JPH0137797B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、遠隔温度読取装置、特に、電磁式に
呼びかけ可能なラベルを物体または動物に付着ま
たは植設することによつて、一定距離を隔てて、
そのような物体または動物の温度を読取る装置に
関する。

本発明の目的は、そのような温度読取りを可能
にする装置を提供することである。本発明の他の
目的は、その一定の形式において、物体または動
物の温度読取りのみならず、その物体または動物
の識別についての情報を得るための装置を提供す
ることである。

最近、米国の畜産業界では、全国的に使用する
牛の電子式識別制度の開発の試みが進められてい
る。この全国制度の機能面の仕様が、米国家畜保
存協会によつて立案されている。この仕様によれ
ば、３米の距離から読取ることができ、識別番号
を返送するだけでなく、動物の皮下温度を読み取
つて、病気の有無を検知することのできる植設自
在トランスポンダが必要である。温度は、±0.5℃
の精度および±0.1℃の再現性で、30℃から40℃
の範囲にわたつて読取ることができなければなら
ない。感熱サーミスタによつて周波数が可変なト
ランジスタ発振器を使用した応答器については、
すでに、たとえば、ロス・アルモス科学研究所の
電子式識別に関する1977年10月１日から1978年９
月30日までの中間報告において述べられている。
このようなトランジスタ・リスポンダは複雑で、
畜産業向けに一般的に使用するには高価に過ぎ
る。本発明は、これらの問題に対処できる利点を
有している。

物体と動物の識別の実行に関するかぎり、本発
明の特徴は、「電子式検査装置」と題する米国特
許第3706094に開示された発明に基づいている。
この装置は、表面音波技術に基づく受動符号化ラ
ベルを採用し、無線周波数パルスによる励起によ
つて、情報を含む電磁応答信号を返送する。この
装置の基本的特徴は、純然たる受動的ラベルの価
格が低いこと、および、ラベルと符合読取装置間
の方向と可視性が自由に制限できることである。
これらの特徴のために、この装置は、光学的バ
ー・コード、螢光塗料、磁気帯、トランジスタを
用いた能動トランスポンダなどを含む他の装置に
よつては経済的な仕分け作業が不可能であつた数
多くの無定形の物体にも応用することができる。
可能な応用分野としては、郵便物の仕分け、航空
貨物の地域別および航空路間移し変え、冷凍食品
の表示、第一次産業における家畜および死体の正
確な識別などがある。

本発明は、表面音波技術を利用した受動的ラベ
ルを用いて、ラベルを付着した物体または動物の
温度を正確に測定することができること、およ
び、必要な場合には、このような機能と、前述の
特許明細書記載のラベル識別機能とを組合せるこ
とができるという事実に基づいている。このよう
に、本発明は、基本的な形として、たとえば、植
設自在生医学温度検知器など、ラベル周囲の温度
を電磁式に遠隔的に読取る場合や、さらに、複雑
な形態としては、識別用ラベルを電磁式に遠隔的
に読取るとともに、そのラベル周囲の温度を読取
ることが必要な場合に適用できる。

本発明の遠隔温度読取装置は、電磁信号を発信
するための装置と、物体または動物に付着または
植設することができ、発信装置から信号を受信
し、返答を再発信するラベル装置と、返答を受
信、処理する受信器装置とからなり、前記ラベル
装置は発信信号を受信するためのアンテナ装置
と、前記電磁信号を表面音波に変換するための変
換装置と、前記表面音波が通るラベルに設けられ
た通路とを含み、前記通路における前記表面音波
の通過時間は、同通路の関数であり、前記変換装
置または別の変換装置は、前記表面音波が前記通
路の第一の部分を通過後、前記表面音波を第１の
電磁信号に変換するとともに、前記信号を前記ア
ンテナに供給して、前記受信装置に向けて再発信
し、その後、前記表面音波が前記通路の第２の部
分を通過後、前記表面音波を第２の電磁信号に変
換し、さらに、前記第２の電磁信号を前記アンテ
ナに供給して、前記受信装置に向けて再発信し、
前記受信装置は、前記通路における前記表面音波
通過に基づく前記第１と第２の電磁信号間の時間
間隔を測定するとともに、ラベル装置周囲の温度
を示す出力を、前記出力から決定する回路を含ん
でいる。前記ラベル装置は、前記通路の複数の符
号化位置に複数の変換装置を設け、ラベルを付着
または植設した物体または動物を示す一連の符号
化電磁信号を再発信するように構成することが望
ましい。

本装置の基本構成部品を第１図に示す。本シス
テムは、電磁波発信器１、情報を保持する温度感
知ラベル２、および、電磁波受信器３を含み、そ
のすべてが同時に動作する。この装置は、たとえ
ば、28℃から47℃までの±9.5℃の範囲にわたつ
て、32ビツトの識別コードとラベル温度の正確な
読取結果を返送するラベルを使用しており、その
精度は、通常の動作状態で約±0.004℃である。

第２図は発信器をさらに詳細に示している。こ
の発信器は、標準的なUHFおよびマイクロウエ
ーブ技術を採用している。主要な構成要素と仕様
は下記の通りである。

(a) 915.000000MHzで動作する（この例の場合）
主発振器４． (b) 図示するように、主出力端６と基準出力端７
を有し、パルス巾２０ナノセカンドの方形ゲー
トパルスと505106Hzのパルス繰返し周波数を発
生する低周波パルス発振器５． (c) 中心周波数915.000000MHz、帯域巾50MHz、
最高パルス出力電力20ワツト、パルス繰返し周
波数505106Hz、および、オン・オフ率150デジ
ベル超のパルス電力増巾器８． (d) 915.000000±20MHzの帯域巾を有し、出力電
波の周波数構成部分を、関係当局が認める基準
に制限するための出力ろ化器９． (e) 読取るラベルを含む領域を照明するマイクロ
ウエーブ・アンテナ装置１０． たとえば、牛への植設に適したラベルの一構成
例を第３図に示す。ラベルは、銅箔タブ１２およ
び１３を伴なうプラスチツク・カード形式のアン
テナ構造物１１からなる。ラベルの応答部は、タ
ブ１２と１３間の間隙を経て電気的に接続された
音波遅延線１４からなる。最後に、生物学的に不
活性な適当な材料のプラスチツク円筒１５内に収
容され、物理的に保護されている。このように収
容された状態のラベルの長さは、約75mmないし
150mmであり、装置感度は多少落ちるが、これよ
り短かくてもよい。

表面音波遅延線１４は、適当な電歪性および音
波伝播性を有する基板１５からなり、基板１４の
直線膨張温度係数と、その表面における表面音波
伝播速度の温度係数との間には、適当な差異が設
けられている。これら二つの温度係数の差を、以
後、時間遅延温度係数という。本例では、ガラス
に酸化亜鉛をパツタ処理した薄い層で構成され、
時間遅延温度係数が摂氏１度につき約100万分の
−60の基板が使用される。しかし、その他、適当
な方向性の単結晶基板や、酸化亜鉛、その他の電
歪物質をガラス、金属板または箔とともに複数の
薄い層から形成された複合基板を用いることもで
き、このような基板は、特定の応用面において、
時間遅延温度係数の高低を設けることができる利
点がある。

ラベル１の返答コードは、基板面上に付着され
た導電体電極群によつて形成された空間パターン
の形式でコード化されている。32ビツトの２進コ
ード1110、0111、0110 1001 1000 1110 0110
1111に適した空間パターンの詳細を第４図に示
す。この電極群は、一個の端部変換器１６、およ
び、一組のコード化変換器１７，１８，１９，２
０，２１，２２，２３，２４，２５，２６，２
７，２８，２９，３０，３１，３２，３３，３
４，３５および３６からなる。返答コードの特定
ビツト位置において、２進法の「１」または
「０」を必要とするかどうかに応じて、コード化
変換器をそれぞれ、設け、または、設けない。す
べての変換器は、導体３７と３８の間に並列に接
続されている。導体３７および３８は、それぞ
れ、接着部３９と４０に接合されている。接合部
３９および４０は、導電性エポキシによつて、第
３図に示すように、表面音波遅延線１４とアンテ
ナ構造物１１のタブ１２と１３を機械的および電
気的に接続している。一つの変換器の詳細を第５
図に示すが、この変換器は、交互に導体３７と３
８に接続されたいくつかの「指形」電極からなつ
ている。本例において、電極の中心間距離は約２
ミクロンであり、正確な距離は、動作中心周波数
915MHzの表面音波の波長の半分に調整すべきで
ある。コード化変換器の中、最初と最後の変換
器、つまり、第４図における変換器１７と３６は
常に存在し、本例の場合、相互の間隔Ｌは2.790
mmで、ラベル応答コード信号レベル設定と、ラベ
ルの温度測定能力を付与する両目的を兼ねてい
る。

残りの30コード・ビツト位置は、前述したよう
に、変換器の有無によつて、所要のラベル識別情
報のコード化のために設けられている。本例にお
いては、そのような19個の変換器、すなわち、１
８，１９，２０，２１，２２，２３，２４，２
５，２６，２７，２８，２９，３０，３１，３
２，３３，３４および３５（第４図）を用いて、
コード1110 0111 0110 1001 1000 1110 0110
1111を与えている。本発明は、本例の場合のよう
に、選択コード・ビツト数が特定の数、すなわ
ち、32に限定されない。これより大小コード・ビ
ツト数を、符号化すべき識別情報の量に応じて使
用することができる。表面音波遅延線１４の寸法
は所要コード・ビツト数におよそ比例し、温度測
定と読出しのみを必要とする場合には、遅延線１
４をはるかに小形にすることができる。

前述したように、本例の場合、ビツト位置が、
その位置における変換器の有無に応じて、２進数
の「１」または「０」として符号化される。別の
方法として、変換器をすべての位置に設け、製造
時点において、２進数の「０」を必要とする位置
の変換器を、導体３７と３８の両者または一方に
接続せず、または、導体３７と３８に接続して、
必要に応じて、使用者が導体３７または３８に接
続して、所定コードをラベルに押印することもで
きる。

動作として、ラベルはアンテナ１１を経て、パ
ルス状電磁エネルギを受信しており、導体３７と
３８に接続されたすべての変換器を付勢する。接
続された各変換器は、第４図の中心線CCに並行
な方向に表面音波を発信する。表面音波遅延線１
４の空白部分４１に沿つてこの音波が伝播する時
間と等しい時間経過後、電子表面音波は電磁エネ
ルギに変換され、次いで、アンテナ１１を介し
て、電磁波として放射される。この放射電磁エネ
ルギは受信器３によつて受信され、処理される。

受信器に到達するパルス順序の図を第６図に示
す。この一連のパルス群は、発信器から直接到達
する振巾の大きいパルス４３と、それに続く、一
連の不要妨害パルス４４を含む。この不要妨害パ
ルスは、コード変換器１７から３６の中、各変換
器間における表面音波の伝播に起因している。さ
らに、これらのパルスに続いて、最終変換器１６
とコード変換器１７ないし３６の間における表面
音波の順次伝播に起因する不要パルス群４５が発
生する。この最後のパルス群は妨害を受けず、下
記のように受信器によつて処理されて、当該環境
によつて決まるラベルの温度の読取り結果と、ラ
ベルの識別コードを発生する。

温度測定方法は第７図から理解することができ
る。同図は、直接パルス４３と関係する無線周波
数波形４６、ならびに、所要パルス群４５のそれ
ぞれ最初と最後のパルスに関係する無線周波数波
形４７と４８とを概略的に示しており、無線周波
数波形４７と４８は、最終変換器１６とそれぞれ
コード変換器１７および１８との間における表面
音波伝播に起因している。無線周波数波形４７と
４８との位相差φは、2π（Ｌ／λ）ラジアンに等
しく、ここで、Ｌは変換器１７と３６間の中心間
空隙、λは変換器１７と３６間において伝播する
表面音波の波長である。Ｌおよびλは、基板１４
の物質によつて決まる温度の既知の関数であり、
したがつてφを測定することによつて、基板１４
の温度、すなわち、環境によつて決まるラベルの
温度が分る。温度に対するφの変化率は、前述し
た時間遅延温度係数に、2π（Ｌ／λ）を乗じた積
に等しいことが知られるだろう。本例の場合、温
度変化φは、おおよそ、摂氏１度につき2π×
（2790ミクロン／3.28ミクロン）×−60×10^-6、す
なわち、0.32ラジアンであり、28℃ないし47℃の
範囲における温度を正確に測定することができ、
その精度は、通常の動作状態におけるＳ／Ｎ比57
デジベルにおいて約±0.004℃であることは、以
下に説明する通りである。したがつて、米国家畜
保護協会の前述の要件を充分満たすことができ
る。

受信器３の各種の構成要素を第８図に、ブロツ
ク形式で示す。方向性アンテナ４９の設計は発信
器アンテナ１０と同様である。帯域ろ化器５０
は、本装置と無関係な供給源からの無線周波数の
妨害を排除するためのものである。制限装置５１
は、受信器が、大振巾の発信器パルスによる過負
荷または飽和から保護する。低雑音無線周波数増
巾器５２は、受信パルス群を増巾するためのもの
で、本例の場合、応答コードの各ビツト位置にそ
れぞれ１個の出力、すなわち、合計32個の並列出
力を発生するように設計されている。無線周波数
５２からの32個の出力はそれぞれ、32個の同一の
信号処理回線の一つを動作させる。第８図には、
わかりやすいように、その中の２個のみが示され
ている。32個の出力はそれぞれ、最初に、32個の
ゲート回路５３に供給される。これらのゲート
は、基準線７を介して発信器から発生する信号に
よつて、発信器パルスと同期的に動作するゲート
駆動回路５７によつて制御される。ゲート駆動回
路５７は、本例においては、パルス巾がそれぞれ
発信器パルスと等しい値、すなわち、20ナノ秒の
32個の出力パルスを発生する。ゲート駆動回路５
７からの32個の出力パルスは、ゲート５３を制御
して、応答コードの１から３２までのビツト位置
に応じたパルス群４５から、応答パルスを通すよ
うに一連のゲート５３を開く。次に、ゲート５３
からの出力は、主発振器４に位相固定された
914999000MHzのオフセツト局部発振器とのビー
トによつて、混合器５４で変換して周波数逓減
し、その結果得られる1000Hzの中間周波信号は、
狭帯域中間増巾器５５によつて増巾される。中間
周波増巾器５５からの出力は精密直流検出器５６
によつて全波整流され、直流検出器５６の出力は
32ビツトの応答コードである。前述したように、
コード変換器１７および３６によつてそれぞれ出
力されるビツト１および３２は、つねに２進の
「１」の状態であり、ラベル応答コード信号値を
決定するとともに、無線周波波形４７と４８間の
位相差φの測定によつて、ラベル温度を測定する
ことができる。無線周波数波形の位相は、周波数
逓減中一定に保たれるため、位相差φは、第８図
に示すように、ビツト・チヤンネル１と３２の中
間周波増巾器５５の出力から得られる基準入力を
有する位相差検出器５８によつて容易に測定可能
である。位相差検出器５８には、±πラジアンの
正確な位相測定範囲を有する各種の標準的な位相
差検出回路を用いており、第８図に示す装置の全
体構成設計によつて、位相測定は大いに簡易化さ
れる。この設計によれば、本例の場合、位相測定
は、重要でない低周波回路を用いるだけで、中間
周波、すなわち、1000Hzで行なうことができる。

前述の受信器の出力は、第８図に示さない、広
範囲な標準表示装置に供給して、識別コードおよ
びラベル温度を、必要に応じて表示することがで
きる。このような読取装置の設計は、周知の方法
によつて行なわれる。

計算によれば、送信器から受信器までの伝送路
全体の各部分に発生する電力損失は次の通りであ
る。

(a) 送信器アンテナからラベルアンテナまでの電
磁伝播損失は33デジベル。

(b) 電磁エネルギから電子音波エネルギへの変換
損失は44デジベル。

(c) 電子音波伝播損失は４デジベル。

(d) 電子音波エネルギから電磁エネルギへの変換
損失は37デジベル。

(e) ラベル・アンテナから受信器アンテナへの電
磁波伝播損失は33デジベル。

伝送路全体の損失は151デジベルである。

受信器の雑音帯域巾は、中間周波増巾器５５の
通過帯域巾によつて決まり、３Hzに設定される。
受信器の入力雑音レベルは、帯域ろ化器５０と制
限器５１の全損失１デジベルと、無線周波数増巾
器５２の数音値６デジベルを考慮に入れると、−
192デジベル・ワツトである。受信器の入力信号
値は−135デジベル・ワツトである。したがつて
受信器のSN比は57デジベルであり、本装置の受
信器は雑音が制限されない。特に、位相差検出器
５８による位相差測定の誤差Δφは、受信器のSN
比の平方根の逆数におおよそ等しい。つまり、
Δφは、受信器のSN比が57デジベルの場合、約
1.41×10^-3ラジアンに等しい。したがつて、ラベ
ル温度測定誤差は、摂氏１度につき、±1.41×
10^-3ラジアン／0.321ラジアン、つまり、±0.004℃
である。前述したように、米国家畜保護協会の前
記の要件は充分満たされる。

本装置の成否は、直接の電磁エコーによつて発
生するバツクグラウンド・クラツタからの音波遅
延エコーの判別に依存している。本例の場合、応
答パルス群到達までの音波時間遅延が１マイクロ
秒台であるため、関連妨害電磁波エコーは300メ
ートル超の長さの伝播路を経て伝達され、通常
は、無視できるほど小さい。

以上詳述した例以外に、本発明の範囲と意図を
逸脱することなく、特定の状況に適した一定の変
更が明らかに可能である。

(a) 搬送周波数915MHzの変更。表面音波遅延線
１４とそれに取付けられる電極群の寸法は、必
要に応じて、製造工程で採用する技術、また
は、法律上の周波数割当て要件通りに、周波数
および装置の帯域巾の変更によつて目盛ること
ができる。

(b) パルス巾およびパルス繰返し周波数を変更し
て、コードを長く、または、小形にすることが
できる (c) 発信器と受信器の切換などによつて、発信
器、受信器、およびラベル・アンテナの特性と
発信器の電力値を変更して、各種のマイクロウ
エーブ伝播装置を提供することができる。

(d) 前述したように適当な方向性を有する単結晶
基板や、酸化亜鉛またはその他の電歪材料をガ
ラスまたは金属板または箔に薄層状に付着させ
た複合基板など、種々の電歪基板材料を用いる
ことができる。電歪材料に代えて、または、そ
れと共に、磁歪装置を用いて、電子音波変換を
行うこともできる。

(e) 変換器群の構造については、変換器の数およ
び形、ならびに、ラベル・アンテナとの接続方
法を変更することができる。

(f) ラベルから返送される識別コードについて
は、２進法以外のコード化方法、たとえば、パ
ルス高、パルス巾またはパルス位置を利用する
ことができる。

(g) ラベルの各要素の配置、ならびに、ラベルの
寸法、形および封入方法を、特定の用途に適す
るように変更することができる。

(h) 温度測定能力が必要で、コード識別能力が最
小または不必要な場合などには、コードおよび
変換器群構成を簡易化して、変換器の数を減ら
し、１個にすることさえできる。そのような簡
易構造を、概略的に、第９図および第１０図に
示す。第９図の構造では、音波パルスを、単一
の音波発受信変換器６０に返送する２個の表面
音波反射器６１と６２から成つている。反射器
６２からの反射応答パルスと反射器６１からの
反射応答パルス間の無線周波位相差φを測定す
ることによつて、前述したように、ラベル温度
を測定することができる。ここで、φは4π（L₂
−L₁）／λラジアンに等しく、L₂およびL₁は
それぞれ変換器６６から反射器６２および６１
までの中心間距離であり、λは表面音波の波長
である。第１０図の構造では、表面音波は、基
板６３の表面に食刻された適当な溝６６によつ
て制限され、円形すなわち「ねずみ運動形」の
伝送路に沿つて伝播され、音波発受信変換器６
４を繰返し励起する。また、連続応答パルス間
の無線周波位相差φを測定することによつて
も、前述したように、ラベル温度を測定するこ
とができる。ここで、φは2πD／λラジアンに
等しく、Ｄは円形伝播路の直径、λは表面音波
の波長である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本装置全体のブロツク図、第２図は
発信器装置のブロツク図、第３図は牛への植設に
適したラベルの等距離斜視図、第４図は表面音波
を遅延するラベル部分を示す図、第５図は表面音
波遅延線の変換器の一個を示す詳細図、第６図は
受信器に到達する一連のパルスを示す図、第７図
は直接発信器パルスおよび最初と最後のコード変
換器からの所要応答パルスに関係する無線周波形
を示す図、第８図は受信器のブロツク図、第９図
は最小のコード識別能力で足りる変換器構成の変
更例を示す図、第１０図は最小のコード識別能力
で足りる変換器構成の別の変更例を示す図であ
る。 １……電磁波、２……情報保持感熱ラベル、３
……電磁波受信器、４……主発振器、５……低周
波パルス発振器、８……パルス電力増巾器、１０
……マイクロ波アンテナ装置、１４……音波遅延
線、１５……基板、１７〜３６……コード化変換
器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電磁信号を発信するための発信器と、物体ま
   たは動物に付着または植設して、前記発信装置か
   らの信号を受信し、応答を返信するラベル装置
   と、応答を受信し、処理する受信器とを備え、前
   記ラベル装置は前記発信信号を受信するためのア
   ンテナ装置と、前記電磁信号を表面音波に変換す
   る変換装置と、前記表面音波を伝達するために前
   記ラベルに設けた伝送路とを含み、前記伝送路に
   おける前記表面音波の伝送時間は前記伝送路の関
   数であり、前記変換器または別の変換器を用い
   て、前記表面音波の前記伝送路の第１の部分通過
   後、前記音波を第１の電磁信号に変換し、前記信
   号を前記アンテナに供給して、前記受信装置に返
   信し、その後、前記表面音波が前記伝送路の第２
   の部分通過後、前記音波を第２の電磁信号に変換
   し、前記第２の電磁信号を前記アンテナに供給し
   て、前記受信器装置に返信し、前記受信器装置
   は、前記伝送路における前記表面音波通過による
   前記第１と第２の電磁信号間の時間間隔を測定
   し、かつ、前記時間間隔測定値に基づいて、ラベ
   ル装置の周辺温度を示す出力を発生する回路を含
   むことを特徴とする遠隔温度読取装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の装置において、
   前記ラベル装置は、前記伝送路の複数個のコード
   化位置に複数個の変換器を含み、前記ラベルを付
   着または植設した物体または動物を示す一連のコ
   ード化電磁信号を前記受信器装置に返信すること
   を特徴とする装置。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項記載の装
   置において、前記発信器は、無線周波数エネルギ
   のパルス形状で、電磁信号を発信するように構成
   され、前記受信器は、前記形状の応答信号を受信
   し、前記伝送路における前記表面音波通過による
   前記両信号間の位相変化を測定することによつ
   て、前記第１と第２の電磁信号間の時間間隔を測
   定することを特徴とする装置。 ４ 特許請求の範囲第１項記載の装置において、
   前記伝送路は通常は閉鎖され、単一の変換器装置
   を含むことを特徴とする装置。 ５ 特許請求の範囲第１項記載の装置において、
   前記伝送路は両側に反射器を有する単一の変換器
   を備え、前記各反射装置と前記変換器との距離は
   相互に異なり、前記伝送路は、前記反射装置間に
   おいて延在することを特徴とする装置。