JPH0125841B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は枕木交換作業車に係り、特に道床上の
古い砕石を新しいものと交換し、さらに古い枕木
を取外して新しいものと交換できるようにした枕
木交換作業車に関する。

近年、鉄道の軌条の道床の強化を図る必要性が
高まり、ほ装軌道の施行が実施されるようになつ
てきた。この施行法には、軌条と枕木とを一体的
に撤去したあとへプレストレスコンクリート枕木
とレールとが一体となつた軌条を敷設する破線工
法と、既設のレールはそのままの状態にしておき
枕木のみをプレストレスコンクリート枕木に交換
する非破線工法とがある。このうち破線工法につ
いてはすでに機械化されているが、非破線工法に
ついては機械化する技術が開発されていない実情
にある。

そのために、従来は大勢の作業員がつるはしを
使つて道床を掘り起しスコツプと砕石運搬車を使
つて旧砕石を撤去し、バールを使つて犬釘を外
し、古い枕木を撤去していた。しかるのち、軌条
の下に当木を宛がい、道床の上に砕石や豆砕石を
一様に散布し、コンパクタを使つて鎮圧したの
ち、軌条の下にプレストレスコンクリート製の枕
木を敷設していた。このような一連の作業は、大
勢の作業員が手作業で各作業工程を遂行するもの
であるから、作業能率が悪く、決められた作業時
間内では掘さく距離が短い距離しか達成出来ず作
業区間が制限されていた。（実開昭55−15122号公
報参照） そこで、本発明の目的は、道床の側溝の掘さく
および砕石の掻き出しを機械化し、少人数の作業
員で枕木の交換を高能率で遂行できるようにした
枕木交換作業車を提供することにある。

この目的を達成する本発明による枕木交換作業
車編成は、軌条モータカーによつてけん引され軌
条の外側に軌条に沿つた側溝を掘さくする側溝掘
さく車と、この側溝掘さく車に後続し、軌条モー
タカーによつてけん引され、枕木の下に無端スク
レーパを９し込んで砕石を上記側溝に向つて掻き
出す砕石掻き出し車と、この砕石掻き出し車に連
結され、掘さくされたあとの道床上に新しい砕石
を散布する砕石散布車と、上記砕石散布車に後続
し軌条モータカーによつて駆動され新規な枕木を
塔載しかつ枕木の１つを道床上に吊り降す装置を
備えた枕木運搬車を編成したを特徴としている。

以下本発明による枕木交換作業車編成の一実施
例を説明する。

第１図および第２図において、道床１の表層は
砕石２で構成されその上に一定の間隔をおいて多
数の枕木３，３，…，３が敷設され、さらにその
上に２本の軌条４，４が平行に敷設されている。

本発明は、この軌条４，４の上を道床側溝掘さ
く車Ａと、砕石掻き出し車Ｂと、砕石散布車Ｃ
と、枕木運搬車Ｄとを図示のように編成して各作
業工程を遂行させるようにしたものである。

上記道床側溝掘さく車Ａは、軌条４，４に沿つ
て走行可能な軌道モータカー５が載つており、こ
のモータカー５はバラスト運搬車６をけん引して
いる。上記軌道モータカー５の車体後部には、水
平面内で回転可能な回転テーブル７が塔載され、
この回転テーブル７の上面には、その回転中心か
ら偏心した位置にクレーン８のコラム９が据付け
られている。このコラム９は直立して上方に伸
び、その上端にはクレーンのブーム１０が連結さ
れ、さらにブーム１０の先には、油圧駆動のパワ
ーシヨベル形式の掘さく機１１が連結されてい
る。

上記掘さく機１１は、油圧操作レバーの操作に
よつてシヨベルを動かしたり側方へ施回したり、
あるいはシヨベルを道床にくい込ませて砕石を掘
さくしすくい上げたりすることができる。また、
掘さく機１１は、水平面内を回動可能な回転テー
ブル７の上に塔載されているから、第２図から明
らかなように掘さく機１１の中心線を軌条４，４
に対して左側位置および右側位置にセツトし、左
側溝GLと右側溝GRを掘さくすることができるよ
うになつている。

また、砕石掻き出し車Ｂは、前記道床側溝掘さ
く車Ａに後続し、軌条４，４の上を自走可能な軌
道モータカー１２を有し、この軌道モータカー１
２の車体後部の両端には、一対の砕石掻き出し装
置１３が装備されている。各砕石掻き出し装置１
３は、原動スプロケツト１４と従動スプロケツト
１５と、これらの間に掛回され外側に多数のスク
レーパ歯１６，１６，…，１６を突設された無端
スクレーパ１７とから構成されている。そして無
端スクレーパ１７は、軌条４，４のそれぞれの外
側から枕木３の下に無端スクレーパ１７を差し込
み、第２図に示したように内側に向つて回動させ
枕木３の全長にわたつて砕石を掻き出せるように
なつている。無端スクレーパ１７によつて掻き出
された砕石２は前記掘さく機１１，１１によつて
掘さくされた側溝GL，GRに向つて掻き出される
ようになつている。

一方、この砕石掻き出し車Ｂには連結棒１８を
介して砕石運搬車１９がけん引され、さらに連結
棒２０を介して豆砕石運搬車２１がけん引されて
いる。各砕石運搬車１９および２１には多量の砕
石が塔載され、公知の散布装置を介して先行する
無端スクレーパ１７で掻き出した後へ新たな砕石
および豆砕石を散布できるようになつている。

上記砕石運搬車１９の後部には平面形状がＶ字
状であつて作業者によつて操作されるスキ２２が
備えられ、同様にして砕石運搬車２１の後部には
スキ２３が備えられている。これらのスキ２２お
よび２３は、砕石運搬車１９，２１より散布され
不整状態にある表面を車両の進行に伴つて均すよ
うにするものである。均した後の表面は、例えば
公知のコンパクタ２４を作用させて表面を固める
と良い。

さらに上記コンパクタ２４の後から、枕木運搬
車Ｄが後続し、この枕木運搬車Ｄは、車体２５の
上に多数のプレストレスコンクリート製枕木２
６，２６，…，２６が塔載され、同車体２５上に
は枕木２６の１つを吊り降すためのクレーン２７
が装備されている。なお、上記枕木運搬車Ｄはモ
ーターカー２８によつて駆動される。

次に上述した枕木交換作業車編成による枕木下
の砕石および枕木の交換の手順について説明す
る。

先ず最先行する側溝掘さく車Ａの掘さく機１１
を使つて軌条４の左側に側溝GLを掘さくすると
共に軌条４の右側に側溝GRを掘さくする。これ
らの側溝GL、およびGRは枕木３の下面の下方に
後続する砕石掻き出し車Ｂの無端スクレーパ１７
の高さ寸法より若干深くすればよく、掘さくした
砕石はバラスト運搬車６内に放てきしておけばよ
い。

次に後続する砕石掻き出し車Ｂの左方の一対の
砕石掻き出し装置１３，１３を駆動し、無端スク
レーパ１７を回転駆動させながら枕木３の下を軌
条４，４の中心に向つて移動させ砕石を側溝GL
およびGR内に掻き出して行く。このようにして
枕木３，３，…，３の下の砕石を掘さくすると、
軌条４および枕木３が無支持状態におかれて下方
へたわむおそれがあるから、適当な間隔をおいて
当木２９，２９，２９を挿設する。

次に砕石運搬車１９より軌条および枕木の下へ
砕石を散布し、所定の厚さに盛り上げ、次いでス
キ２２により所定の高さで平坦に均らし、その上
に豆砕石運搬車２１を通して豆砕石を所定の厚さ
にわたつて散布し、そのあとからスキ２３を使つ
て一定の高さに均らす。その後、コンパクタ２４
を使つて鎮圧する。

このようにして道床を整備したのち、枕木運搬
車２５上に塔載されたプレストレスコンクリート
枕木の１つをクレーン２７を使つて吊り上げ、前
方移動後降下させて軌条４，４の下へ順次敷設し
て行く。このようにして枕木交換作業車編成の通
過後には砕石および枕木の交換を完了することが
できる。

以上述べたように、本発明によれば、側溝掘さ
く車、砕石掻き出し車、砕石運搬車および枕木運
搬車とで車両を構成したから、軌条の枕木の下の
砕石を側溝に掻き出し、新しい砕石を散布し平坦
に均らし表面を鎮圧したのち新たな枕木を敷設す
ることができる。この間の工程は機械化されてい
るから、砕石および枕木の交換に要する費用を大
幅に短縮することができ、大勢の作業員を必要と
しない等の効果を期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による枕木交換作業車編成の一
実施例を示した側面図、第２図は同作業車編成を
示した平面図である。 １……道床、２……砕石、３……枕木、４……
軌条、Ａ……側溝掘さく車、Ｂ……砕石掻き出し
車、Ｃ……砕石散布車、Ｄ……枕木運搬車、６…
…バラスト運搬車、１１……掘さく機、１３……
砕石掻き出し装置、１７……無端スクレーパ、１
９……砕石運搬車、２１……豆砕石運搬車、２
２，２３……スキ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 軌条モータカーによつてけん引され軌条の外
   側に軌条に沿つた側溝を掘さくする側溝掘さく車
   と、この側溝掘さく車に後続し、軌条モータカー
   によつてけん引され、枕木の下にスクレーパを差
   し込んで砕石を上記側溝に向つて掻き出す砕石掻
   き出し車と、この砕石掻き出し車に連結され、掘
   さくされたあとの道床上に新しい砕石を散布する
   砕石散布車と、上記砕石散布車に後続し軌条モー
   タカーによつて駆動され新規な枕木を搭載しかつ
   枕木の１つを道床上に吊り降す装置を備えた枕木
   運搬車とを編成して成る枕木交換作業車。