JPH0133038Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案はアイロンを水平状態で収納する樹脂製
のアイロン収納ケースに関する。

（従来の技術） 一般にアイロンは使用後もかなりの時間高温状
態が続くので、使用後もしばらくは放置されるこ
とが多い、この結果、幼児の思いがけない火傷の
危険がある。

この対策として、アイロンを使用直後の高温の
まま収納可能な耐熱構造にしたアイロン収納ケー
スが開発されている。この種のものとして実開昭
59−1396号公報としてケース本体に遮熱体と直立
保持用の置き台を設けて高温状態のアイロンを直
立状態で収納するようにした縦形アイロン収納ケ
ースが公知である。しかしこれはアイロンを直立
保持させる置き台を必要としその分収納ケースの
重量が増すうえ、アイロンが不安定であるため持
ち運びに不便である。そこでアイロンを水平状態
に収納できるとともに遮熱体の他に置き台を必要
としないアイロン収納ケースが提案されている。
例えば実公昭57−35358号公報のアイロン収納ケ
ースが公知である。この収納ケースはアイロンを
水平状態で収納する有底なケース本体に蓋を開閉
自在に取付け、前記底部上にケース本体の内壁と
間隔をおいてアイロンが支持突子を介して水平状
態で載置する遮熱板を取付けるものである。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来技術の収納ケースにおいては縦形アイ
ロン収納ケースに比べ軽量であるがさらに全体と
して軽量化が求められる。これはアイロン自体が
比較的重いために、収納ケース側を軽量化しない
と全体が重くなつて持ち運びに不便となるからで
ある。さらに、遮熱板には耐熱性が要求される。
これは熱いアイロンを支持しなければならないか
らである。しかも、上記条件の他に一定の強度が
要求され耐久性に優れなければならない。

このような条件を満たす手段として、本体ケー
スを樹脂で成形することが考えられるが、このよ
うな樹脂の成形時においては、成形後にある程度
の変形が生じるため成形後冷型を用いて変形を矯
正している。しかしながら、比較的安価なアイロ
ン収納ケースにおいて冷し型工程のコストが大幅
に占有している問題がある。さらに、アイロンを
遮熱板上に置く際の静荷重、衝撃荷重に対抗する
ために遮熱板の肉厚を厚くしなければならず軽量
化が図れなくなる問題もある。

そこで本考案はアイロンを水平状態で収納する
アイロン収納ケースにおいて樹脂を利用して軽量
化を図り、かつ冷し型を用いないで安価に製造で
き、しかも耐久性に優れるアイロン収納ケースを
提供することを目的とする。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案は上面開口部からアイロン１を水平状態
で収納する有底な樹脂製のケース本体２に蓋体３
を開閉自在に取付けると共に、ケース本体２の底
部２ａ内側に間隔ａをおいてアイロンベース部１
ａが相対向する耐熱樹脂製の遮熱板６を設け、か
つ前記ケース本体２の内周壁２ｂに当接する複数
の突起９，９ａ，９ｂ，９ｃを前記遮熱板６の周
縁部６ａに一体に形成して構成される。

（作用） 本考案は遮熱板６に設けた突起９，９ａ，９
ｂ，９ｃによつて成形後のケース本体２が矯正さ
れ、また遮熱板６をケース本体２の内周壁２ｂに
当接して連係状態となる為に遮熱板６側方が一体
的構造となり耐久性に優れ、さらにケース本体２
および遮熱板６が樹脂製の為に全体重量が軽くな
る。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を添付図面を参照して
説明する。

第１図、第２図は本考案の第１実施例を示し、
アイロン１を収納する有底なケース本体２はポリ
プロピレン樹脂で成形され、このケース本体２の
上方開口部を覆うように樹脂製の蓋体３を取付け
る。この取付けはケース本体２の周縁部４に装着
する蝶番５によつて蓋体３を開閉自在に設ける。

ケース本体２の底部２ａ上方には間隔ａを形成
してアイロンベース部１ａと相対向する遮熱板６
を水平に取付ける。この遮熱板６はフエノール樹
脂などの耐熱樹脂で成形されているとともにアイ
ロンベース部１ａを収納する凹状のアイロン収納
部７を形成し、ケース本体２に螺子７ａ等で固着
する。このときケース本体２に形成された支持部
２ｃにアイロン収納部７が支持される。またアイ
ロン収納部７上面に耐熱ゴム製のアイロン支持突
子８を突設する。すなわち、アイロンベース部１
ａが直接遮熱板６に接触しないようになつてい
る。

さらに、遮熱板６の周縁部６ａの長手方向、す
なわちＸ方向両端に各々ケース本体２の内周壁２
ｂと当接する第１，２突起９，９ａを形成し、長
手方向と直交する方向、すなわちＹ方向両端に
各々ケース本体２の内周壁２ｂと当接する第３，
４突起９ｂ，９ｃを形成する。

１０はケース本体２に止めピン１０ａにより回
動自在に取付ける把手である。

しかして、成形後のケース本体２内に遮熱板６
を水平状態で組み込むことによつて、遮熱板６の
周縁部６ａに一体形成された第１〜４突起９，９
ａ，９ｂ，９ｃがケース本体２の内周壁２ｂ箇所
に部分的に当接し長手方向すなわちＸ方向及び長
手方向と直交方向すなわちＹ方向においてケース
本体６の変形を矯正し、ケース本体２を所定形状
に維持する。

又、遮熱板６とケース本体２が第１〜４突起
９，９ａ，９ｂ，９ｃによつて当接して連係状態
になる為、一体的構造型となり、その結果アイロ
ン１を置く際等に生ずる静荷重、衝撃荷重をケー
ス本体２側まで分散できる。従つて、従来技術に
比較してケース本体２及び遮熱板６が肉薄であつ
ても十分な強度を有する。さらに、ケース本体２
および遮熱板６が樹脂製の為に全体重量を軽くす
ることができる。

従つて、冷し型工程が省略され、また収納ケー
スにおいて大部分の箇所を占めるケース本体２を
軽量樹脂、すなわち比重が0.9程度のポリプロピ
レン樹脂を使用することによつて全体重量を軽く
することができ、安価に製作できるようになる。
さらに、第１〜４突起９，９ａ，９ｂ，９ｃ間は
当接状態でないため、局部的な矯正作用が発揮せ
ず、すなわちその間を均一な曲率半径とすること
ができ、美しく仕上げることができる。しかも長
手方向両端と長手方向と直交方向両端に第１〜４
突起９，９ａ，９ｂ，９ｃを形成することによつ
て、直交四方向の矯正を同時に行なうことができ
合理的である。

第３図、第４図は本考案の第２実施例を示し、
アイロン１１を収納するケース本体１２はポリプ
ロピレン樹脂で成形され、上方には蝶番１５によ
つて樹脂製の蓋体１３を開閉自在に設け、さらに
ケース本体１２の底部１２ａの上方にはアイロン
収納部１７を形成した耐熱樹脂製の遮熱板１６を
間隔ａを形成して螺子１７ａ等で水平に取付ける
と共に、アイロン収納部１７上面に耐熱ゴム製の
アイロン支持突子１８を突設する。そして、ケー
ス本体１２に形成された支持部１２ｃにアイロン
収納部１７が支持される。

さらに、遮熱板１６の周縁部１６ａの長手方
向、すなわちＸ方向両端には各々ケース本体１２
の内周壁１２ｂと当接する第１，２立上り突起１
９，１９ａを形成し、長手方向と直交する方向す
なわちＹ方向両端にはケース本体１２の内周壁１
２ｂと当接する第３，４立上り突起１９ｂ，１９
ｃを形成する。２０は回動自在に取付ける把手で
ある。しかして、成形後のケース本体１２に遮熱
板１６を組込むことによつて第１立上り突起１９
等が遮熱板１６の周縁部１６ａの側方及びやや上
方寄りのケース本体１２の内周壁１２ｂ箇所に面
接触状態で当接し、長手方向及び長手方向と直交
する方向においてケース本体１２の変形を矯正
し、ケース本体１２を所定形状に維持する。

従つて、第１実施例と同様に安価に製作できる
と共に均一な曲面が形成でき、さらに直交四方向
の矯正ができ、しかも成形後のケース本体１２は
遮熱板１６の側方のみならず上方寄りまで矯正で
き、全体を所定形状に形成することができる。

尚、各実施例においてはケース本体の材質をポ
リプロピレン樹脂としたが、ポリエチレン樹脂、
塩化ビニール樹脂、酢酸ビニール樹脂あるいは
ABS樹脂等の熱可塑性樹脂を利用してもよい。
さらに、本体ケースと当接する突起は長手方向及
び長手方向と直交方向に限定されるものではなく
所望方向へ形成しててもよい。又、遮熱板中央に
アイロン収納部を形成したが、偏心させて形成
し、水差し類の収納箇所を形成してもよい。

［考案の効果］ 本考案は上記開口部からアイロンを水平状態で
収納する有底な樹脂製のケース本体に蓋体を開閉
自在に取付けると共に、ケース本体の底部内側に
間隔をおいてアイロンベース部が相対向する耐熱
樹脂製の遮熱板を設け、かつ前記ケース本体の内
周壁に当接する複数の突起を前記遮熱板の周縁部
に一体に形成することにより、成形後の樹脂製の
ケース本体に耐熱樹脂製の遮熱板に形成する突起
を当接することにより、ケース本体の変形を防止
でき、軽量化、耐久性が図られると共に安価なア
イロン収納ケースを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例の平断面図、第２図は同一
部縦断面を含む正面図、第３図は第２実施例の平
断面図、第４図は同一部縦断面を含む正面図であ
る。 １，１１……アイロン、１ａ，１１ａ……アイ
ロンベース部、２，１２……ケース本体、２ａ，
１２ａ……底部、２ｂ，１２ｂ……内周壁、３，
１３……蓋体、６，１６……遮熱板、６ａ，１６
ａ……周縁部、９，９ａ，９ｂ，９ｃ，１９，１
９ａ，１９ｂ，１９ｃ……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面開口部からアイロンを水平状態で収納する
   有底な樹脂製のケース本体に蓋体を開閉自在に取
   付けると共に、ケース本体の底部内側に間隔をお
   いてアイロンベース部が相対向する耐熱樹脂製の
   遮熱板を設け、かつ前記ケース本体の内周壁に当
   接する複数の突起を前記遮熱板の周縁部に一体に
   形成することを特徴とするアイロン収納ケース。