JPH0121751Y2 - - Google Patents

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JPH0121751Y2
JPH0121751Y2 JP1985080614U JP8061485U JPH0121751Y2 JP H0121751 Y2 JPH0121751 Y2 JP H0121751Y2 JP 1985080614 U JP1985080614 U JP 1985080614U JP 8061485 U JP8061485 U JP 8061485U JP H0121751 Y2 JPH0121751 Y2 JP H0121751Y2
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round blade
arbor shaft
round
nut
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Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、複数個の丸刃をアーバー軸に組み
込み、アーバー軸に螺合するナツトにより締めつ
けて各丸刃をアーバー軸に固定した丸刃工具に関
するものである。
「従来の技術」 上記丸刃工具は通常上、下1対としてカツタを
構成して、フイルム、磁気テープ等の裁断に用い
るものであるが、一般には第9図に示す如く、ア
ーバー軸1の丸刃取付け部1aに複数個の丸刃2
を組み込み、アーバー軸1の一端側のねじ部1b
に螺合する通常のナツト3を締め付けることによ
り、各丸刃2をアーバー軸1の他側の固定鍔部1
cとの間で押圧固定している。
ところで、フイルム、磁気テープ等の裁断に用
いる場合には、各丸刃2のアーバー軸軸線方向の
ピツチ、対応する上下刃間のピツチ誤差および各
丸刃2の側面のアーバー軸軸心に対する直角度及
び回転時の軸心方向のフレ(側面フレ)に関して
著しく高い寸法精度が要求される。したがつて、
単にアーバー軸1の固定鍔部1cの側面の直角
度、丸刃2の側面の加工精度を高めるだけでな
く、ねじ部1bの加工精度、ナツト3のねじ孔の
加工精度、およびナツトの側面の加工精度を充分
高くして、ナツト3が丸刃2の側面に正確な直角
度で面接触し、かつ、正確なアーバー軸軸線方向
の均等な面圧で丸刃2を押圧するように締め付け
なければならない。ナツト3がアーバー軸軸線方
向に対して傾斜して丸刃2を押圧固定すれば、丸
刃2はアーバー軸軸線に対して傾いて固定される
ことになり、上刃、下刃として上下1対で使用さ
れる場合には、高速度、かつ高精度で裁断する機
能を持つことができず、また、ねじ部1bに作用
する偏心した力による曲げモーメントが生じて、
アーバー軸1の丸刃取付け部1aに歪応力を与
え、経年変化による曲りを防止することができな
い。また、ナツト3が丸刃2を正しくアーバー軸
軸線方向に押圧しているとしても、その押圧力に
よつて、各丸刃2の圧縮変形により丸刃2のピツ
チが所望の厳格な寸法に設定されず、このピツチ
の誤差が累積して無視できないものとなり、ま
た、上刃、下刃の対応する丸刃の軸線方向のピツ
チの相互差が大きくなつてしまう。
第9図に示した如き単なるナツト3による締付
けでは、上記の如く厳格な要求を充分に満たすこ
とが困難であるため、第10図に示す如き、フロ
ーテイングナツト4を用いる方法が最近行われて
いる。このフローテイングナツト4は第11図に
要部を拡大して示すように、ナツト本体4aのね
じ孔4bの周囲に複数個のシリンダ筒4cを設
け、このシリンダ筒4cにそれぞれピストンピン
4dをナツト本体4aの一方の側面がわに出没自
在に嵌挿し、各シリンダ筒4cの奥方に形成され
る油室4eを連通路4fにより相互に連通させ、
また、第12図に示すように油室4eおよび連通
路4fの全容積(すなわち油が収容される容積)
を可変として油圧を調整するための加圧スクリユ
ー4gを設けたものである。
このフローテイングナツト4によれば、丸刃2
に対しては、等しい油圧力を受けるピストンピン
4dが押圧力を与えるので、アーバー軸1のねじ
部1bの精度、ナツト本体4aの側面の軸線に対
する直角度、あるいは面精度に影響されることな
く、押圧力は丸刃2に対して均一に作用する。し
たがつて、アーバー軸1の固定鍔部1cの側面を
軸心に対して直角に加工し、かつ、各丸刃2の両
側面の平行度を確保することによつて、常に丸刃
2の軸心に対する直角度を保つことが可能とな
る。
「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、一般に、丸刃2の材料としては
超硬製のものが、またアーバー軸1の材料として
スチール製のものが用いられているために、超硬
製の丸刃2は、熱膨張率が小さいが、スチール製
のアーバー軸1は丸刃2の熱膨張率よりも大きな
熱膨張率をもつている。そのために、たとえば回
転中に発生する熱により丸刃2の軸線方向全幅の
熱膨張による伸びよりも、アーバー軸2の軸方向
の熱膨張による伸びの方が大きくなる。このアー
バー軸1の伸びは、上記材料条件で、1.000mmの
軸長に対して5〜6μm/℃程度である。したがつ
て、低温から高温へと温度変化が大きい場合に
は、無視できない軸方向の長さの変化となつてし
まう。すなわち、アーバー軸1に螺合されて固定
されたフローテイングナツト4と、ピストンピン
4dによつて押圧されていた丸刃2との間の間隔
が徐々に広がる結果、装置の運転開始時は、加圧
スクリユー4gの操作によつて所望の押圧力を得
ていたとしても、運転中には所望の押圧力が得ら
れなくなるという問題があつた。
また、アーバー軸と丸刃2との熱膨張率の違い
は、低温から高温への温度上昇に限られず、常温
から低温(メーカーから空輸により出荷する場合
などに生じる)へと温度が下がる場合に、アーバ
ー軸1が弾性限界以上に縮んで遡性変形してしま
い、丸刃2に対して所望の押圧力よりも大きくな
つて締りすぎるという問題がある。
そして、丸刃2に対する押圧力の減少は、油も
れ等の事故等によつても発生するおそれがある。
この考案では、丸刃とアーバー軸との熱膨張率
の違い、そして油もれなどの事故を原因とする丸
刃に対する押圧力の変動(増加・減少)といつた
点を問題としている。
「問題点を解決するための手段」 この考案の丸刃工具は、複数個の丸刃と、この
丸刃を組み込んだアーバー軸と、このアーバー軸
の少なくとも一端側でアーバー軸に螺合して丸刃
を固定するナツトとを基本的な前提条件とし、ナ
ツトにシリンダ筒をその奥部に油室を連通させて
形成し、そのシリンダ筒に加圧操作部材の油圧の
増減によつて出没させるピストンピンを嵌挿して
構成される。
そして、この考案の特徴は、前記構成を前提と
してピストンピンとピストンピンによつて押圧さ
れる丸刃との間にピストンピンによつて付勢され
て丸刃を押圧する弾性部材を介装した点にある。
「作用」 アーバー軸と丸刃との熱膨張率が違つても、丸
刃に対して所定の押圧力となるように、いつたん
フローテイングナツトを調節すれば、温度変化に
よるアーバー軸の伸・縮の変化は、ピストンピン
と丸刃との間に介装された弾性部材により吸収さ
れる。したがつて、種々な要因による温度変化に
対応して丸刃に対する押圧力を常にほぼ一定とす
ることができる。また、油もれ等があつてピスト
ンピンが丸刃と反対の方向に変位した場合でも、
この変位分を弾性部材が伸びて丸刃を押圧するよ
うに作用する。このため、油圧による急激な押圧
力の変化を防ぐことができる。
「実施例」 以下本考案の一実施例を第1〜8図に従つて説
明する。
本考案の丸刃工具を示す第1図において、フロ
ーテイングナツト10以外については第9図、第
10図の従来のものと共通するので、同じ記号を
付して説明を省略する。本考案におけるフローテ
イングナツト10は、第2図イ,ロ第3図イ,ロ
に示すように、中央部にねじ孔11を持つナツト
本体12の周縁部にねじ孔中心線方向をなす複数
個のシリンダ筒13を有し、各シリンダ筒13の
奥部(第2図ロにおいて右方、すなわち丸刃2の
反対側)に油室14を有して形成されている。各
油室14は、連通路15を介して相互に連通され
ている。各シリンダ筒13には、ナツト本体12
の一方の側面(第2図ロにおいて左方、すなわち
丸刃2側の側面)がわに出没自在にピストンピン
16が嵌挿されている。ナツト本体12の他方の
側面には、第3図イ,ロに示すように、前記連通
路15に連通する円筒状の加圧用油室17に進退
自在に設けられて、前記油室14の油圧を増減さ
せる加圧スクリユー(すなわち加圧操作部材)1
8が設けられている。この加圧スクリユー18
は、ナツト本体12の外周部に設けることもでき
る。
前記ピストンピン16は、段付きとされ、出没
部16aが若干細径とされており、段部16bが
ナツト本体12の側面に取り付けられた側面板2
0により規制されて、抜け止めが図られる。ま
た、前記加圧スクリユー18は、先端側にピスト
ン部18aを有し、このピストン部18aが前記
加圧用油室17内に摺動可能に嵌合しており、加
圧用油室17は第4図に示す如く前記連通路15
に側面板20がわから連絡孔17aを介して連通
して設けられている。
前記ピストンピン16とこのピストンピン16
によつて押圧される丸刃2の側面との間にあつて
アーバー軸1には、第1図イ,ロに示すように、
皿ばねからなる弾性部材50がホルダ51を介し
て介装されている。ここにいう弾性部材50の他
の材料としては、圧縮コイルばね、あるいはヤン
グ率が低く弾性限界までの歪量の大きな金属・ゴ
ムなどの樹脂、または第1図ハ,ニに示すような
ピストン52とシリンダ53とからなるエアシリ
ンダ54などであつてもよく、要はピストンピン
16の押圧力に対して軸方向に弾性変形可能なも
のであればよい。なお、第1図ハにおいて符号5
2aは、丸刃2を押圧するピストン本体、54は
シール、55はシリンダ筒である。
フローテイングナツト10には、さらにナツト
本体12の前記他方の側面に、前記連通路15に
外部から後述する如き圧力感知装置の圧力検出用
ロツドの一端を臨ませて、この圧力検出用ロツド
を介して油室14内の圧力を外部に伝達すること
ができる圧力感知装置接続部19を設けている。
前記圧力感知装置接続部19は、第5図、第6
図に示す如き圧力感知装置21を接続するための
もので、この圧力感知装置21は、圧力伝達部2
2と、加圧ユニツト部23と、ブルドン管24と
からなり、圧力伝達部22が前記圧力感知装置接
続部19に接続される。
圧力感知装置接続部19および圧力感知装置2
1の詳細を第7図により説明する。
圧力感知装置接続部19は、連通路15(なお
第7図に図示の連通路は第2図ロに図示のものと
連通しており同じものである)に小孔25を介し
て連通するねじ孔26に逆止弁27を設けてな
り、この逆止弁27は、円筒孔27aの内側端の
弁座にスプリング27bによりボール27cを押
し付けて、構成されている。
圧力感知装置21の加圧ユニツト部23は、内
部に円筒状の測圧用油室28を有し、この測圧用
油室28に摺動可能に嵌合するピストン部29a
を持つ調整スクリユー29がねじ孔30に螺合さ
れ、測圧用油室28に開口するブルドン管取付け
用のねじ孔31があけられ、また、下面側には圧
力検出用ロツド32を摺動可能に嵌入する円筒孔
33があけられている。
圧力伝達部22は、前記圧力検出用ロツド32
を摺動可能に嵌入する円筒孔34を持つ本体部3
5を有し、この本体部35は逆止弁27の円筒孔
27aに嵌入可能で、かつ、下端に切欠き35d
(第8図の拡大図参照)を持つ小径筒部35a、
この小径筒部35aの上部の中径筒部35bを有
し、この中径筒部35bには、圧力感知装置接続
部19のねじ孔26に螺着されるねじ部36aを
持つ取付け用部材36が回転自在に嵌装され、こ
の取付け用部材36はホルダ37により本体部3
5に保持されている。また、前記圧力検出用ロツ
ド32の上方部にはつば32aが固定され、本体
部35には、このつば32aの若干距離の移動を
許容させる凹部35cが形成されている。
次に操作について説明する。
(1) まず、アーバー軸1に所定の丸刃2を組み込
み、フローテイングナツト10をねじ部1bに
螺合させ、これを回わして丸刃2を締め付け
る。この締付けは最終的な締付けではない。
(2) 次に、圧力感知装置21をフローテイングナ
ツト10の圧力感知装置接続部19に接続す
る。この接続は、圧力伝達部22の先端の小径
筒部35aを圧力感知装置接続部19の逆止弁
27の円筒孔27aに挿入し、取付け用部材3
6を回わしてそのねじ部36aをねじ孔26に
ねじ込んで行う。この操作により、小径筒部3
5aが逆止弁27のボール27cを押し下げ、
小径筒部35a内にその下端部の切欠き35d
から油が流入し、圧力検出用ロツド32の下面
に連通路15の油圧が作用する。
(3) 次いで、フローテイングナツト10の加圧ス
クリユー18を緩め、かつ、圧力感知装置21
の調整スクリユー29を緩める。この時、フロ
ーテイングナツト10の油室14内の圧力、お
よび圧力感知装置21内の測圧用油室28の圧
力は充分低い。
(4) 次いで調整スクリユー29を締めて、測圧用
油室28内の容積を減少させることによりその
油圧を高め、フローテイングナツト10の所望
の設定圧、例えば200Kg/cm2にまで上昇させる。
この圧力はブルドン管24で続み取る。この段
階では、圧力検出用ロツド32は、つば32a
が凹部35cの下面に当たる状態、すなわち下
降限位置にまで測圧用油室28内の油圧により
押し下げられている。
(5) 次いで、フローテイングナツト10の加圧ス
クリユー18を締めて、ブルドン管24のゲー
ジ圧を前記設定圧200Kg/cm2より若干高い圧力、
例えば205Kg/cm2まで上昇させる。すなわち、
加圧スクリユー18を締めると、フローテイン
グナツト10内の油圧が上昇し、この油圧は、
圧力検出用ロツド32の下面に作用するので、
フローテイングナツト10内の油圧が圧力感知
装置21の測圧用油室28内の油圧より高くな
ると、圧力検出用ロツド32は上昇し、この上
昇に伴つて測圧用油室28内の容積が減少する
ので、測圧用油室28内の油圧が上昇する。そ
して、圧力検出用ロツド32のつば32aが上
昇限位置に達するまでは、圧力検出用ロツド3
2の上端面に作用する力と下端面に作用する力
とは釣り合つているので、その状態では、フロ
ーテイングナツト10内の油圧と測圧用油室2
8内の油圧とは等しく、したがつて、フローテ
イングナツト10内の油圧をブルドン管24の
ゲージ圧として検出することができる。以上の
操作は、フローテイングナツト10内の油圧、
および測圧用油室28内の油圧をおおよそ設定
値、すなわち200Kg/cm2の近くにしておくため
の粗調整である。
(6) 次いで、調整スクリユー29を若干緩めてゲ
ージ圧を200Kg/cm2程度に再び降下させる。こ
の状態では、圧力検出用ロツド32のつば32
aは上昇限位置又は中間位置にある。
(7) 次いで、加圧スクリユー18を若干緩めてゲ
ージ圧を195Kg/cm2程度にまで降下させる。こ
の操作により、圧力検出用ロツド32のつば3
2aが上昇限位置にないことを確認することが
できる。
(8) 次いで、加圧スクリユー18を緩めてゲージ
圧を設定値、すなわち200Kg/cm2に上昇させる。
以上の操作によりフローテイングナツト10内
の油圧を設定圧にする操作が完了し、取付け用部
材36を回わしてこれを圧力感知装置接続部19
から外すことにより、圧力感知装置21をフロー
テイングナツト10から取り外す。この時、逆止
弁27のボール27cが円筒孔27aを閉ざす。
以上の(3)〜(8)の操作において、加圧スクリユー
18および調整スクリユー29の締めあるいは緩
めをくり返すのは、圧力の設定値200Kg/cm2近傍
に粗調整すること、および、その状態で圧力検出
用ロツド32のつば32aが上昇限、下降限位置
でなく確実に中間位置に存在せしめることの目的
による。したがつて、次の簡便な手順によること
もできる。すなわち、加圧スクリユー18および
調整スクリユー29を緩めた前述(3)の状態から調
整スクリユー29を締めて測圧用油室28内の油
圧を上昇させる際((4)の操作に対応する)に、
200Kg/cm2に上昇させるのでなく例えば若干低い
195Kg/cm2に上昇させ、この時圧力検出用ロツド
32のつば32aは下降限にあるから、この状態
から加圧スクリユー18を締めてゲージ圧を直接
設定値である200Kg/cm2に上昇させるという操作
である。この簡便な方法でも、ブルドン管24の
指針の動きを注意して見て、指針がまだ上昇中の
状態で設定値の200Kg/cm2に達する場合であれば、
つば32aが上昇限位置に達しない釣合い状態に
あるので、フローテイングナツト10内の油圧が
ゲージ圧として正しく測定できる。
上述の如きフローテイングナツト10内の油圧
の測定においては、ブルドン管24内に流入する
油は圧力感知装置21側の容積大なる測圧用油室
28内の油であり、その湯量はブルドン管24を
作動させるに充分な量である。一方、圧力測定時
に、フローテイングナツト10内の油は、小径筒
部35a内の圧力検出用ロツド32下端面下方空
間に流入するのみで、その容積はごくわずかであ
るから、フローテイングナツト10内の小なる湯
量でも充分に対応できる。このように、本考案に
おいては、フローテイングナツト10内の油を直
接ブルドン管24に流入させるものでなく、圧力
検出ロツド32を介し油圧としてブルドン管24
に伝達するものであるから、フローテイングナツ
ト10内の湯量が少ないにもかかわらず、ブルド
ン管24により油圧を直接測定することができ
る。
以上の如き操作をしてフローテイングナツト1
0の締め付けを行つた丸刃工具においては、ま
ず、各丸刃2に対する押圧力が油圧を受けたピス
トンピン16により与えられるものであり、ピス
トンピン16には均等な力が作用するから、丸刃
2は正しく軸線方向の力を受け、軸線に対して高
精度で直角度を保つてアーバー軸1に締付け固定
される。そして、本考案においてはさらに、フロ
ーテイングナツト10内の油圧、つまり、油室1
4の油圧を所望の圧力に正確に調整することがで
きるから、フローテイングナツト10による丸刃
2に対する押圧力を所望の最適の大きさとするこ
とができる。したがつて、各丸刃2の軸線方向の
ピツチを充分高い精度で所望のものとすることが
でき、かつ、上刃側丸刃工具の丸刃と下刃側丸刃
工具の丸刃との軸線方向のスキマを正しく設定す
ることができる。
このようにして、丸刃2は所望の押圧力を得る
ことができるのであるが、さらには、装置の運転
中であつても、丸刃2とピストンピン16との間
に介装された弾性部材50によつて、熱によるア
ーバー軸1の軸線方向の伸びを吸収して、丸刃2
に対して押圧力をほぼ一定とすることができる。
また、万が一、油もれ等の事故が発生してピスト
ンピン16が丸刃2と反対の方向に変位しても、
この変位分を弾性部材50が伸びて丸刃2を押圧
するように作用する。このため、急激な油圧力の
変化を弾性部材50によつて吸収し、丸刃2に対
する締付力を徐々に変化させることができる。ま
た、常温から低温へと温度変化する場合など、要
は、所定の押圧力をセツトしたときと、装置の運
転中、すなわち丸刃2での切断加工中とで温度変
化があつても、温度変化によるアーバー軸1の伸
縮(「縮」は常温から低温へと下降する場合のほ
か、丸刃2の材料としてダイス鋼を、そしてアー
バー軸1の材料としてセラミツクなどを用いた場
合などに生じる)を、弾性部材50により吸収し
て、丸刃2に対する締付け力をほぼ一定に保つこ
とができる。
また、この実施例では、フローテイングナツト
10と丸刃2との間にワツシヤなどを介在させて
いない。したがつて、アーバー軸1の軸間距離を
可能な限り短かくすることができ、アーバー軸1
の剛性を高めることができる。
なお、実施例において圧力感知装置接続部19
は、逆止弁27を設け、圧力感知装置21の先端
の小径筒部35aを逆止弁27の円筒孔27aに
嵌入させる構造であるが、これに限らず、圧力感
知装置の圧力検出用ロツド32の下端を嵌入させ
てフローテイングナツト10内の油圧を圧力検出
用ロツド32の下端面に作用せしめ得るものであ
ればよい。つまり、フローテイングナツト10内
の油圧を圧力検出用ロツド32を介して外部に伝
達させ得るものであればよい。そしてまた、本考
案のフローテイングナツト10に使用する圧力感
知装置は、摺動可能な圧力検出用ロツド32を備
え、この圧力検出用ロツド32の上端面に連通す
る測圧用油室28を備え、この測圧用油室28の
容積を増減させる調整手段を備えたものであれば
よい。
「考案の効果」 以上説明したように本考案の丸刃工具は、フロ
ーテイングナツトを用いて丸刃をアーバー軸に締
め付け固定するものであり、このフローテイング
ナツトは、ナツト本体に設けた複数のシリンダ筒
内に嵌挿されて、ナツト本体の一方の側面がわに
出没自在のピストンピンを備え、かつこのピスト
ンピンはシリンダ筒の奥方部の油室の油圧を受け
るものであり、かつ各油室は相互に連通路を介し
て連通し、かつ、油室の油圧を増減させる加圧操
作部(加圧スクリユー)を備え、かつピストンピ
ンと丸刃との間には、ピストンピンによつて付勢
されて丸刃を押圧する弾性部材を介装したもので
ある。
したがつて、丸刃とピストンピンとの間に介装
された弾性部材によつて、温度変化によるアーバ
ー軸1の軸線方向の伸・縮を吸収して、丸刃に対
する押圧力をほぼ一定とすることができる。ま
た、万が一、油もれ等の事故が発生しても急激な
油圧力の変化、すなわち丸刃に対する締付力を
徐々に変化させることができる。また、ワツシヤ
を介在させていないので、軸間距離を短くとれ、
アーバー軸の剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜8図以下は本考案の一実施例を示すもの
で、第1図イは丸刃工具の中心線片側断面の側面
図、同図ロはその要部拡大図、同図ハは変形例で
あるエアシリンダを用いた場合の半断面図、同図
ニはそのG−G線矢視図、第2図イは第1図にお
けるフローテイングナツトのA矢視正面図、同図
ロは同図イにおける一部B−B線断面の側面図、
第3図イは第1図におけるC矢視正面図、同図ロ
は同図イにおける一部D−D線断面の側面図、第
4図は第3図イにおけるE−E線要部断面図、第
5図はフローテイングナツトに取り付けられた圧
力感知装置の正面図、第6図は同側面図、第7図
は第6図におけるF−F線断面図、第8図は小径
筒部先端の拡大図である。第9図は従来の丸刃工
具の中心線片側断面の側面図、第10図は他の従
来の丸刃工具の中心線片側断面の側面図、第11
図は第10図における要部拡大図、第12図は第
11図におけるフローテイングナツトの要部断面
図である。 1……アーバー軸、1a……丸刃取付け部、1
b……ねじ部、1c……固定鍔部、2……丸刃、
10……フローテイングナツト、11……ねじ
孔、12……ナツト本体、13……シリンダ筒、
14……油室、15……連通路、16……ピスト
ンピン、17……加圧用油室、18……加圧スク
リユー(加圧操作部材)、50……弾性部材。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 複数個の丸刃をアーバー軸に組み込み少なくと
    もアーバー軸の一端側でアーバー軸に螺合するナ
    ツトにより丸刃をアーバー軸軸線方向に締め付け
    て丸刃をアーバー軸に固定する丸刃工具であつ
    て、前記ナツトは、中央部にねじ孔を持つナツト
    本体の周縁部にねじ孔中心線方向をなす複数個の
    シリンダ筒を有し、各シリンダ筒の奥部にはそれ
    ぞれ油室が形成されるとともに、各油室は連通路
    を介して相互に連通され、各シリンダ筒にはナツ
    ト本体の一方の側面がわに出没自在にピストンピ
    ンが嵌挿され、ナツト本体の他方の側面または外
    周部には、前記連通路に連通する加圧用油室に進
    退自在に設けられて前記油室の油圧を増減させる
    加圧操作部材が設けられ、前記ピストンピンとピ
    ストンピンによつて押圧される丸刃との間には、
    ピストンピンによつて付勢されて丸刃を押圧する
    弾性部材が介装されてなることを特徴とする丸刃
    工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS601931U (ja) * 1983-06-20 1985-01-09 ヤンマーディーゼル株式会社 内燃機関のアイドルスプリング装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS601931U (ja) * 1983-06-20 1985-01-09 ヤンマーディーゼル株式会社 内燃機関のアイドルスプリング装置

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