JPH0132759B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は電流形インバータ及び商用電源いず
れかより電力を受けて駆動制御を受けるモータに
対する商用電源よりインバータ電源への切替制御
装置に関するものである。

一般にモータを電流形インバータにて制御する
に際して、省エネルギー化を目的とする始動時の
電力効率向上のために商用電源により始動した後
インバータ運転に移行する手段が広く採用されて
いる。つまり、モータを商用電源よりインバータ
電源に切替える場合、電流形インバータは簡単に
電流制御ができるため、電圧形インバータに比べ
て切替制御方法が簡単化できる。しかし、モータ
及びこれによつて駆動される負荷にとつて上記電
源切替時の異常トルクは可及的に小とすることが
要請されている。このため、従来は商用電源によ
りモータを始動し、当該商用電源からモータを切
離したときの回転数降下特性をあらかじめ測定し
ておき、モータがインバータ周波数に規制される
回転数に至つた時点にてインバータ運転を開始し
モータを商用電源よりインバータ運転に引込む方
法であつた。かかるモータの電源切替方法はモー
タの回転数降下特性によりあらかじめインバータ
の運転開始時点を決めてしまうから、負荷変動に
伴つて回転数の降下が予定より速まると、モータ
回転数がインバータ周波数で決まる回転数より異
常に低下した状態にてインバータへの引込みがな
され、インバータでの運転が実質的に不能とな
る。

一方、回転数の降下が予定より遅くなると、イ
ンバータへの引込みに際して制動トルクが異常に
増加し、モータ並びにこれにより駆動される負荷
に大なるシヨツクを与える不具合があつた。

この発明の目的はモータへの電力供給用電源を
商用電源よりインバータに電源切替を行うに際し
て、回生モード検出器よりの出力によつてインバ
ータの周波数を上昇させるとともにモータへの入
力電流の減少をはかることにより商用電源よりイ
ンバータへの引込み失敗ないし過大トルクの発生
の余地なく、モータ、負荷、インバータにシヨツ
クのない円滑な電源切替を得ることにある。

以下、図示する実施例について具体的に説明す
る。図において、１は商用電源である。２はコン
バータで、上記電源１より入力を受け、出力は直
流リアクトル３を介してインバータ４（電流形イ
ンバータを構成する）の入力側に供給される。５
は負荷用モータで、商用電源１及びインバータ４
の出力がそれぞれ独立の開閉器６，７を介して接
続される。８は設定器で、その出力は加減算器９
を介して電圧制御回路１０及びＶ―Ｆ変換器１１
に図示の極性にて与えられる。１２は電圧検出器
で、インバータ４の出力を変圧、整流のもとに、
当該インバータ出力に比例する信号を電圧制御回
路１０に帰還している。１３はパルス分配器で、
Ｖ―Ｆ変換器１１よりの出力に応じた同期パルス
を供給し、増幅器１４を介してインバータ４内の
各サイリスタの点弧制御をなす。１５は電流制御
回路で、商用電源１とコンバータ２との間に流れ
る電流に比例した信号を得る電流検出器１６及び
電圧制御回路１０より図示の極性にて入力信号を
得て移相器１７に信号を送り、この移相器１７の
コンバータ２におけるサイリスタの位相制御を基
に電圧制御がなされる。１８は絶縁検出器で、コ
ンバータ２の出力端の極性を検出する。この検出
の具体的態様は極性判別用絶縁検出器１８の下端
部の極性に規制された極性の出力を得る。１９は
スイツチ回路で、その閉路時にのみ上記絶縁検出
器１８の出力がダイオード２０を介してＶ―Ｆ変
換器１１及び電流制御回路１３に図示の極性にて
供給されるようになつている。

上記構成において、まず、開閉器６を投入する
とモータ５は商用周波数に定められる速度にまで
回転数が上昇していく。この際、インバータ４は
例えば数＋Hz程度の周波数にセツトしておくもの
とする。

さて、この状態において、開閉器６を開路する
と同時に開閉器７を閉路すると、インバータ４か
らモータ５に電流が流入する。この際、インバー
タ４の周波数はモータ５の回転数に対応する周波
数より十分低い状態にあるから、インバータ４は
回生状態にある。

ところで、モータ５の回生トルクはインバータ
電流により決まり、インバータ周波数と、モータ
５の回転数に対応する周波数との差が大きいと過
大なトルクが発生しモータ５とこれによつて回転
力を負荷にシヨツクが伝わり不具合を発生するこ
とがある。

このため、この発明では、この回生状態を絶縁
検出器１８の出力によつて上記負荷に対するシヨ
ツクの発生を防止するようにしている。即ち、イ
ンバータ４が回生状態にあるときは絶縁検出器１
８の極性が図示の極性となる。このように回生状
態を絶縁検出器１８の極性により検出して、この
ときに生ずる出力信号をスイツチ回路１９及びダ
イオード２０を介してＶ―Ｆ変換器１１及び電流
制御回路１５に信号を与える。そして、この絶縁
検出器１８からの出力（極性が図示の通りの回生
状態のみに存在する）に基づいて、Ｖ―Ｆ変換器
１１は周波数の上昇作用をなし、電流制御回路１
５は負荷電流の減少をなす。

以上の絶縁検出器１８の出力に基づく作用に伴
つてインバータ４の周波数は回生状態が終了し絶
縁検出器１８の極性が図示の極性とは反対の極性
となる周波数まで上昇する。これと同時に、絶縁
検出器１８の極性が図示の通りである限りコンバ
ータ２から流出する電流が絞られるからモータ５
のトルクも過大となる余地なくモータ５及びこれ
によつて駆動される負荷にシヨツクを与えること
はない。

さて、モータ５の回転数がインバータ４の周波
数対応の速度に近づくと回生状態が電動状態に変
化し、絶縁検出器１８の極性が図示とは反対にな
り、その出力信号の極性も反転してダイオード２
０が不導通状態となり通常運転状態となる。

なお、スイツチ１９は上記のような商用→イン
バータの電源切替時以外に絶縁検出器１８が動作
しないように開放される。

以上述べたようにこの発明に係る商用電源より
インバータ電源への切替制御装置はモータ５を商
用電源１で始動して電流形インバータにて駆動す
る制御回路において、絶縁検出器１８の極性によ
つて回生状態を検出し、回生状態においてのみ負
荷電流及び出力周波数の低減をはかるようにした
ものである。かかる構成に基づいて、○イモータを
商用電源より電流形インバータへ切替えるに際し
てモータの回転数の降下特性によりインバータ運
転のタイミングを決める必要がなく、モータ５に
よつて駆動される負荷の軽重の変動があつても商
用電源より電流形インバータへの引込みが確実に
できる。○ロ商用電源より電流形インバータへの切
替時に過大なトルクを発生することなく、モータ
５、負荷、インバータ４等にシヨツクを与えるこ
とがない等の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示す回路図である。 １……商用電源、２……コンバータ、３……直
流リアクトル、４……インバータ、５……モー
タ、６，７……スイツチ、１１……Ｖ―Ｆ変換
器、１５……電流制御回路、１８……絶縁検出
器、１９……スイツチ、２０……ダイオード。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 負荷用モータの始動時は商用電源より、定常
   運転時はコンバータ、インバータ、これらの直流
   中間回路に挿入される直流リアクトル及び上記イ
   ンバータの出力周波数と上記コンバータの出力電
   流の調整を担う制御回路を備えた電流形インバー
   タ電源よりそれぞれ負荷用モータに電力を供給す
   る回路構成において、上記コンバータの出力側に
   極性判別用絶縁検出器を有し、当該極性判別用絶
   縁検出器が上記負荷用モータの始動時より定常運
   転時への電源切替に際しての電力回生時のみに供
   給する出力信号に基づき、上記インバータの出力
   周波数の増加及び上記コンバータからの出力電流
   の減少を促す回路手段を備えたモータへの電源切
   替制御装置。