JPH01306060A - ダイカスト機における射出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はダイカスト機における射出装置に関し、−層詳
細には、射出装置を構成する射出スリーブを耐熱性の非
金属材料であるセラミックスで形成し、特に、この射出
スリーブにおいて、プランジャが嵌合するライナスリー
ブと、このライナスリーブに外嵌するアウタスリーブと
の間には熱衝撃を緩和するための余熱用ヒータを巻き付
けると共に前記アウタスリーブに強度補強のために鋳鉄
等の金属材料からなる補強部材を焼嵌めして構成するこ
とにより熱衝撃による破損を防止し、耐久性を向上させ
るよう構成したダイカスト機における射出装置に関する
。

［発明の背景］ 一般に、寸法精度の高い鋳造品を大量生産する場合にダ
イカスト機が用いられている。このダイカスト機には金
型によって画成されるキャビティに溶湯を圧入するため
の射出装置が付設され、この射出装置を構成する射出ス
リーブに嵌合する変位自在なプランジャで溶湯をキャビ
ティ内に射出している。

射出スリーブは溶湯が直接接触するため射出時毎に高温
に曝され、熱変形が生じたり、酸化物等が付着したりす
る。従って、射出スリーブの材料には耐熱性に優れ且つ
溶湯濡れ性の低いタングステンやモリブデンを含む合金
鋼が使用されることが多い。

然しなから、前記タングステンやモリブデンを含む耐熱
性の合金鋼は熱伝導率が高いため射出スリーブ内に溶湯
が注湯されると急速にその保有熱を奪い、溶湯の温度を
低下させるという問題点がある。

近年、セラミックスが金属に代わって種々の分野で材料
として活用されており、射出スＩＪ−ブにセラミックス
を適用することが実用化されている。一般に、セラミッ
クスは耐熱性、耐蝕性、耐摩耗性等の機械的性質におい
て、金属材料を凌駕し、さらに、溶湯に濡れ難く、また
、断熱性に優れること等、金属材料の欠点を補うことか
ら射出スリーブの材料としては好ましいものである。し
かし、耐熱衝撃性において極度に劣るという決定的な欠
点がある。すなわち、射出時に溶湯によって射出スリー
ブは急激に加熱されるため、この時の温度分布の不均一
に起因する熱応力によって射出スリーブの内部にクラッ
クが生じ、やがて熱（Ｎ’Ｊの繰り返しによって破損に
まで発展してしまう。

こうしたセラミックスからなる射出スリーブの耐久性を
向上させるため、例えば、特公昭第５４−４３９７６号
公報に開示されているような技術的思想がある。すなわ
ち、セラミックス製の射出スリーブの外周に鉄鋼、鋳鉄
等の金属材料等からなる円筒状の補強部材を廃液めし、
射出スリーブに対して永続的に圧縮応力を加えセラミッ
クスの強度を向上させるというものである。

然しなから、廃液めした補強部材が昇温されて膨張し、
射出スリーブの外周面に対して圧縮応力が作用しなくな
ることを防止するために当該射出スリーブの外周面から
強制的に冷却しているため、射出時に溶湯温度を低下さ
せ、この結果、溶湯の粘性が高まり湯回り性が低下する
という欠点が避けられない。

［発明の目的］ 本発明は前記の不都合を克服するためになされたもので
あって、射出スリーブをセラミックスからなるライナス
リーブと、同様に、セラミックスから形成され、この場
合、特に断熱性を向上させるため多孔質のセラミックス
を用いたアウタスリーブとから構成し、これらライナス
リーブとアウタスリーブの間には余熱用のヒータ部材を
巻き付け、これにより熱衝撃を緩和せしめ、さらに、ア
ウタスリーブ外周に鉄鋼等からなる補強部材を廃液めし
て補強するように構成し、熱衝撃に耐え亀裂や破損なし
で長期間の使用に耐え得るダイカスト機における射出装
置を提供することを目的とする。

［目的を達成するための手段］ 前記の目的を達成するために、本発明はダイカスト機に
付設されて溶湯を射出スリーブに嵌合するプランジャの
変位によって加圧充填する射出装置において、セラミッ
クスを素材としプランジャが摺動自在に嵌合するライナ
スリーブと、多孔質セラミックスを素材として前記ライ
ナスリーブに外嵌するアウタスリーブと、前記ライナス
リーブとアウタスリーブの間に巻装された保温用ヒータ
部材とからなる射出スリーブを具備し、前記アウタスリ
ーブに対して金属材料よりなる円筒状の補強部材を廃液
めしたことを特徴とする。

また、本発明はライナスリーブをその半径方向に複数分
割したものを一体的に構成したことを特徴とする。

［実施態様］ 次に、本発明に係るダイカスト機における射出装置につ
いて好適な実施態様を挙げ、添付の図面を参照しながら
以下詳細に説明する。

第１図において、参照符号１０は本発明に係る射出装置
が組み込まれるダイカスト機を示す。

前記ダイカスト機１０の本体部１２下部には鉛直方向を
指向して孔部１４が形成される。この孔部１４に対して
本発明に係る射出装置１６が装着され、この射出装置１
６はプランジャ１８とこのプランジャＩ８が摺動自在に
嵌合する射出スリーブ２０とを含む。

前記射出スリーブ２０は素材としてセラミックス、本実
施態様では一般に市販されているサイアロン（商品名）
を用いて成形される円筒状のライナスリーブ２２と、こ
のライナスリーブ２２に外嵌するアウタスリーブ２４と
から構成される。

前記ライナスリーブ２２とアウタスリーブ２４の間には
当該ライナスリーブ２２を保温しておくための予熱用の
ヒータ部材２６が螺旋状に巻回されている。この場合、
アウタスリーブ２４は前記ライナスリーブ２２と同様に
サイアロンをその材質とし、特に、前記ヒータ部材２６
の熱を外部に対して遮断すべく多孔質に形成されるもの
である。

なお、セラミックスとしては上述の他、ジルコニア、窒
化珪素、窒化アルミニウム若しくはこれらの混合物を用
いてもよい。

そして、前記アウタスリーブ２４に対して耐熱性に優れ
た鉄系の金属材料（例えば、鋳鉄、鋳鋼、炭素鋼等なら
好適であるが、本実施では鋳鉄を用いた）からなる円筒
状の補強部材２８が外嵌する。この場合、前記補強部材
２８はその内径の仕上がり寸法を前記アウタスリーブ２
４の外径よりも若干小さく形成することによって圧入代
を設定しておき、アウタスリーブ２４に当該補強部材２
８を焼成めによって圧入する。従って、補強部材２８に
よって、これより内側のアウタスリーブ２４、ライナス
リーブ２２に対して所定の圧縮応力が作用するように構
成しておく。そして、これらライナスリーブ２２、アウ
タスリーブ２４、補強部材２８が一体として孔部１４に
おいて上下端を保持するリテーナリング３０ａ、３０ｂ
を介して装着されるものである。

次いで、ライナスリーブ２２に摺動自在に嵌合するプラ
ンジャ１８は図示しない油圧シリンダ等の駆動源にプラ
ンジャロッド３２を介して連結される。

一方、当該ダイカスト機１０の本体部１２上方には湯溜
まり部３４が画成され、この湯溜まり部３４は上型３６
、下型３８とにより画成されるキャビティ４０とランナ
４２を介して連通ずる。また、前記湯溜まり部３４と射
出スリーブ２０内に溶湯を給湯するのに用いられる漏斗
４４が当該ダイカスト機１０の上方端部に装着され、こ
の漏斗４４より注湯された溶湯は注湯スリーブ４６を介
して湯溜まり部３４から射出スリーブ２０内に注湯され
る。前記注湯スリーブ４６には注湯プランジャ４８が摺
動自在に嵌合し、この注湯プランジャ４８は油圧シリン
ダ５０に駆動されて当該注湯スリーブ４６内を摺動変位
する。

本発明に係るダイカスト機における射出装置は基本的に
は以上のように構成されるものであり、次にその作用並
びに効果について説明する。

先ず、第１図において、プランジャ１８が図示する位置
にある状態で漏斗４４に溶湯を給湯し、注腸スリーブ４
６を通して射出スリーブ２０内の中空部に溶湯を満たし
、次いで、前記シリンダ５０を付勢して注湯プランジャ
４８を前進動させ湯溜まり部３４と外部との連通状態を
閉塞する。この場合、溶湯にはアルミニウム合金が溶融
したものを使用し、その温度は約７００℃である。

この際、予めライナスリーブ２２とアウタスリーブ２４
の間に巻回されたヒータ部材２６は通電させておき、こ
れによりライナスリーブ２２を５５０℃程度にまで昇温
させておく。その後、図示しない駆動源の作用下にプラ
ンジャロッド３２を介してプランジャ１８をライナスリ
ーブ２２内で上昇摺動させ、溶湯を湯溜まり部３４、ラ
ンナ４２を介してキャビティ４０内に加圧充填すること
になる。

ライナスリーブ２２の中空部に溶湯が充填されることに
より当該ライナスリーブ２２は内部の溶湯の高温に曝さ
れることになるが、予めヒータ部材２６により均一に加
温保持されているため温度差は約１５０℃である。この
結果、ライナスリーブ２２においては急激な温度変化に
起因する非定常な温度分布が生じることがなく、このた
め、クラック等を惹起せしめる過大な熱応力の発生を防
止することが可能である。従って、急激な加温等の温度
変化に対して脆いセラミックスからなるライナスリーブ
２２に対しては前記ヒータ部材２６による予熱により熱
衝撃が緩和され、その耐久性が確保されるものである。

一方、こうしたヒータ部材２６の発熱する熱量はアウタ
スリーブ２４の断熱効果によって補強部材２８に伝達さ
れるのが阻止される。すなわち、アウタスリーブ２４は
その素材に断熱性の強いセラミックスとしてのサイアロ
ンを用いると共に、特に、多孔質に形成してその断熱効
果を特に高めている。このため、ヒータ部材２６の加温
効果は補強部材２８に対しては遮断されるため、アウタ
スリーブ２４に対し焼嵌めされている補強部材２８が熱
膨張して内側のアウタスリーブ２４に対して加えられる
圧縮応力が減することなく、永続的に作用する。この結
果、ライナスリーブ２２、アウタスリーブ２４の強度が
補強されることになる。

こうして、当該ダイカスト機１０によって射出ザイクル
を連続的に実行していく間、ライナスリーブ２２はヒー
タ部材２６により一定温度以上に加温保持され且つ補強
部材２８が熱膨張により膨張しその焼嵌め効果が減殺さ
れることなく常に永続的に圧縮応力をアウタスリーブ２
４、ライナスリーブ２２に加え続けるため、射出サイク
ルの繰り返しにも耐え、長い耐久性を保つことが諒解さ
れよう。

ここで、第２図に本発明に係る射出装置の他の実施態様
を示す。この場合、前記第１実施態様における構成要素
と同一の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細
な説明は省略する。

すなわち、第２図には射出装置１６を構成する射出スリ
ーブ２０の縦断面を示し、この場合、第１実施態様にお
けるライナスリーブ２２に代替して軸方向に対して直交
する半径方向に３分割したライナスリーブ５０ａ乃至５
０ｃが用いられる。

当該ライナスリーブ５０ａ乃至５０Ｃは材質とじては同
様のサイアロンからなり、このように、分割して構成す
ることによってライナスリーブ５０ａ乃至５０Ｃの個々
の強度が増し、一方、製造する場合に、内部欠陥の発生
が統計確率的に小さくなり、品質の向上が期待出来る。

また、高さ、径に対して相対的に肉厚が増すことから強
度が増大すると共に、軸方向への膨張を吸収出来る効果
もある。

［発明の効果コ 以上のように、本発明によれば、射出プランジャが嵌合
する射出スリーブをセラミックスから形成し、特に、内
側のライナスリーブと外側のアウタスリーブの間に加温
保持用のヒータ部　　。

材を巻装している。このため、ライナスリーブが溶湯の
高熱に曝されることによる急激な温度変化を防止出来、
熱衝撃を和らげることが可能となる。さらに、射出スリ
ーブの強度を補強するために焼嵌めした補強部材を設け
、前記ヒータ部材の加温効果による熱膨張を防止するた
めに前記アウタスリーブを多孔質のセラミックスによっ
て断熱効果を高めた構成をとっていることから常に補強
部材による圧縮応力の作用が働き、この結果、射出スリ
ーブの強度が確保される。従って、従来、セラミックス
製の射出スリーブの欠点とされた熱衝撃による破損し易
さという欠点が克服され、長期の鋳造工程の稼動に耐え
られるという効果を奏するものである。

以上、本発明について好適な実施態様を挙げて説明した
が、本発明はこの実施態様に限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並び
に設計の変更が可能なことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る射出装置が適用されるダイカスト
機の縦断面図、 第２図は当該射出装置を構成する射出スＩＪ−ブの他の
実施態様を説明する要部拡大図である。 １０・・・ダイカスト機　　　１２・・・本体部１４・
・・孔部　　　　　　　１６・・・射出装置１８・・・
プランジャ　　　　２０・・・射出スリーブ２２・・・
ライチスリーブ　　２４・・・アウクスリーブ２６・・
・ヒータ部材　　　　３２・・・プランジャロンド３４
・・・湯溜まり部　　　　３６・・・上型３８・・・下
型　　　　　　　４０・・・キャビティ４２・・・ラン
ナ　　　　　　４８・・・注湯プランジャ５０・・・油
圧シリンダ ＦＩＧ、２

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）ダイカスト機に付設されて溶湯を射出スリーブに
   嵌合するプランジャの変位によって加圧充填する射出装
   置において、セラミックスを素材としプランジャが摺動
   自在に嵌合するライナスリーブと、多孔質セラミックス
   を素材として前記ライナスリーブに外嵌するアウタスリ
   ーブと、前記ライナスリーブとアウタスリーブの間に巻
   装された保温用ヒータ部材とからなる射出スリーブを具
   備し、前記アウタスリーブに対して金属材料よりなる円
   筒状の補強部材を焼嵌めしたことを特徴とするダイカス
   ト機における射出装置。
2. （２）請求項１記載の装置において、ライナスリーブを
   その半径方向に複数分割したものを一体的に構成したこ
   とを特徴とするダイカスト機における射出装置。