JPH0138208Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は公共施設、民営プール施設、学校、幼
稚園、保育園等で使用されるプールに関するもの
である。

（従来技術） 一般的にコンクリート製、金属製、合成樹脂製
の組立て式を問わず、プールは平面方形を呈し、
泳ぐ為に必要な水量を貯水する普遍的機能を維持
する働きをすれば十分なものとされてきた。

その為、本格的に水泳をスポーツの一環として
利用するスイマーにとつては使用感を損わず何の
抵抗もなく利用できるものの、幼児や婦女子或い
は初心者等プールを遊戯施設として利用する利用
者にとつては恐怖感が先にたつばかりでなく、万
人が有意義に利用するには配慮が欠けており、決
して親しみのあるものではなかつた。

これを防止する手段としてプールに隣接して大
がかりな滑り台を設ける、波発生装置を設ける、
プール内の貯水を一方向に流す循環システムを設
ける等の工夫をこらして対処しているものの、規
模が大がかりである為、コストアツプを余儀なく
される不具合があつた。

また、コンクリート製、組立て式を問わず、プ
ールは一般的に屋外に設置される為、プールサイ
ドが直射日光で加熱され素足での歩行を困難にし
ているのが通常である。

その為、従来はプールの管理関係の係員や施設
の教師等の関係者がホースやバケツを利用して放
水する人為的な手段を採らざるをえない不具合を
も有していた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案が解決しようとする問題点はスイマーの
みならず、プールを遊戯施設として利用する一般
利用者にとつても有意義に利用できるようにする
と共にプールサイドに水をまくに際し、簡単な構
造でそれを可能にすることである。

（問題点を解決する為の手段） 本考案が講じた技術的手段は次の通りである。
夫々給水枝管に接続した所望長さの２本の水管路
を、デツキ部の長さ方向に沿つて設け、一方の水
管路の長さ方向に適宜間隔をおいて槽内方向で且
つ斜め上方を向けて噴水噴出小孔を、開孔すると
共に、他方の水管路の長さ方向に適宜間隔をおい
て槽外方向で且つ斜め上方を向けて噴水噴出小孔
を、開孔し、夫々の給水枝管の分岐点に３方切替
弁を設けることである。

（作用） 本考案の技術的手段による作用は、一方の水管
路に開孔した噴水噴出小孔から放物線を描いて槽
内に噴出する噴水によつてトンネルを形成すると
共に他方の水管路に開孔した噴水噴出小孔から放
物線を描いて槽外方へ噴出する噴水によつてプー
ルサイドを濡らす。

（実施例） プール本体Ａは多数の底壁用パネルａ１を多数
並設して形成した底壁a′周縁に側壁用パネルａ２
を立設して側壁a″を形成することにより構成した
周知の態様のものである。

側壁用パネルａ２はデツキ部１を一体に備えた
ものであり、このデツキ部１の最外縁には水返し
突部１１が突出形成されている。

水返し突部１１は図示するようにデツキ上面へ
のオーバーフロー水がプールサイドＢへ至るのを
阻止する為に排水溝６の後方、即ちプールサイド
Ｂ側の最外縁を隆起させて内部中空に形成し、下
面を被蓋７でカバーすると共に内部を長さ方向に
沿つて内設した仕切り壁９を介して２つの水管路
８，８′に区画してなり、上面と側面とのコーナ
ーの内、槽内側のコーナーに、一方の水管路８に
連通して噴水噴出小孔２（後述では第１噴水噴出
小孔２と称す）を、槽外側のコーナーに他方の水
管路８′に連通して噴水噴出小孔３（後述では第
２噴水噴出小孔３と称す）を夫々開孔してなり、
この水管路８，８′夫々に給水枝管４″，４を接
続せしめる。

第１噴水噴出小孔２は第２図，第４図に示すよ
うにスタート台を設けていない長辺側のデツキ部
１の上記水管路８全長或いは一部に適宜間隔をお
いて夫々平行となるように開孔する。

第２噴水噴出小孔３はデツキ部１全周の水管路
８′に上記第１噴水噴出小孔２と同様な開孔方法
で開孔する。

給水枝管４″，４は上記第１、第２噴水噴出
小孔２，３に供給する為のもので、一端をプール
の側壁a″に内部と連通状に接続し、中途部に濾過
器（図示せず）を備えたポンプＣを具備する循環
パイプ４′から分岐してなり、その分岐点に設け
た３方切替弁５の操作でプール水をどちらか一方
の水管路８，８′に給水するようになつている。

尚、この給水枝管４″，４は第１、第２噴水
噴出小孔２，３群の全長内に等間隔をおいて数箇
所前記水管路８，８′に接続して噴水がどの小孔
２，３にも均等に行きわたるように配慮する。

切替弁５は、給水枝管４″，４に夫々別個に
給水する為にその給水枝管４″，４の分岐点に
設けられ、当然一方が開の場合には他方が閉状態
で、しかも双方とも閉状態にすることができる電
磁式の３方弁を用いる。

而して、スイツチ（図示せず）をONにし、制
御盤を介して切替弁５を電気的に操作して槽内或
いは槽外へ噴水を噴出させる。

尚、本考案が対象とするプールは全長に亘つて
水深がほぼ変わらない一般の競泳用プールのみな
らず、例えば大人用の深い槽と子供用の浅い槽に
区分けされた二段水深プール等現在使用されてい
るプール全てを対象とする。

第９図は第１、第２噴水噴出小孔２，３の開孔
箇所を側壁用パネルa₂上端の手摺部１０としたも
のであり、斯る手摺部１０から噴水を噴出するよ
うにしても使用勝手上格別の差異はない。

ちなみに第１０図はコンクリート製のプールを
示すものである。この場合には、水返し突部１１
や手摺部８の表層近くに前記小孔２，３として、
噴出ノズルを有する水管路８，８′兼用の給水枝
管４″，４を埋設し、噴出ノズルを表層部分に
開孔した孔内に挿入させてその孔から噴水を噴出
させるようにする。

尚、デツキ部１の一部分に第１噴水噴出小孔２
群を開孔する場合には当然の如くその小孔２群か
ら外れる位置に水管路８の流通を遮断する隔壁を
設けることは言うまでもない。

また、１２は水管路８，８′内の清掃用口で、
第１、第２噴水噴出小孔２，３群下の被蓋７に水
返し突部１１と連通して数箇所大形筒体１３を垂
設し、この筒体１３下端を着脱自在な板材１４で
カバーしてなるもので、板材１４の取り外しによ
り水抜きを行なうと共に清掃具を進入可能とす
る。

第６図は第１、第２噴水噴出小孔２，３開孔方
向を変化させた場合の他の実施例である。

この実施例は夫々の水管路８，８′の長さ方向
に、槽内方向で且つ斜め上方を向く数個の第１、
第２噴水噴出小孔２，３夫々数個が並列状に近接
する第１、第２噴水噴出小孔群２０，３０を、適
宜間隔をおいて設け、この第１、第２噴水噴出小
孔群２０，３０の各小孔２，３の出口を口芯の延
長線上で交差する方向に向かせている。

詳細にはこの第１、第２噴水噴出小孔群２０，
３０は並列状に20mm〜40mm程度の間隔をもつて近
接する２コ一対の小孔２，２，３，３の出口が互
いにその口芯の延長線上で交差するように各水管
路８，８′の管芯を直角な基準線に対して40゜傾斜
させた状態で開孔して、各小孔２，２，３，３か
ら噴出する噴水が噴出した後、互いに衝合して水
の粒が細分化して霧状に落下するようにしてい
る。

［考案の効果］ 本考案は以上のように構成したので、切替弁の
簡単な切替操作によりデツキ部からプール内及び
プールサイド側に放物線を描くように噴水を噴出
させることができる。故に、プールにつかると自
動的に頭部に散水するから恐怖心なく水に慣れる
ことができ、しかも噴水によつて形成されるトン
ネルの中を歩行したり、噴水を通り抜けてトンネ
ル内外へ出入りする等、噴水を１つの遊び手段と
して利用でき、楽しめるプールを供し得る。

しかも、必要に応じてプールサイドに放水でき
るから、プールサイドを冷却できると共にプール
サイドを濡らすことができる。それ故、素足での
歩行の困難性を防止できるばかりでなく、プール
サイドからの塵埃等のプール槽内への進入を阻止
でき、非常に便利なプールを供し得る。

依つて、所期の目的を達成できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案プールの実施例を示し、第１図は
要部の拡大断面図、第２図はプールの部分平面図
で一部切欠する、第３図は第２図の３−３断面
図、第４図は第１、第２噴水噴出小孔部分の平面
図で一部切欠する、第５図は第４図の５−５断面
図、第６図は同部分の他の実施例を示す平面図で
一部切欠する、第７図は清掃口部分の縦断面図、
第８図は第７図の８−８断面図、第９図、第１０
図は他の実施例の拡大断面図である。 尚、図中、１：デツキ部、２：噴水噴出小孔
（第１噴水噴出小孔）、３：噴水噴出小孔（第２噴
水噴出小孔）、４″，４：給水枝管、５：３方切
替弁、８，８′：水管路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 夫々給水枝管に接続した所望長さの２本の水管
   路を、デツキ部の長さ方向に沿つて設け、一方の
   水管路の長さ方向に適宜間隔をおいて槽内方向で
   且つ斜め上方を向けて噴水噴出小孔を、開孔する
   と共に、他方の水管路の長さ方向に適宜間隔をお
   いて槽外方向で且つ斜め上方を向けて噴水噴出小
   孔を、開孔し、夫々の給水枝管の分岐点に３方切
   替弁を設けたことを特徴とするプール。