタ
ーンテーブルにしつかりと固定されていないと、
そのガタツキにより試料内の抗原抗体反応物が揺
動し、散乱光度の測定値に誤差が生ずる虞れがあ
る。これは、比色分析法による分析装置のターン
テーブルについても同様である。このため、従来
では、例えば実願昭53−119073号（実開昭55−
36350号）に見られるように、ターンテーブル上
のキユベツトを装着する凹部内にコイルスプリン
グにより付勢されたロツクスペーサを出没自在に
取付けて、このロツクスペーサにてキユベツトを
固定するようにしている。しかしながら、試料の
処理能力を上げるため、このままの構造でより多
くのキユベツトを装着できるように設計すると、
ロツクスペーサ部との関係上ターンテーブルの外
径がかなり大きなものとなり、また、構造的にも
複雑になつてしまうという欠点があつた。

したがつて、この考案の目的は、コンパクトで
ありながら、より多くのキユベツトを装着するこ
とができ、しかもキユベツトをしつかりと保持す
ることのできる医用分析装置のターンテーブルを
提供することにある。

以下、この考案の実施例を添付図面を参照して
詳細に説明する。

第１図を参照すると、このターンテーブルに適
用されるキユベツト１（試料収納容器）は、透明
プラスチツク製の有底角筒体からなり、その底部
には、測定部におけるレーザ光線Ａの照射方向へ
の関係においてキユベツトのターンテーブルへの
取付方向を適正に案内するための縦長に形成され
た１対のガイド穴２，２が設けられている。

第２図を参照すると、このターンテーブル１１
は、合成樹脂の射出成形によりつくられた円盤状
部材からなり、その周縁部には、複数（この実施
例では60個）のキユベツト装着部１２が設けられ
ている。この場合、ターンテーブル１１は、図示
しない回転駆動体に対して着脱自在となつてお
り、その回転駆動体側に設けられている取付位置
決め用の１本のガイドピン１３と120゜の間隔をも
つて配置された３本の心出しガイドピン１４の
各々と協働するガイド孔１５および１６を備えて
いる。各キユベツト装着部１２は、第３図ないし
第６図に示されているように、このターンテーブ
ル１１の回転軸線と平行にのびていて、キユベツ
ト１の外形よりも実質的に大きく形成された角孔
１７を有し、この角孔１７を介してキユベツト１
が着脱自在に取付けられるようになつている。そ
して、この角孔１７の下方には、キユベツト１に
対してレーザ光線Ａを通過させるための１対の窓
２０，２０（第３図）と、キユベツト１のガイド
穴２，２と協働してその取付方向をレーザ光線の
照射方向に合致させるためのガイド片２１，２１
を有する支持部材２２とが設けられている。ま
た、このキユベツト装着部１２は、仕切板１８を
はさんで角孔１７の外側、すなわちターンテーブ
ル１１の中心から見て角孔１７の半径方向外側に
形成された取付孔１９を含み、この取付孔１９を
介してキユベツトロツクスペーサ２３が固定され
るようになつている。ロツクスペーサ２３は、第
７図によく示されているように、基板２４と、こ
の基板２４に対して逆Ｌ字状に取付けられた１対
の弾性に富む舌片２５，２５と、基板２４から上
方に延びている１対のフツク片２６，２６とから
構成されている。このロツクスペーサ２３は、そ
のフツク片２６，２６を弾性変形させながら取付
孔１９の下方から強制的に差込み、それを取付孔
１９の肩部２７，２７（第６図参照）に係合させ
ることにより、キユベツト装着部１２にしつかり
と固定される。この場合、基板２４の背面にはロ
ツクスペーサ２３に取付角度をもたせるための突
起２８が形成されており、これにより舌片２５，
２５がキユベツト１の側面に対して適度の弾性力
をもつて作用するようになされている。したがつ
て、キユベツト１はキユベツト装着部１２の角穴
１７内において、舌片２５，２５の弾性押圧力に
て拘束されることになり、角孔１７に製造上の多
少の寸法誤差があつたとしてもガタを生ずること
なく確実に固定される。なお、このロツクスペー
サ２３は、合成樹脂の射出成形によりつくること
ができる。

上記した実施例の説明から明らかなように、こ
の考案によれば、キユベツト装着部１２内にロツ
クスペーサ２３が設けられているため、角穴１７
に多少の寸法誤差があつたとしても、キユベツト
１は角穴１７内においてガタつくことなく確実に
保持されるため、キユベツト１内の試料の揺れが
極力抑えられ、正確な測定がなされる。この場
合、ロツクスペーサ２３は、弾性に富む押圧舌片
２５を有する小型で構造簡単な一体成形品として
つくることができるため、従来のスプリング押圧
形式のものに比べて、余りスペースをとることな
く、しかも簡単な操作にてキユベツト装着部１２
内に取付けることができる。これに関連して、ロ
ツクスペーサの取付孔をターンテーブルの外周側
に配置したことにより、取付孔の配置間隔をより
大きくとることができ、設計が楽であるととも
に、組立作業上も好都合である。したがつて、タ
ーンテーブルの大形化を招くことなく、より多く
のキユベツト装着部１２を設けることが可能とな
り、ターンテーブル１台当りの収容能力を大巾に
向上させることができ、きわめて実用的である。
また、ターンテーブル自体をも合成樹脂の射出成
形によりつくることができるため、その軽質量化
が図れる。なお、このターンテーブルは、比色分
析法による分析装置等にも適用できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこのターンテーブルに適用されるキユ
ベツトを示す斜視図、第２図はこのターンテーブ
ルの平面図、第３図は第２図における−線に
沿つた断面図、第４図は第３図の−線に沿つ
た断面図、第５図はキユベツト装着部を示した拡
大断面図、第６図はキユベツト装着部の上方のみ
を摘示した斜視図、第７図はロツクスペーサを示
した斜視図である。図中、１はキユベツト、１１はターンテーブ
ル、１２はキユベツト装着部、１７は角孔、１９
は取付孔、２０は窓、２１はガイド片、２３はロ
ツクスペーサ、２４は基板、２５は舌片、２６は
フツク片である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】キユベツトを着脱自在に受入れる複数の環状に
配列されたキユベツト装着部１２を有し、該装着
部１２にセツトされたキユベツト１の各々を分析
測定部に順次送給する化学分析装置のターンテー
ブル１１において、前記キユベツト装着部１２は、前記キユベツト
１より実質的に大きく開口された第１の孔１７
と、該ターンテーブルの半径方向外側において該
第１の孔１７に隣接して設けられた第２の孔１９
と、該第２の孔１９内に着脱可能に取付けられた
ロツクスペーサ２３とを含み、該ロツクスペーサ２３は、前記第１の孔１７内
にその側方から出没し、前記キユベツト１の側面
に弾性的に作用して同キユベツト１を前記第１の
孔１７内において固定するため弾性的な舌片２５
と、前記第２の孔１９に対して釈放可能に係合す
るフツク２６とを備えていることを特徴とする医
用分析装置のターンテーブル。