JPH0122584Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は抽出容器に係り、更に詳述すれば一
定量のコーヒや紅茶等の原料を過部材と気密保
持シートと共に容器内に配設し容器を順次段重ね
に嵌合することで気密封止し得るようにした主と
して飲料自動販売機に用いる抽出容器に関するも
のである。

〔従来の技術〕

飲料自動販売機としては、例えば特公昭55−
37798号公報に記載されているように顧客によつ
て選択され濃縮された原液に加熱あるいは冷却し
た希釈液を砂糖やクリームと共に飲料販売用のコ
ツプ内で混合するかあるいはミキシングボール内
で予じめ混合してコツプに取出して販売する形式
のものがオペレーシヨンコストが安いため多数を
占めているが、何杯分かの原液を貯蔵する必要
と、食品衛生上保存するために添加される保存料
による若干の異臭があり、特に耆好飲料としての
コーヒの場合、顆粒や粉末状の原料を用いたイン
スタントコーヒは本式に淹れたものに比べると未
だ一つ味（風味やコク）が落ちるとして、飲料自
動販売機でもレギユラーコーヒを扱うものが実用
化されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、レギユラーコーヒを扱う従来の飲料自
動販売機の場合、原料の定量自動供給や淹れ（抽
出）終つたあとの淹れ滓の処理が面倒なのと、中
細挽きしたコーヒ豆の湿気防止が大変なので、ど
うしても原料を少しづつ頻繁に供給することにな
るため、オペレーシヨンコストがかかり、一杯当
りのコストが高くなつてしまうと云う欠点があつ
た。

〔考案の目的〕

この考案は上述した欠点を除去し、原料を湿気
から保護すると共に、原料の自動供給ならびにそ
の抽出と淹れ滓の処理を容易ならしめるようにす
ることを目的とするものである。

〔考案の概要〕

この考案は上述した目的を達成するために、開
口を形成した底板と、該底板に連接し、内方に傾
斜する側壁と、該側壁の上縁をなす段部と、該段
部に連接した若干外側に傾斜した側壁とを有する
容器であつて、前記底板の開口縁に気密保持シー
トを張設し、また前記傾斜した側壁に環状の弾性
部材を取付けると共に前記容器内に一定量の原料
を入れ、これらを順次段重ねに嵌合させることに
より容器内の原料を前記弾性部材と気密保持シー
トとで密封するようにしたものである。

〔考案の実施例の構成〕

この考案の抽出容器４は、第１図乃至第３図に
示すように抽出用の容器１、過部材２および環
状の弾性部材３とで構成されている。

容器１は、注形用の合成樹脂をもつて形成され
ており、開口１１を有する底板１２と連接して内
方に傾斜する側壁１３とで形成された原料収容部
１４と、前記側壁の上縁をなす前記底板１２より
も若干外方に拡がる段部１５とこの段部の外側縁
に若干外側に傾斜し端縁にカール１７を施した側
壁１６で形成され、注ぎ込まれた抽出用の熱湯を
貯える湯注ぎ部１８とで構成されている。

過部材２は天然あるいは合成繊維を抄くかあ
るいはこの繊維を紡いで糸状としたもので織つて
作られたものである。

弾性部材３は単独あるいは連続した小気泡によ
る発泡合成樹脂を材料とし形成したり合成ゴムの
中空リング状体で作り、前記した傾斜した側壁１
３の高さの略半分の厚みで外周が弧状をなし底板
１２の直径よりも若干大径の円板に前記側壁と同
じ傾をもち前記側壁１３の段部１５側の外径より
も若干小径のテーパ孔３１を有する環状体３２で
構成されている。なおこの環状体３２は合成ゴム
で中空リング状に成形して図示の形状に作ること
もできる。

抽出容器４は第２図および第３図に示ように底
板１２の内側に過部材２を容器１の開口端側よ
り挿入してゼラチン等の食品衛生上支障のない糊
料を用いて取付けるとともに容器１の底板１２の
下面に気密保持シート１０を貼着し、側壁１３の
外側で段部１５側に弾性部材３をその特性を利用
して嵌着させ、各容器の原料収容部１４内に中細
挽きしたレギユラーコーヒや紅茶等の原料５を一
定量づつそれぞれに入れたあとこれを順次段重ね
に対接するまで挿入して嵌合させることにより、
挿入して来た容器の側壁と挿入された容器の側壁
１６に、弾性部材３が圧接してこの間の気密を保
持し、予じめ底板１２の開口１１は気密保持シー
ト１０で封止されているので原料５は湿気より保
護される。

〔考案の作用〕 この考案の抽出容器４は以上のように構成さ
れ、かつ段重ねに重合されて、図示していない飲
料自動販売機内に貯蔵され、顧客の購入操作によ
り、第４図に示すように前記自動販売機の抽出部
６に１個づつ取出され、給湯ノズル７を通して湯
注ぎ部１８の開口部より容器１内に注がれる。

この給湯動作にさきがけ、気密保持シート１０
は舌片１０Ａにより引剥がされ、漏斗状のホツパ
８の下にはコツプａが取出されており、このコツ
プａ内には顧客が予じめ選択した量の砂糖、ミル
ク等が入れられ、前記給湯によりレギユラーコー
ヒあるいは紅茶の抽出が行なわれる。

一杯分のコーヒや紅茶等の抽出が行なわれると
スイーパ９が動作し、抽出が終り淹れ滓の残つた
抽出容器４は抽出部６上より図示してない抽出容
器回収槽内に排出され次の顧客のためのスタンバ
イ状態に入る。

〔考案の効果〕

以上述べたようにこの考案は開口を形成した底
板と、該底板に連接し、内方に傾斜する側壁と、
該側壁の上縁をなす段部と、該段部に連接した若
干外側に傾斜した側壁とを有する容器であつて、
前記底板の開口縁に気密保持シートを張設し、ま
た前記傾斜した側壁に環状の弾性部材を取付ける
と共に前記容器内に一定量の原料を入れ、これら
を順次段重ねに嵌合させることにより容器内の原
料を前記弾性部材と気密保持シートとで密封した
ので、原料の湿気を完全に防止し得るため、挽き
たてのレギユラーコーヒや紅茶の芳香と風味をそ
こなうことなく、しかも自動的に一人分の中細挽
きしたレギユラーコーヒや紅茶と過部材とを一
緒に収めた抽出容器を抽出部に搬入でき、淹れ滓
と容器とを一緒に捨てられるので、常に新しい抽
出容器でレギユラーコーヒや紅茶を淹れることが
できて衛生的であり、自動販売機以外にも家庭用
の抽出器として使用が可能で用途が広い等の効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

図はいずれもこの考案の一実施例を示すもの
で、第１図は抽出容器の各構成品の斜視図、第２
図は単一容器としての完成品の斜視図、第３図は
複数の抽出容器を順次段重ねした状態の断面図、
第４図は飲料自動販売機の抽出部における抽出状
態の断面図である。 １……容器、１０……気密保持シート、１１…
…開口、１２……底板、１３，１６……側壁、１
４……原料収容部、１５……段部、１８……湯注
ぎ部、２……過部材、３……弾性部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開口を形成した底板と、該底板に連接し、内方
   に傾斜する側壁と、該側壁の上縁をなす段部と、
   該段部に連接した若干外側に傾斜した側壁とを有
   する容器であつて、前記底板の開口縁に気密保持
   シートを張設し、また前記傾斜した側壁に環状の
   弾性部材を取付けると共に前記容器内に一定量の
   原料を入れ、これらを順次段重ねに嵌合させるこ
   とにより容器内の原料を前記弾性部材と気密保持
   シートとで密封したことを特徴とする抽出容器。