JPH0136595Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、成形適温に昇熱して軟かになつてい
る樹脂シートを成形の対象にする熱成形機のプリ
ブロー装置に係り、樹脂シートが成形ステーシヨ
ンに供給され且つチヤンバーが口縁を該樹脂シー
トの一方の面に向かつて移動するのと関係的に樹
脂シートの四周を弾力的にシールし、圧縮エアー
により予張するプリブローを高速度で施し得るよ
うにすると共に、成形が済んだ樹脂シートの送り
出しを可能にし、さらに第１シール部材の対応間
隔の変更に伴つて第２シール部材の第１シール部
材間に入る巾を変更できるようにしたものであ
る。

（従来の技術） 成形ステーシヨンにおいて、成形直前に樹脂シ
ートを圧縮エアにより予張して成形品の肉厚を各
部がほぼ均等になるようにする成形技術は従来か
ら行なわれているが、そのためには公知のように
単独動作で移動する成形型を内蔵するチヤンバー
の口縁により樹脂シートをシールして圧縮エアー
が漏れ出さないようにしなければならない。しか
るに従来はチヤンバーの口縁がシートの一方の面
に圧接する高さ方向の移動を行うと同時に該樹脂
シートを緩衝性をもつシール部材によつて四周の
シールを施す装置が未開発であるため、シールの
信頼性の低く、しかも樹脂シートのシール面積を
可変にできない欠点がある。

（本考案が解決しようとする問題点） 本考案は、クランプチエンにより両耳縁をクラ
ンプされた連続樹脂シート、又はクランプ枠によ
り四周をクランプされたカツトシートが、加熱軟
化のため重力により垂れ下がつて成形ステーシヨ
ンに間欠的に移動して来るのを、該シートのクラ
ンプ部分により内周に口縁を対向させたチヤンバ
ーを、移動する樹脂シートを傷つけない位置に待
機させ、樹脂シートが停止するのと同的にチヤン
バーを高さ方向に移動して口縁を樹脂シートの一
方の面に圧接し、その圧接と同時にシートの他方
の面に設けたシール部材が緩衝性を発揮しながら
シールする構成をもち、さらに使用する樹脂シー
トの巾の変換、又は成形所要面積の変更に伴つ
て、樹脂シートの他方の面に設けたシール部材を
可変にできる熱成形機のプリブロー装置を開発す
ることを課題としているもので、緩衝性をもたな
いがために生ずるシール不良を除くこと及び成形
ステーシヨンにおける成形後の送り出しを容易に
すること、さらに前記シール部材を可変にし汎用
性をもたせることを問題点とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前項に述べた問題点を解決することを
目的とするもので、成形ステーシヨンに、口縁を
樹脂シートの一方の面に接触する高さに移動する
チヤンバーを設置し、そのチヤンバーに給排気管
を設けると共に、樹脂シートの他方の面の該シー
トの送り移動方向両側に、前記チヤンバーの移動
により樹脂シートを介して該チヤンバーの口縁が
圧接するようにした弾力性を持つ第１シール部材
を設け、樹脂シートの送り移動方向の前側と後側
とに前記両側の第１シール部材の間に入つて樹脂
シートを介してチヤンバーの口縁が圧接するよう
にした弾力性を持つ第２シール部材を設け、前側
の第２シール部材を樹脂シートの送り出しと関連
させて樹脂シート成形物に接触しない高さに移動
させる構成にすると共に、第１シール部材を樹脂
シートの送り移動方向と交叉する方向への移動自
由とし、さらに第２シール部材の第１シール部材
の間に入る巾を可変にしたことを特徴とするもの
である。

（作用） 本考案は、一定のレベルにおいて樹脂シートが
成形ステーシヨンに送られて停止するのと関係的
に、チヤンバーを高さ方向に移動してその口縁に
より前記シートの一方の面に強く接触すると、該
シートの他方に面に配置した第１シール部材と第
２シール部材を樹脂シートを介し突き、第１、第
２シール部材が共に弾力性をもつため、その各シ
ール部材の緩衝性により樹脂シートを強く挟み、
延伸させることなく、しかもシールを不完全にし
てエアー洩れを生じるさせることもなくシールを
施す。このためチヤンバーの給排気管から圧縮空
気を送り込んで樹脂シートの予張させるプリブロ
ーを毎回同じにすることができ、その予張のあと
で、又は予張を施しながら、チヤンバーの内部に
設置された公知の成形型を移動して該予張シート
をさらに押し、それから成形型を通して真空吸引
を施し、前記予張シートを成形型に密着する真空
成形を周知のように施し、成形終了後に後側の第
２シール部材をシート成形物に接触しない高さに
移動して成形シートを送り出す。また樹脂シート
の巾を変化するとき、或は成形の所要面積を変更
する場合は、第１シール部材をクランプチエンの
案内レールと共に移動して対向巾を可変とし、さ
らに第２シール部材の第１シール部材の間に入る
巾を変換して、前記の変更に対処する。

（効果） 本考案装置は、前記に述べた構成、作用にな
り、成形ステーシヨンに停止する樹脂シートの
上面に対応させて両側に設けた第１シール部材
と、その第１シール部材の間に入る前後の第２シ
ール部材を何れにも弾力性をもたせ、チヤンバー
が該樹脂シートの一方の面に口縁を接すると、第
１、第２シール部材が弾力性により撓み、チヤン
バーの口縁とシール部材とにより樹脂シートを挟
んでシールするものであつて、チヤンバーが樹脂
シートの一方の面に接する移動のみで前記シール
を自動的に生ずる特殊機能を持つ。また、後側の
第２シール部材のみを移動可能とし、樹脂シート
を成形ステーシヨンから送り出すとき、シート成
形物に接触しない高さにするものであり、他の三
方の第１、第２シール部材を可動にするものでな
いから、可動部の極く尠ないシール構造を簡易に
構成できると同時に、シールの自動化及び成形済
み樹脂シートの送出しを容易にできる。尚また第
１シール部材はクランプチエンの案内レールと共
に対向間隔を可変とし、第１シール部材の間に入
る第２シール部材を、該シール部材がもつ可変機
能により可変にできるから、熱成形機の汎用性を
高め得る等の効果をもつ。

（実施例） 添付図面は本考案の一実施例を示す。

第１図は本考案の概要側面図、第２図は第１シ
ール部材２４と第２シール部材３３，３３ａの斜
視図、第３図は前側の第２シール部材３３の一部
切欠斜視図、第４，５図は前側の第２シール部材
３３のシール動作を示した側面図、第６図は第１
図Ａ−Ａ線で切断した前側の第２シール部材３３
の正面図、第７図は同拡大切断面図である。

以下、連続樹脂シートＳをシートＳと称する。

第１図は熱成形機１の一例を示し、加熱ステー
シヨンと成形ステーシヨンを設け、両ステー
シヨン，を通る一対のクランプチエン２，２
をガイドする案内レール３，３（第６図）を配置
し、巻込みリール４から案内ロール５を経て繰出
すシートＳの両側耳縁を、第１図の左側に設けら
れたクランプチエン２，２の始端部に供給してク
ランプさせる。クランプチエン２，２は公知のよ
うに間欠移動を生ずるものであつて、シートＳを
加熱ステーシヨンに停止して加熱し、次いで成
形ステーシヨンに停止させて成形物Saを成形
し、成形の終了と共に該シートＳを図の右方に運
び出す。第１図はシートＳの下面だけを加熱する
加熱板６を持つ加熱器７をシリンダ８により上下
に移動できるようにしたものを示す。

本考案装置は一定の長さに切断した単葉形のシ
ートの四周をクランク枠によつてクランプして加
熱ステーシヨン及び成形ステーシヨンに順次
に供給するカツトシートについても適用できるも
のであるが、以下は連続樹脂シートのみについて
説明する。

成形ステーシヨンには一定のレベルに送られ
て停止するシートＳの一方の面（下面）に口縁１
０を移動して、第６図のように少し許り突き上げ
るチヤンバー９を設け、該チヤンバー９を上下動
作を行わせるチヤンバーシリンダ１２のロツド１
３上に連結する。チヤンバー９には吸排気管１１
を設けると共に内部に成形型シリンダ１４のロツ
ド１５に設けたベース１６上に成形型１７を取付
ける。１８はベース１６の下面に固定してた振り
止め用のガイド杆であつて、第１図のようにチヤ
ンバー９の底部に固定して下面に突出したガイド
管１９に通す。

シートＳの他の面（上面）には、第２，４，５
図に示すように、案内レール３，３の外側の面に
各案内レール３より高くした板ばね挟み片２１を
取付け、該片に固定した多数の板ばね２２を案内
レール３，３の内側に超えさせて、各板ばね２２
の下面にシール板２３を取付ける。シール板２３
は第４図のようにシートＳのレベルより僅かに高
くして、シートＳの加熱ステーシヨンからの送
り込みに支障を生じないようにするもので、以上
の構成により、本考案の、シートＳの送り方向両
側に前記チヤンバー９の移動によりシートＳを介
してチヤンバーの口縁１０が弾接する弾力性をも
つ第１シール部材２４とする。前記した案内レー
ル３，３は対応間隔を公知のように可変にできる
機構とし、第１シール部材２４の対応間隔を案内
レール３，３とともに移動できるようにする。

シートＳの移動方向の前側（第１図の左側）と
後側とに第１シール部材２４，２４の間に入るよ
うにした前側と後側の第２シール部材３３，３３
ａを設ける。前側の第２シール部材３３には熱成
形機１の機枠ａに、シートＳの送り方向に移動し
て位置を調整されたバー２５を設け、該バー２５
に、チヤンバー９が下がつているときは鍔を上面
に接し、チヤンバー９の口縁１０が上昇したとき
シートＳを介して上昇する移動杆２６を設ける。
各移動杆２６の下端には支持板２７を取付け、そ
の支持板２７上面とバー２５の下面とに、各移動
杆２６に緩く巻きつけたばね３０の上下面端を接
触させる。

支持板２７には、連続シートＳの巾方向の中央
に対応する固定シール板２８を付け、該固定シー
ル板２８の両側に、連続シートＳの巾方向に移動
できる可動シール板２９，２９を設ける。可動シ
ール板２９，２９は支持板２７に形成したキー形
突条２７′に嵌め、且つ固定シール板２８に接し
て調整移動を生じさせるようにしたものである。
（第３，７図参照）後側の第２シール部材３３ａ
はバー２５ａを機枠ａに取付けず、前側のバー２
５と同様に機枠ｂを移動して位置を調整されるシ
ール用シリンダ３１，３１の下向きのロツド３
２，３２の下端にバー２５ａを取付けているもの
で、弾力性をシール用シリンダ３１，３１に受持
たせたものである。このため前側の第２シール材
３３のように、移動杆２６、ばね３０等はなく、
バー２５ａの下面に支持板２７ａを直接に取付
け、該支持板２７ａに、前側のシール部材３３と
同じように、固定シール板２８ａと支持板２７ａ
のキー形突条２７a′に係合する可動シール板２９
ａ，２９ａとを設ける。

チヤンバー９が口縁１０を第１，４図のように
下げているとき、後側の第２シール部材３３ａは
シール用シリンダ３１のロツド３２を伸長してい
るもので、前側及び後側の第２シール部材３３，
３３ａは夫々の可動シール板２９，２９ａを調整
して、両側の第１シール部材２４のシール板２３
の内面に接触する。シール板２３と固定シール板
２８，２８ａ、及び可動シール板２９，２９ａ
は、シートＳが成形ステーシヨンに送り込まれ
るまでは下縁を夫々ほぼ同じ高さにする。

本実施例においては、加熱ステーシヨンにお
いて成形適温に加熱されたシートＳが第４図のよ
うに成形ステーシヨンに移動して停止すると、
その停止直前からチヤンバーシリンダ１２のロツ
ド１３が上方に伸長して口縁１０によりシートＳ
の下面を少し突き上げる。このとき第１シール部
材２４のシール板２３と第２シール部材３３，３
３ａの固定シール板２８，２８ａ、可動シール板
２９，２９ａからなるシール板がシートＳの上面
に待機しているから、口縁１０がシートＳを突き
上げ、前記各シール板を板ばね２２、ばね３０及
びレール用シリンダ３１の弾力により撓ませて柔
軟にシートＳをシールする。（第５，６図）。

このときチヤンバー９の吸排気管１１から圧縮
エアーを吹き込むと、シートＳは第６図のように
口縁１０の内周面を膨らませてプリブローを生じ
る。このときに成形シリンダ１４のロツド１５を
伸長し、プリブローされたシートＳを成形型によ
り突き上げ、同時に多数の真空吸引（図示せず）
を設けた成形型１７を該成形型を取付けたベース
１６に連結した真空吸引管１１ａから真空吸引を
施し、シートＳを成形型１７に密着する真空成形
を公知の通りに行う。

この成形が終わると前記の真空吸引を中断し、
要すれば真空吸引管１１ａから加圧エアーを少し
吹き込み、同時にチヤンバーシリンダ１２及び成
形型シリンダ１４の各ロツドを収縮し、かつシー
ル用シリンダ３１のロツド３２を収縮し、後側の
第２シール部材３３ａがシートＳの成形品Saの
送り出しを妨害しない高さにしてシートＳを送り
出す。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の概要側面図、第２図は第１シ
ール部材２４と第２シール部材３３，３３ａの斜
視図、第３図は前側の第２シール部材３３の一部
切欠斜視図、第４，５図は前側の第２シール部材
３３のシール動作を示した側面図、第６図は第１
図Ａ−Ａ線で切断した第２シール部材３３の正面
図、第７図は同拡大切断面図である。 Ｓ……シート、Sa……成形品、１……熱成形
機、２……クランプチエン、３……案内レール、
９……チヤンバー、１０……口縁、１１……吸排
気管、１７……成形型、２１……板ばね挟み片、
２２……板ばね、２３……シール板、２４……第
１シール部材、２８，２８ａ……固定シール板、
２９，２９ａ……可動シール板、３１……シール
用シリンダ、３２……ロツド、３３，３３ａ……
第２シール部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 成形ステーシヨンに、口縁を樹脂シートの一方
   の面に接触する高さに移動するチヤンバーを設置
   し、そのチヤンバーに給排気管を設けると共に、
   樹脂シートの他方の面の該シートの送り移動方向
   両側に、前記チヤンバーの移動により樹脂シート
   を介して該チヤンバーの口縁が圧接するようにし
   た弾力性を持つ第１シール部材を設け、樹脂シー
   ト送り方向の前側と後側とに前記両側の第１シー
   ル部材の間に入り、かつ樹脂シートを介してチヤ
   ンバーの口縁が圧接するようにした弾力性を持つ
   第２シール部材を設け、前側の第２シール部材を
   樹脂シートの送り出しと関連させて樹脂シート成
   形物に接触しない高さに移動させる構成にすると
   共に、第１シール部材をクランプチエン及び案内
   レールと共に樹脂シートの送り移動方向と交叉す
   る方向への移動自由とし、さらに第２シール部材
   の第１シール部材の間に入る巾を可変にしたこと
   を特徴とする熱成形機のプリブロー装置。