JPH01215991A - 酸洗いの酸液用添加剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、酸洗いの酸液用添加剤に関し、詳しくは酸洗
いの酸液における金属の溶解を抑制する添加剤に関し、
さらに詳しくは、金属製品の酸洗いの酸液において金属
の表面に発生した金属塩または金属の酸化物のスケール
および錆を除去するが、金属そのものの溶解を抑制する
酸洗いの酸液用添加剤に関する。

本発明の酸洗いの酸液用添加剤は、金属製品の表面処理
のための酸洗いの酸液に対する添加物として利用するこ
とができ、また本発明の酸洗いの酸液用添加剤を使用し
た酸洗いの酸液は、金属製品またはその材料の塗装、ホ
ウロウ掛け、メツキ、リン酸塩処理または冷間圧延処理
などの金属の表面処理における金属表面の清浄化処理に
利用することができる。

〔技術の背景および従来技術の説明〕

金属の表面処理において、金属表面の研磨や成形を、薬
液による金属の化学溶解を利用して行なうことは、金属
表面の化学研磨として古くから知られており、アルミニ
ウム、鉄、鍔、亜鉛またはカドミウムなどの金属を、リ
ン酸、硝酸、クロム酸、塩酸、フッ酸または硫酸を基本
浴成分とする薬液に浸漬して、その表面を清浄化するこ
とが知られている。（「化学便覧」丸善株式会社発行第
１１５０頁〜「金属表面処理」） これらの金属の表面処理において、薬液中の酸は、金属
表面のスケールおよび錆を溶解し、除去するが、清浄化
された表面の金属をさらに溶解して、金属表面を浸食、
溶解するだけでなく、金属の溶解により生成した金属塩
濃度の増加により薬液の使用寿命を短縮する。この金属
表面の浸食、溶解を抑制するための添加物を薬液に加え
ることが知られている。塩酸による鉄または鋼の表面処
理において、塩酸にアルキルアミン、ベンジルキノリニ
ウム、アルキルベンジルキノリニウムハライド、ｎ−ア
ルキルトリメチルアンモニウム、ｎ−アルキルピリジニ
ウム、ｎ−アルキルキノリニウム、ヘキサメチレンテト
ラミン（ウロトロビン）などの含窒素化合物、ヒドロキ
シアセチレン、プロパルギルアルコール、プロパルギル
エーテル、プロパルギルチオエーテル、メルカプタン、
スルホニウム化合物、スルホキシド、チオシアネート、
チオ尿素およびチアゾールに属する化合物を加えて、鉄
や銅の浸食、溶解を抑制することが提案され、またこれ
らの抑制剤の中には、アルミニウム、その合金、ニッケ
ル、チタンまたはその合金などの浸食および溶解の抑制
に有効なもののあることも知られており、さらに硫酸、
硝酸、フッ酸およびリン酸による金属の溶解および浸食
の抑制に有効な抑制物質のあることも知られている。〔
ジー・シュミット：抑制剤に対する浸食作業部会のヨー
ロッパ会議のために作成された報告（Ｇ、Ｓｃｈｍｉｄ
ｔ　：Ｒｅｐｏｒｔ　ｐｒｅｐａｒｅｄ　ｆｏｒ　ｔｈ
ｅ　Ｅｕｒｏｐｅａｎ　Ｆｅｄｅｒａｔｉｏｎｏｆ　Ｃ
ｏｒｒｏｓｉｏｎ　Ｗｏｒｋ４ｎｇ　Ｐａｒｔｙ　ｏｎ
　Ｔｎｈｉｂｉｔｏｒ　）、酸浴のための抑制剤の適用
（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ　ｏｆＩｎｈｉｂｔｏｒ　ｆ
ｏｒ　Ａｃ１ｄ　Ｍｅｄｉａ　）　）さらに金属表面の
スケールやサビを除去するための酸洗いの酸液に第４級
アンモニウム化合物、またはアンモニウム化合物および
第４級アンモニウム化合物以外の葡機窒素化合物を添加
し、それによって脱スケール効果、腐食抑制効果および
水素８危性抑制効果を向上し、また酸洗い液の濁り、沈
デン物、油状物質の生成および廃酸処理における泡立ち
を抑制することが提案されている。（特開昭６１−３７
９８８号公報） 本発明者らは、金属製品の表面処理における酸洗いの研
究において、塩酸に対するヘキサメチレンテトラミンの
鉄の溶解抑制効果が、ポリビニルアルコールの添加によ
り向上することを見出し、この知見に基づいて本発明に
到達した。

〔発明の目的および発明の要約〕

本発明の目的は、酸洗いの酸液における金属の溶解を抑
制する添加剤を提供することにあり、詳しくは、酸洗い
の酸液において、金属の表面に発生した金属塩または金
属酸化物のスケールおよび錆を除去するが、金属そのも
のの溶解を抑制する酸洗いの酸液における添加剤を提供
することにある。

本発明のもう一つの目的は、金属の表面処理において、
金属表面のスケールおよび錆を除去するが、金属そのも
のを浸食および溶解することなく、金属表面を清浄化す
ることができる酸洗いの酸液を提供することにある。

本発明は、ヘキサメチレンテトラミンおよびポリビニル
アルコールからなることを特徴とする酸洗いの酸液用添
加剤である。

本発明の酸洗いの酸液用添加剤は、ヘキサメチレンテト
ラミンおよびポリビニルアルコールにジエチレングリコ
ールを加えて、金属の溶解、浸食抑制効果を向上するこ
とができる。

本発明の酸洗いの酸液用添加剤は、塩酸、硫酸、リン酸
、フッ化水素酸などの金属の表面処理における酸洗いに
おいて通常使用する酸液に対する添加物として使用する
ことができるが、塩酸とリン酸、および硫酸とリン酸の
混合酸に添加すると、その錆落しおよびスケール除去の
効果を向上し、金属の表面処理において、金属の溶解を
抑制するとともに、きれいで清浄化された表面を造出す
ることかできる。

〔発明の詳細な説明〕

本発明の酸洗いの酸液用添加剤は、ヘキサメチレンテト
ラミン１００重量部に対して４０００〜２００００重量
部のポリビニルアルコールを配合する。

ヘキサメチレンテトラミンおよびポリビニルアルコール
は、粉状または水溶液のどのような形態においても配合
することができるが、水溶液の状態において配合するの
が好ましい。ヘキサメチレンテトラミンおよびポリビニ
ルアルコールを水溶液の状態で配合することによって、
酸洗いの酸液に添加した時に、良好な溶解状態を保持す
ることが容易になる、という利点、効果がある。

本発明のヘキサメチレンテトラミンおよびポリビニルア
ルコールからなる酸洗いの酸液用添加剤にジエチレング
リコールを添加する場合は、ヘキサメチレンテトラミン
１００重量部に対して４０００〜２００００重量部のポ
リビニルアルコールおよび２０００〜２００００重量部
のジエチレングリコールを配合するが、これらのものは
酸洗いの酸液に添加した時に、良好な溶解状態を維持す
るために、水溶液の状態で配合するのが好ましい。

本発明の酸洗いの酸液用添加剤におけるヘキサメチレン
テトラミン、ポリビニルアルコールおよびジエチレング
リコールは、それぞれの水溶液を酸洗いの酸液に加えて
、配合することもできる。

本発明の酸洗いの酸液用添加剤は、塩酸、硫酸、リン酸
、フッ化水素酸またはその他の酸洗いに通常用いられる
酸液に添加することができるが、塩酸およびリン酸の混
合酸液または硫酸およびリン酸の混合酸液に添加するこ
ともできる。これらの混合酸液に本発明の酸洗いの酸液
用添加剤を添加すると、酸洗いにおける金属表面におけ
る錆取り反応を促進し、仕上りのきれいな金属表面を形
成することができる。

本発明の酸洗いの酸液用添加剤は、酸液１００重量部に
対してヘキサメチレンテトラミン０．００５〜０．２重
量部（好ましくは０．０５〜０．１重量部）の量におい
て酸液に添加される。

次に実施例に代りうる試験例により本発明をさらに詳し
く説明する。

試験例　１ ヘキサメチレンテトラミンくウロトロビン、ヘキサミン
）が塩酸による鉄の溶解を抑制する効果に対するポリビ
ニルアルコールおよびジエチレングリコールの影響につ
いて試験を行なった。

（＋）試験溶液の調製 ２０．０−の４Ｍ塩酸に、０．５％ヘキサメチレンテト
ラミン水溶液０．５−を加え、これに第１表に示す量の
２％ポリビニルアルコール（重合度：５００）水溶液お
よび２％ジエチレングリコール水溶液を加え、さらに水
を加えて総量を４０．０−にして、試験溶液を調製した
。

（２）試験方法 鉄片（１０間×１０闘×１朋）の重量を精秤し、この鉄
片を試験溶液に浸漬し、常温において２時間放置した後
、鉄片を試験溶液から取り出し、充分に水洗した。風乾
後、鉄片の重量を精秤し、浸漬中の重量損失から試験溶
液による鉄片の溶解量（■／ｃＪ）を算出した。

（３）試験の結果 第１表に示すとおりであった。

（以下余白） 第１表　ヘキサメチレンテトラミンに対するポリビニル
アルコールおよびジエチレングリ（注）　　ＨＥＸＡ　
：ヘキサメチレンテトラミンＰＶＡ　　：ポリビニルア
ルコール ＤＥ（、：ジエチレングリコール （４）考察 ヘキサメチレンテトラミンの塩酸による鉄の溶解の抑制
効果は、ポリビニルアルコールの添加により増大するが
、ジエチレングリコールの添加では、それ程顕著に増大
しない。しかしながらポリビニルアルコールおよびジエ
チレングリコールの両者を添加すると、ヘキサメチレン
テトラミンの塩酸による鉄の溶解の抑制効果は、＠著に
増大し、それはポリビニルアルコールの単独を添加した
ときよりも大きい。

試験例　２ ヘキサメチレンテトラミン（ウロトロピン、ヘキサミン
）が塩酸による鉄の溶解を抑制する効果に対するポリビ
ニルアルコールの影響をリン酸の共存する系について試
験を行なった。

（１）試験溶液の調製 ２０、、Ｏｄの４Ｍ塩酸に、０．５％ヘキサメチレンテ
トラミン水溶液０．５−を加え、これに第２表に示す量
のリン酸（＋　：　２）および２％ポリビニルアルコー
ル（重合度：５００）水溶液を加え、さらに水を加えて
総量を４０．０ｄにして、試験溶液を調製した。

（２）試験方法 表面に赤錆を生じた鉄片（１０ｍｍＸＩＯ朋×１間）の
重量を精秤し、この鉄片を試験溶液に浸漬し、常温にお
いて２時間放置した後、鉄片を試験溶液から取り出し、
充分に水洗した。風乾後、鉄片の重量を精秤し、浸漬中
の重量損失から試験溶液による錆の除去量および鉄片の
溶解量（■／ｃＪ）を算出した。

（３）試験の結果 第２表に示すとおりであった。

（以下余白） 第２表　リン酸の存在におけるポリビニルアルコールの
添加（２Ｍ　ＨＣＩ　） （注）　　ＨＥＸＡ　：ヘキサメチレンテトラミンＰＶ
Ａ　　：ポリビニルアルコール （４）所見および考察 いずれの場合も、赤錆は除去され、きれいな金属表面で
あった。

ヘキサメチレンテトラミンの塩酸による鉄の溶解を抑制
する効果は、リン酸の共存により錆の除去を促進しても
、ポリビニルアルコールの添加により増大する。

〔発明の効果〕

金属の表面処理における酸洗いにおいて、金属の溶解、
浸食を抑制することができ、その金属の溶解、浸食の抑
制効果は、リン酸の共存により錆の除去を促進しても減
少することなく、持続する。

金属の表面処理において、仕上りのきれいな金属表面を
形成することができる。

出願人　積水化成品工業株式会社

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）ヘキサメチレンテトラミンおよびポリビニルアル
   コールからなることを特徴とする酸洗いの酸液用添加剤
   。
2. （２）ヘキサメチレンテトラミン、ポリビニルアルコー
   ルおよびジエチレングリコールからなることを特徴とす
   る酸洗いの酸液用添加剤。