JPH0133684B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、形造られたクツシヨン付きパネルを
家具に固定する為に用いるパネル釘、及び特に分
離可能な様に連結された一連のパネル釘の帯に関
する。

〔従来の技術とその課題〕

布張りの椅子、二人がけチエアーやソフアの製
造に於いて、完成したクツシヨン付きパネルをひ
じかけの前部や側部、或いは一個の家具の背部全
体に取付ける事が望ましく、又必要な事がある。
もし、使われる布が（人工）皮革であれば、これ
らのパネルは装飾的な真ちゆう製の頭部付き鋲を
使つて家具に取付けられる。また、つめものをす
る布が毛足の長い、又は目の荒いツイードの様な
材料であれば、パネルは手で、又は動力工具で打
ち込まれるかくし釘によつて家具に取付けられる
ので、釘は厚い布を通して打ち込まれ、パネルが
取付けられた後には、目につかなくなる。しか
し、家具やパネルがサテンやビロードやサラサな
どきめの細かい布を使つてつめものをされる場
合、装飾的な釘は目にそぐわないし、またかくし
釘は布を破つてしまう。この様な場合は、大きな
頭部付き鋲や、板突きの釘や鋲帯などを、種々の
方法で保持板に取付ける事によつて間に合わせる
のが普通の方法であるが、どれも満足出来るもの
ではなかつた。

この様にして、パネルはその一面をクツシヨン
でおおわれ、釘は頭部をなんとか見えないように
しておいて、釘足は反対側の面から突出した形と
なる。パネルはそれから、ヘツドのやわらかい、
あるいはゴム製のつちを使つて、釘が完全に入る
まで布の上から注意深く打ち込む事によつて取付
けられる。この作業を通して、鋲や釘の頭部が保
持板から浮き出てクツシヨン材側に突出しない様
に、そして仕上げの布がきちんとして滑らかな状
態でかつ釘が完全にかくれた状態に出来上る事を
願うのみである。しかしながら、従来の頭部付鋲
等を用いるこのような作業にはかなりの熟練を要
し、またその作業は時間のかかるものとなつてし
まう。

従つて、本発明の目的は、クツシヨン付パネル
を家具に固定するために用いるのに最適な構造の
パネル釘を提供することにある。

さらに本発明の目的は、クツシヨン付パネルを
目につかないように簡単にしかも確実に家具の部
分に取り付けることができるパネル釘を提供する
ことにある。

さらに本発明の別の目的は、巻き取られた状態
で保管でき、しかも、使用の際に、最小の時間と
労力で、素早くかつ作業性よく、打込み機械によ
りパネルの保持板にパネル釘を取り付けることが
できる複数のパネル釘が分離可能に連結された一
連のパネル釘帯を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明によれば、前記目的を達成するため、実
質的に平板状の頭部と、該頭部と一体でその片面
から実質的に直角に伸長する釘足と、該頭部と一
体的に構成され、曲げられて保持板に係合するこ
とによりパネル釘を保持板に固着させる保持板係
合手段とから構成され、家具等にクツシヨン材を
取り付けるのに使用される保持板の取付けに適し
たクツシヨン取付用パネル釘であつて、前記保持
板係合手段は、その長さが釘足よりも短く、且つ
パネル釘が取り付けられる保持板に貫通し曲がり
込んで係合可能なように断面形状を有する少なく
とも一つの突出片から構成されていると共に、前
記釘足は、家具等の枠にクツシヨンを付けたパネ
ルをパネル釘によつて固定する際それに加わるね
じり力に抵抗するように働く巾の広い基部と、釘
足部の強度と固定力を増すように働く厚みの増し
た中間部と、尖つている先端部とからなることを
特徴とするパネル釘が提供される。

さらに本発明によれば、上記のような構造の複
数のパネル釘を、上記頭部の隣接する横方向へり
部の一体的連結部分により互いに分離可能に一体
的に連結してなる一連のパネル釘から成るパネル
釘帯が提供される。

〔実施例〕

以下、添附図面に示す実施例を説明しつつ、本
発明について具体的に説明する。

第１図及び第２図を参照すると、全体的に符号
１０で示されているパネル釘は、実質的に平板状
の頭部１２と、それから打ち出され、そのＡ一面
から実質的に直角方向に外側に延びる長い釘足１
４と、保持板に固定する為に設けられた一対の短
い突出片１６，１６とから成り立つている。

釘足１４は、図示の様に、巾の広い基部１４ａ
と、それと一体に続く厚みの増した中間部１４ｂ
と、更にそこから続く尖つている先端部１４ｃと
から成る。中間部１４ｂと先端部１４ｃの両側部
には、クツシヨン付きパネルを家具の木枠部にハ
ンマーで打ち込む際、釘足部１４がしつかりと固
定する様に、鋸歯状の歯１８が設けられる事が望
ましい。基部１４ａは、頭部１２との接点からわ
ずかに外側にふくれて強度を与えている。釘足１
４は、基部１４ａで一番巾が広くなつていて、ク
ツシヨン付きパネルが家具の木枠に打込まれた状
態で受けるねじり力に対して抵抗する様にしてい
る。釘足１４の中間部１４ｂは、釘足１４の強度
と固定力を増し、がん丈にする為、しぼり加工で
厚みが付けられている。この様にして中間部１４
ｂに形成されたふくらんだ形状は、歯１８と共
に、釘足１４をしつかりと打込まれた部所に固定
する役目を果している。

保持板に固定する為の突出片１６，１６は、第
１図と第２図に示す様に、間隔を持つて互いに平
行に設けられている。各突出片１６，１６は、釘
足１４よりも短く、その両側部１６ａ，１６ａは
ゆるやかに先細りとなり、平らな先端で終つてい
る。

パネル釘１０の一部を成す頭部１２は、第２図
ではつきり分かる様に、断面略船底状になつてい
る事が望ましい。すなわち、頭部１２の横方向の
各々のへり部には、釘足１４や、突出片１６，１
６の側に心持ち内側に向つて延びている一対の突
起１２ａ，１２ａが形成されている。この発明の
望ましい態様によれば、突起１２ａ，１２ａは、
パネル釘１０の頭部１２が第５図及び第６図に示
すパネル釘の帯を形成する際に、横方向へり部の
隣り合せの部分をつなぎ合せるウエブ２０，２０
が切り離された時に生じるものである。ウエブ２
０，２０の接合部は、型打ちによつて厚みが減じ
てあるか、或いは第５図及び第６図に符号２４で
示されるように、パネル釘が、自動機械か工具を
使つて保持板に取り付けられる際、パネル釘を帯
から切離すのが容易になる様、しぼり込み加工を
ほどこしてある。

さて、第３図と第４図では、第１図及び第２図
で説明したパネル釘が保持板３０に取り付けられ
た状態で示されている。保持板３０の材料は、厚
紙、チツプボード、合板やその類似品で、家具の
製造に使われるクツシヨン付きパネルを構成する
種々の材料のどれでも良い。機械又は工具によつ
て頭部に力が加わると、釘足１４や突出片１６，
１６は容易に保持板３０を貫通する。突出片１
６，１６は、パネル釘１０を保持板３０に取付け
る際に使う機械によつて保持板３０の内側３０ａ
の表面をだき込む形で折り曲げられる。釘足１４
は、保持板３０にパネル釘１０が打たれ、クツシ
ヨンを取り付けた後、家具の木枠にいつでも打込
まれる様に、そのまま外側に突出した形態でとど
まつている。機械又は工具で頭部に加えられた力
は、頭部１２の横方向のへり部にある突起１２
ａ，１２ａが、第４図で明らかな様に、保持板３
０の中に一部くい込む様に作用する。頭部１２
は、滑らかで表面にしつかり取付く様設計されて
いるので、完成したクツシヨン付きパネルを家具
の枠に取付ける為打ち込んでも、全く障害がない
ばかりか、同様に重要な事であるが、頭部は外部
からは全く見えず、クツシヨンを覆うのに使う布
にも全くこん跡を残さない。

第９図及び第１０図に示す本発明の他の実施例
のパネル釘６０は、実質的に平板状の頭部６２
と、その一面から外に向けて実質的に直角方向に
延びる打ち出された釘足６４と、頭部６２と一体
でかつ釘足と反対側に向つて延びている保持板に
取り付ける為の突出片６６，６６とから成つてい
る。釘足６４は第１図、第２図のパネル釘１０の
釘足１４と類似しており、基部、中間部及び先端
部から成る。中間部は釘足６４の強度を増し、固
定性を良くする為にしぼり加工などで厚みを増し
てあり、釘足６４の先細りになる両側部には歯が
設けられている（図示省略）。第１０図に示す様
に、パネル釘６０が保持板３０に組付けられる為
には、保持板３０を突出片６６，６６の方に押し
付け、それ等を曲げるか巻き込むかして保持板を
固定するか、或いは突出片６６，６６が保持板３
０を貫通してそれらが保持板を抱き込んで固定す
る迄パネル釘に力を加えるかの方法によつてい
る。

本発明に係るパネル釘の構造は、いずれの態様
に於ても第５図、第６図にて説明されたパネル釘
帯２２と同様の帯状に製造出来、また帯の形で使
用されるものと了解されたい。

また、パネル釘帯は概略的に示す第８図に於け
るコイル７０の様な形に巻取る事が出来る。この
様なコイルは数百個のパネル釘から成り、繰り返
し、選択的にパネル釘を保持板に組付ける自動機
械や工具の容器に収める事が出来る。全作素は最
少の時間と労力で遂行する事が可能で、完成品は
従来の釘や鋲を保持板に手で取付けていた作業に
比較してずつとすぐれたものとする事が出来る。

第１１図には、本発明に係るパネル釘を保持板
に組付ける際の機械もしくは工具の一例を概略的
に示されている。機械あるいは工具は、パネル釘
をパネル釘帯２２や、或いはそれがコイル状にな
つたものから順次切り離す目的で使用する往復す
る刃又はプランジヤー８０を有している。切り離
されたパネル釘は釘足１４を受け入れる溝８４と
突出片１６，１６を保持板３０に曲げ込んで固定
する為の成形用のへこみ８６を有する金床又は型
８２の上で支えられた保持板３０に順次高速作業
で取付けられて行く。第７図には、クツシヨンを
取付ければ例えば家具の腕部となる様な形に切り
取つた保持板３０上の所定の場所にパネル釘１０
が組込まれた状態が示されている。

第１２図には、本発明のパネル釘１０を取付け
た保持板３０を使つて完成したクツシヨン付きパ
ネル９０が示されている。完成したクツシヨン付
きパネル９０は、図に示す通りに、保持板３０、
複数のパネル釘１０、発泡材や木綿のクツシヨン
又はパツト材９２と布、プラステイツク、皮革あ
るいはこれに類似するもので出来た仕上げ層９４
から構成されている。パネル９０は、完成したク
ツシヨン付きパネルの一面から外に向つて突き出
している釘足１４を家具の部分である木枠９６に
打ち込む事によつて固定されている。木枠９６
は、通常、クツシヨン付きパネル９０の仕上げ層
と同じ材料の布９８で覆われている。説明の目的
の為に、望ましい実施態様について説明した来た
が、それ以外の内容についても、当業者に自明の
ものは本発明に含まれる。

〔発明の作用及び効果〕

以上説明したところから明らかなように、本発
明のパネル釘は、例えばソフアのひじ掛けの形状
に対応する形状など、所定の形状に成形された保
持板に打ち込まれ、貫通した突出片が折り曲げら
れて保持片に固定される。次に、釘足が突出して
いる側と反対側の保持板の面にクツシヨン材が配
置され、これを覆うように適当な布材が被着さ
れ、クツシヨン付きパネルが得られる。これを家
具等の木枠部に上記釘足が突出している面を当接
し、木づち等でたたくことにより取り付ける。こ
の際、パネル釘は突出片により保持板に堅固に固
定されているので、パネル釘の頭部がクツシヨン
材の側に浮き上つ突出することもなく、また作業
者が厳密にパネル釘をたたかなくても家具等の木
枠に打ち込むことができるので、熟練者でなくて
も簡単に取り付けることができる。さらに、釘足
はねじり力に抵抗するように働く巾の広い基部
と、強度と固定力を増すように働く厚みの増した
中間部と、尖つている先端部とからなるため、容
易に家具等の木枠に打ち込むことができ、しかも
一旦打ち込んだ後は、ずれたり抜けたりすること
なく家具等の木枠にしつかりと固定される。

さらに、本発明のパネル釘帯は、このようなパ
ネル釘が分離可能に連結されているので、コイル
状に巻いて保管できると共に、打込み機械に連続
的に供給して、保持板へのパネル釘の打込みをわ
ずかな時間と労力で作業性よく行なうことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のパネル釘の一実施例を示す斜
視図、第２図は第１図の２―２線断面図、第３図
は本発明のパネル釘を取付けた保持板の部分斜視
図、第４図は第３図の４―４線拡大断面図、第５
図は第１図に示したパネル釘が帯状に連結された
パネル釘帯の平面図、第６図は第５図に示したパ
ネル釘帯の側面図、第７図は本発明によるパネル
釘の数個が取付けられた代表的な形の保持板の斜
視図、第８図は第５図や第６図で示した様なパネ
ル釘帯を巻いたコイルの概略側面図、第９図は本
発明のパネル釘の他の実施例の斜視図、第１０図
は、第９図のパネル釘が取付けられた保持板の部
分断面図、第１１図はパネル釘が自動機械又は工
具を使つて保持板に取付けられようとしている様
子を部分的に断面図で示した側面図、第１２図は
その保持板に本発明に係るパネル釘が取り付けら
れている完成したクツシヨン付きパネルが、家具
の一部である木枠の部所にハンマーで打ち込まれ
た様子を部分的に示した断面図である。 １０，６０はパネル釘、１２，６２はパネル釘
の頭部、１４，６４は釘足、１６，６６は突出
片、１８は歯、２０はウエブ、２２はパネル釘
帯、３０は保持板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 実質的に平板状の頭部と、該頭部と一体でそ
   の片面から実質的に直角に伸長する釘足と、該頭
   部と一体的に構成され、曲げられて保持板に係合
   することによりパネル釘を保持板に固着させる保
   持板係合手段とから構成され、家具等にクツシヨ
   ン材を取り付けるのに使用される保持板の取付け
   に適したクツシヨン取付用パネル釘１０であつ
   て、前記保持板係合手段は、その長さが釘足１４
   よりも短く、且つパネル釘１０が取り付けられる
   保持板３０に貫通し曲がり込んで係合可能なよう
   に断面形状を有する少なくとも一つの突出片１６
   から構成されていると共に、前記釘足は、家具等
   の枠にクツシヨンを付けたパネルをパネル釘によ
   つて固定する際それに加わるねじり力に抵抗する
   ように働く巾の広い基部と、釘足部の強度と固定
   力を増すように働く厚みの増した中間部と、尖つ
   ている先端部とからなることを特徴とするパネル
   釘。 ２ 前記保持板係合手段は、実質的に互に平行で
   間隔を持つて位置する一対の針状突出片から構成
   される特許請求の範囲第１項記載のパネル釘。 ３ パネル釘の頭部は断面略舟底状になつてお
   り、パネル釘が保持板に取付けられる際、少なく
   とも頭部の両端のへりが部分的にでも保持板に食
   い込む様になされている特許請求の範囲第１項記
   載のパネル釘。 ４ 前記保持板係合手段が釘足と同じ側に位置し
   ている特許請求の範囲第１項記載のパネル釘。 ５ 前記保持板係合手段が釘足と反対側に位置し
   ている特許請求の範囲第１項記載のパネル釘。 ６ 実質的に平板状の頭部と、該頭部と一体でそ
   の片面から実質的に直角に伸長する釘足と、該頭
   部と一体的に構成され、曲げられて保持板に係合
   することによりパネル釘を保持板に固着させる保
   持板係合手段とから構成され、前記保持板係合手
   段が、その長さが釘足１４よりも短く、且つパネ
   ル釘１０が取付けられる保持板３０に貫通し曲が
   り込んで係合可能なような断面形状を有する少な
   くとも一つの突出片１６から構成されていると共
   に、前記釘足は、家具等の枠にクツシヨンを付け
   たパネルをパネル釘によつて固定する際それに加
   わるねじり力に抵抗するように働く巾の広い基部
   と、釘足部の強度と固定力を増すように働く厚み
   の増した中間部と、尖つている先端部とからなる
   複数のパネル釘を、上記頭部の隣接する横方向へ
   り部の一体的連結部分により互いに分離可能に一
   体的に連結してなる一連のパネル釘から成ること
   を特徴とする家具等にクツシヨン材を取付けるの
   に使用される保持板の取付けに適したクツシヨン
   取付用パネル釘帯。 ７ 前記保持板係合手段は、実質的に互に平行で
   間隔を持つて位置する少なくとも一対の針状突出
   片から構成される特許請求の範囲第６項記載のパ
   ネル釘帯。 ８ それぞれの釘頭部は断面略舟底形状を有して
   いる特許請求の範囲第６項記載のパネル釘帯。 ９ 一体的連結部分は隣接する釘頭部の横方向へ
   り部における巾及び厚さの減少された部分から構
   成される特許請求の範囲第６項記載のパネル釘
   帯。 １０ パネル釘帯がコイル状に巻き取られている
   特許請求の範囲第６項記載のパネル釘帯。