JPH0121926B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は穀稈を結束して放出する結束機の改良
に関する。

従来、結束機における放出アームの基部を、結
節部の間欠駆動板又はその軸に固定されていて該
間欠駆動板の外周から突出したアームと、結節部
の伝動ケースから突出させた揺動アームとに連結
することは既に知られているが、上記放出アーム
の先端は設定された一定の軌跡でかつ、所定の設
計速度で回動するので束を放出する時放出アーム
の先端の軌跡の逃げ勾配が大となり的確な放出が
できず、かつ穀稈が放出アームに絡んだ場合は束
離れが悪るかつた。

本発明は放出アームを束放出時に間欠駆動板と
の連繋を断つて慣性により所定の回行軌跡より大
きく外側方へ放出作動させることにより投擲力を
向上させて藁束を大きく外方に的確に放出すると
共に束離れを良好にするものであつて、ニードル
と、パツカーと、ドアと、結節部と、放出アーム
とを有し、前記結節部の結節軸を、ドア圧により
一回転クラツチが入り作動すると回転駆動するよ
うにした結束機において、前記放出アームの基部
を、間隔を隔てた２本の揺動アームで前記結節軸
に取付けた間欠回動板と、結節部の伝動ケース又
はそれと一体な部材とに連結し、前記間欠回動板
に連結した揺動アームはその間欠回動板との連結
部が放出アームとの連結部よりも先行して回動す
る姿勢となし、この揺動アームの放出アームとの
連結部に受動摺動部材を取付け、前記間欠回動板
の外周寄りに前記受動摺動部材が接合する駆動摺
接部材を取付けたことを特徴とするものである。

以下図面に示す実施例について説明すると、１
はコンバインの機台上に搭載した脱穀装置であつ
て、その後部には集束部６ａの上方に結節部２と
放出アーム３を設け、下方にパツカー４とニード
ル５を設けてなる結束装置６が装着してあり、前
記集束部６ａの外側部にはドアー７を設け、結束
装置６の入力軸８は脱穀装置１から後方へ延出さ
せた伝動軸９により駆動される。

１０はドアー７が作動して一回転クラツチが入
ると一回転する結束軸１１に固定した間欠回動板
であつて、ビル１２及びホルダー１３の傘歯車を
回転駆動し、上面の外周部にはローラー１４がピ
ン１５により軸支されている。

そして、前記放出アーム３の基部の集束部６ａ
側は前記間欠回動板１０から外方へ向けて突設し
たアーム１６の先端部に、揺動アーム（リンク）
１７を介して連結してあり、他側の端部は揺動ア
ーム１８を介して伝動ケース１９に立設された支
点ピン２０に連結してある。

また、集束部６ａ側の揺動アーム１７と放出ア
ーム３との連結部には放出アーム３と一体回動す
る卵型のカム板２１が設けてあり、該カム板２１
の基部は連結ピン２２と同心の円型に形成されて
おり、先端部は放出アーム３が放出姿勢となつた
時前記ローラー１４に向けて突出した姿勢でその
先端がローラー１４に当接している。

更に他方の揺動アーム１８は放出アーム３が放
出側最外点であるＰ点にある時第２図に示すよう
にその長さ方向と一致する巻きスプリング２３に
より引張られているのでカム板２１は前記Ｐ点で
は放出アーム３の自重のみにより、また他の部位
ではスプリング２３によりローラー１４に圧接さ
れている。

次に作用について説明すると脱穀装置１から排
出される排稈を排藁搬送体が後送し、その終端で
掻込輪２４が結束装置６の集束部に向けて掻込
み、次いでパツカー４がドアー７の前面の集束部
６ａに順次掻込む。

また、集束排稈が所定量に達すると、ドアー７
の傾動により一回転クラツチが入つてニードル５
と間欠回動板１０とが起動され、ニードル５は集
束排稈に結束紐を巻き掛け、間欠回動板１０はビ
ル１２、ホルダー１３を駆動して結節すると共に
放出アーム３を駆動する。

その間放出アーム３はＰ点を起点として矢印イ
方向に上昇し始じめ第４図ａに示す如くＡ位置か
らＢ位置に移行するにつれてカム板２１はその基
部側の同心円部がローラー１４に摺接するのでａ
点で従来の放出アームと同じ回行軌跡となり、以
後カム板２１は第４図ｂのＣ位置を経てＤ位置す
ぐ手前のＥ点までその基部の同心円部がローラー
１４に摺接しているので放出アーム３は従来方式
のものと同一軌跡で回行しているが前記Ｅ点を過
ぎるとカム板２１の突出部がローラー１４に乗り
上げて行くので放出アーム３の先端の軌跡はやゝ
下方に突出すると共に放出方向への速度を増進さ
れる。

その間に放出アーム３は結束された藁束を急速
に押し出し、それがＰ点に達すると慣性により
P′点までローラー１４から離れて飛び出しながら
藁束を既刈地に向けて大きく放出し、排稈が放出
アーム３に絡み付いていても該放出アーム３の
P′点に向う自在な跳ね出し作用により藁束は容易
に離脱する。

このような藁束放出を終ると、放出アーム３は
その飛出し状態で揺動アーム１８がスプリング２
３により下方へ向けて引張られているのでＰ点に
引き戻されて停止する。

また、前述の実施例ではカム板２１を放出アー
ム３側に取付けたが、このカム板２１をローラー
１４のピン１５に固定してその突出部を連結ピン
２２に向けて突出させ、連結ピン２２にローラー
１４を回転自在に軸支しても良い。

更に前述の実施例について、カム板２１をロー
ラーとし、これを前記間欠回動板１０に取付けて
あるローラー１４に摺接させても良く、その場合
は放出アーム３の先端の回行軌跡が従来方式と同
一になるが前記Ｐ点と対応する位置で放出アーム
３はP′点に相当する位置まで慣性により飛び出し
て放出作用を行う。

本発明は前述のように構成したので、放出アー
ムは藁束放出時にそれ自体の規制された放出位置
から離れて放出方向へ藁束を慣性により跳ね出す
ことになり、藁束は放出アームから無理なく離脱
し、しかも遠方へ的確に放出することができる。

また、少なくとも一方の摺接部材を他方の摺接
部材に向けて突出するカム板で構成したものは従
来方式のものよりカム板の突出長さ分だけ放出速
度が増速されると共に放出の最終行程の近傍で放
出アームの軌跡が緩傾斜となりながら大きく放出
方向に突出するので、藁束を一層遠くへかつ的確
に放出することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであつて、
第１図は結束装置を装着したコンバインの後部の
側面図、第２図は結束装置の側面図、第３図は放
出アームの作動部の断面図、第４図ａ，ｂは放出
アームの作動を示す側面図、第５図は対象例の側
面図である。 ３……放出アーム、１０……間欠回動板、１４
……ローラー、１７，１８……揺動アーム、２１
……カム板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ニードルと、パツカーと、ドアと、結節部
   と、放出アームとを有し、前記結節部の結節軸
   を、ドア圧により一回転クラツチが入り作動する
   と回転駆動するようにした結束機において、前記
   放出アームの基部を、間隔を隔てた２本の揺動ア
   ームで前記結節軸に取付けた間欠回動板と、結節
   部の伝動ケース又はそれと一体な部材とに連結
   し、前記間欠回動板に連結した揺動アームはその
   間欠回動板との連結部が放出アームとの連結部よ
   りも先行して回動する姿勢となし、この揺動アー
   ムの放出アームとの連結部に受動摺動部材を取付
   け、前記間欠回動板の外周寄りに前記受動摺動部
   材が接合する駆動摺接部材を取付けたことを特徴
   とする結束機。 ２ 少なくとも受動摺接部材を藁束放出時に駆動
   摺接部材に向けて突出するカム板で構成した特許
   請求の範囲第１項記載の結束機。