JPH0136555Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ある一定温度になつたときのみ、
玩具本体の一部又は全部が透明化して、内部の特
定の模様・図形などが透視できるようにした透視
玩具に関するものであり、玩具が置かれている環
境温度の変化に反応して、模様などが表出・消減
する変化を楽しめる玩具を提供することを目的と
する。

上記目的を達成するため、この考案では第１
に、任意の形象を備えた玩具本体の一部又は全部
を、透明材料で形成し、少なくともその透明部分
を含む一部又は全部を、一定温度において無色に
変化する感温変色性色素により着色している。

玩具本体の形象は、この玩具を遊ぶ幼児などに
馴染みのある動・植物、車両、船舶、飛行体、又
は架空動物（例えばマスキヤラ：大衆情報メデア
を通じて周知になつたキヤラクター）など、いず
れであつてもよい。玩具本体及び透明材料は、幼
児などの安全性を考慮して、軟質プラスチツク、
硬質プラスチツク、又はガラスなどを用いること
ができる。

また、感温変色性色素とは、株式会社松井色素
化学工業所の商標「サーモクロミツク・カラー」
で知られる色素であつて、各種の色彩のものがあ
る。

また、上記目的を達成するため、この考案では
第２に、玩具本体内に、前記透明部の感温変色性
色素で着色した部分に対応する位置において、表
面に適宜の模様などを表わした表示部材を収容し
ている。この表示部材の模様は、この玩具の遊戯
者に興味を促進させるため、玩具本体の形象に関
連性を有するものであることが望ましい。

次に、この考案の実施例を、図面に基いて説明
する。

第１図は、玩具本体Ａに魚、例えば、エンゼル
フイツシユの形態を備えた一例を示している。こ
の玩具本体は、軟質塩化ビニルで形成され、空気
を充満された中空状の胴部１と、空気の充満され
ていない扁平状の、又は空気を充満された中空状
の尾びれ部２、背びれ部３、腹びれ部４などを有
している。

玩具本体Ａの胴部の一部を透明材料で形成し
て、窓５が構成されている。窓以外の部分は、不
透明・無着色、又は一般顔料を用いて魚らしい色
彩又は模様が施されている。玩具本体全体を透明
材料で形成し、窓５以外の部分を一般顔料で着色
してもよい。

そして、窓５部分には、上述の感温変色性色素
で着色されている。第１図の魚玩具を、例えば、
簡易プールなどで水中に入れて遊ぶものとする場
合は、常温、すなわち、水に入れない状態で発色
して、水温と等しい温度のとき、例えば、15〜25
℃で消色する感温変色性色素が用いられ、また、
例えば風呂において湯の中に入れて遊ぶものとす
る場合は、常温、すなわち、湯に入れない状態で
発色して、湯温と等しい温度、例えば33〜48℃の
ときに消色する感温変色性色素が用いられる。

こうして、この玩具を水、又は湯の中に入れる
と、その水又は湯の温度が所定温度である場合
は、窓５が透明になり、玩具本体の中が見えるよ
うになる。

なお、窓５以外の部分にも、窓に着色した色素
と発色、消色温度の異なる感温変色性色素又は窓
の色素と発色・消色温度が同じ、もしくは異なる
感温変色性色素と一般顔料を混合したものを塗着
し、あるいは塗り分けることもよい。このように
した場合は、玩具を入れた水又は湯の温度が所定
温度である場合は、窓が消色透明になるととも
に、窓以外の部分の色彩・模様が変化する。

玩具本体Ａの中空胴部１の内側には、前記窓５
に対応する位置に表示部材Ｂが設けられている。
この表示部材は、例えば胴部１を形成している左
右両幕１ａ，１ｂの上端部及び下端部の間に、
上・下各端部を浴着した中吊幕で構成することが
でき、その表示部材の両面に、玩具本体Ａの形象
に関連性のある模様など６、例えば、稚魚の群、
深海の風景、南島の幸福な風景、又は人形あるい
は当該魚の骨もしくは食した他の魚の骨などの絵
図が設けられている。

上述のような構成により、この魚玩具を常温の
中におくと、窓５は有色不透明であつて、他の部
分とともに、普通の魚の胴部と同様の外観を呈し
ているが、これを水又は湯の中に入れると、窓５
が無色透明になり、玩具本体内に設けてある表示
部材Ｂの模様が見えてくる。第３図は、この玩具
を水又は湯の中に入れたときに胴部の一部に海面
に浮いた鯨の絵が透視できるようにした例、第４
図は、同じく、水又は湯に入れたときに胴部の色
彩が一変して、子魚をいつぱいつれた母魚に変身
するようにした例を示している。第４図の例で
は、稚魚の数を数える教材としても使用できる。

このように、水中又は湯中に入れて遊ぶ玩具と
して、従来経験したことのない、意外な変化と表
示を楽しむことができる。

変色した玩具は、これを常温に戻せば、再び感
温変色性色素が発色して、表示部材の模様は見え
なくなり、玩具本体は常温時の元の状態に戻る。

上記実施例では、玩具本体を空気入りビニル製
品で形成し、表示部材を中吊幕で形成したが、こ
れらは硬質プラスチツク材料で成形することもで
きる。

玩具本体の形象の他の例を挙げれば、第５図に
示すように鳥又は第６図に示すようにカニなどと
することもできる。また、上記実施例では、温度
変化媒体として、水、湯を用いたが、その他に、
熱風又は冷風を用いることもできる。そして、例
えば、鳥の形を有する玩具を、サンルーム、温室
などに吊り下げ、室温が所定温度より低下したと
き、又は所定温度より上昇したときに、その鳥の
胴体の一部が消色透明となり、第５図に示すよう
に、内部の表示部材の低温を表示する例えば青色
又は高温を表示する例えば赤色が透視できるよう
にして、この玩具で冷風又は熱風で変化する温度
表示体を兼ねることも可能である。

いずれの実施例の場合も、玩具の表面温度を変
化させることにより、内部の模様が透視できる状
態になつたり、再び消失したりするので、その変
化が面白い。また、表示部材は玩具本体内に収容
してあるので、玩具使用中の表面模様などの損傷
が防止され、常に鮮明な表示が可能である。

上述のように、この考案による玩具は、玩具本
体の一部又は全部を透明材料で形成し、その一部
又は全部を一定温度において消色する感温変色性
色素で着色し、その玩具本体内に適宜の模様など
を表わした表示部材を収容してなるものであるか
ら、これを水又は湯に入れ、あるいはこれに冷風
又は温風をかけて、一定温度になつたときに玩具
本体の一部又は全部が消色して、その部分に内部
の表示部材の模様が透視でき、また、温度が変れ
ば再び模様が消失するので、その変化を楽しむこ
とができる。加えて、表示部材の模様などの損傷
が防止されるので、長期の使用に拘わらず、鮮明
な表示が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の側面図、第２図は第１図の
−線断面図、第３図は玩具本体の着色及び表
示部材の模様の一例を示す側面図、第４図は他の
例を示す側面図、第５図及び第６図は玩具本体の
形象の他の例を示す側面図である。 Ａ……玩具本体、Ｂ……表示部材、６……模様
など。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (イ) 玩具本体の一部又は全部を透視材料で形成す
   るとともに、その一部又は全部を、一定温度に
   おいて消色する感温変色性色素により着色し、 (ロ) 前記玩具本体内に、表面に適宜の模様などを
   表わした表示部材を収容してなる透視玩具。