JPH0135161Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、農業用シートの張設具に関し、主に
農業用機械器具類を製造販売する産業分野で利用
されるものである。

（従来技術） 農作物の育成の向上を図つて、透明のビニルシ
ートで農作物を覆つたり、囲つたりする所謂ビニ
ルハウス或は畝囲い、畝覆いシート等が従来より
盛んに利用されているが、該シートを張設する手
段に関しては殆んど改良がなされていない。即
ち、ビニルハウスの場合でも、畝囲い或は畝覆い
シートの場合でも、それらに用いられるシートは
単に平面状、立面状、斜面状及び弧面状の形態で
張設されているに過ぎないため、シート面に照射
した太陽光線は照射方向にしたがつてシートを透
過或は反射するだけであり、したがつて農作物の
特定部分を日照するに止まつて多角的に広範囲に
亘つて農作物を日照できないという問題がある。

（考案の目的） 本考案は、上記の問題に対処して開発完成され
たもので、シートを波面状に張設することにより
シート面に照射した太陽光線を多角的に乱反射さ
せ、この乱反射太陽光線により農作物を多角的に
広範囲に亘つて日照させ得て、農作物の育成の向
上に著しく寄与し得る農業用シートの張設具を提
供することを目的とする。

（考案の構成） 本考案に係る農業用シートの張設具は、棒状の
張設具本体の上端から下方に向つて波状のシート
挿入溝を設けて構成されている。

（実施例） 本考案の実施例を添付図面に基いて説明する。
図において、１は畝Ｇの長手方向に沿つて、その
両側に所要の間隔ごとに立設して使用する張設具
本体であつて、この実施例では、所要長さの棒状
のプラスチツク製円筒体から成り、その下端部に
尖鋭突刺部２を形成すると共に、その上端の直径
位置において、上端から下方に向う２条の波状の
条溝３ａ，３ｂを周壁に対設し、この２条の条溝
３ａ，３ｂにより、張設具本体１の上半部に上端
から下方に向う波状のシート挿入溝３を設けた農
業用シートの張設具を構成したものであつて、図
において、４は上記波状の条溝３ａ，３ｂと適宜
に変角（この実施例では略90度）した位置におい
て、本体の上端から下方に向う２条の直線状の条
溝４ａ，４ｂを設けて形成した直線状のシート挿
入溝、５はシート押え用キヤツプを夫々示すもの
である。

なお、張設具本体１は上記実施例で述べた筒状
体のものに代えて非中空の棒状体を使用してもよ
く、その場合は波状及び直線状のシート挿入溝
３，４は夫々１条の広巾の条溝で形成されること
になる。

次に、上記の実施例にしたがつて、その使用状
態を説明すれば、第２図及び第３図に示すよう
に、例えば畝Ｇの長手方向の両側に複数本の本張
設具を所要の間隔を保ち、且つその波状のシート
挿通溝３を畝と平行に位置させて配置し、尖鋭突
刺部２を利用して地面に立設する。次に、所要巾
の長尺透明プラスチツクシートＳを各張設具の挿
通溝３に挿通し、適度のテンシヨンを加えて張設
すると、シートＳは波状の挿通溝３の形状にした
がつて波面形状に張設される。この状態におい
て、農作物Ａは通常の畝囲い用シートと同様に、
シートＳにより防風、保温され、また、シートを
外側から照射した太陽光線はシートを透過して農
作物を日照するのであるが、シートを内側から照
射した太陽光線の１部は、シートの波面によつて
矢印で示すように多角的に複雑に乱反射し、その
乱反射光線によつて農作物を多角的に広範囲に亘
つて日照するものである。

また、農作物の種類または発育状態によつて、
乱反射光線による多角的、広範囲な日照が好まし
くない場合は、第４図に示すように直線状のシー
ト挿通溝４を利用して、シートＳを平面的に張設
するものである。なお、キヤツプ５は張設したシ
ートの抜脱、妄動を防止する役目を果すものであ
るから、張設具に対して密嵌可能なサイズ乃至は
構造を備えていることが好ましい。

（考案の効果） 本考案は、棒状の張設具本体の上端から下方に
向つて波状のシート挿入溝を設けて成る農業用シ
ートの張設具に係るものであつて、上記の態様で
使用するものであるから、波状のシート挿通溝に
挿入されて張設されたシートは波面状を呈し、し
たがつて該張設シートを内側（畝側）から照射し
た太陽光線の１部は、シートの波面によつて多角
的に複雑に乱反射し、その乱反射光線によつて、
常態では日照されることの少ない農作物の裏側、
茎部等を含めて農作物を多角的に広範囲に亘つて
日照でき、農作物の育成の向上に著しく寄与し得
ると共に、シートの張設作業も極めて簡便である
等の特長を有するものである。

なお、本考案の実施に際して使用するシートと
して、アルミ箔接着シート、アルミ蒸着シートを
シートの全面或は部分的に用いれば、その乱反射
効果を一層増大できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
キヤツプを取外した状態での斜視図、第２図は農
業用シートの張設状態の略示図、第３図は畝の両
側に使用した状態の説明図、第４図は農業用シー
トの張設状態の他例の略示図である。 １……張設具本体、３……波状のシート挿入
溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 棒状の張設具本体の上端から下方に向つて波状
   のシート挿入溝を設けて成る農業用シートの張設
   具。