JPH0127990B2 - - Google Patents
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- JPH0127990B2 JPH0127990B2 JP55045016A JP4501680A JPH0127990B2 JP H0127990 B2 JPH0127990 B2 JP H0127990B2 JP 55045016 A JP55045016 A JP 55045016A JP 4501680 A JP4501680 A JP 4501680A JP H0127990 B2 JPH0127990 B2 JP H0127990B2
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Landscapes
- Catalysts (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Press-Shaping Or Shaping Using Conveyers (AREA)
Description
本発明はコージエライト体の製造方法に関する
もので、低熱膨脹性のコージエライト体、特に特
定方向に顕著な低熱膨脹性を有するコージエライ
ト体を得ることを目的とするものである。 コージエライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)は
低熱膨脹性にすぐれていることより、急激な冷熱
サイクルが繰返し作用することにより耐熱衝撃性
が要求される製品、例えば排気ガス浄化用触媒担
体の構成材料等として適している。 コージエライトの熱膨脹係数は一般に26.0×
10-7/℃(25〜1000℃)とされていた。しかも最
近、各産業界で更に耐熱衝撃性のあるコージエラ
イト体が要求され、種々の研究がなされた結果、
材料中に含まれるナトリウム、カリウム、カルシ
ウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属および
低熱膨脹性に悪影響を与えると考えられる他の不
純物を極力除去することで、17.0×10-7/℃(25
〜1000℃)の低熱膨脹のコージエライト体が得ら
れるようになつた。 更にコージエライト結晶子自身がもつ異方性を
配向させて利用することで、少くとも一方向での
熱膨脹係数が11.0×10-7/℃(25〜1000℃)以下
というコージエライト体が得られることが報告さ
れている。例えば米国特許第3885977号(日本出
願特開昭50−75611号)には、粉砕ないしは層分
離することにより板状の粒子となるカオリン
(Al2O3・2SiO2・2H2O)の該粒子を含むコージ
エライト調整バツチ原料を混合混練し、上記板状
カオリン粒子が平面的に配向するような手段によ
り形成し、乾燥焼成を行なつて得たコージエライ
ト体は、成形時における板状カオリン粒子の配向
面に沿い、11.0×10-7/℃の低熱膨脹係数が示さ
れることが記載されている。 発明者らは、この配向性コージエライト体につ
いて、より生産的に、かつより低膨張性のコージ
エライト体を得るために研究を重ねた結果、主要
原料としてタルクと、水酸化アルミニウムおよ
び/またはアルミナと、無水珪酸とを含み、カオ
リンを含まないコージエライト調整バツチ原料を
用い、かつタルク(滑石)として(00l)面
〔(001)面に平行な面〕に沿つて劈開して板状粒
子としたタルクを用いることにより特定方向に
10.0×10-7/℃程度、特にすぐれたものでは7.0×
10-7/℃(25〜1000℃)の低熱膨脹性を示すコー
ジエライト体を得ることに成功した。 この研究の成果として重要なことは、バツチ原
料成形体中の板状タルク粒子の配向が、焼成され
て得られるコージエライト体の結晶子のC軸配向
を決定することを見出したことである。 タルク(3MgO・4SiO2・H2O)は一般にこれ
を粉砕するときは、その結晶C軸に垂直な(00l)
面に沿つて劈開する性質を有しており、容易に板
状の粒子を得ることができる。そしてこのタルク
の板状粒子を含むバツチ原料をアニソスタテツク
な成形、例えば細いスリツトを有するダイスによ
り押出成形を行なうときは、バツチ原料が細いス
リツトを通つてシート状に成形されるとき、第2
図に示すようにタルクの板状粒子1は倒されて押
出成形された成形体2の壁面に沿う方向に平面的
に配向される。しかして、この成形体を焼成し固
相反応により得られるコージエライト体は、その
結晶子のC軸は原料たるタルクのC軸と直角方向
即ちコージエライト体の壁面に沿う方向に配向さ
れ、該方向に特にすぐれた低熱膨脹性を示す。 またこの場合、発明者らの研究の結果によれ
ば、コージエライト体に上記のC軸配向を与える
要因はタルクであつて、タルク以外の原料、例え
ば無水珪酸、水酸化アルミニウムまたはアルミナ
は板状である必要はなく、また成形時に配向させ
る必要はない。むしろこれ等は等辺的で、かつタ
ルク粒子よりも小径の粒子を用いることが望まし
い。それは、タルク粒子以外に大径の粒子がバツ
チ原料中に含まれると、押出成形時における板状
タルク粒子の配向を阻害するからである。粒子径
が大径の場合、コージエライト化学組成とするの
に不足するアルミナ源、シリカ源が偏在し、正し
いコージエライト組成にならない。タルク以外の
他の原料の粒子径は小さければ小さいほど、反応
性を良好にする。また、カオリンを含まないバツ
チ原料を用いても、コージエライト体の上記C軸
配向を実現することができる。 本発明は上記の如き特性を有することより、薄
い壁をへだてて軸方向に多数の通孔を有する第1
図に示すようなハニカム構造の排気ガス触媒担体
の製造に利用して特に有効である。このようなハ
ニカム構造体は一般に幅の狭いスリツトを有する
ダイスを用いて押出成形されるが、本発明のバツ
チ原料はこのスリツトを通過するときに原料中の
板状タルク粒子が押出されたハニカム構造体の壁
面に沿つて平面的に配向し、これを焼成して得た
触媒担体にはその壁面に沿うC軸配向が与えられ
る。従つて壁面に沿う方向に極めてすぐれた低膨
脹性を有しており、触媒担体として急激な温度変
化が加えられても、破損や亀裂の発生はほとんど
なく、すぐれた耐熱衝撃性を発揮する。なお、壁
厚方向の熱膨脹性は壁面方向に比べて大きいが、
ハニカム構造体の壁厚は薄いこと、および各壁間
には壁の厚さ方向の膨脹を吸収する通孔が介在し
ているので、破損や亀裂についての問題は生じな
い。 更に本発明において有利なことは、タルクは一
般にこれを粉砕するときには(00l)面に沿つて
劈開されて板状の粒子となり、本発明はこのよう
にして得られたタルク板状粒子をバツチ原料とし
て用いることによりコージエライト体にC軸配向
を与えることができるので、生産的にも有利であ
る。また原料としてカオリンを用いず、工業的に
精製され得る水酸化アルミニウム、アルミナ、無
水珪酸を用いるので、天然産のカオリンに不可避
的に含まれるコージエライト体の熱膨脹係数にと
つて好ましくない不純物元素、例えばアルカリ金
属やアルカリ土類金属等の混入を極少にすること
が可能となり、より一層の低膨脹化が達成でき
る。 次に本発明の詳細を実施例にもとづいて説明す
る。 実験例 1 第1表に示す化学組成を有する原料を第2表の
実験a〜lに示す調合割合(重量%)で混合し、
これにバインダーおよび水を加えて混練した後、
スリツト幅0.30mm、300セル/in2のハニカム成形
用ダイスを用いて押出成形を行なつた。乾燥後、
最高温度1400℃、5時間で焼成し、結晶量95重量
%以上の高純度コージエライト体を得た。 このコージエライト体より径10φで長さ50mmの
試料を切出し、押出し方向に平行な方向(壁面に
沿う方向で壁厚方向に直角な方向)での25〜1000
℃の間の熱膨脹係数を測定した。 なお、ここで使用したタルクは乾式粉砕法にて
(00l)面に沿つて劈開した板状粒子である。ま
た、他の原料は板状に粉砕したものではない。表
中、1g lossは灼熱減量を示す。 測定結果を第2表に示す。この結果より押出方
向に平行な方向においてコージエライト体は極め
てすぐれた低熱膨脹係数(×10-7/℃)を示すこ
とがわかる。 本実験により合成して得られたコージエライト
は六方晶系コージエライトである。六方晶系コー
ジエライトは熱膨脹に関し異方性を有しており、
C軸方向の熱膨脹係数が特に低いことは既に知ら
れているが、通常のコージエライト体においては
結晶子C軸が壁面に沿う方向や壁厚方向などラン
ダムな方向にあるため、熱膨脹の異方性が発揮さ
れなかつた。本実験の結果より、板状のタルクを
原料として用て押出成形を行ない、これを焼成し
て得られたコージエライト体は結晶子のC軸に壁
面方向の配向性が付与され、これによつて壁面に
沿う方向に低熱膨脹性が得られることが知られ
る。またカオリンを含まない原料を用いて、押出
方向に低膨脹性のコージエライト体が得られるこ
とが知られる。 実験例 2 第1表に示す原料を第2表の実験aの組合せと
し、かつこの場合タルク粒子の平均粒径を28〜
30μの間で変化させ、実験例1と同様に押出成
形、乾燥焼成してハニカム構造体を得、これから
切出した試料により押出方向と平行な方向での熱
膨脹係数を測定した。 結果を第3表および第3図に示す。熱膨脹係数
はタルク粒子径の大幅な変化にかかわらず6.9×
10-7/℃〜8.8×10-7/℃の範囲にあり、極めて
低い値であり、かつ変化幅も少ない。従つて本発
明により低熱膨脹のコージエライト体を得るため
のタルク粒度調整は容易であることがわかる。 実験例 3 第1表の原料を第2表の実験aで示す割合に調
合し、水およびバインダーを加えて混合混練し、
縦50mm、横3mmの長方形のスリツトのシート押出
しダイスを用いてシート状に押出して得た試料に
ついて、X線回折および熱膨脹係数の測定を行な
つた。なおX線回折は上記試料を乾燥した時点、
即ち焼成前のものについて行ない、熱膨脹係数
(×10-7/℃)の測定は乾燥後、最高温度1400℃、
5時間焼成したものについて行なつた。また、X
線回折はタルクの回折線に注目して測定した。結
果を第4表に示す。なお、表においてX線強度比
は試料シートの厚さ方向での値を100とした値で
ある。 以上の結果より、押出成形された試料(シー
ト)において、成形体中の板状のタルクはそのほ
とんどがシート面(押出方向に平行および直角面
を含む面)にほぼ平面的に配向されていること、
焼成体のシート面に沿う方向に低熱膨脹性が現
れ、従つて、焼成体中のコージエライト結晶子の
C軸が焼成体のシート面に沿う方向に配向されて
いること、更にタルクのC軸〔(00l)面に垂直〕
とコージエライト焼成体のC軸とは直角関係にあ
ることがわかる。 なお、上記バツチ原料中の無水珪酸に代え、非
板状のカオリンを用いた実験を行なつたが、上記
結果とほぼ同一の結果が得られた。このようにカ
オリンを用いないバツチ原料、および押出成形時
に配向性が得られない形状のカオリンを含むバツ
チ原料によつてもコージエライト体のC軸配向が
得られることより、コージエライト体のC軸配向
にはカオリンは関与しないことがわかる。
もので、低熱膨脹性のコージエライト体、特に特
定方向に顕著な低熱膨脹性を有するコージエライ
ト体を得ることを目的とするものである。 コージエライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)は
低熱膨脹性にすぐれていることより、急激な冷熱
サイクルが繰返し作用することにより耐熱衝撃性
が要求される製品、例えば排気ガス浄化用触媒担
体の構成材料等として適している。 コージエライトの熱膨脹係数は一般に26.0×
10-7/℃(25〜1000℃)とされていた。しかも最
近、各産業界で更に耐熱衝撃性のあるコージエラ
イト体が要求され、種々の研究がなされた結果、
材料中に含まれるナトリウム、カリウム、カルシ
ウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属および
低熱膨脹性に悪影響を与えると考えられる他の不
純物を極力除去することで、17.0×10-7/℃(25
〜1000℃)の低熱膨脹のコージエライト体が得ら
れるようになつた。 更にコージエライト結晶子自身がもつ異方性を
配向させて利用することで、少くとも一方向での
熱膨脹係数が11.0×10-7/℃(25〜1000℃)以下
というコージエライト体が得られることが報告さ
れている。例えば米国特許第3885977号(日本出
願特開昭50−75611号)には、粉砕ないしは層分
離することにより板状の粒子となるカオリン
(Al2O3・2SiO2・2H2O)の該粒子を含むコージ
エライト調整バツチ原料を混合混練し、上記板状
カオリン粒子が平面的に配向するような手段によ
り形成し、乾燥焼成を行なつて得たコージエライ
ト体は、成形時における板状カオリン粒子の配向
面に沿い、11.0×10-7/℃の低熱膨脹係数が示さ
れることが記載されている。 発明者らは、この配向性コージエライト体につ
いて、より生産的に、かつより低膨張性のコージ
エライト体を得るために研究を重ねた結果、主要
原料としてタルクと、水酸化アルミニウムおよ
び/またはアルミナと、無水珪酸とを含み、カオ
リンを含まないコージエライト調整バツチ原料を
用い、かつタルク(滑石)として(00l)面
〔(001)面に平行な面〕に沿つて劈開して板状粒
子としたタルクを用いることにより特定方向に
10.0×10-7/℃程度、特にすぐれたものでは7.0×
10-7/℃(25〜1000℃)の低熱膨脹性を示すコー
ジエライト体を得ることに成功した。 この研究の成果として重要なことは、バツチ原
料成形体中の板状タルク粒子の配向が、焼成され
て得られるコージエライト体の結晶子のC軸配向
を決定することを見出したことである。 タルク(3MgO・4SiO2・H2O)は一般にこれ
を粉砕するときは、その結晶C軸に垂直な(00l)
面に沿つて劈開する性質を有しており、容易に板
状の粒子を得ることができる。そしてこのタルク
の板状粒子を含むバツチ原料をアニソスタテツク
な成形、例えば細いスリツトを有するダイスによ
り押出成形を行なうときは、バツチ原料が細いス
リツトを通つてシート状に成形されるとき、第2
図に示すようにタルクの板状粒子1は倒されて押
出成形された成形体2の壁面に沿う方向に平面的
に配向される。しかして、この成形体を焼成し固
相反応により得られるコージエライト体は、その
結晶子のC軸は原料たるタルクのC軸と直角方向
即ちコージエライト体の壁面に沿う方向に配向さ
れ、該方向に特にすぐれた低熱膨脹性を示す。 またこの場合、発明者らの研究の結果によれ
ば、コージエライト体に上記のC軸配向を与える
要因はタルクであつて、タルク以外の原料、例え
ば無水珪酸、水酸化アルミニウムまたはアルミナ
は板状である必要はなく、また成形時に配向させ
る必要はない。むしろこれ等は等辺的で、かつタ
ルク粒子よりも小径の粒子を用いることが望まし
い。それは、タルク粒子以外に大径の粒子がバツ
チ原料中に含まれると、押出成形時における板状
タルク粒子の配向を阻害するからである。粒子径
が大径の場合、コージエライト化学組成とするの
に不足するアルミナ源、シリカ源が偏在し、正し
いコージエライト組成にならない。タルク以外の
他の原料の粒子径は小さければ小さいほど、反応
性を良好にする。また、カオリンを含まないバツ
チ原料を用いても、コージエライト体の上記C軸
配向を実現することができる。 本発明は上記の如き特性を有することより、薄
い壁をへだてて軸方向に多数の通孔を有する第1
図に示すようなハニカム構造の排気ガス触媒担体
の製造に利用して特に有効である。このようなハ
ニカム構造体は一般に幅の狭いスリツトを有する
ダイスを用いて押出成形されるが、本発明のバツ
チ原料はこのスリツトを通過するときに原料中の
板状タルク粒子が押出されたハニカム構造体の壁
面に沿つて平面的に配向し、これを焼成して得た
触媒担体にはその壁面に沿うC軸配向が与えられ
る。従つて壁面に沿う方向に極めてすぐれた低膨
脹性を有しており、触媒担体として急激な温度変
化が加えられても、破損や亀裂の発生はほとんど
なく、すぐれた耐熱衝撃性を発揮する。なお、壁
厚方向の熱膨脹性は壁面方向に比べて大きいが、
ハニカム構造体の壁厚は薄いこと、および各壁間
には壁の厚さ方向の膨脹を吸収する通孔が介在し
ているので、破損や亀裂についての問題は生じな
い。 更に本発明において有利なことは、タルクは一
般にこれを粉砕するときには(00l)面に沿つて
劈開されて板状の粒子となり、本発明はこのよう
にして得られたタルク板状粒子をバツチ原料とし
て用いることによりコージエライト体にC軸配向
を与えることができるので、生産的にも有利であ
る。また原料としてカオリンを用いず、工業的に
精製され得る水酸化アルミニウム、アルミナ、無
水珪酸を用いるので、天然産のカオリンに不可避
的に含まれるコージエライト体の熱膨脹係数にと
つて好ましくない不純物元素、例えばアルカリ金
属やアルカリ土類金属等の混入を極少にすること
が可能となり、より一層の低膨脹化が達成でき
る。 次に本発明の詳細を実施例にもとづいて説明す
る。 実験例 1 第1表に示す化学組成を有する原料を第2表の
実験a〜lに示す調合割合(重量%)で混合し、
これにバインダーおよび水を加えて混練した後、
スリツト幅0.30mm、300セル/in2のハニカム成形
用ダイスを用いて押出成形を行なつた。乾燥後、
最高温度1400℃、5時間で焼成し、結晶量95重量
%以上の高純度コージエライト体を得た。 このコージエライト体より径10φで長さ50mmの
試料を切出し、押出し方向に平行な方向(壁面に
沿う方向で壁厚方向に直角な方向)での25〜1000
℃の間の熱膨脹係数を測定した。 なお、ここで使用したタルクは乾式粉砕法にて
(00l)面に沿つて劈開した板状粒子である。ま
た、他の原料は板状に粉砕したものではない。表
中、1g lossは灼熱減量を示す。 測定結果を第2表に示す。この結果より押出方
向に平行な方向においてコージエライト体は極め
てすぐれた低熱膨脹係数(×10-7/℃)を示すこ
とがわかる。 本実験により合成して得られたコージエライト
は六方晶系コージエライトである。六方晶系コー
ジエライトは熱膨脹に関し異方性を有しており、
C軸方向の熱膨脹係数が特に低いことは既に知ら
れているが、通常のコージエライト体においては
結晶子C軸が壁面に沿う方向や壁厚方向などラン
ダムな方向にあるため、熱膨脹の異方性が発揮さ
れなかつた。本実験の結果より、板状のタルクを
原料として用て押出成形を行ない、これを焼成し
て得られたコージエライト体は結晶子のC軸に壁
面方向の配向性が付与され、これによつて壁面に
沿う方向に低熱膨脹性が得られることが知られ
る。またカオリンを含まない原料を用いて、押出
方向に低膨脹性のコージエライト体が得られるこ
とが知られる。 実験例 2 第1表に示す原料を第2表の実験aの組合せと
し、かつこの場合タルク粒子の平均粒径を28〜
30μの間で変化させ、実験例1と同様に押出成
形、乾燥焼成してハニカム構造体を得、これから
切出した試料により押出方向と平行な方向での熱
膨脹係数を測定した。 結果を第3表および第3図に示す。熱膨脹係数
はタルク粒子径の大幅な変化にかかわらず6.9×
10-7/℃〜8.8×10-7/℃の範囲にあり、極めて
低い値であり、かつ変化幅も少ない。従つて本発
明により低熱膨脹のコージエライト体を得るため
のタルク粒度調整は容易であることがわかる。 実験例 3 第1表の原料を第2表の実験aで示す割合に調
合し、水およびバインダーを加えて混合混練し、
縦50mm、横3mmの長方形のスリツトのシート押出
しダイスを用いてシート状に押出して得た試料に
ついて、X線回折および熱膨脹係数の測定を行な
つた。なおX線回折は上記試料を乾燥した時点、
即ち焼成前のものについて行ない、熱膨脹係数
(×10-7/℃)の測定は乾燥後、最高温度1400℃、
5時間焼成したものについて行なつた。また、X
線回折はタルクの回折線に注目して測定した。結
果を第4表に示す。なお、表においてX線強度比
は試料シートの厚さ方向での値を100とした値で
ある。 以上の結果より、押出成形された試料(シー
ト)において、成形体中の板状のタルクはそのほ
とんどがシート面(押出方向に平行および直角面
を含む面)にほぼ平面的に配向されていること、
焼成体のシート面に沿う方向に低熱膨脹性が現
れ、従つて、焼成体中のコージエライト結晶子の
C軸が焼成体のシート面に沿う方向に配向されて
いること、更にタルクのC軸〔(00l)面に垂直〕
とコージエライト焼成体のC軸とは直角関係にあ
ることがわかる。 なお、上記バツチ原料中の無水珪酸に代え、非
板状のカオリンを用いた実験を行なつたが、上記
結果とほぼ同一の結果が得られた。このようにカ
オリンを用いないバツチ原料、および押出成形時
に配向性が得られない形状のカオリンを含むバツ
チ原料によつてもコージエライト体のC軸配向が
得られることより、コージエライト体のC軸配向
にはカオリンは関与しないことがわかる。
【表】
【表】
【表】
【表】
以上説明したように本発明は、また本発明はカ
オリンを用いず工業的に精製され得る水酸化アル
ミニウム、アルミナ、無水珪酸を用いるので、コ
ージエライト体のより一層の低膨脹化が達成でき
る。そして成形することにより板状のタルク粒子
に配向性を与え、この成形体を焼成することによ
り結晶子のC軸が配向したコージエライト体を得
ることを特徴とするものであり、得られたコージ
エライト体はC軸方向に顕著な低熱膨脹性を示
す。 しかして本発明において有利なことは、タルク
は一般これを粉砕するときには(00l)面に沿つ
て劈開するので容易に板状粒子を得ることができ
原料の生産性がよい。また上記実験例2により知
られる如く、タルク粒子としては広い範囲の粒子
径のものを用いることができるのでバツチ原料の
調整が容易である。コージエライト体を製造する
に当り、主原料としてタルクと、水酸化アルミニ
ウムおよび/またはアルミナと、無水珪酸とを含
み、カオリンを含まないバツチ原料を用い、この
バツチ原料を押出成形の如きアニソスタテツクな
成形手段により本発明によるときは、10.0×
10-7/℃(25〜1000℃)以下、特にすぐれたもの
では7.3×10-7/℃という極めて低熱膨脹性のコ
ージエライト体が得られるのであつて、耐熱衝撃
性を要する製品、例えば排気ガス浄化用触媒担体
の製造に適用して極めて有効である。
オリンを用いず工業的に精製され得る水酸化アル
ミニウム、アルミナ、無水珪酸を用いるので、コ
ージエライト体のより一層の低膨脹化が達成でき
る。そして成形することにより板状のタルク粒子
に配向性を与え、この成形体を焼成することによ
り結晶子のC軸が配向したコージエライト体を得
ることを特徴とするものであり、得られたコージ
エライト体はC軸方向に顕著な低熱膨脹性を示
す。 しかして本発明において有利なことは、タルク
は一般これを粉砕するときには(00l)面に沿つ
て劈開するので容易に板状粒子を得ることができ
原料の生産性がよい。また上記実験例2により知
られる如く、タルク粒子としては広い範囲の粒子
径のものを用いることができるのでバツチ原料の
調整が容易である。コージエライト体を製造する
に当り、主原料としてタルクと、水酸化アルミニ
ウムおよび/またはアルミナと、無水珪酸とを含
み、カオリンを含まないバツチ原料を用い、この
バツチ原料を押出成形の如きアニソスタテツクな
成形手段により本発明によるときは、10.0×
10-7/℃(25〜1000℃)以下、特にすぐれたもの
では7.3×10-7/℃という極めて低熱膨脹性のコ
ージエライト体が得られるのであつて、耐熱衝撃
性を要する製品、例えば排気ガス浄化用触媒担体
の製造に適用して極めて有効である。
第1図はハニカム構造の排気ガス浄化用触媒担
体を示す図、第2図は押出成形時における原料中
のタルク粒子の配向を示す図、第3図は本発明に
関する実験結果を示す図である。 1……タルク粒子、2……押出成形体。
体を示す図、第2図は押出成形時における原料中
のタルク粒子の配向を示す図、第3図は本発明に
関する実験結果を示す図である。 1……タルク粒子、2……押出成形体。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 主要原料としてタルクと、水酸化アルミニウ
ムおよび/またはアルミナと、無水珪酸とを含
み、タルクとして(00l)面に沿つて劈開した板
状粒子を用い、カオリンを用いないコージエライ
ト調整バツチ原料を混合混練し、バツチ原料中に
含まれる上記タルクの板状粒子に平面的な配向を
与える手段によりバツチ原料を成形し、これを乾
燥焼成させることを特徴とするコージエライト体
の製造方法。 2 上記成形手段として混合混練したバツチ原料
を細いスリツトを通して押出成形する特許請求の
範囲第1項記載のコージエライト体の製造方法。 3 水酸化アルミニウム、アルミナおよび無水珪
酸の粒子径がタルク粒子よりも小径である特許請
求の範囲第1項記載のコージエライト体の製造方
法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4501680A JPS56145169A (en) | 1980-04-04 | 1980-04-04 | Manufacture of cordierite body |
US06/250,150 US4434117A (en) | 1980-04-04 | 1981-04-02 | Method for producing a cordierite body |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4501680A JPS56145169A (en) | 1980-04-04 | 1980-04-04 | Manufacture of cordierite body |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS56145169A JPS56145169A (en) | 1981-11-11 |
JPH0127990B2 true JPH0127990B2 (ja) | 1989-05-31 |
Family
ID=12707550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4501680A Granted JPS56145169A (en) | 1980-04-04 | 1980-04-04 | Manufacture of cordierite body |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS56145169A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002274974A (ja) * | 2001-03-16 | 2002-09-25 | Sumitomo Chem Co Ltd | セラミックス球状多孔体およびその製造方法 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0761892B2 (ja) * | 1987-11-11 | 1995-07-05 | 日本碍子株式会社 | コージェライトハニカム構造体 |
JPS643067A (en) * | 1987-02-12 | 1989-01-06 | Ngk Insulators Ltd | Cordierite honeycomb structure and production thereof |
WO2008026375A1 (fr) | 2006-08-31 | 2008-03-06 | Ngk Insulators, Ltd. | Procédé de fabrication d'une structure en nids d'abeille |
CN101575204B (zh) * | 2008-03-21 | 2013-03-20 | 株式会社电装 | 堇青石成形体和制备所述成形体的方法 |
JP5128989B2 (ja) * | 2008-03-25 | 2013-01-23 | 日本碍子株式会社 | コーディエライトセラミックスの製造方法 |
JP5369035B2 (ja) * | 2010-03-25 | 2013-12-18 | 日本碍子株式会社 | ゼオライトハニカム成形体及びゼオライトハニカム焼成体 |
US20140357474A1 (en) * | 2013-05-30 | 2014-12-04 | Corning Incorporated | Formed ceramic substrate composition for catalyst integration |
US20140357476A1 (en) * | 2013-05-30 | 2014-12-04 | Corning Incorporated | Formed ceramic substrate composition for catalyst integration |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5075611A (ja) * | 1973-11-05 | 1975-06-20 |
-
1980
- 1980-04-04 JP JP4501680A patent/JPS56145169A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5075611A (ja) * | 1973-11-05 | 1975-06-20 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002274974A (ja) * | 2001-03-16 | 2002-09-25 | Sumitomo Chem Co Ltd | セラミックス球状多孔体およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS56145169A (en) | 1981-11-11 |
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