JPH0136563Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は切削刃を装着した後テーブルと、前記
切削刃に対応する刃口を装着した刃口テーブルと
を基台上に支持してなる木工用縦突きスライサー
において、前記刃口を切削刃に対して平行とする
ための平行度調整装置に関する。

＜従来装置＞ 木工用縦突きスライサーは基台上に切削刃と刃
口とを対応状に装着して、搬送装置により被加工
材をテーブル上面の走行路を走行させて、縦突き
切削を施すものであるが、その切削厚を巾方向で
一定とするためには刃口が切削刃に対して平行で
なければならない。このため装置の組付け時にお
いて前記刃口を調整したり、刃口の摩耗に対応し
て定期的に補正することができるようにする必要
がある。

この調整を簡易に施すものとして、実開昭60−
159605号に開示されているように、刃口テーブル
の刃口付近の左右両側部に上下方向へ夫々調整螺
子を螺装し、前記調整螺子下端を基台の当接面に
当てるようにした構成になり、刃口テーブルの後
部の両側を調節螺子で点支持し、左右一方の調整
螺子を回動して昇降することにより他方の調節螺
子の当接点を中心として刃口を傾動させ、該刃口
を切削刃に対して平行とするようにしたものがあ
る。

＜考案が解決しようとする問題点＞ ところが、かかる構成にあつては、刃口テーブ
ルの刃口付近の左右両側部を調節螺子で点支持す
るものであるから不安定となつて、刃口精度が低
下する。また、刃口は左右方向に捩られて、その
平行度調整を施されるものであるから、経年変化
により刃口に塑性変形を生じ、該刃口の表面が歪
んで良好な切削ができなくなる。そして、この歪
を除去するために再研削を要する等の欠点があつ
た。

本考案はかかる欠点のない刃口の平行度調整装
置の提供を目的とするものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は、刃口テーブルと基台との間の一側部
位置に、傾斜受面と面接合して案内作用を生ずる
幅方向への傾斜案内面を上面又は下面に形成した
前後方向に長い介装片を配設し、 かつ該介装片を幅方向へ移動する送り機構を、
該介装片に連係したことを特徴とするものであ
る。

＜作用＞ 前記介装片を送り機構により幅方向移動する
と、その上下いずれかの面に形成した傾斜案内面
の案内作用により、前記刃口テーブルの一側が他
側に対して昇降する。これにより、切削刃に対し
て刃口の平行度を調整することが可能となる。

＜実施例＞ 本考案の一実施例を添付図面について説明す
る。

第１〜第３図は縦突きスライサーの一例を示
し、１は基台であつて該基台の右側方に設けた縦
フレーム２に、案内支柱３，３及び昇降螺子４，
４が挿通し、その上端で送材フレーム５を支持す
るとともに該送材フレームを前記昇降螺子４，４
の回動制御により任意高さに調整できるようにし
ている。前記送材フレーム５の前部には前後の駆
動ロール６，従動ロール７に無端送材ベルト８を
掛渡してなる送材装置９が支持され、送材フレー
ム５上の駆動モータ１０によつて前記駆動ロール
６が回転して送材ベルト８が走行する。

また前記基台１の後部には、前縁が被加工材の
走行方向に対して傾斜している後テーブル１２が
設けられ、その前縁に切削刃１３が固定されてい
る。また、その上面には複数の遊転ロールｒが幅
方向に差渡されている。

前記基台１の前部には刃口の位置決め装置を介
して刃口テーブル２７が支持されており、かかる
位置決め装置の構造について以下説明する。

第２図に示すように前記基台１上にはその上面
に後方へ下方傾斜している傾斜面１７，１７を両
側縁に備えた（一側縁の傾斜面１７は後記する傾
斜受面４５を兼ねる）前後方向のみ移動可能とな
つている移動台１６が乗載されている。

前記移動台１６の前面には、第４，５図で示よ
うに前記基台１側に保持された移動螺子１８が螺
挿され、基台１の前部で幅方向に支持されたハン
ドル１９の回転に伴なつて移動螺子１８を回転
し、移動台１６を基台１に対して前後移動するよ
うにしている。また前記移動螺子１８は駆動モー
タ２０の駆動によつても制御することができる。

また前記移動台１６の傾斜面１７上には、下部
両側縁に、該傾斜面１７，１７に倣つた傾斜面２
３，２３（一側縁の傾斜面２３は後記する介装台
４６の傾斜案内面４７と兼用）としたテーブル受
台２２が昇降可能に乗載している。前記テーブル
受台２２の前面は複数の遊転ロールｒが幅方向に
差渡されて、その上面を前部送材面２４とし、さ
らにその後部の、前部送材面２４よりも少し低い
乗載段面２５上には、前部送材面２４と面一とな
る送材面２６を有する刃口テーブル２７が幅方向
移動可能に載置されている。

前記刃口テーブル２７には、後テーブル１２の
切削刃１３に沿つて刃口２８が取付けられてい
る。また、刃口テーブル２７の側面には、テーブ
ル受台２２に支持した二本の螺子杆３０，３０を
挿通して、夫々をチエーン３１で連係し、前側の
螺子杆３０の前端に設けたハンドル３２を回転す
ることにより、前記刃口テーブル２７をテーブル
受台２２に対して幅方向移動し得るようにしてい
る。この移動により、刃口２８と、切削刃１３は
斜めに対向しているから、刃口２８が切削刃１３
に対して左右移動することにより、その間隔の調
整がなされることとなる。

尚、前記乗載段面２５の上面と、刃口テーブル
２７の下面間にはキー３３が介装されており、テ
ーブル受台２２と刃口テーブル２７との相対的前
後方向移動を不能としている。

その他、前記後テーブル１２の上面，前部送材
面２４，送材面２６には夫々二条の走行案内３
４，３４が同一線上に形成されている。また送材
面２６上の走行案内３４の一部は、遊転案内ロー
ル３４ａによつて構成されている。

前記移動台１６、テーブル受台２２内には、前
記基台１側にシリンダーロツド下端を係止し、そ
のシリンダー上面の係止板３６をテーブル受台２
２内の当接部３７上に配置してなるロツクシリン
ダー３５が設けられている。該ロツクシリンダー
３５は、シリンダーロツドの収縮に伴なつて当接
部３７を係止板３６で下方へ引張して前記移動台
１６及びテーブル受台２２を相互移動不能にロツ
クする。

また、前記移動台１６、テーブル受台２２及び
刃口テーブル２７は、該刃口テーブル２７の左右
前側で基台１上面に固定した二本のロツクシリン
ダー３８ａ，３８ａと、その内部で、基台１上面
に固定したロツクシリンダー３８ｂにより、その
夫々のシリンダーロツド上端のロツク板３９を、
刃口テーブル２７の両側面及び内面に夫々設けた
当接部４０上に配置し、前記ロツクシリンダー３
８ａ，３８ａ，３８ｂの収縮に伴なつて当接部４
０をロツク板３９で下方へ引張して前記移動台１
６，テーブル受台２２及び刃口テーブル２７を相
互移動不能にロツクするようにしている。また前
記移動台１６，テーブル受台２２内には前記基台
１上面に固定された案内４１が挿通し、その上端
をテーブル受台２２に設けた案内枠４２に挿入
し、前記テーブル受台２２を前後移動不能とする
とともに昇降方向への案内を施している。

次に本考案の要部について説明する。

第６図に示すように、移動台１６の左上縁に
は、左方向へ斜降する傾斜受面４５が形成されて
いる。前記テーブル受台２２の水平下面と、前記
傾斜受面４５の間には、該傾斜受面４５に面接合
する傾斜案内面４７が形成されている介装片４６
が配設されている。前記介装片４６は、移動台１
６の上面の傾斜に倣つて前後方向にも傾斜してい
る。即ち、傾斜受面４５は、一側縁の傾斜面１７
と、傾斜案内面４７は、一側縁の傾斜面２３と
夫々同一面であり、左方向及び後方へ斜降する面
となつている。また前記介装片４６の上面と、テ
ーブル受台２２の下面間にはキー４８が介装され
ており、テーブル受台２２と介装片４６との相対
的前後方向移動を不能としている。

前記介装片４６は次の送り機構により幅方向へ
の移動が可能となつている。

すなわち第５図に示すように前記介装片４６の
前後位置には、テーブル受台２２に支持された螺
子杆５０ａ，５０ｂが螺挿しており、その螺子杆
５０ａ，５０ｂに嵌着した傘歯車５１ａ，５１ｂ
をテーブル受台２２に支持された前後方向の連係
杆５２の両端の傘歯車と噛み合わせることによ
り、前記螺子杆５０ａ，５０ｂを連係している。
その後部螺子杆５０ａの端部にはハンドル５３が
支持され、該ハンドル５３を回動することによ
り、螺子杆５０ａ，５０ｂが同期して回動し、前
記介装片４６を幅方向に移動するようにしてい
る。而て、前記螺子杆５０ａ，５０ｂ、ハンドル
５３等により介装片４６の送り機構が構成され
る。

前記実施例の作動を説明する。

被加工材は刃口テーブル２７上を走行案内３
４，３４により案内されて、送材装置９により走
行し、後テーブル１２の切削刃１３により切削さ
れ、その突板は刃口２８と切削刃１３間を下方へ
通過して採取される。前記突板の厚は、その被加
工材の材質に対応して切削刃１３に対する刃口２
８の高さ及び前後の間隔を設定することにより定
められる。

前記刃口２８の高さ調整操作を説明すると、刃
口２８を後テーブル１２の切削刃１３に対して上
下移動し、突板の厚を設定するにはロツクシリン
ダー３５，３８ａ，３８ａ，３８ｂのシリンダー
ロツドを伸張してロツクを解除してから、前記ハ
ンドル１９を手動回転するか駆動モータ２０を駆
動して移動螺子１８を回転させる。これにより前
記移動台１６が基台１上を前後方向に移動し、傾
斜面１７，２３の案内作用により前後移動不能と
したテーブル受台２２が昇降し、これに伴なつて
刃口テーブル２７の刃口２８が上下移動する。

また前記刃口２８を切削刃１３に対して幅方向
に移動し、前後の隙間を調整する場合には、ハン
ドル３２を回転する。これにより螺子杆３０，３
０が回動して、刃口テーブル２７がテーブル受台
２２に対して左右移動してその移動調整が施され
る。

さらに前記刃口２８の平行度調整は、前記した
ようにハンドル５３を回動して介装片４６を幅方
向へ移動することにより施される。すなわち、前
記介装片４６を第６図右方向に移動すると、前記
テーブル受台２２及び刃口テーブル２７は、移動
台１６の右端上部を支点として上方傾動し、送材
面２４，２６の左面側が上昇する。また前記介装
片４６を左方向へ移動すると同じく送材面２４，
２６の左面側が下降する。そして、これにより、
刃口テーブル２７の刃口２８の平行度が調整され
る。

而て、前記した位置調整後に、再びロツクシリ
ンダー３５，３８ａ，３８ａ，３８ｂのシリンダ
ーロツドを引張してロツク状態に戻し、前記移動
台１６，テーブル受台２２及び刃口テーブル２７
を安定的に保持する。

前記実施例は、介装片４６によりテーブル受台
２２を介して刃口テーブル２７の送材面を傾斜さ
せるものではあるが、前記介装片４６を刃口テー
ブル２７の一側の直下に配置してもよい。

＜考案の効果＞ 本考案は前記の説明によつて明らかにしたよう
に、基台１と刃口テーブル２７との間に上下いず
れかの面を傾斜面とした介装片４６を介装し、該
介装片４６を幅方向に移動させることにより、刃
口のみならず、刃口テーブル２７の全面を傾斜さ
せて、刃口の平行度調節を施すようにし、刃口の
みを捩るようにするものではないから、該刃口の
変形がない。また、刃口テーブル２７を一側にお
いて線支持するものであるから、その支持が安定
して施され、刃口精度が向上する等の優れた効果
がある。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例を示し、第１図は
縦突きスライサーの正面図、第２図は同一部切欠
側面図、第３図は第２図Ａ−Ａ線断面図、第４図
は第６図Ｂ−Ｂ線位置で一部を切欠して示す要部
の側面図、第５図は第６図Ｃ−Ｃ線位置で一部を
切欠して示し、かつ下部に螺子杆５０ａ，５０ｂ
の連係機構を付した要部の側面図、第６図はＤ−
Ｄ線断面図である。 １…基台、１２…後テーブル、１６…移動台、
２２…テーブル受台、２４…傾斜面、２７…刃口
テーブル、２８…刃口、４５…傾斜受面、４６…
介装片、４７…傾斜案内面、５０ａ，５０ｂ…螺
子杆、５３…ハンドル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 切削刃を装着した後テーブルと、該切削刃に
   対応する刃口を装着した刃口テーブルとを基台
   上に支持した木工用縦突きスライサーにおい
   て、 刃口テーブルと基台との間の一側部位置に、
   傾斜受面と面接合して案内作用を生ずる幅方向
   への傾斜案内面を上面又は下面に形成した前後
   方向に長い介装片を配設し、 かつ該介装片を幅方向へ移動する送り機構
   を、該介装片に連係したことを特徴とする木工
   用縦突きスライサーの刃口の平行度調整装置。 ２ 基台に乗載したテーブル受台上に刃口テーブ
   ルを設け、刃口テーブルと基台の間の一側部位
   置に前記介装片を配設したことを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の木工用縦突
   きスライサーの刃口の平行度調整装置。