JPH0135663Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、床土詰機における鎮圧装置の改良
に関する。

この考案の目的は、鎮圧板にて床土上面を鎮圧
する場合に、育苗箱の移動方向と直交する方向の
側辺を、鎮圧作用に悪弊を与えることなく迅速、
確実に乗り越え得るようにすること、にある。上
記目的を達成すべく工夫せる本考案は、床土を散
布した育苗箱を搬送装置により略水平に搬送すべ
く成した床土詰機において、該育苗箱内の床土上
面を上方より押圧する押さえ平面を形成せる鎮圧
板を前記育苗箱の移動に起因して該育苗箱の移動
方向と直交する方向の側辺上縁を飛越する擬似卵
形運動すべく装架してあることを特徴とするもの
である。

本考案の実施例に就いて、図面を参照しながら
詳細に説明する。

１は、床土詰機Ａの移動案内側枠２，２間に載
架定着せる凸形の機枠である。３は、前記移動案
内側枠２，２間にあつて、搬送装置上を載架移動
する育苗箱４の内方に散布された床土上面を上方
より鎮圧する鎮圧ロールである。

該鎮圧ロール３は、前記機枠１の左右側壁１
ａ，１ｂに回動自在に軸支せる揺動杆５，５の先
端に回転自由に軸架する。該揺動杆５，５は発条
６，６によつて下方に向け弾性付勢する。７は、
前記鎮圧ロール３の外周面に付着せる土を剥ぎ取
るスクレーバで、該スクレーバ７は前記揺動杆
５，５に具着する。そして、前記機枠１の内腔に
は、前記育苗箱４の移動方向に揺動すべく平行ク
ランク装置Ｂを構成する二本の平行なリンク８
ａ，８ｂを回動自在に吊下する。９は、鎮圧板
で、該鎮圧板９は下側にあつて床土上面を上方よ
り押圧する押え平面９ｂを形成し、上側にあつて
は前記押え平面９ｂと略平行な取付板９ａを形成
し、該取付板９ａと前記押え平面９ｂは前下傾す
る斜立壁９ｃを形成すべく一体折曲成形してな
る。

該鎮圧板９の取付板９ａの上面には、前記リン
ク８ａ，８ｂの離間距離と等間隔を置いて前後に
支えピン９ｄ，９ｅを固設する。前記平行なリン
ク８ａ，８ｂの下方には、鎮圧板９の支えピン９
ｄ，９ｅを回転自由に吊下支着し、鎮圧作用状態
（第２図イ，ロ図参照）において前記鎮圧板９を
その取付板９ａが略水平状態になり、然もリンク
８ａ，８ｂの連結リンクを構成すべく吊下する。
そして鎮圧板９の押え平面９ｂは、鎮圧作用待機
状態（第２図イ図）にあつて、育苗箱４の側辺４
ａ，４ｂの上縁よりやや下つた位置となるように
する。

前記リンク８ａ，８ｂのうち前側（第２図各図
において左側）の支えピン９ｄを軸嵌するリンク
８ａの支え部は、長穴８ａ１と成して、育苗箱４
の側辺４ａ，４ｂを鎮圧板９が乗り越える際の上
昇を許容し得るようにしておく。他方、もうひと
つのリンク８ｂの中間部には、側方（第２図にお
いて紙面に垂直な方向）に向け、ピン８ｂ１を突
設する。そして、前記機壁１の天板１ｃ上を前記
リンク８ｂの上部支点８ｂ２の上方位置を略中心
にして育苗箱４の移動方向に転動するローラー１
０を利用した移動支点１０ａと、前記ピン８ｂ１
との間に、引張コイルバネ１１を弾着係架して、
ピン８ｂ１を常時上方に向け引き上げするように
なす。さらに、このピン８ｂ１には下方に感知棒
１２ａを固設せる感知アーム１２をその上部に穿
設せる長穴１２ｂを介して嵌着する。該感知アー
ム１２の下部には、ピン１２ｃを側方に突設さ
せ、該ピン１２ｃは、機枠１に止着せる板バネ１
３により、前記感知アーム１２を常時上方に押し
上げ付勢すべくなす。又、該板バネ１３は、鎮圧
板９を上昇させる際にその上昇を助成すべく上方
に付勢すべくなす。

１４は、前記鎮圧板９の前側の支えピン９ｄの
動作を規制する規制片で、該規制片１４は後側に
下傾すべく機枠１に止着し、該鎮圧板９が鎮圧作
用時には前側の支えピン９ｄの浮き上がりを防止
し、非鎮圧時には育苗箱４の側辺４ａ，４ｂを乗
り越え得るべく浮き上がりを許容するようにな
す。

次に、本考案の作用について主に第２図イ〜ニ
図を参照し説明する。

床土を散布された育苗箱４は、搬送装置により
第２図各図において右方に移動される。そして、
その移動中に育苗箱４内の床土上面は、鎮圧ロー
ル３によつて鎮圧される。係る鎮圧作用の状態が
進行し、第２図イ図に示す如く鎮圧板９の先端９
ｃが前記育苗箱４の移動方向と直交する方向の側
辺４ａに突き当ると、育苗箱４の進行に伴つて押
されて、前記鎮圧板９を吊下せる平行クランク装
置Ｂの二本の平行なリンク８ａ，８ｂは反時計方
向に揺動し、鎮圧板９全体が平行状態の姿勢で下
降し、育苗箱４の側辺４ａに発生せる鎮圧ロール
３の胴周面鎮圧残部による床土の盛り上がり部分
を鎮圧する。この時に感知アーム１２は、第２図
イ図に示す非感知状態から次第に時計方向に揺動
される。この平行なリンク８ａ，８ｂの揺動に伴
つて、ローラー１０は若干右方に移動し、又、左
方のリンク８ａの下部の長穴８ａ１に嵌支せる支
えピン９ｄは、規制片１４の下面に沿つて移動
し、右方のリンク８ｂの中間部のピン８ｂ１の下
降に連れて該ピン８ｂ１に嵌着せる感知アーム１
２は、板バネ１３を押し下げるものの、その上方
付勢作用を受けるから、該アーム１２の長穴１２
ｂを上昇し、第２図ロ図に示す如く二本のリンク
８ａ，８ｂ、そして感知アーム１２は略垂下状態
になる。この時鎮圧板９の押え面９ｂは床土上面
を最大限鎮圧する。さらに、育苗箱４が右方に移
動し続けると、平行リンク８ａ，８ｂは、引張コ
イルバネ１１により下死点を越え、瞬時に時計方
向に揺動する。この時に平行なリンク８ａ，８ｂ
の揺動に伴つて、ローラー１０はさらに右方に移
動し、又、左方のリンク８ａの支えピン９ｄは規
制片１４の下面を脱出し、右方のリンク８ｂの中
間部のピン８ｂ１の上昇によつて、板バネ１３の
上方付勢作用により、感知アーム１２は時計方向
に回動し、感知棒１２ａが育苗箱４の側辺４ａの
通過感知可能状態に入る。この時に鎮圧板９は、
右方のリンク８ｂの揺動によるピン８ｂ１の上昇
に加えて、板バネ１３による上昇付勢作用をも受
け、該リンク８ａの下部の長穴８ａ１を支えピン
９ｄが上昇し、第２図ハ図に示す如く鎮圧板９全
体が前上り状態に斜傾上昇し、その押え面９ｂ
は、育苗箱４の側辺４ａ，４ｂの通過を許容する
状態となる。育苗箱４はなおも右方に進行し、鎮
圧板９の押え面９ｂを育苗箱４の側辺４ａ，４ｂ
が通過し、該側辺４ａが感知棒１２ａに当接する
と、感知レバー１２は反時計方向に揺動される。
該感知レバー１２の揺動によつて今度は板バネ１
３を押し下げ、同時にリンク８ａ，８ｂを時計方
向に揺動させる。（第２図ニ図参照）この時にロ
ーラー１０は左方に若干移動する。さらに育苗箱
４が右方に進行すると、リンク８ａ，８ｂは引張
コイルバネ１１により下死点を越え瞬時に時計方
向に揺動する。この時に、リンク８ａ，８ｂの揺
動に伴つてローラー１０はさらに左方に移動し、
又、左方のリンク８ａの長穴８ａ１に嵌着せる支
えピン９ｄは規制片１４の上面を通過し左方に移
動し、右方のリンク８ｂの中間部のピン８ｂ１の
上昇によつて板バネ１３の上方付勢作用と前記引
張コイルバネ１１の引き上げ付勢によりリンク８
ａ，８ｂの揺動が進行し、再び第２図イ図の状態
に戻る。

このように鎮圧板９は、鎮圧作用時には平行ク
ランク装置Ｂの作用によつて反時計方向に平行運
動しながら下降鎮圧し、そして鎮圧作用が終了し
感知アーム１２の下部に取り付けた感知棒１２ａ
が感知可能状態になるまでなお揺動後退する。こ
の後退時に鎮圧板９は板バネ１３の上昇付勢と規
制片１４の浮き上り防止解除により前上り状態に
姿勢変更しながら右方へ上昇揺動し、次に感知ア
ーム１２の感知棒１２ａが移動せる育苗箱４の側
辺４ａによつて押され、この動作に起因して今度
は鎮圧板９は前上り状態のまま左方に揺動し、育
苗箱４の側辺４ａ，４ｂを乗り越える。そして、
鎮圧板９は第２図イ図状態に入るまで左方へ前進
し、前上り状態から再び鎮圧作用待機状態へと移
行し押え面９ｂが略水平状態になる。このように
鎮圧板９は前記育苗箱４の搬送移動に起因して該
育苗箱の側辺上縁を飛越する擬似卵形運動をなす
ものである。

以上の如き構成、作用の本考案によれば、従前
の如き吊下せる鎮圧板を単に育苗箱の移動に伴つ
て押し上げ回動させて育苗箱の側辺上縁を滑動し
ながら乗り越えるのではなく、鎮圧板９を育苗箱
４の搬送移動に起因して該育苗箱４の側辺４ａ，
４ｂ上縁を飛越する擬似卵形運動させるものであ
るから、育苗箱４の側辺４ａ，４ｂを押さえ平面
９ｂが乗り越える際に迅速に然も確実に乗り越え
ることができ、育苗箱４の特に材質（木製、或い
は樹脂製など）の種類による停止や破損などの悪
幣を解消できる、など優れた効果を発揮すること
が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案を実施せる床土詰機の鎮圧装
置部分の斜視図で、第２図イ図乃至ニ図は鎮圧装
置の作動を説明するための側断面である。 図面の主な符号の説明、Ａ……床土詰機、４…
…育苗箱、９……鎮圧板、９ｂ……押え平面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床土を散布した育苗箱４を搬送装置により略水
   平に搬送すべく成した床土詰機Ａに於て、該育苗
   箱４内の床土上面を上方より押圧する押え平面９
   ｂを形成せる鎮圧板９を機枠１に装着せる平行ク
   ランク装置Ｂの下側に支着するに、前側のリンク
   ８ａの下部に上下方向の長穴８ａ１を形成すると
   共に該鎮圧板９の前側を該長穴８ａ１に対して摺
   動自在に成し、他方、前記機枠１には鎮圧板９が
   鎮圧完了する平行クランク装置Ｂの最下点位置ま
   で前記鎮圧板９の浮き上がりを規制する規制片１
   ４を止着し、又、機枠１には前記規制片１４の規
   制終了後に鎮圧板９の前側を前記長穴８ａ１の上
   部の上部位置まで上昇付勢すべく板バネ１３を設
   けてあることを特徴とする床土詰機における鎮圧
   装置。