JPH0123029Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、給水源からの配管系に設けられ水を
水栓等の給水設備方向と太陽熱利用温水器方向へ
分岐させる分岐金具であつて、太陽熱利用温水器
への水流路の中途にストレーナを具備したストレ
ーナ付給水分岐具に関する。

〔従来技術〕

従来、太陽熱利用温水器や水栓等の給水設備へ
水を供給する配管系は、給水本管から分岐させて
温水器や水栓等に接続する構成となつており、特
に太陽熱利用温水器では給水中のゴミ等が流入す
ると、太陽熱によつて微生物が繁殖しやすくなつ
たり、またゴミの種類によつては温水器受光面の
流路に藻が発生したりして熱交換の効率が低下す
るとともに、衛生的でないという問題があり、温
水器内のボールタツプにゴミかみが生じて給水が
円滑に出来なくなることもある。これに対処する
ために、特に太陽熱利用温水器へ至る配管系内に
ストレーナを設けてゴミの流入を防ぐ必要がある
が、一般にストレーナは配管系に専用のフランジ
等により流路内に取付けられるので、配管後は配
管系をばらさない限りストレーナにゴミ等の異物
が堆積しているかどうか判らない構成となつてい
る。

従つて、経時後に配管中のストレーナの網目部
にゴミや水垢が堆積付着すると、抵抗が大となつ
て太陽熱利用温水器への給水が不良となることが
ある。この付着物を取除くためには配管系をばら
してストレーナの掃除をする必要があり、保守点
検に難点があつた。

〔考案の目的〕 本考案の目的は、太陽熱利用温水器へ向かう水
を濾過するストレーナの網目部に堆積した異物
を、給水設備への通水時に、その水勢により剥離
除去し、配管系をばらすことなくストレーナの掃
除を自浄的に行えるようにすることである。

〔考案の構成〕

本考案のストレーナ付給水分岐具は、その目的
を達成するために、給水源に連絡する流入口及び
水洗等の給水設備に連絡する第１流出口と同第１
流出口より上流側に設けられた太陽熱利用温水器
に連絡する第２流出口とを少なくとも備え、かつ
上記第２流出口と同軸上に開口するストレーナ取
付口を開設した本体と、同ストレーナ取付口に着
脱自在に装着される蓋体と、同蓋体に一端を取付
けられる筒状のストレーナとからなり、同ストレ
ーナは、その側面と本体内壁との間に流体が通過
する空間を介して、上記流入口から上記第１流出
口に至る流路の中央部に位置し、上記ストレーナ
の網目部を介して流入口と第２流出口とが連通し
ていること特徴とする。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例に基いて本考案を説明
する。

第１図は配管系の一例を示すシステム図で、１
は本考案に係るストレーナ付給水分岐具であり、
給水源の給水本管からの水を太陽熱利用温水器Ａ
と、水栓Ｂとの二方向に分岐供給するシステムと
なつている。また水栓Ｂは他の水周り機器に置換
することは任意であり、いずれにしてもストレー
ナ付分岐金具１部で流路が少なくとも二分する配
管系とすればよい。

第２図はストレーナ付給水分岐具１の第１実施
例を示す断面図で、図中２は分岐具本体で本例で
は３方開口型のＴ字状に形成されている。

３は給水源に連絡する流入口、４は同流入口３
と同軸上に開口して水栓Ｂに連絡する第１流出
口、及び５は流入口３と第１流出口４の軸線と直
交する開口軸線を有し太陽熱利用温水器Ａに連絡
する第２流出口である。これら流入口３及び第
１、第２流出口４，５の内周には配管接続のため
の螺子３ａ，４ａ，５ａを各々形成している。

６は第２流出口５に対向し、同第２流出口５と
同軸に形成されるストレーナ取付口で、パツキン
７を備えた蓋体を構成するブツシユ８を螺着して
いる。このブツシユ８の内端側には環状の凹部９
が凹設され、これに対向して第２流出口５への連
絡孔１０の周縁には環状の段部１１が同軸配置と
なるように形成される。

Ｓは下端をブツシユ８の凹部９内に着脱可能に
嵌着された筒状のストレーナで、給水中の異物を
捕捉できる網目部Ｓ−１を形成している。このス
トレーナＳの上端はブツシユ８の本体２への装着
時には、第２流出口５側の段部１１に当接着座
し、流入口３から同第２流出口５へ向かう給水は
網目部Ｓ−１を通過する。

また、流入口３から第１流出口４への給水は、
第３図から明らかなように、ストレーナＳが流路
中央に位置しているので、網目部Ｓ−１を通過、
即ち一旦ストレーナＳ内に流入した後、再びスト
レーナＳ外に流出するものと、ストレーナＳ外周
と本体２の内壁２ａ間を通過する流れとなる。

上記構成のストレーナ付給水分岐具１におい
て、太陽熱利用温水器Ａ側流路が開放された場
合、流入口３からの給水は前述のようにストレー
ナＳの網目部Ｓ−１を通過するので、給水中の異
物は網目部Ｓ−１の外表面側で捕捉される。従つ
て、太陽熱利用温水器Ａには、ゴミや異物等が流
下することがなく、給湯側配管系内での異常を防
止できる。

ここで、水栓Ｂ側のみを開放すると、給水は流
入口３からストレーナＳ域を通過して第１流出口
４方向へ流下する。給水流線としては、前述のよ
うにストレーナＳ内を通過するものと、その周囲
を迂回するものとに見かけ上分離するが、給水の
水勢により、網目部Ｓ−１外面に付着した異物を
剥離除去することができる。従つて、網目部Ｓ−
１外表面にゴミや異物が付着堆積しても、水栓Ｂ
の開栓により自浄されるように異物の除去がで
き、網目部Ｓ−１の目詰りを防いで太陽熱利用温
水器Ａへの給水条件を常時良好に保つことができ
る。

また、本構成ではブツシユ８を本体２からスト
レーナＳとともに取外すことができ、ストレーナ
Ｓの保守点検が簡単に行え、また異物はストレー
ナＳの外表面にしか付着しないので掃除も容易で
ある。このブツシユ８を取除くことにより配管系
の水抜きが行なえ、凍結防止やその他の保守点検
に際して便利である。

さらに、ストレーナ構成要素と、流路分岐要素
とを一体となしたので、両構成要素を配管系に別
途に設ける必要がなく、配管作業を簡略化させる
こともできる。

第４図は蓋体の他の構成例を示す要部断面図で
ストレーナ取付口６に装着されるブツシユ２０に
水抜栓Ｖを取付けたものである。

ブツシユ２０は本体２内に連通する孔２１を開
設し、上端には環状の凹部２２を凹設し、同凹部
２２内にストレーナＳを嵌着している。２３はブ
ツシユ２０の下端開口側に回動可能に螺合する水
抜栓体で、上端に孔２１を開閉するパツキン２４
を取付けている。同水抜栓体は外周の上部側に切
欠２５を凹設し、同切欠２５に連通し下端が開口
する排水流路２６を貫設している。

上記構成においては、水抜栓体２３を下方に変
位させれば、本体２内が孔２１、切欠２５及び排
水流路２６により連通し、ストレーナＳを取除く
ことなく水抜操作を行なうことができる。

第５図は第２実施例を示す断面図で、本例は流
入口の下流に止水栓を備え、水の供給及び停止操
作をも行えるように構成したもので、図面に付し
た番号は、第１実施例と等価の機能を有するもの
については同じとする。

図示のように、第１実施例の場合よりも、流入
口３とストレーナＳ装着位置間距離が大きく形成
され、第２流出口５に対して傾斜する軸線を有し
て止水栓筒体３０が一体的に設けられている。本
体２内の流路には止水栓筒体３０軸線と直交して
離壁３１が形成され、同離壁３１には流入口３と
ストレーナＳ側を連通させる弁孔３２が開設され
るとともに、止水栓筒体３０方向に突出する弁座
３３を形成している。

３４は止水栓筒体３０に回動自在に取付けられ
る弁軸で、下端にパツキン３６を備え、ハンドル
３５操作によりパツキン３６を弁座３３に接離さ
せて流路の開閉を行なうことができる。

本実施例においても、第２流出口５から太陽熱
利用温水器Ａへ向う給水はストレーナＳの網目部
Ｓ−１を通過するので、給湯系への異物流入を防
ぐことができる。また、水栓Ｂを開けば、前述と
同様にストレーナＳ外表面に付着する異物を水勢
によつて剥離除去することができる。

また、本例では、ストレーナ構成要素、流路分
岐構成要素及び給水の供給停止を行なう止水栓構
成要素を一つに合体させたので、これら各要素を
配管系に別々に取付ける必要がなく、配管作業を
簡略化できる。

〔効果〕

本考案に係るストレーナ付給水分岐具はその構
成により下記の効果を奏する。

ストレーナ外表面に付着する異物は給水の水
勢によつて剥離除去され、ストレーナの自浄が
行えるので、分解掃除等の頻度を小さくでき、
保守点検が容易である。

異物はストレーナの外表面側に付着するの
で、分解時の掃除が簡単である。

給水源からの水を水栓等の給水設備と太陽熱
利用温水器とに分岐する機能と、太陽熱利用温
水器へ向かう水を濾過する機能とを兼用してい
るので、別々の機能を有する２つの部品を必要
とせずコスト安であり、しかも配管作業も楽で
ある。

蓋体を本体から取外すことにより配管系内の
水抜きが行なえ、凍結防止やその他の保守点検
作業を容易とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るストレーナ付給水分岐具
を配管系に備えた一例を示すシステム図、第２図
はストレーナ付給水分岐具の第１実施例を示す断
面図、第３図は同第２図の−線矢視による断
面図、第４図は蓋体の他の構造を示す要部断面
図、第５図は第２実施例を示す断面図である。 １……ストレーナ付給水分岐具、２……本体、
３……流入口、４……第１流出口、５……第２流
出口、６……ストレーナ取付口、８，２０……ブ
ツシユ（蓋体）、Ａ……太陽熱利用温水器、Ｂ…
…水栓、Ｓ……ストレーナ、Ｓ−１……網目部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給水源に連絡する流入口及び水洗等の給水設備
   に連絡する第１流出口と同第１流出口より上流側
   に設けられた太陽熱利用温水器に連絡する第２流
   出口とを少なくとも備え、かつ上記第２流出口と
   同軸上に開口するストレーナ取付口を開設した本
   体と、同ストレーナ取付口に着脱自在に装着され
   る蓋体と、同蓋体に一端を取付けられる筒状のス
   トレーナとからなり、同ストレーナは、その側面
   と本体内壁との間に流体が通過する空間を介し
   て、上記流入口から上記第１流出口に至る流路の
   中央部に位置し、上記ストレーナの網目部を介し
   て流入口と第２流出口とが連通していること特徴
   とするストレーナ付給水分岐具。