JPH01230687A - 防汚処理剤及び防汚処理法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明は、船底、漁網又は水中構造物に動植物性の汚損
生物が付着するのを防止するための剤及び処理法に関す
るものである。

【従来の技術】

水中に沈設された漁網（定置網、養殖網）、船底、製鉄
所又は火力若しくは原子力発電所の取水口及び排水口、
標灯、橋脚、海底油田リグ、温度差発電又は海水淡水化
設備、流出油処理防止フェンス、真珠筏、蛎筏等にフジ
ッボ類、苔虫類、ホヤ類、骨接多毛類、ヒドロ虫類、海
綿類等の動物、緑藻類、褐藻類、紅藻類などの植物が付
着し多大の被害を与えることは周知である。 そこで、これら海棲生物による被害を防ぐため、これま
で亜酸化銅、トリブチル錫オキシド（ＴＢＴＯ）等の防
汚剤が用いられてきた。

【発明が解決しようとする課題】

しかし銅化合物は、最近の汚染した港湾では。 海水に含有される硫化水素のため硫化物に変化して水不
溶性となり、早期に効力を失ってしまう。 また、ＴＢＴＯ等は概して毒性が強く、環境汚染を惹す
等、社会問題化している。 また、従来漁網の防汚用にこれまで使われていたＴＢＴ
Ｏが環境問題で使えなくなってからハマチの寄生虫であ
るハダムシの害が各養殖場で頻繁に起こるようになり、
このものが、防汚のみならずハダムシの卵の駆除にも奏
効していたことが最近分ってきた。 よって、本発明が解決しようとする課題は、亜酸化銅や
ＴＢＴＯに代わる安全かつ有効な対海中生物防汚手段を
開発することである。

【課題を解決するための手段】

（４［１要） 以上の課題を解決するため、本発明は、テトロドトキシ
ン又はこれを含む微生物若しくは動物組織を有効成分と
する防汚処理剤及びこの防汚処理剤を用いて船底、漁網
又は水中構造物を処理する防汚処理法を要旨とする。 （原理） 魚介類は、本能的にフグ毒テトロドトキシンに対し敏感
な感知能力を持つ、即ち、フグは危険を感じたとき本身
を皮膚から放出し、危険から身を守る。一方、魚介類は
フグ毒を低濃度で感知し、フグには近寄らない０本発明
は、この海棲動物のテトロドトキシンに対する感知能力
を利用して、これを海棲汚損生物の忌避剤として活用し
ようとするものである。逆に言うと、海棲動物のフグ毒
に対するバイオセンサ能力を利用して対象物を汚染から
守るというのが発明の原理である。 （テトロドトキシン） テトロドトキシンは、分子式Ｃ＋＋）ｌｕＮ３０Ｂ、化
学名オクタヒドロ−１２−（ヒドロキシメチル）−２＝
イミ／−５，９ニア、ｌｏｇ−ジメタノ−］ＯａＨ［１
、３］ジオキソキ／［６，５−ｄ］ピリミジン−４，７
，１０，ＩＪ、１２−ペントールで表わされる構造を持
つ特殊なキノン化合物で、高等動物に対し神経のナトリ
ウム伝達系を阻害する薬理作用を有し、古来フグ毒　　
として恐れられて来たものである。このものは、フグ類
のうち、フサフグ、ショウサイフグ、コモンフグ、ヒガ
ンフグ、ゴマフグ、ドラフグ等の！］１ｇ巣、肝臓、皮
（及び−部精巣及び肉）等に存在し、その毒性は強いも
ので２万ＭＵ（Ｉｌｏｕｓｅ　ｕｎｉｔ）にも達する・
ｉ）フグＡ　ＩＪ　　フグ１１外にわ北米産のある種の
１ｔりの−９にｂ存在し　タリカト苓シンとしｒ知６れ
ている。 もっとも、フグ毒はフグ自身が産生ずるものではなく、
最近の研究では１賜内バクテリアが産生ずるのをフグが
各組織に蓄えるとの発表もある。 徒って、本発明におけるフグ毒は、格別精製品である必
要はなく、フグ毒を持つ組織又はフグ毒産生微生物の培
養物でもよい。 （フグ毒の精製） 例えばフグの肝臓、卵巣、皮などをよく摩りつぶし、こ
れを水で抽出した液を除蛋白後、弱塩基性のアルミナで
吸着、精製する。白色柱状晶、分解点２４９℃ （適用法） 精製したフグ毒、有毒組織の磨砕物又はフグ毒産生微生
物の培養物若しくは抽出物をバインダーと共に船底、漁
網又は水中構造物等の対象物に塗布する。バインダーと
しては、アクリル又はウレタン等のポリマーの水分散体
又は溶剤タイプを用いてもよい、フグ毒は、媒質が強酸
性又は強アルカリ性でない限り安定である。

【作用】

船底、漁網等に付着したフグ毒は、フうツボ、コケムシ
、ホヤ等の幼生を忌避させるので、これらの汚損生物が
対象物に付着しない。

【実施例】

以下に実施例により発明実施の態様を説明するが、例示
は当然説明用のものであって、発明思想の限定を、ａ味
しない。 実施例１ フサフグの卵巣から抽出精製したテトロドトキ’ｙ　ン
（１万Ｍｔｌ／ｇ）　０．０１重量部を木３００　ｍ！
ニ溶かし、水分散ウレタン樹脂（スーパーフレックス３
０ｏ　＞）　”　（固形分３０％、出願入会社製）　１
０００重量部を混ぜて防汚処理剤とした。 上の処理剤にポリエチレン製の漁網を浸し。 １０分後引上げて液切り後、天日乾燥した。漁網に対す
る処理剤の付着量は１１重量％であった。 この網を養殖網として用い、海棲生物の付着を観察した
ところ、６ケ月経っても少量の海藻が付Ｉｉシただけで
、動物系汚損生物の付着は全く見られなかった。また、
ハダムシによるハマチの被害も数％程度に留まった。 一方対照として無処理の漁網を用いた場合は、１ケ月で
動植物系汚損生物が網目の嵐を塞ぐ程度に付着し、ハダ
ムシによるハマチの被害が大きく、全ハマチの月がハダ
ムシに冒され、商品価値を失っていた。 実施例２ ドラフグの腸から採取した微生物を培養し、菌体を超音
波磨砕後、遠心分離して得た上清はテトロドトキシン１
００ＭＵ／ｇを含有した。 Ｌの上清５ｇを船底塗料ａＥｉｋｇ中に分散させ、モー
ターポートの船底に塗布した。このモーターポートを内
湾に係留し、生物の付着を観察したところ、６ケ月経っ
ても船底は若干の付着海藻でヌルヌルしている程度であ
った。 一方対照の無処理のモーターポートでは、６ケ月で動植
物系の汚損生物が船底のｂ程度を覆い、塗料の剥落が目
立っていた。

【発明の効果】

以上説明した通り１本発明は、海棲生物のテトロドトキ
シンに対する忌避作用を利用して、亜酸化銅やＴＢＴ○
に代わる安全かつ有効な対海中生物防７ｒＪ丁−段を提
供しえたことにより、漁業、海連発゛市、港湾保守その
他の産業分野の発展及び合理化に′８ケしうる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　テトロドトキシン又はこれを含む微生物若しくは動
   物組織を有効成分とする防汚処理剤。 ２　剤がバインダーを含む請求項１記載の防汚処理剤。 ３　請求項１記載の防汚処理剤で船底、漁網又は水中構
   造物を処理する防汚処理法。