JPH0133487Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えばグランドピアノ等の平型鍵盤
楽器の梱包装置に関する。

第１図〜第４図は従来のグランドピアノの梱包
装置を示す。

図面において、ａは梱包箱、a₁はその表パネ
ル、a₂はその裏パネル、a₃は側パネル、a₄は台座
であり、ｂはピアノ本体固定用ボルトを示す。ｃ
はピアノ本体、c₁はボルトｂが打ち込まれる脚
持、c₂はボルトｂが打ち込まれるペダル持、ｄは
脚及びペダル梱包箱、ｅは角椅子用梱包箱であ
る。

この装置を組立てるには、第４図に示すよう
に、表パネルa₁及び側パネルa₃の１つを外して梱
包箱ａを裏パネルa₂を下にして置く。この箱ａの
中に上面が開放した形の包装紙ｆを入れ、その所
定の位置に角椅子用抑梱包箱ｅを載せる。その上
にピアノ本体ｃを低音側に底パツドｇ（厚さ20〜
40mm位の発泡樹脂）、脚及びペダル梱包箱ｄを載
せる部分に側パツドｈ（厚さ30cm位の発泡樹脂）
を取り付けてた状態で箱ａ内に収納する。次いで
脚及び梱包箱ｄを所定の空間に収納した後、包装
紙ｆのふたｉをかぶせてその端部に包装紙ｆを溶
着して密閉し、その内部の空気を抜いて後抜き孔
を密封して真空包装する。その後側パネルa₃及び
前パネルa₁を釘止めし、第５図示のように、フツ
クｊを箱ａの台座a₄の端部に掛け、それに取付け
たロープｋを裏パネルa₂の下を通し、その端部を
上方向に引き上げ、梱包箱ａを起立させて運搬状
態とする。

この装置は、以上の起立作業において、裏パネ
ルa₂にピアノ本体ｃの重量がかかるため、図の破
線で示すように、返りやすいから、この反りを防
ぐために裏パネルa₂の内側にはたる木を打ち付け
て補強しなければならない。

また表パネルa₁、裏パネルa₂及び側パネルa₃を
台座a₄等に取付けるには、多数の釘又はステープ
ルを用いなければならないため費用がかかると共
に、組立て及び分解に手間がかかる不都合があつ
た。

更に又、ピアノｃを梱包箱ａから取り出す段階
で裏パネルa₂を取り外すため一時的にピアノａが
不安定な状態に置かれるという不都合があつた。

本考案は、従来のもののかかる不都合が無いグ
ランドピアノの梱包装置を提供することをその目
的としたもので、台座１の上面に取付けられたＬ
形取付部材２，３上に楽器本体４を起立させて載
置すると共に該部材２，３にボルトによつて固定
し、前記台座１上の前部と後部にそれぞれ断面コ
字状の部材５，６を楽器本体４を覆うように互い
に向い合せて起立させるとと共に該部材５，６の
側板５₁，６₁の下端７を前記台座１の両側面に形
成した溝８にはめこみ、前記部材５，６の側板５
_１，６₁の内面に沿つて板状部材９を配置し、蓋部
材１０の両端に設けた角材１０₁をそれぞれ前記
部材５，６の上端部の外側に係合することにより
該部材５，６を前記蓋部材１０と板状部材９で挟
みこむようにしたことを特徴とする。

以下本考案の実施例を図面につき説明する。

第６図〜第１１図は本考案の一実施例を示す。
該図面において、１は梱包箱Ａの台座で、該台座
１はその長手方向に延びる上下各２枚の板材１₁，
１₁、１₂，１₂とこれに直交して上下の板材１₁，
１₁、１₂，１₂間に介入した角材１₃とで格子状に
組立て、その上にダンボール等の密閉用部材１₄
を釘等で固着し、更にその上の所定の位置に２個
のＬ型取付部材２，３を取付け、更に該台座１の
左右に後述の断面コ字状の部材の位置決め用の溝
８を構成するように部材１₆と１₇を取付けたもの
である。１１はポリエステル樹脂等の合成樹脂フ
イルムから成る真空包装用袋、１２は脚及びペダ
ル梱包箱、１３は椅子箱、５及び６はそれぞれ断
面コ字状で部材である。該部材５及び６はそれぞ
れ上下の横桟５₂，６₂とこれ等を連結する縦桟５
_３，６₃を図示のように組立て、その両端に側板５
_１，６₁を取付けたもので、その組立は0.5mm〜１
mm程度の厚さの鉄板を接合部のすべてに表面及び
裏面から当てがつて釘により打ち付けて行なつ
た。また該部材５，６のピアノと当接する部分に
は緩衝用パツド１４を貼着した。

１０は蓋部材で、該蓋部材１０はその長手方向
の両側に角材１０₁をそれて直交する方向に板材
１０₂を釘止めし、その下側に緩衝用パッド１４
を貼着して構成したもの、９は脚及びペダル梱包
箱１２の滑り落ちるのを防止するためと梱包箱Ａ
の幅決めの板状部材で、該板状部材９はダンボー
ル、合板等から成り、ピアノ側に緩衝用パツド１
４を貼着した。

梱包作業について説明すると、第７図Ａ，Ｂに
示すように、先ず、例えば、台座１の上に真空包
装用袋１１を広げて置き、その上にフオークリフ
ト等を利用して楽器本体４を起立した状態で載置
し、ボルト１９をワツシヤ１５を挟む形で一方の
Ｌ形取付部材３の孔３₁に通し、楽器本体４の積
揚４₁に設けた孔２０に螺合して固定し、またボ
ルト１９をワツシ１５を挟む形で他方のＬ形取付
部材２の孔２₁に通し楽器本体４の棚板４₂に設け
た孔２１に螺合して固定する。

該Ｌ形取付部材２，３は第６図示のように、座
板２₂，３₂と起立板２₃，３₃とで構成され、その
両者が両側面に釘止めしたＬ形金具２₄，３₄で連
結され、座板２₂，３₂の上に載置する楽器本体４
の塗面を保護するためのフエルト等の緩衝材１４
が貼付されたもので、該座板２₂，３₂及び起立板
２₃，３₃の材質による制約がないので安価に作る
ことができる。

次いで台座１上に椅子箱１３を載置すると共
に、第８図及び第１０図に示すように、その前部
及び後部のそれぞれに断面コ字状の部材５，６の
側板５₁，６₁を台座１の溝８にはめこみながら載
置する。該側板５₁，６₁はその下端７が溝８には
めこまれることにより図中の矢印方向の回転が抑
えられるから、コ字状の部材５，６は釘等を使わ
なくても安定に台座１上に起立させておくことが
できる。つづいてコ字状の部材５，６の両側の側
板５₁，６₁の内側に沿つて板状部材９を縦にして
挿入し、ピアノ本体４の彎曲部と板状部材９との
間に形成される空間に脚及びペダル梱包箱１２を
収納する。尚、前記椅子箱１３はコ字状の部材６
の縦桟６₃にバンド１６等で固定した。

蓋部材１０はその前後両端に設けた角材１０₁，
１０₁をそれぞれ前記部材５，６の上端部の外側
に係合させることにより板状部材９と協動して前
記部材５，６をそれぞれ挟みこみ梱包箱Ａの奥行
寸法を規制する。

第１１図Ａ，Ｂは梱包箱Ａを被せるダンボール
ケースの筒体１７₁とその蓋体１７₂を示し、この
ダンボールケースを梱包箱Ａに被せた後、第１１
図Ｃに示すようにバンド１８で締めつける。

このように本考案によるときは、ピアノ本体４
を起立させて梱包箱Ａの台座１に取付けたＬ形取
付部材２，３にボルト１９によつて固定したので
従来のように運搬するためにピアノ本体４を梱包
箱に入れた状態で起すという作業を要しなくな
り、そのためピアノ本体４を覆う梱包部材の曲げ
強度は２段積の場合の積圧荷重に耐える程度でよ
く、小さくてすることができ、また取付用ボルト
１９の頭が梱包箱の外にでないので、梱包箱の実
質的容積が小さくなり運賃を安くすることができ
る。更にまた台座１の両側部に設けた溝８にコ字
状の部材５，６の側板５₁，６₁の下部７をはめ込
み、該部材５，６の上部の外側に蓋部材１０の前
後両端の角材１０₁を係合すると共に該コ字状の
部材５，６の側板５₁，６₁の内面に沿つて板状部
材９を配置したので、釘を用いることなく梱包部
材を組立てることができ、組立及び解体が容易で
あると共に製造コストも低下する等の効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のグランドピアノの梱包装置の斜
視図、第２図は梱包箱内部のピアノ、その他の配
置状態を示す平面図、第３図はその側面図、第４
図は第１図の装置の分解斜視図、第５図はその組
立後の起立作業の説明図、第６図は本考案の一実
施例の分解斜視図、第７図Ａ及びＢはピアノ本体
を台座に起立させた状態を示す斜視図及び一部拡
大図、第８図は台座とコ字状の部材との係合を説
明するための要部の分解斜視図、第９図は蓋部材
と断面コ字状の部材の係合を説明するための要部
の分解斜視図、第１０図はその組立斜視図、第１
１図Ａ，Ｂ及びＣはダンボールケースの筒体、蓋
体及び梱包箱にダンボールケースを被着させた状
態を示す斜視図である。 １……台座、２，３……Ｌ形取付部材、４……
楽器本体、５，６……断面コ字状の部材、７……
部材５，６の端部、８……溝、９……板状部材、
１０……蓋状部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 台座１の上面に取付けられたＬ形取付部材２，
   ３上に楽器本体４を起立させて載置すると共に該
   部材２，３にボルトによつて固定し、前記台座１
   上の前部と後部にそれぞれ断面コ字状の部材５，
   ６を楽器本体４を覆うように互いに向い合せて起
   立させると共に該部材５，６の側板５₁，６₁の下
   端７を前記台座１の両側面に形成した溝８にはめ
   こみ、前記部材５，６の側板５₁，６₁の内面に沿
   つて板状部材９を配置し、蓋部材１０の両端に設
   けた角材１０₁をそれぞれ前記部材５，６の上端
   部の外側に係合することにより該部材５，６を前
   記蓋部材１０と板状部材９で挟みこむようにした
   ことを特徴とする平型鍵盤楽器の梱包装置。