JPH0137975Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はパワーステアリング保護装置に関し、
更に詳しくはパワーステアリング作動用の圧油を
分流して用いている油圧付属装置が故障した場合
でも、パワーステアリングにその影響が及ばない
ようにしたパワーステアリング保護装置に関する
ものである。

〔従来の技術〕

大型トラツクには通常油圧を利用してステアリ
ングの操向力を軽くするパワーステアリングが標
準装備されている。そして近年、このパワーステ
アリング作動用にオイルポンプで圧力を高められ
た圧油をパワーステアリング以外の油圧付属装
置、例えばキヤブパワーテイルト装置や荷台とプ
ラツトホームとの段差調整装置（車高調整装置）
等に使用しようとする試みが考案者によりなされ
ている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、前記のような油圧付属装置はあ
くまでも補助装置であるにもかかわらず、これら
の装置が故障して油洩れ等が発生すると、重要な
保安装置であるパワーステアリングに圧油が供給
されなくなり、ステアリングの操向力が重くなつ
て事故を起こし易いという欠点がある。

そこでオイルタンクに油面検出装置を取付け、
前記補助的な油圧付属装置に油洩れが発生してオ
イルタンクの油面が設定値まで低下すると、切換
弁を作動させて前記油圧付属装置を切り離すよう
にした特開昭54−45037号公報の発明がある。し
かしながら、この公報の先行技術は、油量が余り
不足しないうちに作動させると通常の油の消耗で
も補助的油圧付属装置が切り離されて正常な動作
が阻害され、また設定値を低く設定すると油が大
量に消耗するまで故障を検出できないという問題
がある。

本考案は、以上の問題に着目して成されたもの
であり、パワーステアリングの油圧回路にパワー
テイルト装置などの油圧付属装置を設け、該油圧
付属装置に油洩れが発生すると、この油洩れを直
接検出して該油圧付属装置を切り離すことのでき
るパワーステアリング保護装置を提供することを
目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

以上の目的を達成するための本考案のパワース
テアリング保護装置の構成は、パワーステアリン
グに圧油を供給する主管路からパワーステアリン
グ以外の油圧装置に前記圧油を供給する分流管路
を分岐して設け、該分流管路に、該管路を開閉す
る電磁弁と、該電磁弁の下流側に、前記分流管路
の油圧が低下すると前記電磁弁を閉止する油圧作
動の油洩れ検出装置を介装したものである。

〔実施例〕

以下、図面を用いて本考案の実施例を説明す
る。

第１図は本考案のパワーステアリング保護装置
の一実施例を示すもので、１はパワーステアリン
グ・オイルポンプユニツトであり、オイルポンプ
１Ａに並列に、フローコントロールバルブ１Ｂお
よびリリーフバルブ１Ｃを内蔵している。２は主
管路、３はパワーステアリングユニツト、４はオ
イルタンクであつて、前記オイルポンプユニツト
１の吸い込み側はオイルタンク４と管路４０によ
り連絡され、吐出側はパワーステアリングユニツ
ト３と主管路２により連絡され、同ユニツト３と
オイルタンク４とは戻り管路２′により連絡され
ている。オイルポンプ１Ａはエンジン（図示せ
ず）により駆動され、パワーステアリングユニツ
ト３には、主管路２を介して常時、制御された油
圧が供給され、ステアリングの操作力を補助でき
るようになつている。

そして分流管路５により主管路２は分流されて
油圧付属装置１４、例えば圧油を逆止弁８Ａを介
して４ポート絞り切換弁８Ｂからパワーテイルト
シリンダ８Ｃに供給し、ピストンロツド８Ｄを移
動させることによりキヤブをテイルトするパワー
テイルト装置８や、圧油をサスペンシヨンに供給
して車高を一定に保つ車高調整装置９に圧油が供
給されるようになつており、これらの油圧付属装
置１４は戻り管路５′によりオイルタンク４に連
絡されている。

なお、通常、前記のような油圧付属装置１４は
エンジンが停止した状態で使用されることがある
ので、油圧蓄積の目的でアキユムレータ１０およ
びアキユムレータ１０に蓄積された圧油の主管路
２への逆流防止用の逆止弁１１が分流管路５に設
けられている。

本実施例ではこのように構成された油圧回路の
前記逆止弁１１と分流管路５の主管路２への接続
点との間に開閉弁である電磁弁７及び油漏れ検出
装置１５を設けた。なお１２は電磁弁７がオンし
たときに点灯するパイロツトランプ、１３はバツ
テリである。

前記油洩れ検出装置１５は、分流管路５の圧力
をシリンダ装置１５Ａのばね１５Ｂで押圧された
ピストン１５Ｃに加え、ピストンロツド１５Ｄの
端部には電磁弁７のオンオフスイツチ１５Ｅが設
けられてなる圧力検知スイツチや、圧力感知弁等
が考えられるが油圧異常時に電磁弁７をオンさせ
て分流管路５を閉止するようなものなら何でも良
い。第１図の装置では油圧付属装置１４のパイプ
が切断する等して油の圧力が急激に降下した時ば
ね１５Ｂによりピストン１５Ｃが右方に押され、
ピストンロツド１５Ｄの端部に設けられたスイツ
チ１５Ｅがオンして電磁弁７を閉じて油の流出を
防ぎ、パワーステアリングの正常動作を妨げない
ように保護する。

〔考案の効果〕

以上説明したとおり本考案のパワーステアリン
グ保護装置を構成したので、パワーステアリング
に圧油を供給する油圧供給管路から分流した管路
に設けたパワーステアリング以外の油圧装置に油
漏れが生じて該分流管路の油圧が低下した場合に
は、該分流管路を遮断するので、パワーステアリ
ングの油圧を確保し、しかも不必要に油を消耗す
る危険を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のパワーステアリング保護装置
の一実施例を示す油圧回路図である。 １……パワーステアリング・オイルポンプユニ
ツト、２……主管路、３……パワーステアリング
ユニツト、４……オイルタンク、５……分流管
路、２′，５′……戻り管路、７……電磁弁、１０
……アキユムレータ、１４……油圧付属装置、１
５……油洩れ検出装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パワーステアリングに圧油を供給する主管路か
   らパワーステアリング以外の油圧装置に前記圧油
   を供給する分流管路を分岐して設け、該分流管路
   に、該管路を開閉する電磁弁と、該電磁弁の下流
   側に、前記分流管路の油圧が低下すると前記電磁
   弁を閉止する油圧作動の油漏れ検出装置を介装し
   たパワーステアリング保護装置。