JPH01276060A - 塩素イオン選択性電極 - Google Patents

塩素イオン選択性電極

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JPH01276060A
JPH01276060A JP63103935A JP10393588A JPH01276060A JP H01276060 A JPH01276060 A JP H01276060A JP 63103935 A JP63103935 A JP 63103935A JP 10393588 A JP10393588 A JP 10393588A JP H01276060 A JPH01276060 A JP H01276060A
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chloride ion
sensitive
electrode
selective electrode
ion selective
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JP63103935A
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Osamu Ozawa
理 小沢
Yasuhisa Shibata
康久 柴田
Naoto Oki
直人 沖
Hiroyuki Miyagi
宮城 宏行
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は塩素イオン選択性電極に係り、特に生体液中の
塩素イオンの分析に使用するに好適な高分子支持膜形の
液膜形塩素イオン選択性電極に関する。
〔従来の技術〕
従来、生体液中の塩素イオンの分析に使用される塩素イ
オン選択性電極としては、塩化銀と硫化銀とからなる固
体膜形電極、あるいはポリ塩化ビニルの如き合成高分子
支持膜中に感応物質としてイオン交換体を担持させた高
分子支持液膜形電極などが用いられてきた。前者の電極
は臭素イオンなどのハロゲンイオンや硫化物イオンなど
による妨害が大きいという問題がある。一方、後者の電
極は感応膜中に取り込まれやすい親油性イオンなどによ
り測定誤差を招くこと及び感応物質として用いるイオン
交換体の感応膜からの溶出や蛋白質等の感応膜表面への
吸着などにより電極寿命が短いことなどの問題がある。
そこで、高分子支持液膜形電極の問題点を解決する方法
が試みられている。例えば、特開昭56−63246号
公報では蛋白質等の吸着による妨害を低減するために、
感応物質としてメチルトリドデシルアンモニウムクロラ
イドを、可塑剤としてn−テトラデシルアルコール(炭
素数14の直鎖脂肪族アルコール)を用いている。また
、特開昭59−137851号公報では応答性を改善し
、かつ、測定誤差を低減するために感応物質としてジメ
チルオクタデシルアンモニウムクロライドを、可塑剤と
して直鎖脂肪族アルコールと0−ニトロフェニルオクチ
ルエーテルとを混合して用いている。また、感応物質の
溶解度を増大し、膜材料の結晶化を低減するために、直
鎖脂肪族アルコールとしてn−テトラデシルアルコール
(炭素数14、融点38.3℃)の他にn−ドデシルア
ルコール(炭素数12.融点23.5℃)を加えるとい
う例についても記述されている。さらに。
血液中に多く含まれている炭酸水素イオンに対する選択
性を向上させるために、マイクロキミカアクタ (ウィ
ン)  (Microchimica Acta、 (
Vein))198411[,1に記載されている方法
は感応物質としてテトラドデシルアンモニウムクロライ
ドを用いている。しかし、上記感応物質を用いた塩素イ
オン選択性電極は親油性陰イオンに対する選択性は逆に
低下している。この様に従来の改良方法によれば、感応
物質の構造や種類あるいは可塑剤を変えることにより問
題点の解決が試みられてきた。しかし、従来の改良方法
による塩素イオン選択性電極は、親油性陰イオンに対す
る選択性を抑えようとすれば親木性陰イオン、例えば、
炭酸水素イオンに対する選択性が低下する。逆に、炭酸
水素イオンなどの親水性陰イオンに対する選択性を向上
しようとすれば、親油性陰イオンに対する選択性が著し
く悪くなるという関係にあった。従って、高分子支持液
膜形塩素イオン選択性電極の測定誤差を低減し、その正
確性を向上させるためには、親水性陰イオンと親油性陰
イオンの両者に対する選択性を向上させることが重要で
ある。また、液収形電極として機能させるために、感応
物質の溶解度を増大し、膜材料の結晶化を低減できると
ともに感応膜中に安定に保持されるような可塑剤を選択
することが重要である。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術、すなわち、可塑剤として直鎖脂肪族アル
コールを用いる従来の高分子支持液膜形塩素イオン選択
性電極においては、脂肪族アルコールの炭素数について
の検討が不十分であった。
特に感応物質としてテトラアルキルアンモニウム塩を用
いる場合、可塑剤である脂肪族アルコールの炭素数を増
やすと、特に低温において脂肪族アルコールが結晶化し
やすくなり、感応物質を溶解しにくくなるため、電極の
インピーダンスが増大し、応答速度が低下するという問
題があった。−方、炭素数を減らすと、その水溶性が増
大するため電位応答が不安定となり、電極性能が長期間
安定に保たれないという問題があった。前述のように、
感応物質としてジメチルジオクタデシルアンモニウム塩
を用いる場合には、可塑剤として炭素数が異なる直鎖脂
肪族アルコールを混合して使用するという公知例もある
が、感応物質として溶解性が極めて低いテトラアルキル
アンモニウム塩を用いる場合には、この公知例を適用す
ることは困難である。なぜなら、公知例は炭素数が互い
に2異なる脂肪族アルコールを用いているため、互いの
性質の差が大き過ぎ、上記の問題点を同時に解決できな
いからである。
本発明の目的は、インピーダンスが低く、応答の速い、
しかも電位応答が安定で、電極性能が長時間持続する塩
素イオン選択性電極を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、塩素イオン感応物質として第4級アンモニ
ウム塩または第4級ホスホニウム塩を含み、支持膜とし
てポリ塩化ビニルの如き合成高分子物質を含む感応膜中
に可塑剤として炭素数が10以上で互いに炭素数が1異
なる2種の脂肪族アルコールを含ませるか、もしくは互
いの融点の差が13℃以内の2種類の脂肪族アルコール
を含ませ、それらの組成を最適化することによって達成
するようにした6 〔作用〕 高分子支持液膜形塩素イオン選択性電極は、母材となる
ポリ塩化ビニルの如き高分子物質、可塑剤及び感応物質
から構成される。感応物質として第4級アンモニウム塩
を用いた場合、以下の4種がある。
タイプ(1)[(CHa)aRNコ÷X−タイプ(2)
[(CHa)zRz Nl + X−タイプ(3)[C
Ha  Ra N]+ X−タイプ(4)  [Ra 
N]÷X− ここで、Rは炭素数が2以上の脂肪族アルキル基を、ま
たX−は陰イオンを示す。タイプ(1)は化合物自体の
親油性が他の3種よりも低いため、安定性及び寿命など
の点で塩素イオン選択性電極用の感応物質としては好ま
しくない。一方、タイプ(2)、(3)、(4)の化合
物はアルキル基Rの個数の増加により化合物全体の炭素
数はタイプ(1)よりも大幅に増え、従ってその親油性
が向上するために塩素イオン選択性電極の感応物質とし
て実用の可能性がある。実際、タイプ(2)及び(3)
の化合物が一般的に用いられている。
ところで、タイプ(4)のアルキル基を4個含有するテ
トラアルキルアンモニウム塩は窒素原子の周囲にかさ高
いアルキル基が4個存在するため。
分子構造上タイプ(1)ないしく3)のアンモニウム塩
よりも、かさ高い陰イオンによる窒素原子への攻撃を受
けにくいものと考えられる。従って、タイプ(4)を感
応物質とする塩素イオン選択性電極は、タイプ(1)な
いしく3)を感応物質とする塩素イオン選択性電極より
も各種のかさ高い陰イオン、例えば、親水性の硫酸イオ
ンや炭酸水素イオン及び親油性の過塩素酸イオンやチオ
シアン酸イオン等に対する選択性が向上するものと考え
られる。しかし、テトラアルキルアンモニウム塩を塩素
イオン選択性電極の感応物質として用いる場合には、こ
れを溶解し、かつ、陽イオン及び陰イオンに電離した状
態を形成するための可塑剤の選択が大幅に制限される。
従って、適切な可塑剤を用いないと電極としての応答性
や感度などの基本性能が不十分となる場合が生ずる。特
に、感応物質のアルキル基の炭素数が増加するに従い各
種可塑剤に対する溶解性が極めて小さくなり、使用可能
な可塑剤はさらに限定される。この様なことから、生体
液中の塩素イオンを分析するのに十分な選択性や応答性
などの基本性能を有するものが見いだされていないため
、現在の所タイプ(4)を用いた実用的な塩素イオン選
択性電極は得られていない。従って、タイプ(4)の化
合物を用いる場合には、感応物質と可塑性の組合せ及び
その組成の最適化が重要となる。
従来、直鎖脂肪族アルコールを可塑剤として用いる場合
において、炭素数14のn−テトラデシルアルコールが
用いられる場合があり、また、それだけでは感応物質を
溶解することが困是な場合は、さらに高誘電率の有機化
合物、例えば、〇−ニトロフェニルオクチルエーテルな
どを混合して用いる方法が知られていた。しかし上記の
テトラアルキル形の感応物質はn−テトラデシルアルコ
ールに対する溶解度が低く、0−ニトロフェニルオクチ
ルエーテルを加えても特に低温においては難溶となり、
これを電極に応用した際、インピーダンスの増大や応答
速度の低下といった問題が生じやすかった。この問題を
解決する方法として、前述のように炭素数が2少ないn
−ドデシルアルコールをさらに添加し、感応物質の溶解
度を増大させ、他の膜材料の結晶化を低減するという公
知例がある。しかし、炭素数が2少ない直鎖脂肪族アル
コールは、親油性の指標であるlog P (親油性パ
ラメータ)は約1程度小さく、水に対する分配性が約1
桁大きい。すなわち、炭素数が少ない直鎖脂肪族アルコ
ールは試料溶液中へ溶出しやすいため、電極電位の安定
性が低く、また、折角添加しても短期間のうちに溶出す
るため、その効果が持続しない。この傾向は実際の試料
である血清等の測定に際してさらに大きくなる。そこで
添加する直鎖脂肪族アルコールの炭素数をn−テトラデ
シルアルコールの炭素数14よりも1だけ少ない13と
した。すると、感応物質の溶解性を増し。
他の膜材料の結晶化を低減することができ、しかも親油
性の低下を最小限に保つことができる。従って、インピ
ーダンスが低くて応答が速い電極が得られ、しかも電極
電位が不安定となったり電極性能が短期間で低下すると
いった問題が生じることがなくなる。
〔実施例〕
本発明の実施例を以下に説明する。第1図は本発明が適
用される塩素イオン選択性電極の構成断面図の一実施例
である。電極筒1には10mmol/dI13の塩化ナ
トリウムを含む内部液2が収納されており、この内部液
2内にA g / A g C1から成る内部電極3が
浸漬されている。電極筒1の下端部には感応膜4が形成
されている。この感応膜4はポリ塩化ビニルの如き高分
子物質を含み、塩素イオン感応物質と可塑剤が適当な重
量濃度となる様に分散されている。
本発明では塩素イオン感応物質となる第4級アンモニウ
ム塩形イオン交換体として、テトラアルキルアンモニウ
ム塩を用いた。この様な第4級アンモニウム塩としては
、テトラドデシルアンモニウム塩、テトラセチルアンモ
ニウム塩、テトラオクタデシルアンモニウム塩素の炭素
数が10ないし24個のアルキル基を4個有するテトラ
アルキルアンモニウム塩が好ましい。
本発明の第1の実施例では塩素イオン感応物質としてテ
トラオクタデシルアンモニウムクロライドを用いた。上
記感応物質が15wt%、可塑剤としてn−テトラデシ
ルアルコール(誘電率:約4.5、融点:38.3℃)
が25wt%、n−トリデシルアルコール(融点:30
.5℃)が5wt%、0−ニトロフェニルオクチルエー
テル(誘電率:約24が10wt%、高分子物質として
ポリ塩化ビニルが45wt%となる様に秤量し、溶剤(
テトラヒドロフラン)で混合溶解後、この溶剤を蒸発除
去して感応膜を製膜し、これを第1図の電極筒1の大き
さに応じて適当な大きさに打ち抜いて電極筒1の下端部
に接着した。
上述の実施例では室温付近での動作を目的としたため、
低誘電率を有する脂肪族アルコールの可塑剤としてn−
テトラデシルアルコールとn−トリデシルアルコールの
組合せを用いたが、これに限るものではない、他の動作
温度においてはM電率が10以下であり、炭素数が10
ないし40の脂肪族アルコールのうちで炭素数が1異な
るかもしくは融点の差が13℃以内である2種の脂肪族
アルコールの組合せが好結果をもたらす、塩素イオン選
択性電極としての応答性及び選択性などの点から、低誘
電率を有する2種の脂肪族アルコールの感応膜内での含
有量は合計で11ないし60wt%が適切である。
ところで、感応膜中の可塑剤として低誘電率の直鎖脂肪
族アルコールだけしか存在しない場合、応答性や安定性
の点で塩素イオン選択性電極としての性能が不十分であ
った。これは用いている可塑剤の誘電率がどちらも低い
ために、次の(1)式のイオン解離反応における平衡を
できるだけ左右方向へ進ませる条件として不十分である
ためである。
(C18H37)4N  X# [(CxaHa7)aNコ ++X−・・・(1)本実
施例では感応膜4中にもう一種の可塑剤が存在し、三種
の可塑剤からなる混合系となっている。すなわち、誘電
率が15以上と高く、かつ、親油性の高い有機化合物を
共存させている。上記可塑剤を共存させることにより、
(1)式の平衡が右方向へ移動するため、塩素イオン選
択性電極として良好な性能を示すようになる。高誘電率
の有機化合物としては、0−ニトロフェニルオクチルエ
ーテルのみならず、ニトロベンゼン及びその誘導体(O
pm*P−ニトロトルエンなど)やアセトフェノン及び
その誘導体なども使用することができ、その感応膜4内
での含有量は5ないし20wt%が適切である。
感応膜4中に分散されるテトラオクタデシルアンモニウ
ム塩の含有量は応答性、選択性及び膜インピーダンスの
低減などの点から、5ないし30wt%が適正である。
また1本発明に基づく他のテトラアルキルアンモニウム
塩を感応物質とする場合においても、上述の理由からそ
の含有量は5ないし30wt%が好ましい。
感応物質あるいは可塑剤を担持させる高分子物質として
本発明ではポリ塩化ビニルを用いたが、その他の物質と
してポリカーボネイト、シリコンゴム、エポキシ樹脂な
ども使用可能である。とこうで、感応膜4中の高分子物
質の含有量が他の組成物の関係から25wt%以下とな
ると、感応膜4の機械的強度が極めて弱くなる。一方、
高分子物質の含有量が60wt%以上となると膜インピ
ーダンスが高くなり、安定した電極性能を得ることが難
しくなる。従って、高分子物質の含有量は25ないし6
0wt%が好ましい。
第2の実施例では感応膜4の組成物として、感応物質で
あるテトラオクタデシルアンモニウムクロライドを15
wt%、低誘電率の可塑剤としてn−テトラデシルアル
コールを20wt%、及びn−トリデシルアルコールを
10wt%、高誘電率の可塑剤として0−ニトロフェニ
ルオクチルエーテルを10wt%、高分子材料としてポ
リ塩化ビニルを45wt%用いた。感応膜4の製造方法
などは第1の実施例と同様である。
第3の実施例では感応膜4の組成物として、感応物質と
してテトラセチルアンモニウムクロライドを15wt%
、低誘電率の可塑剤としてn−テトラデシルアルコール
を28wt%、及びn−トリデシルアルコールを2wt
%、高誘電率の可塑剤として0−ニトロフェニルオクチ
ルエーテルを10wt%、高分子材料としてポリ塩化ビ
ニルを45wt%用いた。感応膜4の製造方法などは第
1の実施例と同様である。本実施例は感応物質のアルキ
ル基の炭素数が各16であり、第1の実施例と比較して
2少ない、この様なことより溶解性の高い感応物質を用
いる場合には、n−トリデシルアルコールの含有量が2
wt%程度でも安定な電極特性が得られる。
第4の実施例では感応膜4の組成物として、感応物質で
あるテトラオクタデシルアンモニウムクロライドを15
wt%、低誘電率の可塑剤としてn−テトラデシルアル
コールを25wt%、及びn−トリデシルアルコールを
5wt%、高誘電率の可塑剤として0−ニトロフェニル
オクチルエーテルを5wt%、高分子材料としてポリ塩
化ビニルを50wt%用いた。感応膜4の製造方法など
は第1の実施例と同様である。
第5の実施例では感応膜4の組成物として、感応物質で
あるテトラオクタデシルアンモニウムクロライドを15
wt%、低誘電率の可塑剤として11−ドコサ/−ル(
CioHzt−CHOI(−CttHza)を25wt
%、及び11−ヘンエイコサノール(C10H21−C
HOH−C10H21)を5wt%、高誘電率の可塑剤
として。−二トロフェニルオクチルエーテルを10wt
%、高分子材料としてポリ塩化ビニルを45wt%用い
た。感応膜4の製造方法などは第1の実施例と同様であ
る。使用する脂肪族アルコールは必ずしも直鎖のもので
ある必要はなく、この様に枝分かれした脂肪族アルコー
ルを用いることもできる。この様な枝分かれした脂肪族
アルコールは直鎖は脂肪族アルコールよりも一般に融点
が低いため、室温付近で良好な電極特性を得るには、上
記のように炭素数を増やすと良好な結果が得られる。枝
分かれした脂肪族アルコールは直鎖の脂肪族アルコール
よりも親油性が高く、膜中での安定性がより高い。
次に、本発明に基づ〈実施例の効果について説明する。
ここで、本発明との対比のために5つの従来例を示す、
第1の従来例は、本発明の出願人が先に出願したものに
示された塩素イオン選択性電極で、感応物質としてテト
ラオクタデシルアンモニウムクロライドを15wt%、
可塑性としてn−テトラデシルアルコールを30wt%
及び。−二トロフェニルオクチルエーテルを10wt%
、高分子物質としてポリ塩化ビニルを45wt%含む。
すなわち、脂肪族アルコールを一種類しが含まない点で
本発明と異なる。第2の従来例は特開昭57−7795
2号公報に示された陰イオン選択性電極を変形させたも
のである。感応物質としてメチルトリドデシルアンモニ
ウムクロライドを15wt%、可塑剤としてn−テトラ
デシルアルコールを3゜wt%、高分子物質としてポリ
塩化ビニルを55wt%含む、第3の従来例は特開昭5
9−137851号公報の第2の実施例に示された液膜
形陰イオン選択性電極に基づくものである。感応物質と
してジメチルジオクタデシルアンモニウムクロライドを
15wt%、可塑剤としてn−テトラデシルアルコール
を30wt%及び。−二トロフェニルオクチルエーテル
を10wt%、高分子物質としてポリ塩化ビニルを45
wt%含む。第4の従来例は特開昭59−137851
号公報の第3の実施例に示された液膜形陰イオン選択性
電極を変形させたものである。感応物質としてテトラオ
クタデシルアンモニウムクロライドを10wt%、可塑
剤としてn−テトラデシルアルコール(炭素数14)を
3゜wt%、n−ドデシルアルコール(炭素数12゜融
点23.5℃)を2wt%及び。−二トロフェニルオク
チルエーテルを10wt%、高分子物質としてポリ塩化
ビニルを48wt%含む。すなわち、直鎖脂肪族アルコ
ールとして互いに炭素数が2異なるものを用いるという
従来例の考え方を採用し、それを本発明の第1の実施例
における感応物質に適用したものである。第5の従来例
はマイクロキミカ アクタ(ウィン) (Microc
himica Acta。
(Vein)) 1984  m、 1に示された陰イ
オン選択性電極に基づくものである。感応物質としてテ
トラドデシルアンモニウムクロライドを6wt%、可塑
剤としてセバシン酸ジオクチルを65wt%、高分子物
質としてポリ塩化ビニルを29wt%含む。
第2図に、本発明の第1の実施例及び第2の実施例の塩
素イオン選択性電極と、上述の第1.第2、第3.第5
の従来例について、塩素イオンを基準とした場合の各種
陰イオンに対する選択係数を測定した結果を示す。図に
おいて、a及びbはそれぞれ本発明に基づく第1及び第
2の実施例による結果、c、d、e及びgはそれぞれ第
1.第2、第3、及び第5の従来例による結果である。
第2図から明らかなように、本発明に基づく塩素イオン
選択性電極と第1の従来例に基づく電極は、他の従来の
塩素イオン選択性電極と比較して硫酸イオン(SO4”
)や炭酸水素イオン0(COa−)等の親水性であり、
かつ、かさ高い陰イオン及びチオシアン酸イオン(SC
N−)等の親油性であり、かつ、かさ高い陰イオンに対
しても共に選択性が著しく改善されていることがわかる
。なお、第4の従来例による電極の初期の選択性は、本
発明による電極とほぼ同じであった。
第3図に、第1の実施例に基づく塩素イオン選択性電極
により、22種の市販管理血清中の塩素イオン濃度を測
定し、基準法である電量滴定法(クーロメトリ法)を採
用したクロライドカウンタによる測定値との相関性を調
べた結果を示す。
比較のために、第4図に第3の従来例に基づく塩素イオ
ン選択性電極により22種類の市販管理血清中の塩素イ
オン濃度を測定し、基準法による測定値との相関性を示
した。第3図及び第4回から明らかなように、本発明に
基づく塩素イオン選択性電極(第3図)の方が、相関性
が優れ、測定誤差が小さい、すなわち、正確性が高いこ
とがわかる。
以上により、感応物質としてテトラアルキルアンモニウ
ム塩、可塑剤として低誘電率の脂肪族アルコールと高誘
電率の有機化合物を用いた塩素イオン選択性電極は、選
択性が高く、血清測定時の正確性も高いという効果があ
る。以下、低誘電率の可塑剤として炭素数が1異なる脂
肪族アルコールの混合物を用いた本発明の効果について
、ただ一種の脂肪族アルコールを用いる第1の従来例及
び炭素数が2異なる脂肪族アルコールの混合物を用いる
第4の従来例と比較しながら述べる。
第1表に本発明による第1及び第2の実施例に基づく塩
素イオン選択性電極と、第1及び第4の従来例に基づく
塩素イオン選択性電極のインピーダンスを調べた結果を
示す。
第  1  表 第1表から明らかなように1本発明の第1.第2の実施
例による電極は第1及び第4の従来例と比較して約1桁
以上インピーダンスが低い、特に第2の実施例は第1の
実施例に比べて低融点の脂肪族アルコールの添加量が多
いため、インピーダンスがより低いことがわかる。電極
を実際の測定に応用する際、インピーダンスが1000
MΩ(IGΩ)を越えるとノイズを拾い、測定値がばら
つきやすくなるという問題があるが1本発明によりこの
問題を回避できることがわかる。
最後に、第5図に本発明の第1の実施例に基づく塩素イ
オン選択性電極と第4の従来例に基づく塩素イオン選択
性電極を用い、100 mmol/dm3の塩化ナトリ
ウム水溶液に浸漬して電極のスロープ感度の経口変化を
調べた結果を示す。本発明に基づく塩素イオン選択性電
極のスロープ感度が曲線aのように長期間にわたりほぼ
一定しているのに対し、第4の従来例に基づく電極は曲
線fのようにその半分以下の期間でスロープ感度が低下
した。これは添加する第2の脂肪族アルコールの親油性
が本発明の場合のように高ければ感応膜中に安定に保持
されるのに対し、従来例のように親油性が低いと溶出し
て電極性能が安定に保たれないためと考えられる。
この様に、本発明に基づく塩素イオン選択性電極は、従
来例に比較してインピーダンスが低く応答が速い。しか
も電極電位が安定で電極性能が長期間持続するという特
徴を有するため、極めて実用的な塩素イオン選択性電極
が得られる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、塩素イオン感応物質として第4級アン
モニウム塩または第4級ホスホニウム塩を、可塑剤とし
て互いに炭素数が1異なる脂肪族アルコールが2種類含
ませるかもしくは互いの融点の差が13℃以内の脂肪族
アルコールを2種類含ませ、その組成を最適化すること
により、感応物質の感応膜への溶解性を増大し、膜成分
の結晶化を低減できるため、インピーダンスが低く応答
の速い、しかも電極電位が俊定で電極性能が長期間持続
する塩素イオン選択性電極が得られるという効果がある
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の塩素イオン選択性電極の構成の一実施
例を示す断面図、第2図は本発明に基づく塩素イオン選
択性電極及び従来例による塩素イオン選択性電極の各種
陰イオンに対する選択係数を示す図、第3図及び第4図
はそれぞれ本発明の第1の実施例と従来の市販管理血清
を測定したときの電量滴定法との相関を示す図、第5図
は本発明及び従来例に基づく塩素イオン選択性電極のス
ロープ感度の経日変化を示す図である。 1・・・電極筒、2・・・内部液、3・・・内部電極、
4・・・感応膜。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、高分子物質を含む支持膜中に塩素イオン感応物質と
    して第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩
    を含有する感応膜を備えた塩素イオン選択性電極におい
    て、前記感応膜は可塑剤として炭素数が10以上で互い
    に炭素数が1異なる2種の脂肪族アルコールを含むこと
    を特徴とする塩素イオン選択性電極。 2、前記脂肪族アルコールがそれぞれ直鎖の飽和脂肪族
    アルコールであり、片方の炭素数が14であり、もう一
    方の炭素数が13である特許請求の範囲第1項記載の塩
    素イオン選択性電極。 3、第3の可塑剤として前記2種の脂肪族アルコールの
    いずれよりも誘電率の高い有機化合物を含む特許請求の
    範囲第1項または第2項記載の塩素イオン選択性電極。 4、前記塩素イオン感応物質として炭素数が10〜24
    のアルキル基4個からなるテトラアルキルアンモニウム
    塩を用いる特許請求の範囲第1項または第2項または第
    3項記載の塩素イオン選択性電極。 5、前記感応物質は5〜30重量パーセント、前記脂肪
    族アルコールのうち炭素数の多い方が10〜40重量パ
    ーセント、炭素数の少ない方が1〜20重量パーセント
    、前記有機化合物は5〜20重量パーセント、前記高分
    子物質は、25〜60重量パーセント含有されている特
    許請求の範囲第1項または第2項または第3項または第
    4項記載の塩素イオン選択性電極。 6、高分子物質を含む支持膜中に塩素イオン感応物質と
    して第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩
    を含有する感応膜を備えた塩素イオン選択性電極におい
    て、前記感応膜は可塑剤として融点の差が13℃以内の
    2種類の脂肪族アルコールを含むことを特徴とする塩素
    イオン選択性電極。
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