JPH01240693A - チタンカソードからの電着金の剥離方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、電解槽内において金を表面に析出させたチ
タンカソードから、電着金を剥離する方法の改良に関す
るものである。

［従来の技術とその課題］ 一般に、金の精錬工程では、カソードとしての純金の種
板と、アノードとしての純度の低い粗金とを電解液中に
投入し、両者に直流電流を流すことによって粗金中の金
をイオン化し、種板に高純度の金を析出させて純金のプ
レートを製造するようにしている。しかしながら、この
ような精錬方法では、種板の製造という特別な工程が必
要となる。しかも、製造した純金プレートは、その３〜
５％を種板が占めているため、純金グレートの製造費用
中には、種板の製造費用のみならず高価な金の種板を半
製品として保有するための金利などの占める割合が多く
なり、純金プレートの製造コストが割高になってしまう
という問題がある。

一方、銅精錬などでは、種板の代わりにカソードとして
チタンプレート（チタンカソード）を用いる精錬方法も
使用されている。この精錬方法を金精錬に応用すれば、
純金の種板が不要となり、種板の製造および保有による
製造コストの増加という問題は解消し得る。しかしなが
ら、この精錬方法では、電解精錬後にチタンプレートの
表面に析出した電着金層をチタンプレートから剥離する
という作業が必要となる。

ここで、従来の銅精錬においては、チタンブレ−トの側
面に樹脂等の絶縁物を設けてチタンプレートの表裏の電
着銅層を互いに分離するようにしている。しかしながら
、そのようにしてもチタンプレートの表面に強固に固着
した電着銅層を剥離することは容易ではなく、作業者が
チタンプレートと電着銅層との間に楔を打ち込んで両者
を剥離するなど人的コストが高い。このため、金の精錬
工程では、チタンプレートを用いる方法はあまり採用さ
れておらず、もっばら前述の種板を用いる方法が用いら
れているのが実情である。

［発明の目的］ この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、チタン
カソードから電着金層を極めて容易に剥離することがで
き、したがって、金の製造費用を大幅に低減することが
できるチタンカソードからの電着金の剥離方法を提供す
ることを目的とする。

〔発明の構成〕

この発明のカソードからの電着金の剥離方法は、表面に
金を電解液内で析出させたチタンカソードを、その外側
から電解液の温度よりも１００℃以上高い温度まで昇温
させ、次に、機械的方法により電着金層からチタンカソ
ードを抜き出すことを特徴としている。

つまり、本発明は、金とチタンとの熱膨張量の差を利用
して両者の接合面にずれを生じさせ、これによって電着
金層とチタンカソードとの電着による固着を解除し、次
に行う機械的方法によるチタンカソードの抜き出しを容
易に行おうとするものである。

ここで、金とチタンとの物理的性質を比較すると第１表
の通りである。

以下、余白 第１表 第１表から判るように、金はチタンに比べて熱伝導率が
著しく大きい。このため、チタンカソードを外側から加
熱することにより、電着金層は直ちに昇温するがチタン
カソードはなかなか昇温せず、両者には大きな温度差が
生じる。しかも、金の熱膨張率はチタンの２倍程度であ
るから、電着金層はチタンカソードよりも大きく熱膨張
しようをする。しかし、金とチタンカソードとは電着に
より強固に固着しているから、電着金層には圧縮応力、
チタンカソードには引張り応力が作用し、それらの接合
面には剪断応力が作用する。

ここで、接合面における剪断応力が電着による固着力を
上回れば電着金層とチタンカソードとはそれらの接合面
において破断し、電着による固着が解除される。つまり
、チタンカソードを所定温度昇温させて接合面における
剪断応力を大きくすれば、電着金層とチタンカソードと
を分離することができるはずである。本発明者等は、こ
のような観点から多数の実験を行った結果、チタンカソ
ードを電着の際の温度、すなわち電解液の温度よりも１
００℃以上高い温度まで昇温させると電着金層とチタン
カソードとが分離し、その後の機械的方法による剥離を
極めて容易に行い得るという知見を得たのである。

なお、機械的方法による剥離については、電着金層を固
定して油圧装置などによってチタンカソードを引き抜く
方法、または、電着金層とチタンカソードとの間に楔を
打ち込む方法など種々の方法を用いて良い。

［実施例コ 以下、本発明の一実施例について説明する。この実施例
では、第４図に示すように、上端部に棒１を固定したチ
タンプレート２の下端部に電着金層３を析出させた純金
半製品４の電着金層３を、第１図ないし第３図に示す剥
離装置によって剥離する。ここで、実施例の説明に先立
ち剥離装置について説明すると、剥離装置は、加熱機構
５（第１図）と、搬送機構６（第２図）と保持機構７（
第３図）とから構成されている。

加熱機構５は、囲板８の内部にチェーンコンベア９が配
置され、このチェーンコンベア９の下方にパイプライン
バーナー１０が配置され、チェーンコンベア９の上方に
水平方向へ移動可能な可動フード１１が配置されてなる
ものである。また、搬送機構６は、フレーム１２に移動
台車１３が支持され、この移動台車１３に、油圧シリン
ダ１４が吊り下げられ、油圧シリンダ１４のピストンロ
ッド１４ａに７ツク１５が取り付けられてなるものであ
る。さらに、保持機構７は、上端部に水平方向へ突出す
る歯１６ａを有する固定歯１６と、この固定歯１６に対
して接近離間可能になされ、歯１７ａを有する移動歯１
７と、この移動歯１７を移動させる油圧シリンダ１８と
、コンテナ１９とから構成されている。

次に、上記剥離装置により、純金半製品４の電着金層３
を剥離する方法について説明する。

まず、電解槽から引き上げた純金半製品４をチェーンコ
ンベア９に掛け、これを搬送しながらパイプラインバー
ナーｌＯにより連続的に加熱する。

この場合において、電解液の温度は通常５０℃であるた
め、純金半製品４は１５０℃以上まで昇温させる必要が
あるが、１５０〜２００℃程度であれば充分である。

ここで、金はチタンに比べて熱伝導率が著しく大きいか
ら、電着金層３は直ちに昇温する一方、チタンプレート
２はなかなか昇温せず、両者には大きな温度差が生じる
。しかも、金の熱膨張率はチタンの２倍程度であるから
、電着金層３はチタンプレート２よりも大きく熱膨張し
ようとする。

これによって、電着金層３とチタンプレート２との接合
面に剪断応力が生じ、電着金層３の温度が１５０℃にな
ると剪断応力が電着による固着力を上回って両者の接合
面において破断が生じる。そして、電着金層３とチタン
プレート２との固着が解除されて両者は分離する。そし
て、純金半製品４がチェーンコンベア９の出口に来たら
可動フード１１を移動させ、純金半製品４の棒１に搬送
機構６の７ツク１５を掛けてこれを保持機構７まで移動
させる。

次に、純金半製品４を固定歯１６と可動歯１７との間に
位置させ、可動歯１７を固定歯１６側へ移動させてそれ
らの歯１６ａ、１７ａによってチタンプレート２を緩く
挟持する。次に、油圧シリンダ１４のピストンロッド１
４ａを縮小状態にしてチタンプレート２を引き上げる。

すると、電着金層３が下に残されてチタンプレート２の
みが上昇し、チタンプレート２は電着金層３から引き抜
かれる。

このような剥離方法によれば、純金半製品４を１５０　
’Ｃ以上まで加熱することにより、電着金層３とチタン
プレート２との熱膨張量の差を利用して接合面において
両者を分離するから、搬送機構５の油圧シリンダ１４程
度の極めて簡単かつ小規模な機構によってチタンプレー
ト２を電着金１３から引き抜くことができる。したがっ
て、純金の製造コストを大幅に低減することができる。

［発明の効果］ 以上説明したようにこの発明のチタンカソードからの電
着金の剥離方法では、表面に金を析出させたチタンカソ
ードを、その外側から電解液の温度よりも１００℃以上
高い温度まで昇温させ、次に、機械的方法により電着金
層からチタンカソードを抜き出すから、カソードからの
電着金層の剥離を極めて容易に行うことができ、したが
って、金の製造コスト紮大幅に低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本発明の一実施例を説明するだめ
のものであって、第１図は加熱装置を示す側面図、第２
図は搬送機構を示す側面図、第３図は保持機構を示す側
面図、第４図は純金半製品を示す斜視図である。 ２・・・・・・チタンカソード、 ３・・・・・・電着金層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 表面に金を電解液内で析出させたチタンカソードを、そ
   の外側から電解液の温度よりも１００℃以上高い温度ま
   で昇温させ、次に、機械的方法により電着金層からチタ
   ンカソードを抜き出すことを特徴とするチタンカソード
   からの電着金の剥離方法。