JPH0124134B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0124134B2
JPH0124134B2 JP61256389A JP25638986A JPH0124134B2 JP H0124134 B2 JPH0124134 B2 JP H0124134B2 JP 61256389 A JP61256389 A JP 61256389A JP 25638986 A JP25638986 A JP 25638986A JP H0124134 B2 JPH0124134 B2 JP H0124134B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
water
treatment
ppm
membrane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP61256389A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63112521A (ja
Inventor
Yoshiaki Matsuo
Jinichi Ito
Katsue Ooshima
Sugi Yamamoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP61256389A priority Critical patent/JPS63112521A/ja
Priority to EP87305270A priority patent/EP0254413A3/en
Priority to KR870009489A priority patent/KR880002754A/ko
Publication of JPS63112521A publication Critical patent/JPS63112521A/ja
Publication of JPH0124134B2 publication Critical patent/JPH0124134B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
「技術分野」 本発明は、消化器粘膜における胃潰瘍、十二指
腸潰瘍などの潰瘍および細菌性腸炎などの下痢症
を含む消化器粘膜疾患、ならびにウイルスなどの
病原菌感染による角結膜炎に対する治療水に関す
るのもである。 「従来技術およびその問題点」 消化器粘膜および目の角結膜における疾患にお
いては、これらの粘膜部に抵抗力が非常に弱く、
強力な化学薬品等の投与が不可能であり、このた
め患部の治療は、効力の弱い薬剤を投与しつつ自
然治癒を待つといつた消極的治療方法や、あるい
は患部の外科手術による切除といつた方法がとら
れており、患者にかかる負担は非常に大きなもの
であつた。 例えば、胃潰瘍、十二指腸潰瘍等の消化器粘膜
における潰瘍は、これらの消化器官の機能低下に
よりあるいは暴飲暴食、精神的ストレス等が原因
で消化器官に負担がかかり各種消化液のバランス
がくずれて、粘膜部に損傷が生じたものが多く、
この治療法としては、これらの消化器官になるべ
く負担をかけないようにしながら制酸剤などを投
与して自然治癒を促進する方法が主流であり、ま
た症状が進行している場合には、外科手術により
潰瘍部を切除することが行なわれる。 また直腸、大腸におけるサルモネラ菌等の細菌
感染を原因とする下痢症の場合も、化学薬剤に対
する粘膜の抵抗力が弱いため強力な薬剤が使用で
きず、整腸剤などを投与して、腸内細菌叢が正常
にもどるように働きかけて治癒を行なうため治癒
期間が長いものとなる。 さらに、角結膜炎の一種である流行性角膜炎
は、ある種のアデノウイルス感染によるものであ
り、通常3〜4週間で治癒するが、角膜混濁は数
週〜数カ月間、悪性の場合は数年かかる場合もあ
り、抗生点眼薬、ステロイド系点眼薬などの点眼
薬により治癒を行なつているが、薬効を高めると
目の他の機能に障害を与えることとなるので、殺
菌効果の弱い薬剤の使用にとどめられ、一方耐性
菌の出現によりその効果はあまり期待はできない
ものとなつている。 ところで、現在用いられている静菌殺菌作用を
もつ化学療法剤は、微生物に対する作用機序によ
り以下の4つのタイプに分類される。すなわち
細菌細胞が動物細胞とは異なり、細胞壁をもつて
おり、この細胞膜がペプチドグリカン層を含む
2、3層からなるゆえに、トランスペプチターゼ
の酸素活性を阻害してペプチドグリカン合成を阻
害し、細胞壁の合成を阻して溶菌させる、例えば
β−ラクタム系抗生物質(ペニシリン、セフエム
剤)、ホスマイシンなどのような細胞壁合成阻害
性薬剤、病原菌の細胞膜に障害を与え、細胞質
内の各種イオン、アミノ酸、該酸などを漏出さ
せ、死滅させる、例えばポリペプチド系抗生物
質、ポリエン系抗生物質(細菌には作用しない)、
イミダゾール系抗真菌剤などのような細胞(形
質)膜阻害性薬剤(なお、細胞膜は動物細胞とも
共通しているため、この作用をもつ薬剤は選択毒
性が低く副作用が現われやすい)、病原菌細胞
のリボソームに作用し、タンパク質合成を阻害す
る、例えばクロラムフエニコール、マクロライド
系抗生物質および類似剤、テトラサイクリン系抗
生物質、アミノ配糖体系抗生物質などのようなタ
ンパク質合成阻害性薬剤(なお、動物細胞のリボ
ソームには作用が弱いので選択毒性には比較的優
れる)、並びに例えばサルフア剤、ナリジクス
酸および類似剤、フルシトシン、リフアピシンな
どのような核酸およびDNA合成阻害剤(多くは
抗腫瘍剤が含まれ、細胞のみに作用する薬剤は選
択毒性が高い)の4つである。 このように、今日の化学療法剤は、それぞれの
ジヤンルに従い生体にも打撃を与えて損傷させる
ことがあり使用量によつては薬理副作用をもたら
すものが多く、LD50/ED50の安全率をとつてみ
ても、動物細胞に対する選択毒性が十分なものと
はいえず、このため、特に抵抗力の弱い消化器粘
膜や目の角結膜に対する使用は難しく、殊に視中
枢の集中する眼部への使用は、これらへの悪影響
を考慮してさらに慎重なものとなつている。 また、上記したように、胃潰瘍、十二指腸潰瘍
などによる潰瘍部等の損傷組織の再成修復は、自
然の治癒に関する機序を待つことが主流であり、
副次的に病原菌感染による治癒阻害を防止するた
めに抗生物質等を投与するようなことしか行なわ
れておらず、積極的に再生修復を促進させる療法
は現在までのところ見出されていない。 以上のような面から、ヒトの消化器粘膜疾患お
よび角結膜炎に対する治療法として、現在の消極
的療法に代わり、新たな作用機序に基く積極的治
療法が出現することが望まれている。 「発明の目的」 従つて、本発明は新規な消化器粘膜疾患および
各結膜炎の治療水を提供することを目的とする。
本発明は、自然生体系の機序に基づき、生体細胞
の回復の機序を促進し得る、あるいはまた病原菌
を静菌殺菌し得る消化器粘膜疾患および角結膜炎
用治療水を提供することを目的とする。本発明
は、さらに、消化器粘膜および角結膜組織に何ら
損傷を与えることなく、かつ無色、無臭、無刺激
で、速効果のある消化器粘膜疾患および角結膜炎
用治療水を提供することを目的とする。 「発明の達成」 上記諸目的は、PH8以上、Ag+イオン濃度0.5
〜10ppmのAg+イオン水からなる消化器粘膜疾患
および結膜炎の治療水によつて達成される。 また、本発明の好ましい実施態様においては、
治療水の電気伝導度は、250〜450μ/cm3、また
溶存酸素量は6〜9ppmで活性化酸素を含有する
ものである。 本発明は、生物無機化学の理論を導入すること
により、消化器粘膜および角結膜の各種の疾患に
おいて今迄とられてきた様々の治療方法とは全く
異なつた治療方法を確立したものである。 即ち、体を造る細胞の中には一度完成すると寿
命の続く限り生きつづける細胞もあれば、新生と
崩壊を繰り返すものまで多様であるが、細胞が死
滅するときの形態をみると、まず核に現われるこ
とが多い。核に現われる変化とは、染色体の濃縮
であり、それとは対象的に細胞質に外部の水分の
流入により拡散が起こる。水の細胞質への流入の
結果、膜の構造物は空胞化しやがては破裂して形
を失つてしまい、小器官も放り出されて死に至
る。すなわち、細胞は、細胞膜が物質の出入を制
御し、積極的に機能しているときが生であり、そ
の機能が失われたときが死であるといえる。しか
しながら、細胞質に多少の傷害が加わつても核が
充分に機能すれば修復が可能である。これらの機
序を分析すると、細胞膜の機能を人為的に一時期
失活する、すなわち細望の形質膜を形成している
組成に対して特殊な触媒機能をもつて失活させれ
ば目的は達せられるが、反面動物に与える影響の
ないことが前提となる。これまで、多くの実験と
実証の結果、我々はAgイオンをもつ
【式】にのみ働く機能を利用し、形質膜を 構成するリン脂質の不飽和脂防酸に触媒してエチ
レン化することにより、対象菌ならびに損傷を受
け、抵抗力の弱まつた組織細胞のみを失活させる
ことに成功した。当然タンパク質の混在におい
て、Ag+イオンの触媒作用を十分に機能させるた
めには、途中タンパク質の錯体結合によつてAg+
イオン作用が低下してしまうことを防ぐ必要があ
る。そのために、タンパク質中のリジン残基やア
ルギニン残基のプロトンが離脱しはじめるため結
合能が低下すると思われるPH8以上の条件を形成
したところ、Ag+イオンは十分な作用をもたら
し、しかも好都合なことに、このようなPH条件に
おいては経口的あるいは眼内投与を行なつても何
ら刺激性は見られず、また胃または十二指腸潰瘍
の場合には、酸性側に傾いたPHを中和する効果も
見られた。一方、Ag+イオン水の人体に対する安
全性について述べれば、例えば硝酸銀の場合、マ
ウスの経口投与におけるLD50は50mg/Kgである
ことが確認されている。また、本発明における
Ag+イオン水と比べるとPHや濃度が異なるが、カ
タデイン法と呼ばれる方法で製造された銀イオン
水の場合、アメリカの衛生研究所のテストにおい
て人体に無害であることが判明し、特定の州にお
いては銀が0.2〜0.3mg/litre入つている水を市民
に供給していること、スイスではすでに1930年ご
ろよりソフト・ドリンク工業で使用されており、
ドイツに導入されたときに多くの研究所や大学で
約5年間にわたりテストが行なわれ、衛生当局に
より製造装置の使用が許可されたこと、濃縮果樹
で500〜1000γ/litre、清涼飲料で300〜500γ/
litreの銀イオンが添加されていることなどが既に
知られている(「食品工業」、1965年、11下、第84
〜86貢、「銀による殺菌について」、Dr.F.ゾブリ
スト参照)。本発明におけるAg+イオン濃度は、
上記飲料に用いられた濃度より約10倍程度高いの
であるが、本発明の治療水は、飲料のように多量
に摂取する必要はないのであつて、その摂取量を
厳守すれば人体に対する安全性は充分に確保され
る。 次に、本発明の治療水の作用をより具体的に説
明する。 動物細胞から病原菌である細菌、真菌、ウイル
ス、原虫等に至るまで、すべての細胞は細胞膜に
よつて取り囲まれており、これらの膜と生体との
関係は不可分で膜のないところに生命は存在しな
い。これらの生体膜は、各種の生命現象の基本的
な活動の原泉であり、膜内外における物質の濃度
あるいは電位差、存在様式の差異、他細胞におけ
る返撃等、複雑さの中に自然の秩序と合理的なメ
カニズムを合せもつて構成されている。 その生体膜の構造は、リン脂質よりなる二重膜
であり、これらのリン脂質のうち、ホスフアチジ
ルセリン、ホスフアチジルエタノールアミンおよ
びホスフアチジルイノシトールは、主として膜の
内側に存在し、一方、ホスフアチジルコリンは膜
の外側に多い。 また、これらの生体膜に結合する膜結合性タン
パク質には、酵素活性をはじめ、種々の生理活性
を示すものが多く、その受容体またはイオンチヤ
ンネルや物質の輪送に関与するキヤリヤータンパ
ク質が含まれていることがよく知られている。 さて、細胞膜の物質構成を分析してみると、極
性脂質が25〜60%程度含まれており、脂質二重層
と膜タンパク質とで膜の基本構造をつくり上げて
いる。この中のリン脂質物は酸化されやすい多価
の不飽和脂肪酸に富んでいる。極性脂質分子の
内、親水部分は直接水相と接し、電気抵抗値は
102〜105Ω/cm2と低い。一方、疎水部分は、脂肪
酸など−CH2−が多く疎水結合によつて互いに平
行に並び二重構造となつている。なお、動物細胞
等の真核細胞に比べ原核細胞と呼ばれる細菌など
では生体膜の機能の多くは形質膜に集中するがそ
の組成は変わらない。また、真核細胞の細胞膜の
細胞質側には、細胞質膜を裏打ちするような細胞
骨格と呼ばれる線維状のタンパク質の複合体があ
り、一方、原核細胞と真菌等の微生物には細胞膜
の外側に細胞壁があり、形体を保つている。さら
にウイルスなどの亜群においては、細胞(形質)
膜の外側表面に糖タンパク質またはリン脂質によ
るスパイク状のエンベロープを形成しているもの
もあり、これらが病症発現に大きな意味をもつこ
とになる。 ここで、細胞の失活は、細胞膜が関与している
実体から自然環境の中でも細胞膜そのものが失活
する様をみてみると、ペリフエリールイオン型物
質または・OHが膜のそばにできると、多価不飽
和脂肪酸のラジカルが生じ、ビラジカルの酸素と
結合して脂肪酸ペルオキシラジカルを生じ、次々
と加水分解を起こして膜は破裂する。この機序を
人為的に生起させ、対象菌を失活させるために
は、これらの化学反応を起こさせる触媒が必要で
あり、この機能を有する物質としては、銀以外は
見当らず、エチレンの酸化反応において部分酸化
生成物としてC2H4Oにする銀の触媒作用は他金
属で代替できない選択作用である。しかして、本
発明の治療水は、このような作用を有する銀を
Ag+イオンとして0.5〜10ppm、さらに望ましく
は1〜7ppm、もつとも望ましくは2〜4ppm含有
するものである。本発明の治療水中のAg+イオン
は、50Åから1000Åの巨大分子コロイド粒子のタ
ンパク質などを液体から分離通過せしめる機能を
有する細胞形質膜(ならびに細胞壁)を、電気化
学的ポテンシヤルの勾配にしたがつて通過して菌
体内に入り、Ag+のもつ選択機能
【式】の 触媒機能により細胞膜をエチレン化し、その機能
を失活させる。我々が行なつた実験によるとAg+
イオン濃度が200〜500ppb程度では、一時静菌さ
れた菌体が再び再生増殖を始め、濃度が増すにつ
れ、再生率が下がり、濃度が0.5〜10ppmになる
と殆ど滅菌状態となることが明らかとなつたもの
である。 また、潰瘍により傷ついた細胞はあるいは病原
菌におかされた細胞などの損傷細胞は、菌体とほ
ぼ同じ傾向をたどる注目すべき現象が発見され
た。従つて、本発明の治療水で処置することによ
り、病原菌を失活せしめると同時に、損傷細胞を
解体することができ、このような損傷細胞による
組織再生の阻害をも取り除くことができ、健常細
胞のみで再生を計ることができる。 細胞の生体膜の構造をいろいろな程度に破壊し
てみると、条件によつては、その構造や機能を再
現できることが知られている。またタンパク質の
場合はペプチド結合(一次結合)さえ残つていれ
ば再びもとの高次構造(二次、三次、四次構造)
が復元されること、さらにDNAの二重らせん構
造やRNAの高次構造もそれをつくり上げている
グアニンとシトシン、アデニンとウリジンまたは
チミンのあいだの水素結合を切断しても条件によ
つては複雑な構造が再び形成されることが明らか
とされている。このことから、損傷組織の治療過
程は、損傷が一般に種々の程度を含むために、複
雑になるばかりか、生命力の弱つた損傷細胞をか
かえながらの修復作業となり、途中で壊死した
り、またそれを分離排除する等の過程が複雑に入
りこみ治癒をおくらすことになつていると考えら
れる。従つて、死滅した細胞はもちろんのことで
あるが、傷ついた細胞もすべて細胞膜の機能を失
活せしめ、ライソゾーム等の作用によりこれらの
細胞を分離吸収し、健常細胞のみによる細胞群を
形成し、健常細胞のみによる組織の再生を計るこ
とは、治癒過程を促進する上から極めて有利であ
ると考えられる。 また、本発明の治療水において、そのPH値は8
以上であるが、さらに望ましくはPH8.5〜10.5、
もつとも望ましくはPH9〜10.5である。このよう
に治療水のPH値を8以上とすることで、上述した
ごとくAg+イオンのタンパク質への吸着を防止で
き、タンパク質の共存条件下においてもAg+イオ
ンの触媒作用の低下を防止し、Ag+イオンが対象
菌体ならびに損傷細胞の形質膜を自由に透過する
ことを可能とする。また例えば潰瘍治療に適用さ
れた場合には、酸性側に傾いた粘膜周辺還境を中
和することにより制酸作用をもたらすことができ
る。さらにこのようなPH域において本発明のAg+
イオン水は、経口的にあるいは眼内的に投与され
ても、何ら刺激性を与えないものである。 さらに、本発明の治療水においては、電気伝導
度が250〜450μ/cm3、さらに望ましくは350μ
/cm3、もつとも望ましくは400μ/cm3である
ことが好ましい。このように電気伝導度を250〜
450μ/cm3とすることにより、PH8以上のPH域
においてAg+イオンの細胞透過性はより良好なも
のとなり、Ag+イオンの作用を十分に発現させる
ことができるものとなる。 加えて、本発明の治療水において、溶存酸素量
を6〜9ppm、より好ましくは9ppmで活性化酸素
を含有するものであることが望ましい。これは、
患部組織の修復再生に好ましい環境をもたらすう
えから好ましく、また患部に出血が見られる場合
においては止血作用をもたらす上から極めて有効
である。すなわち、損傷組織のように増殖新生が
行なわれている部位では酸素も亢進しており正常
の4倍もの酸素が必要となると考えられている
が、実際には臨界値に近い濃度の酸素しか供給さ
れていないのでわずかな障害でも局所分圧の低下
を招く。つまり毛細血管の数が少なく血管網の密
度もまばらで他方酸素消費率が高まつている場合
などでは、局所の酸素分圧が低下して治癒の障害
となつているものである。また、潰瘍などにより
血管が破壊され出血が起こることがあるが、一般
に止血の生理的機序は、血管壁からたえず放出さ
れている凝固阻子物質プロスタサイクリンが、血
管内皮細胞が損傷を受けるとその放出を停止さ
れ、血小板が損傷部に付着してトロンボキサンチ
ンの合成を盛んにし血栓形成を促すことによるも
のである。これを人為的に迅速になすために、本
発明者らは鋭意研究の結果、未熟児網膜症におけ
る血管閉塞は、プロスタサイクリンとトロンボキ
サンチンのアンバランスにより起こるが、ここに
おいて血栓形成のメカニズムが過酸化反応を伴な
うプロスタグランデンの代謝に原因していること
に着目し止血のために血液凝固機構を作動するに
は過酸化条件を形成することが有効であるという
結論に達したのものである。実際に溶存酸素量を
増加すると共に活性化せしめて酸化力を増大した
Ag+イオン水を適用したところ、組織の再生は促
進され、また一方破損血管内壁の脂質の過酸化が
進みプロスタサイクリンが人為的に抑制されトロ
ンボキサンチンが遊離し血液凝固機構を作動して
止血された。 本発明の治療水は1価の銀イオンを製造するこ
とが可能となり、例えば本発明者らが先に見出し
たように(昭和61年特許願第123133号参照)、陽
極と陰極とを有し、陽極に銀が設けられた第1電
解室に電圧を印加しつつ源水を通じて銀イオンを
溶出させ、次に陽極と陰極とを有し、両電極の間
に隔膜が形成され、陽極室と陰極室とに区画され
た第2電解室の前記陽極室に、前記銀イオンを容
出させた水を通すことにより好適に行ない得る。 次に本発明の治療水をいくつかの疾患の場合を
例に挙げてさらに詳細に説明する。 胃潰瘍および十二指腸潰瘍はまれに胃酸が少な
い症状もあるが、通常は胃酸過多が多く、この強
い酸の為に胃壁粘膜部がおかされて潰瘍となつて
いる。この疾患は、一般に外科手術によつて簡単
に治ると考えられているが、胃は造血機能の一端
であることから、部分切除であつて全体切除でな
くとも悪性貧血等の種々の障害が生じる。また外
科手術によつては、潰瘍により傷ついた細胞のみ
ならず健全な細胞までも切除してしまうこととな
る。逆に、従来までの内科的療法は、胃に負担を
かけないように食事療法を行ないながら制酸剤等
を投与して胃酸の分泌状態を正常にもどし自然治
癒の機序を待つという消極的な療法であり、また
初中等度の症状のみしか適用できずかつ治癒に至
るまで非常に長期間を有するものであつた。そこ
で本発明のPH8以上、Ag+イオン濃度0.5〜
10ppm、電気伝導度250〜450μ/cm3、活性化酸
素溶存量6〜9ppmのAg+イオン水よりなる治療
水を、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の患部に対し経口的
に投与したところ、中性に傾いた、胃または十二
指腸の患部還境は、H+イオンをAg+イオン水に
含まれるOH-イオンと結合させることによつて
中和され、また潰瘍によつて傷ついた細胞は、
Ag+イオンが細胞膜を構成するリン脂質の不飽和
脂肪残基に働きかけエチレン化することにより失
活され、物質流入制御機能がなくなり細胞外より
水分が流入して破裂しリソゾームにより分解吸収
された。これにより患部は健常な細胞のみが存在
する状態となり、健常細胞のみによる再生化に機
序が直ちに始まり、さらに細胞の活性化と増殖の
スピードが早く、治癒期間が大幅に短縮されほぼ
10日間で修復されるものであつた。また、潰瘍に
より出血が認められる場合においては、本発明の
治療水の投与後ただちに止血され、その止血効果
が極めて高いことが認められた。さらに本発明の
治療水の投与に対して、何ら刺激性は認められ
ず、また消化器官の健常な粘膜細胞に対する化学
的・物理的な破害は全く認められなかつた。 サルモネラ菌、大腸菌、腸炎ビブリオ菌等の病
原菌感染による細菌性腸炎は、激しい腹痛、下
痢、発熱、嘔吐等の症状をともなうが、従来、化
学薬剤に対する粘膜の抵抗力が低いために、強力
な薬剤が使用できず、安静と保温に努めながら自
然治癒を待つものであつた。そこで、本発明のPH
8以上、Ag+イオン濃度0.5〜10ppm、電気伝導
度250〜450μ/cm3のAg+イオン水よりなる治療
水を細菌性腸炎の患者に対し経口的に投与したと
ころ、体内においてAg+イオンは活性を有したま
ま直腸、大腸まで至り、サルモネラ菌等の細菌
を、細菌の細胞膜を構成するリン脂質の不飽和脂
肪酸基に触媒して細胞膜機能を失活することによ
つて、一挙に殺菌または静菌化し、ほぼ3時間位
という極めて短時間でほとんど完治するものであ
つた。なお、Ag+イオン水の投与に際して何ら刺
激性は認められず、また消化器官粘膜壁に対して
全く無害であつた。 感染性角結膜炎の一種である流行性角結膜炎
は、アデノウイルス8型による伝染性結膜炎で、
春から夏にかけて流行多発し、わが国における
「はやりめ」の主流をなしている。症状は、急性
濾胞結膜炎で発病し、眼臉の腫脹、結膜の浮腫が
つよいが、眼脂は比較的少なく、流涙と羞明を訴
えるものである。従来、特効薬は見出されておら
ず、ABOBの点眼がある程度経過を短縮すると
いわれているが、点眼薬は、その薬効を上げるこ
とにより目の機能への障害の虞れがあるため、殺
菌効果の極めて低いものしか使用できず、効果的
な治療は行なわれていないものであつた。そこで
本発明のPH8以上、Ag+イオン濃度0.5〜10ppm、
電気伝導度250〜450μ/cm3のAg+イオン水より
なる治療水による洗眼を、流行性角結膜炎の患者
に施したところ、Ag+イオンが、病原体ウイルス
ならびに混在細菌群の細胞膜に触媒して失活させ
ることにより、これらの菌体をことごとく殺菌ま
たは静菌化し、その効果は速効性で、大半は1日
程度で完治した。また先眼による眼への刺激性、
その他の障害は何ら見られなかつた。 このように、本発明の治療水は、従来、消化器
官粘膜および眼の角結膜の抵抗力の低さなどのゆ
えに、有効な治療手段の見出されなかつた、胃お
よび十二指腸潰瘍、細菌性腸炎ならびに流行性角
結膜炎の疾患に対して、生理的機序に基づき有効
かつ無害な治療法を提供するものであるが、ここ
に例示しなかつた消化器粘膜および眼の角結膜に
おけるその他の疾患に対しても、同様の作用を有
して有効に対処できることは明らかであろう。 「発明の実施例」 実施例 1 出血性胃炎 (症状) 上腹部愁訴があり、内視鏡診断の結果、胃粘膜
面に点状びらん性出血がみられ、粘膜層のみの欠
損との所見をうる。 (処置) PH10、Agイオン濃度2ppm、電気伝導度400μ
/cm3、溶存酸素量9ppmのAgイオン水2.1を
1週間(1日3回100c.c.)のます。 (治療効果) 口径注入洗浄後2日目後、胃の圧迫感がなくな
り、4日後不定愁訴が解消された。 10日後、内視鏡所見では粘膜層は平常になり出
血も認められず完治しているのが観察された。 実施例 2 急性胃潰瘍 (症状) 胃部の疼痛出現の頻度が高く血便あり、内視鏡
による診断の結果、胃壁面に1cmΦ〜1.5cmΦの
潰瘍3ケ所が所見された。1ケ所は、粘膜筋層迄
の断裂であり2ケ所は固有筋層までの断裂との所
見を得た。 (処置) PH10.5、Agイオン濃度2ppm、電気伝導度350μ
/cm3、溶存酸素量9ppmのAgイオン水2を口
経飲水で胃洗浄を行い、更に0.2を8時間毎に
7日間飲水する。 (治療効果)第1回処置後1時間で疼痛がおさま
り4日後の内視鏡での診断によると断裂ケ所は再
生性粘膜におおわれ繊維組織化が進んでいた。さ
らに1週間後の胃部の内視鏡による所見では完全
治療機序が完了したと診断された。 実施例 3 十二指腸球後部潰瘍 (症状) 食後2〜4時間後に疼痛が激しく血便がみられ
た。X線による間接診断として、機械的狭窄がみ
られ反対側に潰瘍があると予見されたため、更に
内視鏡による検査の結果、上十二指腸角より肛側
に潰瘍が発見された。 (処置) PH10、Agイオン濃度2ppm、電気伝導度350μ
/cm3、溶存酸素量9ppmのAgイオン水4を縦
続的に飲ませ、更に10日間2を口経流入をくり
かえす。 (治療効果) 第1日の処置後、疼通がやわらぎ第2日目より
ほとんど疼通を訴えなくなつた。4日目で愁訴感
のなくなつた。1週間後のX線の診断で狭窄がや
わらぎ、10日後の内視鏡所見では潰瘍が消え再生
粘膜が見られた。 実施例 4 感染性下痢 (症状) 急性下痢と発熱があり、嘔気嘔吐、食欲不振で
腹通を伴つて粘血便が認められる。臨床所見では
腸炎ビブリオ、サルモネラ腸炎等の疑いがあり細
菌培養の結果を待たないで緊急処置する必要があ
つた。 (処置) PH10、Agイオン濃度2ppm、電気伝導度400μ
/cm3、溶存酸素量9ppmのAgイオン水200c.c.を
続継的に経口投与する。 (治療効果) 口経注入して2時間後、嘔気嘔吐食が治り、3
時間後発熱疼痛もなくなり、下痢症状もなくな
り、その後感染性下痢症状は起こらず完治した。 実施例 5 賢盂炎症 (症状) 発熱と肉眼的血尿を認めIVPを施行したとこ
と、鈍円化混棒状化などの賢盂炎性所見が認めら
れ不完全膀胱尿道管逆流現象があつた。 (処置) PH10、Agイオン濃度2ppm、電気伝導度400μ
/cm3、溶存酸素量9ppmのAgイオン水5を24
時間に亘り口経流入を継続施行した。 (治療効果) サルフア剤の長期投与をうけていたが完治せず
本法により施行したところ、2時間熱が下向し、
3時間後にふるえもとまり、5時間後起床も可能
となつた。 24時間後、本人の自覚症状が消えたため、再度
IVPを施したところ、発熱発作を含め尿路感染症
所見は完全に消失した。 実施例 6 結膜炎症 (症状) 急性濾胞性結膜炎で発病、眼臉の腫脹、結膜の
浮腫がつよいが眼脂は比較的少なく、流涙を訴
え、耳前のリンパ腺の腫脹、圧痛がみられアデノ
ウイルズ8型の感染症と診断。 (処置) PH9、Agイオン濃度1ppm、電気伝導度350μ
/cm3、溶存酸素量9ppmのAgイオン水を1日4
回点滴7日間連続施行を行う。 (治療効果) 第1回点滴後、流涙と差明が止まり、2日目で
眼臉の腫脹感がなくなり、3日目で結膜の浮腫が
完全に消失し、7日目にはリンパ腺等の圧迫等の
自覚症状もなく完治した。 「発明の効果」 以上述べたように、本発明は、PH8以上、Ag+
イオン濃度0.5〜10ppmのAg+イオン水からなる
消化器粘膜疾患および角結膜炎の治療水であるの
で、従来の化学治療剤とは全く異なる作用機序に
より、生体細胞の回復の機序を促進し得る、ある
いはまた病原菌を静菌ないしは殺菌し得るもので
あり、一方健常な消化器官粘膜および角結膜組織
には何ら損傷を与えることなく、かつ無色、無
臭、無刺激で速効性のある優れた治療水であり、
胃および十二指腸潰瘍、細菌性腸炎、賢盂炎等の
消化器粘膜疾患、ならびに流行性角結膜炎、急性
出血性結膜炎等の角結膜炎の治療に好ましく用い
られるものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 PH8以上、Ag+イオン濃度0.5〜10ppmの
    Ag+イオン水からなる消化器粘膜疾患および角結
    膜炎の治療水。 2 電気伝導度が250〜450μ/cm3、また溶存酸
    素量が6〜9ppmで活性化酸素を含有するもので
    ある特許請求の範囲第1項に記載の治療水。
JP61256389A 1986-06-13 1986-10-28 消化器粘膜疾患および角結膜炎の治療水 Granted JPS63112521A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61256389A JPS63112521A (ja) 1986-10-28 1986-10-28 消化器粘膜疾患および角結膜炎の治療水
EP87305270A EP0254413A3 (en) 1986-06-13 1987-06-12 Silver-ionic water and its uses
KR870009489A KR880002754A (ko) 1986-08-29 1987-08-29 온이온수 및 그의 용도

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61256389A JPS63112521A (ja) 1986-10-28 1986-10-28 消化器粘膜疾患および角結膜炎の治療水

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63112521A JPS63112521A (ja) 1988-05-17
JPH0124134B2 true JPH0124134B2 (ja) 1989-05-10

Family

ID=17291994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61256389A Granted JPS63112521A (ja) 1986-06-13 1986-10-28 消化器粘膜疾患および角結膜炎の治療水

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS63112521A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1990011082A1 (de) * 1989-03-17 1990-10-04 Buchholz Klaus L Verwendung eines reaktionsproduktes aus einem gas und einer flüssigkeit, sowie verfahren und vorrichtung zu seiner herstellung
CA2119444A1 (en) * 1991-09-20 1993-04-01 Herbert Marty Preservative for pharmaceutical products
JP5275532B2 (ja) * 1999-02-26 2013-08-28 池田物産株式会社 製剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63112521A (ja) 1988-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Di Paolo et al. Ozone therapy
US5334383A (en) Electrically hydrolyzed salines as in vivo microbicides for treatment of cardiomyopathy and multiple sclerosis
Bocci OZONE.
US20060134186A1 (en) Oxygenating agents for enhancing host responses to microbial infections
Kornecki et al. Treatment of loculated pleural effusion with intrapleural urokinase in children
JP5409710B2 (ja) 心肺バイパス(cpb)手術の術後合併症を低減するための組成物
Dougherty et al. Physiologic actions of heparin not related to blood clotting
Gafurovich et al. Modified method of plasmapheresis in the treatment of patients with purulent cholangitis
Borrelli et al. Oxygen ozone therapy in the integrated treatment of chronic ulcer: a case series report
WO1984002470A1 (en) Medicinal preparation for the therapeutic treatment of peptic ulcer
US6720011B1 (en) Injectable composition for cancer treatment
JP2001509779A (ja) 抗菌組成物とその使用方法
ZA200603396B (en) Tissue protective cytokines for the treatment and prevention of sepsis and the formation of adhesions
Abrahams et al. Fatal Case of Acute Porphyria
JPH0124134B2 (ja)
WO2010004653A1 (ja) ヘリコバクターピロリ菌の駆除剤並びに駆除方法
JPH03500168A (ja) 医薬の製造の為のグリコースアミノグリカンの使用
HARKINS et al. Peritonitis due to bile and to liver autolysis
US5461073A (en) Septicemia suppressing substitution fluid preparation
RU2203066C2 (ru) Способ детоксикации организма
JPH0124136B2 (ja)
RU2296570C2 (ru) Способ лечения нагноившихся остаточных полостей печени после эхинококкэктомии
JPS63188391A (ja) 細菌破壊に及び/又は免疫調節に有効な物質の製造方法並びにこれを使用する方法
Lundsgaard-Hansen et al. STAPHYLOCOCCIC ENTEROCOLITIS: REPORT OF SIX CASES WITH TWO FATALITIES AFTER INTRAVENOUS ADMINISTRATION OF N-(PYRROLIDINOMETHYL) TETRACYCLINE
RU2271210C2 (ru) Способ лечения одонтогенных флегмон челюстно-лицевой области у больных старших возрастных групп