JPH0132307Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、主としてラジオカセツト、ステレ
オ、ヘツドホーン等の電気機器においてプラグを
差込み接続する用途に用いる小型のジヤツクに関
するものである。

（従来技術） 斯る用途に用いらる従来の一般的なジヤツク
は、第５図に示すように、プラグ差込口１ａを有
する一部屋形式のボデイ１の内部に、アース用接
片２、リング用接片３、チツプ用接片４等の所要
個数の各接片を配設した構成になつている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、斯るジヤツクは、各接片２〜４
として図示のような反転バネ型、或いは切起しバ
ネ型の接片を使用しているため、これをボデイ１
内部に収容するには相当広いスペースを有するボ
デイが必要となり、それに伴つてジヤツクが大型
化する問題がある。これは、近年のようにアンプ
その他の各電気機器が急速に小型化される傾向に
ある場合には、重大な問題となる。

更に、前述のジヤツクは一部屋形式のボデイを
用いるために、差込んだプラグの固定は主として
円筒状のプラグ差込口１ａの部分に頼つているこ
とになり、従つてプラグにがたつきが生じたり、
接片がこじりにより変形したりする問題もある。

そこで、本願と同一出願人は、プラグ差込口を
有するボデイ内に所要個数の接片を配設する構成
として前記問題点を解消したジヤツクを案出し、
実開昭59−141674号公報（実願昭58−35893号）
並びに実開昭59−141675号公報（実願昭58−
35894号）として既に出願している。このジヤツ
クは、プラグ通過穴を接片本体部に穿設し且つプ
ラグを弾接挾持できる一対の弾性接触部を該接片
本体部の両端より連設した全く新規な超小型接片
を採用することにより、大幅な小型化を可能とす
るものである。しかし、この接片をプラグに挿入
する場合の挿入方向の前後の側端部に弾性接触部
を形成した形状となつているため、接片をボデイ
に取付けるに際し圧入する場合、押圧するための
箇所が僅かであるため、組立性が悪いだけでな
く、ボデイへの圧入時、弾性接触部に接触してこ
れを変形させてしまうことがしばしば生じ、歩溜
りの悪い欠点を有していた。

（考案の目的） 本考案は、このような問題点に鑑みなされたも
ので、格段に小型化できるとともにプラグのがた
つき防止と接片のこじり防止を確実に行い得、更
に組立性が良好であつて歩溜りの良いジヤツクを
提供することを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案のジヤツクは、前記目的を達成するため
に、プラグ差込口を有するボデイ内に所要個数の
接片が挿入固定されて配列されたジヤツクであつ
て、前記接片には、前記プラグ差込口より差込ま
れるプラグを通すプラグ挿通孔が穿設されるとと
もに、プラグ挿入方向の最奥部の接片を除く接片
には、前記ボデイへの挿入方向に対し直交方向の
両側端部が該プラグを弾接挾持する一対の弾性接
触部が連設されている構成としたことを要旨とす
るものである。

（作用） 前記構成としたので、組立てに際し接片をボデ
イに挿入する場合、この挿入方向に対し直交方向
の両側端部に一対の弾性挾持片が設けられている
ので、接片挿入方向に対し後方側部分の略全面を
押圧箇所として利用することができ、組立てが容
易で歩溜りも格段に向上する。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図は本考案の一実施例の分解斜視図、第２
図は同切断平面図、第３図はボデイの縦断面図で
ある。これらの図において、５はボデイ、６，
７，８はそれぞれアース用、リング用、チツプ用
の接片を示している。

このボデイ５は、方形枠状体を途中２箇所の仕
切壁５ａ，５ｂで三分割することにより、各接片
６，７，８をそれぞれ収納するための収納空間９
ａ，９ｂ，９ｃを形成したもので、該枠状体の長
手方向の一端側の一端部の枠辺部５ｃより突出す
る短筒５ｄの内部にはメタルスリーブ１０を嵌入
してプラグ差込口１１が設けられている。そし
て、枠辺部５ｃと反対側の枠辺部５ｅの下部およ
び両仕切壁５ａ，５ｂには、プラグ差込口１１と
同径であつてプラグ（図示せず）の外周に可及的
に接近する径のプラグ挿通孔５ｆが同心的にそれ
ぞれ形成されている。また、この枠状体の幅方向
両側の枠辺部５ｇ，５ｈの角度には、アース用お
よびリング用の接片６，７をそれぞれの収容空間
９ａ，９ｂに収納して固定するための係合孔５
ｉ，５ｊをそれぞれの収容空間９ａ，９ｂに対応
して両側に二組づつ穿設されており、チツプ用接
片８の収容空間９ｃの内面にはチツプ用接片８を
収納して固定するための嵌合溝５ｋが形成されて
いる。

次にアース用接片６は、略中央部にプラグ挿通
孔６ａが穿設されているとともに、第１図に矢印
で示すボデイ５への挿入方向に対し直交する方向
の両側端より舌状の一対の弾性接触部６ｂ，６ｃ
が屈曲形態で一体な連設されている。これら弾性
接触部６ｂ，６ｃはプラグ挿入孔６ａに通された
プラグのアース部を両側から弾性挾持するもの
で、この実施例ではこのアース用接片６を硬度の
高いベリリユウカツパ（BuCu）を素材として形
成されていてプラグに対し高い接点圧力を得られ
るようになつている。又、上面板部６ｂの両端側
には、それぞれ係合孔５ｉ，５ｊに係合する係止
爪６ｅ，６ｆが形成されているとともに下面板部
６ｇには一方向に接続端子６ｈが延設されてい
る。尚、６ｉ，６ｊは弾性接触部６ｂ，６ｃの折
曲を容易にするとともに弾発力を得るための割溝
である。

リング用接片７は、前述のアース用接片６と実
質的に同じ構造になつているので、アース用接片
６の６ａ〜６ｊの符号に対応して同一の各部材に
７ａ〜７ｊの符号を付すだけにして説明を省略す
る。

次に、チツプ用接片８は、プラグの先端部の傾
斜面に当接するものであるから、前記アース用接
片６およびリング用接片７の材質であるベリリユ
ウムカツパを使用すると、硬度が高いために接触
部がプラグの先端部形状に追従し難く、充分な弾
接力を得られなくなる虞れがあるので、リン青銅
により形成されている。このリン青銅は圧延によ
り所定の厚みに形成されていくが、この場合方向
性を有している関係上、前述の係合爪６ｅ，６ｆ
と同様のものを折曲げ加工で形成すると非常に破
断し易い。そこで、本体部を断面が略コ字状であ
つて上面板部を下方に傾斜させて弾性接触部８ａ
とし、中央面部にプラグ挿通孔８ｂを穿設すると
ともに、このプラグ挿通孔８ｂの両側の端面から
突起８を形成してある。下面板部８ｅからは接続
端８ｆが突設されている。

前記構成としたジヤツクの組立てに際しては、
各接片６，７，８をボデイ５の各収納空間９ａ，
９ｂ，９ｃに下方から圧入する。この時、各接片
６，７，８のそれぞれの下面板部６ｇ，７ｇ，８
ｇの略全面を押圧面として利用でき、容易に圧入
できるとともに、弾性接触片６ｂ，６ｃ，７ｂ，
７ｃ，８ａ，に押圧力が直接加わつてこれを変形
させることがない。各接片６，７，８が対応する
収納空間９ａ，９ｂ，９ｃに完全に収納されるま
で押込まれた時点で、各係止爪６ｅ，６ｆ，７
ｅ，７ｆが対応する係止孔５ｉ，５ｊに嵌入され
るとともに、突起８ｃ，８ｄが嵌合溝５ｋに刺着
され、脱落不能状態に取付けられる。

前記組立て状態において、各接片６，７，８の
プラグ挿通孔６ａ，７ａ，８ｂがプラグ差込口１
１および仕切壁５ａ，５ｂのプラグ挿通孔５ｆと
同心状に重なつている。従つて、プラグをプラグ
差込口１１から差込むと、各接片６，７，８の弾
性接触部６ｂ，６ｃ，７ｂ，７ｃ，８ａがプラグ
により僅かに弾性拡開され、プラグの先端が反対
側の枠辺部５ｅプラグ挿通孔５ｆまで達すると、
各接片６，７，８がこれらの弾性接触部６ｂ，６
ｃ，７ｂ，７ｃ，８ａによつてプラグのアース
部、リング部、チツプ部にそれぞれ弾接され、電
気的な接続が行われる。

前記実施例の構成によると、各接片６，７，８
はほぼプラグ挿通孔６ａ，７ａ，８ｂを穿設でき
るだけの縦寸法および横寸法があればよく、従来
から使用されて来た反転バネ型或いは切起しバネ
型の接片に較べると格段に小さくなり、それに伴
つてジヤツクの大幅な小型化が可能となる。ま
た、仕切壁５ａ，５ｂに設けてあるプラグ挿通孔
５ｆがプラグのがたつきを防止するので、接片
６，７，８の変形並びにプラグに対するこじり防
止機能を得られる。

尚、前記実施例では、接続端子６ｈ，７ｈ，８
ｆが、ボデイ５に挿入されない下面板部６ｇ，７
ｇ，８ｅに形成されているために、例えばアース
用接片６に付いて第１図に１点鎖線および２点鎖
線でそれぞれ示すように下方向或いは反対方向に
位置させることができ、接続端子６ｈ，７ｈ，８
ｆの方向の自由性がある。

尚、ボデイ５の上面に角形の位置決め突部５ｌ
が突設されるとともに下面に段付き突起５ｍおよ
び段無し突起５ｎが形成されているので、第４図
に示すように、段無し突起５ｎをプリント配線基
板１２上に当接させ且つ段付き突起５ｍを基板１
２の位置決め孔１２ａに嵌入させてプリント配線
基板１２に対しは位置決めを行い、突部５ｌをア
ルミケース等のパネル板１３の位置決め孔１３ａ
に嵌入させてパネル板１３に対する位置決めを行
うようにすれば、極めて楽に且つコンパクトに取
付けることができる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案のジヤツクによる
と、ボデイに、プラグ挿通孔を穿設できる程度の
大きさの接片を所要個数挿入固定する構成とした
もので、大幅に小型化できるとともに、プラグ挿
入方向の最奥部の接片を除く接片は、ボデイへの
挿入方向に対し直交方向の両側端部に弾性接触部
を設けるようにしたので、ボデイへの挿入方向の
後方面をボデイへの圧入に対する押圧面として構
成することが可能となり、組立性が格段に向上す
るとともに、圧入作業時に弾性接触部を変形させ
ることがなく、歩溜りが向上できる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案のジヤツクの一実施
例を示し、第１図は分解斜視図、第２図は切断平
面図、第３図はボデイの縦断面図、第４図は取付
け状態を示す側面図、第５図は従来ジヤツクの縦
断面図である。 ５……ボデイ、６，７，８……接片、６ａ，７
ａ，８ｂ……プラグ挿通孔、６ｂ，６ｃ，７ｂ，
７ｃ，８ａ……弾性接触部、１１……プラグ差込
口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) プラグ差込口を有するボデイ内に所要個数の
   接片が挿入固定されて配列されたジヤツクであ
   つて、前記接片には、前記プラグ差込口より差
   込まれるプラグを通すプラグ挿通孔が穿設され
   るとともに、プラグ挿入方向の最奥部の接片を
   除く接片には、前記ボデイへの挿入方向に直交
   方向の両側端部に該プラグを弾接挾持する一対
   の弾性接触部が連設されていることを特徴とす
   るジヤツク。 (2) プラグ挿入方向の最奥部の接片を、ボデイへ
   の挿入方向の先端部に１個の弾性接触部が形成
   された形状としたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のジヤツク。 (3) プラグ挿入方向の最奥部の接片の材質をリン
   青銅とし、これ以外の接片の材質をベリリユウ
   ムカツパとしたこを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第２項に記載のジヤツク。