JPH0126379Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は自動玉縁縫製機等における中メスの
刃先部の改良に関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

従来のこの種中メスの刃先は、予め焼入れ及び
焼戻して所望の硬度に設定した後、例えば肉厚
1.6mmの山形状の突き刃イの両側に、それぞれ刃
角の異なる両面カツトを施すと共に、該突き刃の
一側下端より約60゜の角度で首部ロへ向かつて傾
斜する裁断刃ハに、片面カツトを付した五面カツ
ト構造のものであつた（第４図参照）。

従つて、メス本体の大きさに比べてその切削量
が多く、この時に発生する切削熱の影響によつて
上記刃先硬度の鈍化現象が生じていた他、切削工
程数の増加に伴いメス本体の取付位置の変更が頻
繁となつて切削作業の能率を著しく妨げていた
等、種々の問題点が見られたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

このような問題点を解決するため本案は、メス
本体の刃先部を予め薄肉に切削し、その一面に突
き刃と裁断刃を設ける一方、上記刃先部の裏面を
先薄状に切削して三面カツト構造としたものであ
る。

〔作用〕

本案中メスは、切削量並びに切削工程数を減少
することにより、刃先部の熱影響を抑制すると共
に切削作業の能率を高めるという作用を奏するも
のである。

〔実施例〕

以下、本案の構成を一つの実施例に基づいて、
更に具体的に述べると、図面において、１は肉厚
1.6mmのメス本体であつて、その先端刃先部２を
約１mm厚に切削すると同時に、上記本体１より直
線状に延長されたみね３の先端から約30゜で傾斜
する突き刃縁と、該突き刃縁の下端から上記首部
４にかけて約70゜傾斜する裁断刃縁を形成した上、
該本体に、予め焼入れ並びに焼戻しを施して適度
の硬度を付与したものである。

しかる後、上記刃先部２は、グラインダー等に
よつてその突き刃縁及び裁断刃縁の一面をそれぞ
れ切削して突き刃５及び裁断刃６とした上、上記
刃先部２の裏面７をミシンテーブルに貫設された
メス孔の固定刃（図示せず）との摺接面７′を残
して先薄状に切削し、三面カツト構造としたもの
である。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本案自動玉縁縫製機等にお
ける中メスは、焼戻し後に各刃５，６及び刃先部
２の裏面を切削出して刃先２を三面カツト構造を
したものであるから、その切削工程と切削量を大
幅に減少せしめて安価に得られる上、切削量の減
少は切削時の熱影響による刃先部２の鈍化現象を
著しく抑制し得るものである。

この他、突き刃の両側にそれぞれ角度の異なる
両面カツトを施した在来品では、特にポケツト裁
断線の始点部分が斜めになるのに対し、本案は片
面カツトされた突き刃５の背部をみね３としたも
のであるから、布地を刃先部２に沿つて真直ぐに
突き切ることができ、全長に亘つて直線状の裁断
線が得られる等、従来のこの種、中メスには期待
できなかつた優れた効果が齎らされるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案中メスの正面図、第２図はその背
面図、又第３図はその側面図、更に第４図ａ，ｂ
は従来品の正面図及び背面図である。 尚、図中１……メス本体、２……刃先部、３…
…みね、４……首部、５……突き刃、６……裁断
刃、７……刃先部裏面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. メス本体１の刃先部２を予め薄肉に切削し、そ
   の一面に突き刃５と裁断刃６を設ける一方、上記
   刃先部２の裏面７を先薄状に切削して三面カツト
   構造としたことを特徴とする自動玉縁縫製機等に
   おける中メス。