JPH0125071Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパンタグラフ型ジヤツキを車体に格納
するための格納装置に関するものである。

従来パンタグラフ型ジヤツキを車体に格納する
装置としては、ジヤツキを伸張させることにより
生じる張力を利用したものが多い。例えば、サイ
ドパネルにブラケツトを固定し、このサイドパネ
ルとブラケツトとでもつて格納スペースを形成
し、このスペース内にジヤツキを収納してその基
台と車体受台をサイドパネルとブラケツトに押し
つけて固定する構造が知られている。（実開昭52
−27038号公報） しかしながら、この構造では特に衝突時にブラ
ケツトが変形することにより、上記ジヤツキの基
台もしくは車体受台が離脱し、ジヤツキが飛び出
すという危険性を有している。さらにこのような
ジヤツキの格納構造では、ジヤツキを一旦縮めた
状態にし、その後一定幅に拡がらせて固定しなけ
ればならず、ジヤツキの収納時及び使用時に余分
な伸縮の手間を要する。

本考案は、パンタグラフ型ジヤツキの車体への
固定を迅速に行なうようにするとともに、その固
定をより確実なものにすることを目的としてい
る。

以下、本考案を第１図から第４図に示す実施例
に基づいて説明する。

車体後部のトランクルームすなわち、車体のア
ウタパネル２０の内側のフロアサイドパネル１に
ブラケツト２が固定されており、このブラケツト
２はサイドパネル１との間にジヤツキ格納スペー
スを形成している。このブラケツト２は、パンタ
グラフ型ジヤツキ３のセンターロツド４に対し向
い合う２本のリンク５，５がなす格納時の角度に
対応する角度に線対称に配置され、サイドパネル
１に起立して固着された略Ｖ字型に相対するリン
ク当接部６，７と、両リンク当接部６，７をサイ
ドパネル１の反対側でつなぐ側壁部８と両リンク
当接部６，７の近接端部間に形成されている底壁
部９に固着され、ジヤツキ３のセンターロツド４
の先端の雄ねじ部１０がねじ止めされる雌ねじ部
であるナツト１１とを有する。周知のように、パ
ンタグラフ型ジヤツキ３はセンターロツド４を回
転させることにより、ひし型状に配した４個のリ
ンク５が上下し、基台１２と車体受台１３との間
隔が伸縮する構造になつている。ところで、通常
ジヤツキで車体を持ち上げる際のその伸張量は使
用状態により異なるが、ジヤツキを車体から外す
際の伸張量はほぼ一定である。このことから、本
考案では、ブラケツトのリンク当接部のなす角度
をジヤツキを車から外す時の角度に近似させて形
成するとジヤツキをそのままの状態で収納できる
構造となり好ましい。

このような構造によれば、上記のように使用
後、車体から外した際の広がつた状態のパンタグ
ラフ型ジヤツキ３を格納スペース内に入れた時、
ジヤツキリンク５，５がブラケツト２のリンク当
接部６，７に当接しながら案内され、その時ジヤ
ツキ３のセンターロツド４を回転させることによ
り、雄ねじ部１０が突出するが、それに伴い同部
１０はナツト１１にねじ止めされる。また同時に
ジヤツキ３が伸長し、同ジヤツキ３はその張力を
もつてブラケツト２のリンク当接部６，７に当接
して固定される。このような格納状態においてジ
ヤツキ３はリンク５，５と雄ねじ部１０の計３ケ
所でブラケツト２内に支持されるので、より強固
な保持がなされると同時に、ジヤツキ３はブラケ
ツト２に雌ねじ部としてのナツト１１でねじ止め
されているので、衝突時ブラケツトが変形して
も、該ジヤツキ３がブラケツト２から離脱するこ
とはない。また耐久性についてもジヤツキ格納
時、ブラケツト２のリンク当接部６，７にかかる
負担が分散されるので、繰り返しの利用にもブラ
ケツトは十分耐える。さらに本考案におけるブラ
ケツト２の形状はジヤツキ３がある程度広がつて
いる状態でスペース内に入れることができるの
で、収納が迅速に行なえる。

なお上記した実施例では、ブラケツトはサイド
パネルに固着しているが、フロアパネルに固着す
ることもできる。同じく該実施例では、一枚のパ
ネルでもつてブラケツトを形成しているが、Ｖ字
型のリンク当接部と側壁部とを二枚のパネルとし
て、それぞれ容接等で固着することによりブラケ
ツトを形成してもよい。またブラケツトの側壁部
の形状は上記略三角型状でなくても、格納時のジ
ヤツキが倒れないように両リンク当接部に橋渡し
するような形状でも差しつかえない。さらに上記
実施例ではブラケツトの底壁部にナツトを固着し
て雌ねじ部を形成しているが、平板ナツトの両側
をリンク当接部に固着して雌ねじ部を形成するこ
とができる。

以上説明したように、本考案のジヤツキ格納装
置によれば、パンタグラフ型ジヤツキはブラケツ
トの二つのリンク当接部と雌ねじ部とで固定され
るので、より確実な固定がなされるとともに、ジ
ヤツキのセンターロツドがブラケツトの雌ねじ部
にねじ止めされるので、衝突等によりブラケツト
が変形してもジヤツキがブラケツトから飛び出す
ことがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はブラケ
ツトをフロアサイドパネルに取付けた状態の車体
後部の斜視図、第２図はジヤツキ格納時の断面
図、第３図はブラケツトにジヤツキが格納された
状態の正面図、第４図はブラケツトの斜視図であ
る。 １……フロアサイドパネル、２……ブラケツ
ト、３……パンタグラフ型ジヤツキ、４……セン
ターロツド、５……リンク、６，７……リンク当
接部、８……側壁部、９……底壁部、１０……雄
ねじ部、１１……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体のアウタパネルの内側にあつて、パンダグ
   ラフ型ジヤツキのセンターロツドに対し向い合う
   ２本のリンクがなす格納時の角度に対応する角度
   に線対称に配置され、前記アウタパネル内側の車
   体パネルに起立して固着された略Ｖ字型に相対す
   るリンク当接部と、両リンク当接部の近接端部間
   に形成され、ジヤツキのセンターロツドの先端の
   雄ねじ部がねじ止めされる雌ねじ部とを有するブ
   ラケツトが、前記車体パネルとの間にジヤツキ格
   納スペースを形成している自動車のジヤツキ格納
   装置。