JPH0125799Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、外装変速装置を備えた自転車に使用
されるチエーンの改良に関するものである。

（従来の技術） 自転車の外装変速装置は第５図、第６図に示す
ように、歯数の異なる複数のスプロケツト２〜４
を、歯数の順に並列に配置して１本の軸５に同軸
に固定させ、これに噛合する１本のチエーン６を
所要の歯数をもつスプロケツトに噛合させるた
め、該チエーン６の進入経路を、シフト操作によ
つてガイドスプロケツト７を移動させ、その変位
によつて設定するようになされている。

そして、チエーン６は、前記操作により、現在
噛合しているスプロケツトの歯先に乗上げ、次の
瞬間に目的側の隣りのスプロケツトに乗移るので
あるが、該乗移るスプロケツトが大径である場
合、例えばスプロケツト３からスプロケツト４に
チエーン６を移動させようとする場合には、該ス
プロケツト４の歯４ａの側面４a′が障害となつて
容易に移動させることができない。

そのため現在では、スプロケツトからスプロケ
ツトにチエーン６が乗移り易いように、第３図、
第４図に示すように該チエーン６の外リンクプレ
ート８の中央のくびれ部分９の両側を９ａ，９ｂ
を外方に折曲げたり、あるいは図示はしないが該
くびれ部分９をクランク状に折曲げて隣接するス
プロケツトの歯先に引掛り易くしている。

（本考案が解決しようとする問題点） しかしながら、隣接するスプロケツトの歯先の
位相は、チエーンのくびれ部分に常に対峙すると
は限らず、したがつて、前記従来の方法では、チ
エーンが隣接するスプロケツトに引掛つたとして
も、スプロケツトの歯先の頂点とチエーンのくび
れ部分の接点が、スプロケツトの歯先とチエーン
の張力が拮抗する位置にないときは、該拮抗がく
ずれ、その瞬間チエーンが滑り落ることがある。

そこで本考案は、前述した従来の問題点に鑑み
てなされたものであつて、小径のスプロケツトか
ら大径のスプロケツトへのチエーンの移動であつ
ても、該移動がスムースに行われるようにした外
装変速用自転車チエーンを提供することを目的と
するものである。

（問題点を解決するための手段） そのために本考案では外装変速用自転車チエー
ンの正面略ひようたん形をなす外リンクプレート
を、そのくびれ部分の両側に、側方に突出する数
個の突出部が形成されている構造とすることによ
り、隣接するスプロケツトの歯先位置に合致する
機会の確率を高め、所期の目的を達成するように
したものである。

（作用） 第５図に示すように乗移るべき隣接するスプロ
ケツト４の歯先に対してチエーンａは斜行して寄
つてくる。このとき本考案では外リンクプレート
に突出部が形成されているために、その突出部の
頂点、もしくはその谷間に隣接するスプロケツト
４の歯先の頂点が噛合い、特に谷間に接触した場
合は、確実に該歯先の頂点によつて持上げられて
該隣接するスプロケツトに乗移ることができる。
すなわち、従来のひようたん形をなすくびれ部分
を有するものよりも、遥かに乗移りの確率を高く
することができる。

（実施例） ａは外装変速装置を備えた自転車に使用される
チエーンであつて、外リンクプレート１１、内リ
ンクプレート１２、ピン１３及びローラ１４等か
ら構成されている。

前記外リンクプレート１１のくびれ部分となる
中央の両側には、該外リンクプレート１１の表裏
面と平行に側方に突出する数個の突出部１５が対
をなして形成されている。

尚、図示では前記突出部１５を２対としたが、
これに限ることなく、３対あるいは４対形成して
もよい。１６は前記外リンクプレート１１に穿設
されたピン孔である。

（本考案の効果） 以上述べたように本考案によれば、外装変速用
自転車チエーンの外リンクプレートのくびれ部分
が形成される中央の両側に、側方に突出する数個
の突出部を形成し、隣接するスプロケツトの歯先
位置に合致する機会の確率を高めるようになした
ので、該外リンクプレートは滑り落ることなく確
実にスプロケツトの歯先に乗上げさせることがで
きる。したがつて、チエーンの変速移動が確実
に、かつ、スムースに行われる。よつて、該操作
が容易に行なえるため、移動不良による変速時の
イライラを解消することができ、これをスポーツ
車に採用すれば、快適なサイクリング等を楽しむ
ことができる。

又、本考案によれば、打抜きのプレス加工によ
り極めて簡単に外リンクプレートが成形できるの
で、チエーンの加工費も嵩むことがない等の効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による外リンクプレートの正面
図、第２図は同上の外リンクプレートを組込んだ
チエーンの縦断面図、第３図は従来の外リンクプ
レートの正面図、第４図は同上の外リンクプレー
トを組込んだチエーンの縦断面図、第５図は移動
時におけるチエーンとスプロケツトの関係を示す
背面図、第６図は同上の側面図である。 ａはチエーン、１１は外リンクプレート、１５
は突出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外装変速装置のシフト操作によつて、多段スプ
   ロケツトのうち所要の歯数を有するスプロケツト
   に噛合させるようになされた外装変速用自転車チ
   エーンにおいて、該チエーンの正面略ひようたん
   形をなす外リンクプレートのくびれ部分の両側
   に、側方に突出する数個の突出部が形成されてい
   ることを特徴とする外装変速用自転車チエーン。