JPH0130687B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、食品等の内容物を充填した成形容器
のヘツドスペースの空気を不活性ガスと置換する
不活性ガス置換装置に関する。

従来の技術 近時、食品包装において、酸素による食品の変
質や変敗を防止するために、容器内の食品をとり
まく空気を不活性ガスに置換して包装するガス置
換包装が行われている。

上記ガス置換包装に使用される不活性ガスは、
通常窒素ガス又は炭素ガスが使用され、まれに両
者の混合ガスが使用されている。それによつて、
包装食品の好気性菌の静菌、有効成分保持、酸敗
防止、変退退色防止、カビの発生防止等に効果を
あげている。

従来のガス置換包装は、内容物が充填された包
装容器をチヤンバー内に挿入し、一旦チヤンバー
内を真空にして包装容器内の空気を脱気し、その
後チヤンバー内に不活性ガスを吹き込んで容器の
ヘツドスペース内に不活性ガスを充填し、チヤン
バー内で容器開口部をシールすることによつて行
われている。

また、真空脱気しないでコンペヤで搬送中の容
器開口部に直接不活性ガスを吹き付けて、容器ヘ
ツドスペース内の空気を不活性ガスに置換する方
法も行われている。

発明が解決しようとする問題点 上記チヤンバー内でガス置換を行なうのは、チ
ヤンバー内を一旦真空にしてから不活性ガスを吹
き込むので、時間がかかり作業能率が悪るい。ま
た、その都度チヤンバー内に不活性ガスを充填す
るので多量の不活性ガスを要し、不活性ガスのロ
スが大きい。さらに、前記従来の方法を成形容器
に内容物を充填して蓋材をシールする工程を自動
的に行なう成形容器用横型充填シール機に適用す
ると、成形容器を搬送するコンベヤの進行に伴な
つてチヤンバを開閉し、かつ容器が載つているコ
ンベヤ部分をチヤンバー内に位置させて閉鎖時の
密封を図らなければならないので、装置が複雑化
し高価になる欠点がある。

また、真空脱気しないで直接不活性ガスを吹き
付けてガス置換を行なう方法は、不活性ガスが大
気に逃げてロスが多いばかりでなく、ガス置換率
を高めるのが困難である等の問題点がある。

本発明は、上記実情に鑑み創案されたものであ
つて、成形容器用横型充填シール機に容易に適用
でき、不活性ガスのロスが少なく、短時間にかつ
高い置換率で成形容器のヘツドスペースの空気を
不活性ガスに置換でき、しかも装置が簡単で安価
に製作できる簡易な不活性ガス置換装置を提供す
ることを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 以下、上記従来技術の問題点を解決するための
本発明の構成を実施例に対応する図面を基に説明
する。

本願発明は、容器開口部を覆う底面積を有する
底面が平坦なプレートに、不活性ガス吹き出し孔
７と空気逃げ孔８とを形成し、前記不活性ガス吹
き出し孔７の上部に不活性ガス供給管を連結して
なることを特徴とする内容物が充填された未封容
器の不活性ガス置換装置からなるものである。

作 用 搬送コンベヤにより搬送される容器１がプレー
トのガス吹き出し孔７の下部に到達すると所定時
間停止し、ガス吹き出し孔７から連続的に吹き出
している不活性ガスが、上部より容器開口部内に
噴射される。その結果、容器１のヘツドスペース
の空気は空気逃げ孔８より容器外に排除され、不
活性ガスと置換される。容器１が移動して、プレ
ートによる開口部の覆いを解放されると、すぐに
蓋材フイルム１５によつて開口部が覆われて置換
したガスが外部と接触するのを遮断すると同時に
シールされる。

以上のような簡易な方法で、自動的にかつ短時
間で置換率90％程度まで効率的に成形容器のヘツ
ドスペース内の空気を不活性ガスに置換すること
ができる。

実施例 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

本実施例に係る不活性ガス置換装置は、成形容
器に内容物を充填して蓋をシールする周知の充填
シール装置に於いて、充填装置とシール装置に設
置されるものである。成形容器１は、プラスチツ
ク、金属箔とプラスチツクフイルムとの積層フイ
ルム、又は紙材等で成形され、ガス遮断性を有し
ている。該成形容器１は、図示しない充填装置に
よつて内容物が充填され、台車コンベヤ２の台車
３に嵌合支持された状態で以下に説明するガス置
換装置の下方部に搬送される。

ガス置換装置５は、下面が平滑で略長方形状の
プラスチツク平板６からなるプレートと、該平板
６に穿設された不活性ガス吹き込み孔７に一端が
連結され、他端が不活性ガス供給源に連結される
不活性ガス吹き込み管１１とから構成されてい
る。

前記平板６は、前記容器の開口部を覆う十分な
大きさであり、その不活性ガス吹き込み孔７の周
辺部には前記容器の開口面積の範囲内に於いて複
数個の空気逃げ孔８が穿設されている。そして、
平板６は、コンベヤで搬送される成形容器１の進
入側後端下縁部が円孤に隅切９されていて、コン
ベヤで搬送される成形容器１がスムーズに該平板
下方部に進入できるようになつている。また、成
形容器の出口側（即ち下流側）の先端上縁部は、
蓋材フイルム１５の供給角度と略同角度に傾斜し
ていて、その先端縁１０がフイルム押えロール１
７に近接して設置できるようにしてある。

１１は、前記不活性ガス吹き込み孔７に適宜の
連結具１２を介して連結された不活性ガス吹き込
み管であり、その他端部は図示しない不活性ガス
供給源に連結されている。

以上のように構成された不活性ガス置換装置５
は、その下方部を通過する上記成形容器１の開口
部に密接する高さで、かつその先端縁１０を押え
ロール１７に近接させて、適宜の取付け手段によ
りコンベヤ２上方側に固定してある。

なお、１８は前記容器の開口部に蓋材フイルム
１５をヒートシールするシーラである。蓋材フイ
ルム１５は供給ロール１６から巻戻されて押えロ
ール１７によつて前記容器の開口部を覆うように
案内されている。

次に、本実施例装置の作動により本発明方法の
実施例を説明する。

図示しない充填装置によつて内容物が充填され
た成形容器１は、台車コンベヤ２の台車３に嵌合
支持されて間欠的に搬送され、不活性ガス置換装
置のプラスチツク平板６の下部に進入し、その開
口中心部が前記ガス吹き出し孔７の下部に達する
と所定時間停止する。而して、前記平板６のガス
吹き出し孔７から連続的に吹き出している不活性
ガスが、開口容器１内のヘツドスペース内に吹き
出される。その結果、開口容器１のヘツドスペー
ス内に存在していた空気は、空気逃げ口より外部
に排除され、不活性ガスと置換される。

所定時間後再びコンベヤが駆動されて、不活性
ガス置換が終了した成形容器１は、その開口フラ
ンジ部が平板の面に摺接しながら移動し、平板１
の前端縁１０を越えると、極くわずかの間隔をへ
て再び蓋フイルム１５によつて開口部を覆われた
状態で移動する。従つて、平板６の先端から離れ
た容器１２は、直に蓋フイルム１５によつてその
開口部を覆われるので、置換したガスが外部に逃
げることが少ない。

その後、周知の方法でシーラー１８が作動して
蓋フイルム１５を容器１のフランジ部にヒートシ
ールし、シール後に蓋フイルムから該蓋部をトリ
ミングして、蓋のシールを完了する。

上記実施例の装置を使用して、下記の条件で不
活性ガス置換を行なつた。

ラインの処理能力：20shot／min 容 器：80c.c.丸型カツプに水65c.c.を入れヘツドス
ペースを15c.c.とした。

蓋 材：アルミ包材 不活性ガス：窒素ガスを５／minで連続ブロー
した。

その結果、ヘツドスペース内の空気を窒素ガス
に90パーセント前後の置換率で置換することがで
きた。

なお、上記実施例に於いては、不活性ガス吹き
出し孔７の周辺部に空気逃げ孔８を設けたが、容
器１の開口フランジ部とプレートの底面との接触
部からも空気が逃げるので、プレートに空気逃げ
孔を必ずしも設けなくて良い。

効 果 本発明は、以上のように構成されているので、
従来のものに比べて短時間にしかも不活性ガスの
ロスが少なく高い置換率で、成形容器のヘツドス
ペースの空気を不活性ガスに置換することができ
る。さらに構造が非常に簡単であるから、安価に
製作できて、成形容器用横型充填シール機等自動
充填ラインに容易に適用することができる等、顕
著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の不活性ガス置換装置の実施例を
示すもので、第１図は成形容器用横型充填シール
機に適用した側面図、第２図は部分側断面図、第
３図はプレートの平面図である。 １：成形容器、２：台車コンベヤ、３：台車、
５：不活性ガス置換装置、６：プラスチツク平
板、７：ガス吹き出し孔、８：空気逃げ孔、１
１：不活性ガス吹き込み管、１５：蓋材フイル
ム、１８：シーラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 容器開孔部を覆う底面積を有する底面が平坦
   なプレートに、不活性ガス吹き出し孔と空気逃げ
   孔とを形成し、前記不活性ガス吹き出し孔の上部
   に不活性ガス供給管を連結してなることを特徴と
   する内容物が充填された未封容器の不活性ガス置
   換装置。