JPH01222911A - 合成樹脂製螺子の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、長繊維で補強された合成樹脂製の螺子の製
造方法に関するものである。

「従来の技術およびその課題」 従来より、合成樹脂製の螺子は軽量かつ耐腐食性が要求
される場合等において広く用いられているが、合成樹脂
のみにより製造された螺子はそのままでは強度が必ずし
も充分ではないので、カーボンファイバ等の長繊維によ
り補強することも従来より行なわれている。

そのような長繊維で補強された螺子を製造するには、長
繊維を含有させた未硬化の樹脂から円柱状の素材をつく
り、その樹脂を硬化させた後に螺子山を切削加工する、
という方法が従来一般に採。

用されているが、そのようなことでは螺子山を切削加工
する際に長繊維も切断されてしまい、したがって、長繊
維による補強効果が充分に発揮されずに螺子山が容易に
破壊されてしまう、という問題があった。

この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、長繊維による補強効果が充分に発揮
され得る合成樹脂製の螺子の製造方法を提供することに
ある。

「課題を解決するための手段」 この発明は、カーボンファイバ等の長繊維によって補強
された合成樹脂製の螺子を製造するにあたり、前記長繊
維を含有させた熱可塑性合成樹脂から円筒棒状の素材を
成形し、次いで、その素材を螺子成形用金型内に挿入し
、加熱して軟化させた後、素材の長さ方向にプレスして
素材の外表面に螺子山を形成するようになし、前記素材
を成形するに際して、前記長繊維が素材の長さ方向に沿
って配されるようになすとともに、その素材の表層部と
中心部との間に、前記合成樹脂中の長繊維含有量が表層
部および中心部に比して少ない境界層を形成し、かつ、
その素材をプレスするに際しては、前記境界層より外側
の表層部に対して中心部より大きな押圧力を加えること
を特徴としている。

「作用」 この発明では、素材の表層部と中心部との間に、長繊維
含有量が他の部分に比して少ない、換言すれば樹脂成分
の多い境界層を形成しておき、素材をプレス成形する際
に表層部に対して中心部より大きな押圧力を加えること
により、表層部はその境界層に沿って滑りつつ圧縮され
、同時に外側に膨張して表層部の外０面が金型の内面に
強く押し付けられて螺子山が形成される。そして、この
際、表層部内の長繊維も螺子山の形状に応じて蛇行した
状態となって螺子山内に入り込み、また、境界層自体も
螺子山の形状に応じて蛇行するように変形して表層部と
中心部とが一体化する。

「実施例」 以下、この発明の実施例を第１図ないし第６図を参照し
て説明する。

まず、熱可塑性合成樹脂Ｉ中に、高強度の長繊維２を多
数含有させ、それを押出成形あるいは引抜成形すること
によって第１図および第２図に示すような円筒棒状の素
材３を形成する。その際、長繊維２が素材３の長さ方向
に沿って配されるようになすとともに、樹脂１中の長繊
維２の含有量は、素材３の表層部３ａおよび中心部３ｂ
においては３０〜８０重量％程度、好ましくは６０〜７
０重量％程度とすることが良い。また、表層部３ａと中
心部３ｂとの間には、それら表層部３ａや中心部３ｂに
比して長繊維含有量が少なくされた、換言すれば樹脂成
分が多くされた境界層４（第２図においては斜線を付し
て表している）を形成する。

その境界層４における長繊維含有量はθ〜３０重量％程
度とすることが良いが、表層部３ａや中心部３ｂに比し
て長繊維含有量が少ない限りにおいて任意である。この
境界層４は、後述するように素材３をプレスする際に、
表層部３ａを中心部３ｂに対して滑らせるために形成さ
れるものである。

なお、上記の熱可塑性合成樹脂Ｉとしては、たとえば軽
量で充分な強度を育し、かつ耐熱性にも優れたＰＥＥＫ
（ポリエーテルエーテルケトン）樹脂を用いることが望
ましく、また、上記の長繊維２としてはたとえばカーボ
ンファイバを用いることが望ましい。また、上記のよう
な、境界層４を有する円筒棒状の素材３を製造するには
、積層構造の成形品を押出成形あるいは引抜成形する場
合の手法を採用すれば良い。

次に、上記の素材３を所定の長さに切断し、プレス成形
によってその外表面に螺子山５・・・を形成して螺子を
製造する。すなわち、その素材３を第３図に示すような
螺子成形用金型６内に挿入し、加熱して素材３を軟化さ
せた後に、プレスラム７によってその長さ方向にプレス
する。上記の金型６は、すりわり付きのさら頭を有する
螺子を製造する場合に用いられるものであって、すりわ
りを形成するための凸部６ｃを有する頭部成形用の割型
６ａと、内面に螺子山が形成された軸部成形用の型６ｂ
からなるものである。また、上記のプレスラム７は、そ
の先端中央部に円形の凹部７ａが形成され、その四部７
ａの周囲には相対的に前方に突出している環状の壁部７
ｂが形成されたものを用いることとし、凹部７ａの内径
は素材３の中心部３ｂの径に略等しいものとしておく。

そのようなプレスラム７によって、第４図に示すように
素材３をその長さ方向にプレスすると、第５図に示すよ
うな螺子内５・・・が形成されたプレス成形品８が得ら
れるので、その成形品８を金型６から取り出して硬化さ
仕、最後にその先端部の不要部分８ａを切断すれば螺子
が完成する。

上記の方法によれば、素材３がプレスされる際、素材３
の表層部３ａはプレスラム７の壁部７ｂによってプレス
され、同時に素材３の中心部３ｂは四部７ａによってプ
レスされることになり、したがって、表層部３ａは中心
部３ｂに比してより大きな押圧力を受けることになる。

そして、表層部３ａに対して中心部３ｂより大きな押圧
力が加えられると、第４図に示されるように表層部３ａ
は境界層４に沿って前方に滑りつつ圧縮され、同時に外
側に膨張して表層部３ａの外面が型６ｂの内面に強く押
し付けられて螺子内５が形成される。そして、表層部３
ａが上記のように外側に膨張するに伴い、その表層部３
ａ内の長繊維２も、同時に第６図に示すように螺子内５
の形状に応じて蛇行した状態となって螺子内５内に入り
込み、また、境界層４自体も螺子内５の形状に応じて蛇
行するように変形することになる。

したがって、上記の方法によれば、螺子内５が切削加工
によって形成される場合のように長繊維２が切断される
ことがなく、このため、長繊維２による補強効果が充分
に発揮されて螺子内５の強度は充分に高められたものと
なる。また、境界層４自体も蛇行することから、表層部
３ａと中心部３ｂとの一体性を充分に確保することがで
きる。

なお、上記実施例では熱可塑製合成樹脂１としてＰＥＥ
Ｋ樹脂を例示したが、それに限らず他の熱可塑製樹脂を
用いることでも良い。また、長繊維２としてはカーボン
ファイバのみならず、他の高強度長繊維を用いても良い
ことは勿論である。

さらに、素材３各部における長繊維２の含有量は、表層
部３ａにおける含有量と中心部３ｂにおける含有量を異
なるようにする等、要求される強度に応じて適宜設定す
れば良く、さらに、境界層４の外表面からの位置やその
厚み寸法等も、製造する螺子の形状や大きさ等を勘案し
て適宜設定すれば良い。

「発明の効果」 以上で詳細に説明したように、この発明によれば、表層
部と中心部との間に長繊維含有量が他の部分に比して少
ない境界層を形成した素材を成形し、その素材をプレス
する際にその表層部に対して中心部より大きな押圧力を
加えるようにしたので、素材がプレスされた際には表層
部が境界層に沿って滑りつつ圧縮されて外側に膨張し、
表層部の外面が金型の内面に強く押し付けられて螺子内
が形成されると同時に表層部中の長繊維が蛇行して螺子
内の内部に入り込み、したがって長繊維の補強効果が充
分に発揮されて充分な強度を有する螺子を製造すること
ができる、という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図はこの発明の実施例を示すもので、
第１図は成形された素材の斜視図、第２図はその部分拡
大断面図、第３図は素材を金型内に配した状態を示す図
、第４図は素材をプレスした状態を示す図、第５図はプ
レス成型品の側面図、第６図はその部分拡大断面図であ
る。 ■・・・・・・熱可塑性合成樹脂、２・・・・・・長繊
維、３・・・・・・素材、３ａ・・・・・・表層部、３
ｂ・・・・・・中心部、４・・・・・・境界層、５・・
・・・・螺子内、６・・・・・・螺子成形用金型、７・
・・・・・プレスラム、８・・・・・・プレス成形品。 出願人　　フクビ化学工業株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. カーボンファイバ等の長繊維によって補強された合成樹
   脂製の螺子を製造するにあたり、前記長繊維を含有させ
   た熱可塑性合成樹脂から円筒棒状の素材を成形し、次い
   で、その素材を螺子成形用金型内に挿入し、加熱して軟
   化させた後、素材の長さ方向にプレスして素材の外表面
   に螺子山を形成するようになし、前記素材を成形するに
   際して、前記長繊維が素材の長さ方向に沿って配される
   ようになすとともに、その素材の表層部と中心部との間
   に、前記合成樹脂中の長繊維含有量が表層部および中心
   部に比して少ない境界層を形成し、かつ、その素材をプ
   レスするに際しては、前記境界層より外側の表層部に対
   して中心部より大きな押圧力を加えることを特徴とする
   合成樹脂製螺子の製造方法。