JPH01266119A - 含フッ素エラストマーおよび含フッ素ゴム - Google Patents

含フッ素エラストマーおよび含フッ素ゴム

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JPH01266119A
JPH01266119A JP9529088A JP9529088A JPH01266119A JP H01266119 A JPH01266119 A JP H01266119A JP 9529088 A JP9529088 A JP 9529088A JP 9529088 A JP9529088 A JP 9529088A JP H01266119 A JPH01266119 A JP H01266119A
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JP
Japan
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fluorine
elastomer
ethylene
rubber
polyolefin
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JP9529088A
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English (en)
Inventor
Sanehiro Yamamoto
実裕 山本
Tetsuo Tojo
哲夫 東條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐熱性、耐油性、耐メタノール性等に優れ、例
えば自動車用部品に適する含フッ素エラストマーおよび
含フッ素ゴムに関する。
〔従来の技術〕
近年自動車に使用するゴム材料は、メインテナンスフリ
ーを指向して、ますます高い信頼性と耐久性が求められ
ており、耐熱性および耐油性の向上が強く求められてい
る。さらには燃料問題を契機として、メタノールを燃料
とする自動車の開発が進められており、耐メタノール性
に優れた自動車用ゴム材料の開発も強く求められている
ところでエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プ
ロピレン/エチリデンノルボーネン共重合体、エチレン
/ブテン−1共重合体等を例とするポリオレフィン系エ
ラストマーは安価であることに加え、ゴム材料としての
活性能を比較的バランスよく兼備えていることから、従
来自動車部品用ゴム材料として幅広く使用されてきた。
しかるに近年自動車のメインテナンスフリーが求められ
るようになったことから、使用するゴム材料の高い信頼
性と耐久性が求められ、特に耐熱性と耐油性に優れたゴ
ム材料が要求されているが、この要求に対して従来のポ
リオレフィン系エラストマーは十分に応え得るものでは
なかった。
耐熱性および耐油性に優れるゴム材料としては、フッ化
ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロ
プロピレン等の重合体であるいわゆるフッ素ゴムが従来
より知られているが、フッ素ゴムは著しく高価であるた
め、使用範囲がごく一部に限られていた。またフッ素ゴ
ムを加硫するためには、ポリオレフィン系エラストマー
(160℃×30nin)に比べて高温かつ著しく長時
間(200℃X24hr)加硫処理しなければならない
という問題点がある。
このため、汎用エラストマーと同様の条件で加硫できる
フッ素系エラストマーの開発が望まれていた。
さらにまた最近のメタノールを燃料とする自動車の開発
推進に伴って耐メタノール性を兼備えた耐熱耐油ゴム材
料が求められているが、既存のフッ素ゴムは耐メタノー
ル性に劣るという欠点がある。
一方、結晶性ポリオレフィン樹脂を、パーフルオロアル
キル基を有するアクリル酸エステルやマレイン酸エステ
ルでグラフト化し、撥水性および撥油性に優れた樹脂を
得ることが提案されているが(例えば特開昭49−10
990号、同61−23616号)、低結晶性または非
品性のニジストマーに対する開示はなく、またアクリル
酸エステル等のアシル基を有するものは高価であるとと
もに、安定性が悪く。
耐熱性等の改善はできないなどの問題点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記の問題点を改善するため、安価で
優れた耐熱性、耐油性、耐メタノール性、撥水性、撥油
性を有し、かつ通常のポリオレフィン系ニジストマーと
同等の温度および時間で加硫することのできる含フッ素
エラストマーおよび含フッ素ゴムを提供することである
〔課題を解決するための手段〕
本発明は次の含フッ素エラストマーおよび含フッ素ゴム
である。
(1)結晶化度50%以下のポリオレフィン系エラスト
マーに、炭素原子数2〜20かつフッ素原子数1〜40
の含フッ素オレフィン化合物をグラフト化した結晶化度
40%以下かつフッ素含量1重量%以上の含フッ素エラ
ストマー。
(2)上記含フッ素エラストマーを加硫した含フッ素ゴ
ム。
本発明における基幹重合体であるポリオレフィン系エラ
ストマーは、低結晶性ないし非品性のオレフィン系共重
合体であり、場合によっては、非共役ジエンを共重合し
ていてもよい。その結晶化度は50%以下、好ましくは
30%以下、さらに好ましくは20%以下である。
このようなポリオレフィン系エラストマーとしては、エ
チレンとα−オレフィンのゴム状共重合体、またはエチ
レンとα−オレフィンとジオレフィンとのゴム状共重合
体がある。エチレンとα−オレフィンのゴム状共重合体
としては、エチレンと、プロピレン、ブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などのα−オレ
フィンとのゴム状の共重合体があり、共重合体中のエチ
レン単位は25ないし95モル%、好ましくは50ない
し95モル%であることが好ましい。α−オレフィンが
2種類以上使用されていても差支えない。
後者、即ちゴム状エチレン/α−オレフィン/ジオレフ
ィン共重合体としては、エチレンと前記のα−オレフィ
ンとジオレフィンの共重合体がある。ジオレフィンとし
てはイソプレン、ブタジェン、ジシクロペンタジェン、
ペンタジェン−1,4,2−メチル−ペンタジェン−1
,4、ヘキサジエン−1,4、ジビニルベンゼン、メチ
リデンノルボーネン、エチリデンノルボーネンなどがあ
り、これらは2種以上使用してもよい。この共重合体中
のエチレン含量は25〜95モル%、好ましくは50な
いし95モル%であることが好ましい。ジエン類単量体
の含有量は0.5〜lOモル%であることが好ましい。
ポリオレフィン系エラストマーとして具体的にはエチレ
ン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合
体、プロピレン/ブテン−1共重合体、エチレン/プロ
ピレン/ヘキサジエン−1,4共重合体、エチレン/プ
ロピレン/ジシクロペンタジェン共重合体、エチレン/
プロピレン15−エチリデン−2−ノルボーネン共重合
体、エチレン/プロピレン15−ビニル−2−ノルボー
ネン共重合体、エチレン/1−ブテン15−エチリデン
−2−ノルボーネン共重合体、エチレン/ブテン−1/
ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン/ジシクロペ
ンタジェン共重合体、エチレン/ブタジェン共重合体等
を例示することができる。
本発明の含フッ素エラストマーにおいて前記ポリオレフ
ィン系エラストマーにグラフト化される含フッ素オレフ
ィン化合物は炭素原子数2〜20、かつフッ素原子数1
〜40の含フッ素オレフィン化合物であり、水素原子、
フッ素以外のハロゲン原子、酸素原子等の他の原子を含
んでいてもよいが。
アシル基を含まないものが好ましい。このような含フッ
素オレフィン化合物として具体的には、テトラフルオロ
エチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、
フッ化ビニル、モノクロロトリフルオロエチレン、 l
−クロロ−2,2−ジフルオロエチレン、l、1−ジク
ロロ−2,2−ジフルオロエチレン、ビニリデンクロロ
フルオライド、ヘキサフルオロプロペン、3,3,3.
2−テトラフルオロプロペン、トリフルオロメチルエチ
レン、2−フルオロプロペン、 2−クロロ−1,1,
3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1.2−ト
リクロロ−3−トリフルオロプロペン、パーフルオロブ
テン−1、パーフルオロペンテン−1゜パーフルオロヘ
プテン−1、パーフルオロノネン−1,8−]]1−パ
ーフルオロオクテンー1パーフルオロヘキシルエチレン
、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシル
エチレン、パーフルオロドデシルエチレン等があげられ
る。
本発明の含フッ素エラストマーは、前記ポリオレフィン
系エラストマーに前記含フッ素オレフィン化合物がグラ
フト化したものであり、結晶化度が40%以下、好まし
くは20%以下、さらに好ましくは10%以下、フッ素
含量が1重量%以上、好ましくは2重量%以上、さらに
好ましくは2.5重量%以上のものである。
本発明の含フッ素エラストマーは、ムーニー粘度〔肛□
+4(121’C))がlθ〜190、特に20〜15
0の範囲にあることが望ましい。この範囲よりもムーニ
ー粘度が低い場合には、含フッ素エラストマーの強度が
不十分となり、一方、高い場合には流動性が不良で、加
工が著しく困難となる。
本発明の含フッ素エラストマーはポリオレフィン系エラ
ストマーに含フッ素オレフィン化合物をグラフト化する
ことしこより製造することができる。
このグラフト化は、ポリオレフィン系エラストマー上に
生じさせたラジカルが含フッ素オレフィン化合物に付加
することにより行われる。ラジカル発生の方法は特に限
定されるものではなく、熱、光、X@、γ線等を単独で
、あるいはラジカル発生触媒と組合わせて用いるなど様
々な方法によることが可能である。
代表的なラジカル発生触媒としては、過酸化物、アゾビ
ス系化合物等をあげることができる。以下に具体例を示
すと、過酸化物としては、過酸化アセチル、過酸化イソ
ブチリル、過酸化2,4−ジクロルベンゾイル、過酸化
クミル、過酸化tart−ブチル、過酸化プロピオニル
、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化
ラウロイル、 tert−ブチルヒドロペルオキシド、
過硫酸カリウム等があげられる。またアゾビス系化合物
としては、2゜2′−アゾビスイソブチロニトリル、2
,2′−アゾビスイソブチルアミド、2,2′−アゾビ
ス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2′−アゾビ
ス−メチルブチロニトリル、1,1′−7ゾビスシクロ
ヘキサンニトリル。
4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸等があげら
れる。′これらのラジカル発生触媒は通常ポリオレフィ
ン系エラストマーに対して0.01〜5重量%使用すれ
ば十分であり、必要以上に使用する利点はない。
本発明の含フッ素エラストマーを製造するためのグラフ
ト化反応条件は特に限定されるものではなく、ポリオレ
フィン系エラストマーおよび含フッ素オレフィン化合物
の種類や性状、またラジカル発生の方法、さらには生成
含フッ素エラストマーの性状および用途等により適宜選
定することができる。
例えば反応時の溶媒は使用しても使用しなくてもよい。
溶媒を使用する場合はポリオレフィン系エラストマーを
溶解し、かつラジカル連鎖移動を起こしにくいものを選
び、実用的な範囲で適当量使用すればよい、溶媒の具体
例としては例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロ
ルベンゼン、ジクロルベンゼン、ジクロルメタン、四塩
化炭素、ジクロルエタン、ペンシトリフルオライド、キ
シレンへキサフルオライド等をあげることができる。
また溶媒を使用しないでグラフト化を行うことも可能で
あり、この場合は例えばポリオレフィン系エラストマー
製造の際の溶融押し出し工程で含フッ素オレフィン化合
物を添加する方法や、あるいはポリオレフィン系エラス
トマーの混練り加工時に含フッ素オレフィン化合物を添
加する方法等を採用することができる。
次にポリオレフィン系エラストマーと含フッ素オレフィ
ン化合物の仕込割合も特に限定されるものではなく、生
成する含フッ素エラストマーのフッ素含量が1重量%以
上となる範囲で任意に選択することができる。一般に含
フッ素オレフィン化合物の仕込割合を増せばグラフト量
が増える関係にあるので、所望するグラフト量や生成す
る含フッ素エラストマーのフッ素含量に応じて適宜選択
すればよい。
グラフト化の反応温度と反応時間も特に限定されるもの
ではなく、採用するラジカル開始の方法に適した反応温
度と反応時間を選定すればよい。
反応装置も特に限定されないが、使用する含フッ素オレ
フィン化合物の沸点が比較的高い場合には、一般的な常
圧反応装置を使用することができ。
また含フッ素オレフィン化合物が常温で気体であったり
、または液体であっても比較的沸点が低い場合には、耐
圧反応装置を用いて密閉系で反応を行うのが好ましい。
原料の仕込み方法も特に限定されず、通常はポリオレフ
ィン系エラストマー、含フッ素オレフィン化合物、そし
て必要によりラジカル開始触媒および溶媒を一括して仕
込んで反応を行えばよい。
ただし、ポリオレフィン系エラストマーが特に溶解しに
くいような場合は予めポリオレフィン系エラストマーを
溶媒に溶解しておくことが好ましい。
生成した含フッ素エラストマーと未反応の含フッ素オレ
フィン化合物や溶媒とを分離するには、反応生成物を加
熱して後者を蒸発させるか、あるいは反応生成物の溶液
を貧溶媒中に投じて含フッ素エラストマーを再沈殿させ
て分離することができる。
貧溶媒の例としてはメタノール、エタノール、アセトン
等を例示することができる。
こうして得られる本発明の含フッ素エラストマーは、未
加硫状態においては熱可塑性ゴムとして、自動車の内外
装用部品、バッキング、ライニング、ベルト、ホース、
保護塗装などの工業用品、引込線、電線などの絶縁兼被
覆材料、ガスケットのカバーゴム、床タイルなどの建築
材料、ゴム引布などの各種用途に供することができる。
成形する場合には、通常の熱可塑性樹脂用成形機の使用
が可能である。
また、未加硫の含フッ素エラストマーは柔軟性に富み、
溶融流動特性にも優れているため、各種の樹脂と容易に
ブレンドすることができ、例えば塩化ビニル、 ポリス
チレン、AS樹脂、 ABS樹脂などのスチレン系樹脂
、ポリプロピレンなどの耐衝撃性改良剤、半硬質ないし
軟質塩化ビニル用の非移行性可塑剤として有効に用いる
ことができる。
また本発明の含フッ素ニジストマーは、加硫状態におい
てその特性が最も良く発揮される。
加硫物は通常一般のゴムを加硫するときと同様に、未加
硫の配合ゴムを一度調製し、次いでこの配合ゴムを意図
する形状に成形した後に加硫を行うことにより製造され
る。そして加硫方法としては、加硫剤を用いて加熱する
方法、および電子線を照射する方法の何れも採用し得る
加硫の際に使用される加硫剤としては、有機過酸化物、
ポリアミン等の通常のフッ素系エラストマーと同様の加
硫剤が使用できる。
本発明の含フッ素エラストマーの加硫に用いられる有機
過酸化物としては、例えばジクミルペルオキシド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾ
イルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ
ーtert−プチルペルオキド、ジーtert−ブチル
ペルオキシ−3,3,5−)−リメチルシクロ△キサン
、tert−ブチルヒドロペルオキシドを例示できるが
、なかでもジクミルペルオキシド、ジーtert−ブチ
ルペルオキシド、ジーtert−ブチルペルオキシ−3
,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。
加硫剤としてポリアミンを用いる場合は、各種ポリアミ
ンおよびその塩が用いられるが、加硫速度、加硫ゴムの
物性、取扱の容易などを考慮し、バランスのとれた加硫
剤として、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、N、
N’−ジシンナミリデンー1.6−ヘキサンジアミン、
 4.4’−ビス(アミノシクロヘキシル)メタンカル
バメートなどが例示できる。
これらの加硫剤の使用量は、含フッ素エラストマー10
0重量部に対して通常 3X10−’〜5X10−”モ
ル部、好ましくはlXl0−’〜3xlO−”モル部と
するのが好ましい。
加硫剤として有機過酸化物を使用するときは、加硫助剤
の併用が好ましい。加硫助剤としては硫黄、p−キノン
ジオキシムなどのキノンジオキシム系、ポリエチレング
リコールジメタクリレートなどのメタクリレート系、ジ
アリルフタレート、トリアリルシアヌレートなどのアリ
ル系、その他マレイミド系、ジビニルベンゼンなどが例
示される。
このような加硫助剤は使用する有機過酸化物1モルに対
して1/2ないし2モル、好ましくは約等モル使用する
加硫方法として加硫剤を使用せず、電子線を使用する場
合は、成形さ九た未加硫の配合ゴムに0.1〜1.OM
eV(メガエレクトロンボルト)、好ましくは0.3〜
2.OMeVのエネルギーを有する電子を。
吸収線量が0.5〜35 Mrad(メガラッド)、好
ましくは0.5〜10 Mradになるように照射すれ
ばよい。このとき前記の加硫剤としての有機過酸化物と
併用する加硫助剤を使用してもよく、その量は含フッ素
エラストマー100重量部に対してlX1O−4〜IX
 10−”モル部、好ましくはlX10−〜3XlO−
’モル部配合する。
加硫される含フッ素エラストマーの配合物中には、ゴム
用充填材、可塑剤、加工助剤、受酸剤などを適宜配合す
ることができる。本発明では組成物中に占める含フッ素
エラストマーの量は通常30重量%以上、好ましくは4
0重量%以上とするのが好ましい。
本発明で使用されるゴム用充填剤としては、■ブラック
、  FTブラック、FEFブラックなどのカーボンブ
ラック、タルり、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム、クレーなどの無機充填剤、着色のために
ベンガラ、シアニングリーンなどの顔料が例示できる。
これらのゴム用充填剤の配合量は、用途に応じ適宜選択
できるが、含フッ素エラストマー100重量部に対し1
通常は最大100重量部、 好ましくは最大80重量部
配合される。
本発明で使用される可塑剤および加工助剤には、フルオ
ロシリコンオイル、プロセスオイル、加工助剤としては
、ステアリン酸、ポリエチレンワックスなどが例示でき
る。これらの可塑剤および加工助剤の配合量は、用途に
応じ適宜選択できるが、含フッ素エラストマー100重
量部に対して通常最大20重量部、好ましくは最大10
重量部配合される。
本発明で使用される受酸剤としては、酸化マグネシウム
、リサージ、酸化カルシウムなどが例示でき、その配合
量は含フッ素ニジストマー100重量部に対し通常最大
30重量部、好ましくは最大15重量部である。
未加硫の配合ゴムは通常水の方法で調製される。
すなわちバンバリーミキサ−等のミキサー類により、含
フッ素エラストマー、充填剤、可塑剤、加工助剤、受酸
剤等を80〜150℃の温度で3〜10分間混練した後
、オープンロール等のロール類を使用して加硫剤を追加
混合し、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混棟し
た後、分出してリボン状またはシート状の配合ゴムを調
製する。
このように調製された配合ゴムを押出成形後、カレンダ
ーロール、プレス等により、意図する形状に成形し、成
形物を加硫槽内に導入し、通常130〜230℃の温度
で通常1〜30分間加熱することにより、加硫物を得る
ことができる。
この加硫の段階は金型を用いて行ってもよく。
また金型を用いずに実施してもよい。またオーブンなど
を用いて後加硫すればさらに良好な性能が得られる。
以上のように加硫して製造された含フッ素ゴムは、自動
車部品としてOリング、バルブ、ポンプシール、ダイア
フラム、ホースなど、産業機械用としてOリング、オイ
ルシール、ガスケット、チューブ、ロールなど、化学プ
ラント工業向としてタンクシール、オイルシール、メカ
ニカルシールなどに使用できる。
〔発明の効果〕
本発明の含フッ素エラストマーは既存のポリオレフィン
系エラストマーに含フッ素オレフィン化合物をグラフト
化するという簡便かつ安価な方法で製造できる利点を有
し、さらにポリオレフィン系エラストマーのゴム特性を
維持しつつ、格段に向上した耐熱性、耐油性、耐メタノ
ール性を有することから、耐久性および高信頼性が要求
される自動車部品用ゴム材料に有利に利用でき、さらに
著しい磨水性、撥油性を有することから、各種表面改質
剤、コーティング材、添加剤等の広い用途に利用可能で
ある。
また本発明の含フッ素ニジストマーは、通常のエラスト
マーと同等の温度および時間で加硫でき。
加硫した含フッ素ゴムは同様に耐熱性、耐油性、耐メタ
ノール、撥水性、撥油性を有する。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
各例中、部は重量部である。
実施例1 エチレン/ブテン−1系エラストマー(モル比89/1
1. X線回折により求めた結晶化度8.7%)パウダ
ー10部およびクロルベンゼン250部を、還流冷却器
および撹拌器を備えた丸底フラスコに仕込み、70℃に
加温して溶解させた。次に8−11−パーフロロオクテ
ン−112,5部および過酸化ベンゾイル(BPO) 
1.25部を添加し、N2雰囲気下、撹拌しながら70
℃で10時間グラフト化反応を行った。次に強撹拌した
メタノール(全反応液の15倍量)中へ反応液を注ぎ込
むと白色小片状の沈殿が生成した。沈殿を濾別して50
℃で真空乾燥し、白色ゴム状物を得た(収量10.1部
)。このゴム状物の結晶化度は7.5%であった。 ま
たこのゴム状物を燃焼処理後イオンクロマトグラフ法で
F−イオンの定量を行い、F含量を求めたところ、2.
6重量%であった。また示差走査熱量計(OSC)測定
による融点(Tm)は73.5℃、ガラス転移点(Tg
)は−48,4°Cであった。結果を表1に示す。
次にこのゴム状物を190℃でプレスによりシート化し
て赤外線スペクトルを測定したところ、第1図(A)に
示すように、原料のエチレン/ブテン−1系エラストマ
ー(第1図(C))には存在しない1200cIl−1
および1140cm−’のC−F伸縮振動に基く吸収が
認められた。
次にここで合成した各含フッ素エラス1〜マーに対する
JISNo3油、n−ヘキサデカン、グリセリン、水の
接触角を測定した。1llll定サンプルは各含フッ素
エラストマーを190℃、 50kg/cm”でプレス
してシート状にしたものを用いた。測定結果を表1に示
す。
これより本発明の含フッ素エラストマーは原料のポリオ
レフィン系エラストマーに比へて著しく高い撥水撥油性
を有することが明らかである。
実施例2〜6 実施例1と同様の方法で表1に示す各条件により含フッ
素エラストマーの合成を行った。実施例3〜6では、反
応器としてSUS製オートクレーブを使用した。含フッ
素エラストマーの収量およびF含量、結晶化度、そして
DSC測定によるT+*、 Tgを表1に示す。
実施例2の赤外線スペクトルを第1図(B)に示す。
さらに日本電子社製フーリエ変換超電導核磁気共鳴装M
 (GX−500)を使用して実施例2,3.4のプロ
トンNMRを測定した(CDCI、溶液、55℃)。そ
の結果実施例2では例えば次の構造の aのプロトンに基< 5.02ρρ■を中心とする4、
90〜5.14ρpo+のマルチプレット、およびbの
プロトンに基< 6.04ρρlのトリプレット(カッ
プリング定数50 Hz )が1ltllされた。
また実施例3では例えば次の構造の a aのプロトンに基< 4.1111ρρmを中心とする
4、65〜5.O5ppmのマルチプレットがwt測さ
れた。
さらに実施例4では例えば次の構造の aのプロトンに基< 2.02Pρmを中心とする1、
82〜2.15ρpIlのマルチプレット(ブロードな
ピーク)が観測された。
なお、表1中、エチレン/プロピレン系エラストマーは
モル比81/19.結晶化度6.1%、エチレン/プロ
ピレン/エチリデンノルボルネン系エラストマーはモル
比77/22/l、結晶化度2.0%、Hoe S−3
196はヘキスト社製、パーフルオロアルキルエチレン
Rfc■=co、 (ただしRfはC,Fi3〜C02
F2゜である)、DTBPOはジーtert−ブチルパ
ーオキサイドである。
比較例1〜3 比較例1〜3として、実施例1〜7で原料として用いた
含フッ素オレフィン化合物とグラフト化しないエチレン
/ブテン−1系エラスi−マー(モル比89/11)、
 エチレン/プロピレン系エラストマー(モル比81/
19)、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネ
ン系エラストマー(モル比77/22/ 1)について
、同様の測定結果を表1に示す。
また比較例1の赤外線スペクトルを第1図(C)に示す
実施例8〜9.比較例4、参考例 次に本発明による含フッ素エラストマーの一般的なゴム
特性ならびに本発明が目的とする耐熱性、耐油性、耐メ
タノール性の試験を行った。なお参考例として代表的な
フッ素ゴムであるパイトンBも合わせて試験した。
試験法を以下に示す。
生ゴム性状については以下のように測定した。
ムーニー粘度 ”i +1(12]℃)島原MSV−2
00型ムーニー粘度計を用いてJIS K6300に従
って測定5 生ゴム引張強さ R3 2n+m厚プレスシートを作成、引張速度200m++
+/分でJISに6301に従って測定。
スプリング硬さ Its(JTS A)JIS A硬度
計を用い、JIS K 6301に従って測定。
熱分解開始温度 パーキンエルマー社製TGAを用い、空気中、30℃/
分の昇温速度で411定。
加硫ゴム性状については以下のように測定した。
まず、表2に示す配合処方で、8インチオープンロール
を用いて70〜80℃で20分間混練した。
混練されたゴム配合物を160℃で30分間プレン加硫
し、厚さ2IIlffiの加硫ゴムシートを作成した。
参考例については、200℃で24時間オーブン中で2
次加硫した。
JIS K 6301の方法に従い、引張強さ(TB)
、伸び(Ea)、スプリング硬さ(R3(JIS A)
)、耐油性(JISNa 3油50℃−7日後の膨潤率
(ΔV))、耐メタノール性〔メタノール50℃−7日
後の膨潤率(ΔV)] を測定した。
結果を表3に示す。
表3 表3より本発明のポリオレフィン系エラストマーに含フ
ッ素オレフィン化合物をグラフト化させることによって
製造される含フッ素エラストマーを加硫した含フッ素ゴ
ムは、原料のポリオレフィン系エラストマーのゴム特性
を大きく変えることなく、耐熱性、耐油性が著しく向上
することがわかる。
また既存のフッ素ゴムは耐メタノール性に弱点があるが
(参考側参照)、本発明による含フッ素ゴムは原料のポ
リオレフィン系エラストマーの著しく良好な耐メタノー
ル性を維持しており、大きな長所となっていることがわ
かる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)、 (Il)、(C)はそれぞれ含フッ素
ニジストマーの赤外線スペクトル図である。 代理人 弁理士 柳 原   成

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)結晶化度50%以下のポリオレフィン系エラスト
    マーに、炭素原子数2〜20かつフッ素原子数1〜40
    の含フッ素オレフィン化合物をグラフト化した結晶化度
    40%以下かつフッ素含量1重量%以上の含フッ素エラ
    ストマー。
  2. (2)請求項(1)記載の含フッ素エラストマーを加硫
    した含フッ素ゴム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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