JPH01213323A - アルカリ可溶性重合体およびその製造法 - Google Patents

アルカリ可溶性重合体およびその製造法

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JPH01213323A
JPH01213323A JP63325695A JP32569588A JPH01213323A JP H01213323 A JPH01213323 A JP H01213323A JP 63325695 A JP63325695 A JP 63325695A JP 32569588 A JP32569588 A JP 32569588A JP H01213323 A JPH01213323 A JP H01213323A
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JP
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polymer
monomer
graft
carboxylic acid
reaction
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JP63325695A
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Kathleen J Bixler
キヤサリーン ジエー.ビクスラー
Kevin M Scholsky
ケヴイン エム.シヨルスキイ
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SC Johnson and Son Inc
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SC Johnson and Son Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/02Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • C08G63/06Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds derived from hydroxycarboxylic acids
    • C08G63/08Lactones or lactides

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、−Mにある種のアルカリ可溶性重合体の重合
方法に関するものである。より詳しくは、本発明は、か
かる重合体を製造するために、はぼ同時に起る少なくと
も二種類の異なった反応機構を利用する重合方法に関す
るものである。
本発明はまた本明細書に記載する新規な製造方法によっ
て製造し、かつ、この製造方法を利用した結果書られる
前記のアルカリ可溶性重合体に関するものである。
グラフト重合体は公知である1例えばフリッチフィール
ド(Cr1tchfield1等の米国特許筒3.76
0,034号には、ある種のラクトンポリエステルのグ
ラフト共重合体を一般的に開示している。より詳しくは
、フリッチフィールドの特許は、このようなりラフト共
重合体は、ラクトンポリエステルとエチレン性不飽和単
量体を利用して得られることを、具体的に教示している
。このような方針に沿って、他の研究者がジブチルスズ
オキシド触媒の存在下で、低分子量のヒドロキシアクリ
ル重合体にカプロラクトンをグラフトする方法を見出し
たことを報告している(ジャーナル・才ブ・コーティン
グ・テクノロジー、1982年lO月、第54巻、第6
93号、第77−81頁参照)。
簡単にいえば、グラフト共重合体とは、少なくとも1個
の主鎖と、このようなそれぞれの主鎖に結合している複
数の側鎖から成るものである。サンブソン(San+p
son )等の米国特許筒3.892,714号および
第4.005.155号には、主鎖と、これに結合した
側鎖と、これら側鎖間の架橋単位を含むある種の高分子
組成物が開示されている。サンブソン等は、二種類また
はそれ以上のエチレン性不飽和単量体(そのうち少なく
とも一種類はヒドロキシル基を持っている)の共重合体
からなる主鎖と、このヒドロキシル基に結合しているラ
クトン鎖からなる側鎖について教示している。さらに詳
しくは、サンブソン等は、米国特許筒3.892,71
4号において、ジイソシアネートのようなポリイソシア
ネートからなる架橋単位を開示している。米国特許筒4
.005,155号においては、サンブソン等は、尿素
ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒドまたはベ
ンゾグアナミンホルムアルデヒドのようなアミノ樹脂か
らなる架橋単位を開示している。
代表的には、クラフト重合体は一連の反応段階を利用し
て逐次な方式で製造されている。例えば、特定の反応段
階を利用して一種類の重合体を先ず形成させる。つぎに
この形成した重合体をいわゆる「主鎖」として利用し、
これにある種の側鎖をグラフトさせる。詳しくいえば、
代表的には形成した、高分子主鎖は、それに続(反応段
階により、それに側鎖がグラフトされる。このようにし
てグラフト重合体を形成する方法では、別個の反応段階
を行なわせるために、別個の反応容器を使用する必要が
ある。(例えばフリッチフィールド等の米国特許筒3,
760,034号の実施例1を参照のこと、) さらにまた、従来のグラフト重合体製造法(前記したよ
うな)では、希望する重合体の主鎖および/または側鎖
を形成するため通常は触媒を利用している。例えばベイ
ン(Bayne)等の英国特許筒1.443,073号
を参照すると、この特許は、一つの反応段階で、三成分
の反応を達成させるため触媒としてオクタン酸第−スズ
を使用することが「必須」であることを教示している。
この点に関して、ツイスタ(Fisklらの米国特許筒
4.082,816号について記載すると、この特許は
カプロラクトン変性アクリル重合体の製造に関するもの
であり、発明者達は重合媒質には、カプロラクトン用の
重合触媒を「含有する必要がある」ことをとくに指摘し
ている。(さらにサンブソン等の米国特許筒3.892
,714号および第4.005.155号では、有機過
酸素仕合物、有機過酸化物、有機ヒドロペルオキシドま
たは2,2°−アゾビス−2−メチルプロピオニトリル
のようなアゾ化合物などのような触媒を使用することを
開示している)。しかじ主鎖と側鎖の形成を同時に行わ
せるための触媒を使用することは、多(の理由から望ま
しことではない。
一般に触媒は、−a類の特定の触媒反応性成分の反応を
有利かつ最適に行わせるために選ばれるものである。−
段反応において二種類またはそれ以上の化学反応を行わ
せるための触媒を使用する場合の問題点の一つは一般に
主鎖「形成」重合反応、または側鎖「グラフト」重合反
応のいずれかを行わせるのに使用する触媒は、反応機構
に望ましくない影響を及ぼし、最適の効果が得られない
ということである。この理由は、ある種の触媒は、一つ
の反応を引き起すのには必要であるが。
他の反応を妨害するおそれまたは実際に妨害するという
望ましくない結果になるためである。このような反応妨
害の結果、望ましくない性質を有する重合体が生成する
か、望ましくない重合副生成物が生成して、希望する重
合体がら分離する必要があるか、あるいはその他不測の
望ましくない結果を招くようなことが起る。例えば、ブ
ロードfBrode1等の[ジャーナル・才プ・マクロ
モレキュラーサイエンス・化学、A6 (6)、110
9〜1144 (1972)Jのデータ(第1116〜
1119頁)によると、ある種の触媒はある種の重合体
生成物を熱的に不安定にすることが示唆されている。
しかしより詳しくは、希望する側鎖「グラフト」形成の
ために特定の触媒を利用すると、いわゆる「エステル交
換反応」のような望ましくない側鎖形成が重合体の主鎖
部に生ずることになる。
すなわち、エステル交換反応は、一般に側鎖「グラフト
」段階中に望ましくない架橋を引き起す結果となるにの
ような架橋が生ずると生成したグラフト重合体の粘度が
上昇する傾向あり、望ましくなく、またこのようにして
得た重合体生成物または生成物はゲル化することさえあ
って望ましくない結果となる。
前記のようなグラフト重合体の主鎖形成と側鎖形成がほ
ぼ同時に行えるならば、鎖形成機構はぼ同時に起ること
になり、単一の反応容器が利用できるため、工学的立場
、資本投下の立場、労働力計画、設備計画の立場、およ
び例えば生産の立場がら経済的であるばかりでな(望ま
しいことである。
さらにこのような重合体を単一の反応容器で製造するだ
けでなく、触媒の存在を必要とせずに製造することが望
ましい。
上記の種類のグラフト重合体、すなわち少な(とも−個
の高分子主鎖と、この主鎖に結合した複数の高分子側鎖
から成るグラフト重合体が、以下に開示する新規な方法
に従って製造できることを見出した0例えば、かかる方
法の一実施態様では、グラフト重合体を形成するために
単一の反応容器を使用している。すなわち、グラフト重
合体の主鎖と側鎖が、単一反応容器内で実質的に同時に
形成される。
また1本発明者らは本発明の原理は、触媒を使用するこ
となく十分かつ効果的に実施しうることも見出した。本
明細書で開示するグラフト重合体は、いずれも触媒の不
存在下で製造されたものである。
さらに、(本明細書で開示する)ある種の反応体は、制
御された条件下で遊離基開始剤として機能できることを
見出した。従って、本発明方法は1例えばベイン等の英
国特許筒1,443,073号、フリッチフィールド等
の米国特許筒3゜760.034号、サンブソン等の米
国特許筒3.892,714号および第4,005,0
15号およびツイスタ等の米国特許筒4,082゜81
6号のような従来の遊離基開始剤および/または触媒を
必要としない。
従って本発明の一つの態様は、従来の開始剤および/ま
たは触媒を使用することなく、ある種のアルカリ可溶性
のいわゆる「クラフト」重合体を製造するための重合方
法に関するものである。
本発明のもう一つのより特有の態様または特徴は、かか
るグラフト重合体を製造するために、実質的に同時に起
る少なくとも2種類の反応機構を利用する(前記の)重
合方法に関するものである。
より詳しくは、本発明は、攪拌する反応帯に含まれてい
る溶剤の中で(1)遊離基を形成することのできる少な
くとも一種類のビニル系中量体と、(2)その形成され
た遊離基の存在ドて、前記のビニル系単量体と付加共重
合かできる少なくとも一種類のエチレン性不飽和カルボ
ン酸単縫体と、(3)前記のカルボン酸単量体の存在f
で開環することができる環状エステル分子とを混合する
ことによって、反応体開始性重合性混合物(react
ant−initiatable polyveriz
able鳳1xture)を生成させ、 該反応体開始性重合性混合体と、前記のビニル系巾着体
とエチレン性不飽和カルボン酸中量体とを遊離基付加共
重合させ一個のグラフト重合体主鎖を形成するとともに
環状エステル分子をその内部エステル結合部で開環させ
て重合体主鎖上にグラフトさせるのに有効な所定の温度
と圧力に保ち、少なくとも一個の主鎖とその主鎖に結合
している複数の側鎖を有するアルカリ可溶性重合体を製
造する方法であって、 クラフト重合体の主鎖と側鎖の形成を実質的に同時に起
させることを特徴とする製造法を提供するものである。
本発明の原理に従えば、前言己の重合体は、少なくとも
一種)nの主鎖と、その主鎖にそれぞれ結合している複
数の側鎖を有するクラフト重合体として特徴づけられる
ものである。
本発明はまた本明細書に記載する新規な方法を利用した
結果製造された。前記で簡潔に特徴づけたグラフト重合
体に関するものである。これら重合体はさらにいわゆる
「ポリ酸」重合体として特徴づけられるものである。従
って、これら重合体はアルカリ可溶性であるだけでなく
架橋性でもある。従って、かかる重合体は各種の具体的
な用途および/または応用が可能であり、これについて
は以下に記載される。
さらに本発明は、数平均分子量が、約500ないし約3
0,000で、構造的に下記の式で表わされることを特
徴とするアルカリ可溶性クラフト重合体を提供するもの
である。
(式中、Rは、ビニルトルエン、a−メチルスチレン、
し−ブチルスチレン、0−クロロスチレン、スチレン、
およびこれらの混合物からなる11″#から選ばれた不
安定なディールス−アルダ−アダクトを基体とする末端
基(end caplであり、R1およびR2は−H,
−CF(、または−c o o nであり。
R3は−H,−CH,、−COOH。
リ。
iおよびjはそれぞれ約1ないし約500であり、 kはOないし50であって1mは2ないし11である。
) かかるグラフト重合体を製造する本発明方法においては
、ある種の共重合性反応体を、撹拌している反応帯内に
含まれている溶剤の中で混合する。共重合性反応体は、
(1)遊離基を形成することのできる少なくとも−l!
類のビニル系単量体と、(2)この形成された遊離基の
存在下でビニル系単量体と4寸加共重合ができる少なく
とも−f1類のエチレン性不飽和カルボン酸単黴体と、
(3)前記のカルボン酸単量体の存在下で開環すること
ができ、かつ該カルボン酸単量体と化学的に結合するこ
とのできる環状エステル分子を含むものである。このよ
うな共重合性反応体は溶剤中で混合され、重合性単量体
混合物となる。
本発明に使用される前記のビニル系単量体は、ある種の
制御された条件下で(この条件は下記に詳述する)、遊
離基を発生することができる。本発明に使用されるカル
ボン酸単量体はエチレン性不飽和結合をもち、少なくと
も一個のカルボン酸基(または部分(moietyl 
)を含み、前記のように形成された遊離基の存在下でビ
ニル系単量体と付加共重合ができるものである。さらに
環状エステル分子は、前記のカルボン酸部分の存在下で
、それぞれの内部エステル結合が開環できるものである
本発明方法では、ついで、混合型遺体を予め選ばれた温
度と圧力にして、ビニル系単量体とエチレン性不飽和カ
ルボン酸単量体を効果的に遊離基付加重合させて少なく
とも一個のグラフト重合体主鎖を形成する。さらにこの
ような(主鎖を形成するための)エチレン性不飽和カル
ボン酸単量体を使用すると、主鎖と化学的に結合した少
なくとも一個、一般には複数個のカルボン酸分子を有す
る主鎖を形成することになる。
前記の予め選ばれた温度と圧力はまた、カルボン酸の存
在下で環状エステル分子をその内部エステル結合部で開
環し、前記の複数のカルボン酸分子のそれぞれ一個と化
学的に結合し、重合体主鎖上でグラフトして、グラフト
重合体の側鎖を形成するのに有効である。
本発明方法は、グラフト重合体の主鎖と側鎖の形成が従
来の開始剤および/または触媒を使用することなく、は
ぼ同時に起ることに特徴がある。
本発明は種々の形式で実施することができるが1本発明
の原理を具体化している多数の実施例を詳細に以下に記
載する。従って、本発明書は本発明の単なる具体例を開
示したものに過ぎず、本発明は、下記の特定の実施態様
または実施例に限定されるものではない。
以下詳細に記載するに当り、簡潔にするためと、本発明
の特徴と利点を明確にするため、ある種の用語を用いる
。それらは下記のように定義される。
「付加重合性単量体」および「付加重合性」なる語と関
連して本明細書に用いられている「付加重合」なる語は
、ある種の重合体鎖形成反応に関するものであり、重合
体主鎖および/または形成されるべき重合体側鎖の形成
に利用される薬剤または成分は、「遊離基」として機能
できる少なくとも一個の不対電子を有するイオン種(ま
たは他の適当に反応性を持つ物質)である、遊離基とは
、広義では、(1)エチレン性不飽和単量体の二重結合
を開いて、(2)その二重結合の部分の付近でこの重量
体と結合する反応が行なえる種である。このような結合
によって重合体鎖が成長を開始し、一方不対電子を残す
ので、これが引き続いて遊離基槽として機能できるので
さらに鎖が成長する0代表的には比較的短時間で(例え
ば通常数秒またはそれ以下)、数個の単量体単位が、成
長する鎖へと次々に付加することができる(前記の二重
結合が開く機構により)。最終的には、前記の「遊離基
」種が一般的には相互に反応して、相互の成長活性が停
止するようになり、−個またはそれ以上の重合体分子が
形成する。従って、付加重合なる語には、それぞれ「開
始」、「成長」および「停止」の各段階が含まれている
本明細書で用いる「カルボキシル種(carboxyl
moiety) J、「カルボキシル基」、「カルボン
酸分子」および「カルボン酸基」なる語は、一般的には
−COOHとして表わされる官能基をいう。
本明細書で用いる「塗料(coatingl Jという
語は、「塗膜」という語を含み、表面を被覆するか基体
上を塗布するために使用する物質組成を意味する。
本明細書で用いる「環状エステルJなる語は、その環の
部分にエステル結合を有するラクトン。
ラクチドおよび同類の環状構造体が含まれる。
本明細書で用いる「求電試薬」および「求核試薬」なる
語は、それぞれが−個の電子を分配する様式で、酸−塩
基反応に関係して定義づけたものである。すなわち、塩
基は共有結合で電子対を供与し、酸は電子対を受容する
。従って、電子を受容する酸を求電試薬といい、一方電
子を供与する塩基な求核試薬という。
本明細書で用いる「高温度」なる語は、室温以上の温度
を意味する。
本明細書で用いる「塗膜」なる語は、比較的きめの細か
い薄い塗料の被膜を意味する。
本明細書で用いる「遊離基」については上に述べたが、
自然発生的に形成するか、比較的不安定な物質が熱で誘
起された分解によって形成されるある種の付加(または
イオン)重合誘導性の物質、時には「開始剤」とも称せ
られるものが含まれると理解すべきである。
本明細書に用いられる「イオン重合」なる語は、イオン
、イオン種または電子が、単量体または単量体槽へ(ま
たほから)移動して、いわゆる「イオン対」を形成する
ことを含むものである。
このイオン対形成は、一般にはイオン重合反応の開始段
階に起るものである。このイオン対の対イオンは成長す
る重合鎖末端の直ぐ近くにその寿命のある間(すなわち
成長する重合鎖の成長中)は残っていると現在のところ
仮定されている。従って、イオン重合(前記の付加重合
と同様)にも「開始」、「成長」および「停止」の各段
階が含まれている。
本明細書で用いる「主鎖重合」なる語は、特定のグラフ
ト重合体の主鎖の開始、成長および停止を意味する。主
鎖を形成する単量体単位は、異種の単量体槽が存在して
いる場合は、前記のイオンおよび付加重合機構により一
般にはランダムに付加される。
本明細書で用いる「単量体」なる語は、重合体が形成さ
れる重合体分子を含め特定の重合性出発材料を意味する
。さらに本明細書で用いる「単量体」なる語は、「オリ
ゴマー」およびさらに重合可能なある種の他の重合体が
含まれる。
rMzJは、いわゆる「沈降平均分子量」として知られ
ている(重合体の)分子電測度であって、シュミット(
Schmijt)等の米国特許筒4,529.787号
に定義されている。
本発明書で用いる「オリゴマー」なる語は屡々比較的僅
かな量の単量体単位からなっているが、なおさらに重合
性を有する重合体分子を意味する。より詳しくは1本明
細書で用いる「オリゴマー」なる語は、一般的に約2な
いし約30だけの単量体単位を含む比較的短鎖の重合性
分子を意味している。
本明細書で用いる[多分散性 (poly−dispe
rsity)なる語は、重量平均分子量(Mw)対数平
均分子量(Mn)の比、すなわちMw/Mnを意味する
0重合体の多分散性をさらに特徴づけるため本明細書で
用いられる関連用語としては、沈降平均分子量対数平均
分子量、すなわちM z / M nがある。より詳し
くは、M w / M nおよびM z / M yl
は、本発明方法で製造されたグラフト重合体の分子量分
布の幅の測度として本明細書で用いられる。
本明細書で用いる「重合体」なる語は、単量体9位が化
学結合することにより形成した高分子について広く用い
られる。使用する単量体単位が二神21またはそれ以上
のときは、その結果形成される高分子は、とくに(二種
類またはそれ以上の単量体を使用した場合)、広く共i
[合体といい、さらに(三種類の異なった単量体を使用
した場合)ターポリマー、(四種類の異なった単量体を
使用した場合)テトラポリマー等ともいわれる。−殻内
に本明細書で用いられる高分子には、少なくとも一個の
主鎖を含み、さらにこの主鎖に結合している複類の側鎖
を含んでいる。さらに数種類の異なった苗量では品種の
方法で架橋することができる。
本明細書で用いる「室温」なる語は、約25℃を意味す
る。
本明細書に用いるrSGA重合」なる語は、本明細書に
記載するほぼ同時に起させるグラフト/付加重合法(s
imultaneous graft/additio
npolymerizationl を意味する0本明
細書で定義するSGA重合とは簡mにいえば主鎖と側鎖
の形成がほぼ同時に起ってクラフト重合体が形成される
ことを、色味する。とくにグラフト重合体主鎖が成長す
るにつれて、前記のカルボン酸部分のような求核試薬部
分を有する)主鎖の部分は、その近辺に存在する開環可
能な環状エステルをその内部エステル結合部で開環させ
、主鎖のカルボン酸部分の少なくともいくつかにグラフ
トさせることになる。より詳しくは、求核試薬部分がカ
ルボン酸部分であり、開環可能環状エステル分子が例え
ばε−カプロラクトン(CAP)のときは、主鎖のカル
ボン酸部分により、(CAP分子の)環部分をその内部
エステル結合部で開環させて、重合体の成長中の主鎖上
にグラフトさせ、それにより末端にカルボン酸基を有す
るポリエステル(とくにCAP基体の)側鎖を形成する
。従って、主鎖部分も、ポリエステル側鎖の末端部もそ
れぞれカルボン酸部分を有している。本発明の原理に従
えば、CAP単量体を添加すると、成長する主ji’4
上にグラフトするか、さらにクラフト重合体のCAP基
体の側鎖を成長することになる。
本明細書で用いる「側鎖重合」なる語は、グラフト重合
体(の主鎖から)の側鎖の開始、成長および停止を意味
する。
本明細書で用いる「熱硬化」重合体塗料またはff1l
lQは、加熱により不可逆の同化または[硬化]をする
重合体塗料または塗膜を意味する。この性質は通常重合
体のある種の分子構成体の架橋反応を伴うものであって
、この架橋反応は例えば加熱、放射またはその他の手段
により誘起される。
多くの例では、熱硬化させるには有機過酸化物のような
「硬化」剤を重合体に添加することが必要である。
本発明方法により製造されたグラフト重合体は、それぞ
れの側鎖にカルボン酸末端基を有するため「ポリ酸」と
して広く特徴づけられる。従って、本発明方法により製
造されたグラフト重合体は、通常の多数の有機溶剤に溶
解するだけでなく、その酸基のためにアルカリ水溶液に
も溶解する。
以上簡単に述べたが、本発明の一つの目的は、従来の開
始剤および/または触媒を使用することなく、ある種の
アルカリ可溶性クラフト重合体を製造するための新規な
重合法を提供するところにある。
上述のように本発明の方法は、触媒を使用することなく
十分迅速かつ効率的に反応を進め得るものであることを
見出した。カルボン酸含有主鎖を有する重合体に対しで
ある種のラクトンを開環させるグラフト重合を触媒を使
用することなく行なうとすれば、そのグラフトは非常に
遅いか、はとんど進行しないとついことが文献に示され
ていることから、本発明方法は、真に驚くべきものであ
る[文献として例えばシオタ(ShioLa)等の[ジ
ャーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス」
、第11巻、第783頁および第786頁(1967年
)を参照のこと]。
本発明のさらに驚くべき態様は、本明細書記載の原理に
従って製造したある種の重合体は結晶性を示し、他のあ
る種の重合体は結晶性を示さないということである。こ
の結晶性の程度または量は、とくにポリ−Cカプロラク
トンが「部分的」結晶性重合体にすぎないと述べている
文献があることからみて、(aかに驚くべきことである
[文献として例えば、ブロード(Brodel等の[ジ
ャーナル・オブ・マクロモレキュラー・サイエンス:化
学、A6 (6)、11 t9 (1972)の「ラク
トン重合とその重合体の性質」と題する文献を参照のこ
と1゜ 結晶性の存在(または欠如)は、重合体を製造するとき
に使用する単爪体の相対比に依存−4゛ることを見出し
た。これについては、実施例とともに以下に記載する。
重合体の結晶性の存在または欠如は、それぞれ融点(T
m)の存在または欠如によってさらに確かめることがで
きる0例えばTmは、重合体の熱走査分析中に示される
ものである。
クラフト重合体の結晶性の存在は多(の理由から大いに
望ましいことである。先ず、結晶性は重合体に靭性を付
与する。第二に結晶性は重合体に耐薬品性および耐摩耗
性を付与する。
従って、本発明の他の態様は、製造する重合体に結晶化
度にある。
本発明のさらに他の態様は、グラフト重合体を製造する
ための方法にある。従来のグラフト重合体を製造するた
めには、−M的に主鎖と側鎖とは別個の反応機構により
別の時点で形成される。このような従来のグラフト重合
体を製造するには、屡々別個の反応装置が必要となる。
例えば、サンブソン等の米国特許筒3,892,714
号および第4,005,155号、フリッチフィールド
等の米国特許筒3,760,034号には、このような
反応方式による代表的な製造方法が開示されている。
これに反して本発明方法は、はぼ同時に進行する少なく
とも二filの反応機構を利用してグラフト重合体を製
造するものである。
このようなグラフト重合体は、例えば熱硬化性塗料およ
び塗膜用に配合することができる。本発明のアルカリ可
溶性グラフト重合体の他の応用としては、これに限定さ
れるものではないが(アルカリ可溶性床仕上塗料のよう
な)アルカリ可溶性塗料、グラフィックアート配合用ア
ルカリ可溶性樹脂、例えば、乳化重合法で調製される重
合体用のアルカリ可溶性保持用樹脂が含まれる。
他の応用としては、ある枝のへアースプレー配合剤、シ
ャンプー、その他の化粧品に関連する(すなわち含有さ
せる)用途が含まれる0例えば本明細書に記載するある
種の変性クラフト重合体は、アルコール含有シャンプー
配合剤に含めることができ、あとでアルカリ含有コンデ
ィショナーを用いて髪からすすぎ落とすことができる。
本明細書に開示した原理に従って製造したクラフト重合
体はまた低粘度のいわゆる「高固形分」、「低分子量」
重合体として特徴づけられることができる。従って本発
明の重合体は前記の用途以外に、可塑剤、潤滑油等のよ
うないわゆる「工業用」流体に関連するある種の特定の
用途に適しでいる。
本発明のグラフト重合体を使用して配合することができ
る高固形分塗料型のある特定の応用としては、これに限
定されるものではないが、缶、コイル、織物、ビニル、
紙、家具、マグネティックワイヤー、電気器具、金属部
品、木材パネルおよび床用の塗料および仕上塗料が含ま
れる。このような高固形分重合体(または樹脂)の他の
応用としては、ペイント、インク、接着剤、粘着付与剤
、分散剤などがある。高固形高分子または樹脂は、それ
のもつTgによって液体または固体として取り出すこと
ができる。
本発明の樹脂はカルボン酸基を含有するために、例えば
アンモニアのような塩基で酸官能基を中和して水溶性の
樹脂分に化学的に変えることができる。
さらに本明細書で開示する高固形分架橋重合体は、その
他多くの応用が考えられる。例えば電気器具のエナメル
塗料、オーバープリントワニス、接着剤、自動車外部表
面塗料、航空機や船舶の外部表面塗料、仕上塗料、塗料
等に容易に配合することができる。
さらに、本明細書に開示する架橋性重合体は、所望に応
じて、硬くも軟らかくも架橋を制御できるので、かかる
重合体は、床仕上塗料、インキ分散剤、水性クリアオー
バープリントワニス、含浸剤、結合剤、可塑剤、レベリ
ング剤、メルトフロー改質剤などに容易に配合ができる
。例えばある神のいわゆる軟質樹脂は、機能性の液、オ
イルなどとして使用することができる。
前記のように本発明方法は、予め選ばれた所望の性質を
有するグラフト重合体が製造できるよう選択的に制御す
ることができる。このように特別に製造したグラフト重
合体は、例えばいわゆる「実質的に溶剤を含まない」塗
料として利用することができる。とくに室温で使用可能
な粘度を有するこの種の塗料を容易に配合することがで
きる。このような溶剤を含まない塗料系は、ホットスプ
レー、ロール塗布法を含め従来の工業用塗布法が採用で
きる。
本発明方法は必要があればその製造条件を変更して、溶
剤を基体とする塗料に配合できるような重合体を製造す
ることもできる。さらにこのような溶剤を基体とする塗
料は1例えば適当な溶剤、充填剤、顔料、流れ調整剤な
どを使用して容易に配合することができる。このような
塗料は通常の補助剤を添加して、缶、コイル、織物、ビ
ニル、紙、金属、家具、ワイヤー、その他の金属部品、
木材パネルなどに塗布することができる。
さらに、本発明のアルカリ可溶性樹脂は、市販の水性ベ
ースを用いて所望の樹脂分とし、ある種の他の成分とも
に床磨き組成物にすると、接着性向上とともに、優れた
レベリング性および/または耐洗剤性を付与することが
できる。このような他の成分としては、例えば可塑剤、
界面活性剤、消泡剤(ある種の有機溶剤および/または
有機塩基を含有した)などのような補助剤を含んだ、適
当な金属化したアクリルやメタクリルのエマルジョンま
たは共重合体エマルジョン、ワックスエマルジョンが含
まれる。とくに、ワックスを基体とした配合は、優れた
光沢と無色の仕上りと、耐黄変性および耐溶剤性に優れ
ている。さらに本発明の重合性を結合剤として使用する
と、優れた接着性を有するインキの配合が可能となる。
前記のような重合体は、以下に簡単に記載する新規な方
法で製造することができる0本発明方法は、撹拌してい
る反応帯に含まれる溶剤の中で、(1)i離基を形成す
ることのできる少なくとも−M ’inのビニル系単量
体と、(2)この形成された遊離基の存在下で前記のビ
ニル系単量体と付加重合ができる少なくとも一種類のエ
チレン性不飽和カルボン酸単量体と、(3)前記のカル
ボン酸単量体の存在下で開環することができ、かつ該カ
ルボン酸単量体と化学的に結合することができる環状エ
ステル分子を混合して、共重合性反応混合単量体を生成
しようとするものである。
環状エステル分子はそれぞれ、少なくとも一個の開環可
能な内部エステル結合を有している0本 □明細書で定
義する内部エステル結合とは、側鎖付加部分に存在する
エステル結合とは対照的に、環状エステル構造自体の内
の特定の結合である。
本発明方法はさらに、前記の共重合性反応混合単量体を
、予め選ばれた有効な温度と圧力に保ち、遊離基形成ビ
ニル系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸単量体とを
遊離基付加重合させることを意図したものである。この
遊離基付加重合によって、グラフト重合体の少なくとも
一個の主鎖が形成する。前記のように、エチレン性不飽
和カルポンン酸単量体は、グラフト重合体主鎖を形成す
るのに使用されるために、複数のカルボン酸部分が一般
的にグラフト重合体の構造に含まれ、従ってグラフト重
合体の主鎖に化学的に結合される。上記の重合温度と圧
力は環状エステル分子をそれぞれの内部エステル結合部
で開環するのにも有効であって、重合体主鎖の複数のカ
ルボン酸部分のそれぞれ一個にグラフトし、それによっ
てグラフト重合体の側鎖が形成される。
・ 本明細書で用いる「従来型の開始剤」および「従来
型の触媒」なる語は以下に定義するようなものである。
前記の「従来型の開始剤」とは、単一の重合性単量体ま
たは重合性混合単量体の少なくとも一種類の重合を開始
するため、重合性単量体または重合性混合単1体に添加
される成分またはその他の薬剤のことである。しかしな
がら、従来の開始剤は、反応体として使用される重合性
単量体(または重合性成分のような)のひとつではない
、すなわち、従来の開始剤は、−射的に特定の重合反応
を「開始」するために選ばれるものである。
所望の重合反応中に従来の多数の開始剤はある程度まで
は消費されるが、開始剤のこのような消費の様式は一般
に望ましいものではない、と(に、このような開始剤の
消費されない部分が残っていると、ある種の操作条件下
では、進行中の所望の重合反応を屡々妨害し望ましくな
い結果を生ずることになる。
前記の「従来型の触媒」は、特定の化学反応中は、理論
的には少なくとも化学変化をうけないものである。この
ような触媒の目的は、反応速度を変化させるためのもの
である。大ていの触媒は。
所望の化学反応速度を促進するようとくに設計されであ
るが1反応速度を遅らせるようとくに設計されているも
のもある。しかしながら、多くの触媒は無限に使用でき
るものではない。すなわち触媒は屡々ある種の反応副生
物で望ましくない変化をうけ(すなわち「汚れ」る)、
時々取り換えおよび/または再生が必要となる。
多くの開始剤□および、大ていの触媒□は比較的特異な
性質を有している。すなわち、これら薬剤は特定の反応
機構を希望どおりに行なわせる目的で単量体もしくは混
合単量体に添加される。このように希望する結果を希望
どおりもたらすのに、このような薬剤の存在は必要では
あるが、一方このような薬剤は、望ましくない副次の反
応機構を生ずることになる。確かにグラフト重合体の形
成において、従来の製造法では、主鎖の形成を開始する
ため、このような開始剤および/または触媒の一種類を
使用している。その後、形成した主鎖は、初期に使用し
た開始剤および/または触媒から分離している。引き続
いてさらに別の開始剤および/または触媒を−f4類存
在させて側鎖形成が行なわれる。フリッチフィールド等
の米国特許第3,760,034号の実施例1はこのよ
うな従来の反応形式の一つを示している。
これに反して、本発明方法はその反応単量体の一神類、
すなわち前記のビニル系単量体成分を遊離基開始剤とし
て利用している。とくに本発明のビニル系単量体として
は、特定の遊離基を発生し、この遊離J5の伴在丁でエ
チレン性不飽和カルボン酸単量体とビニル系単量体とが
付加共重合ができるようなビニル系単量体が本質的に選
ばれている。従ってこの重合性混合単量体を予め選ばれ
た温度と圧力にすることによって、ビニル系単量体とエ
チレン性不飽和カルボン酸単量体とがtIiiii付加
共重合を起して、グラフト重合体主鎖を形成するもので
ある。征ってビニル系重量体は付加共重合遊離基開始剤
であるばかりでなく、付加共重合反応体の一つでもある
。従ってビニル系単量体は遊離基開始・付加共重合反応
体として機能する。
従って本発明方法においては反応体の一つを重合体開始
に利用するため、本発明方法は「反応体開始」重合法と
して特徴づけられる。本発明方法を利用することにより
多くの利益が得られることになる。例えば、不純物とし
て機能する可能性のある薬剤を使用せずに、反応体を使
用するために、付随するあるいは結果として起る加水分
解および/または熱不安定性の原因となる望ましくない
副生物が生成したり、望ましくない副反応が起ったりす
る可能性が大幅に減少する。さらに少なくとも二種類の
反応機構がほぼ同時に起り、そのため単一の反応容器中
でグラフト重合体を形成することができることを見出し
たのは驚くべきことであった。単一の反応容器によるグ
ラフト重合体形成は、グラフト重合体反応方式を大幅に
簡素化し、これにより労働力および投資金額の節減のよ
うな製造上の利点が十分得られることになる。
さらに本発明によるグラフト重合体の側鎖の長さは、あ
る種の変量を一定にして、グラフト重合反応混合体の化
学量論量のような別の変量を選択的に調整することによ
り容易に制御できることが、下記の実施例で示されてい
る。
一般にカルボン酸基は非常に良い求核試薬とは考えられ
ず、このため従来の研究者は、このようなカルボン酸基
に環状エステルを開環してグラフトさせるには従来の開
始剤および/または触媒を使用する必要があると歴史的
に考えてきた。この事実は、当分野の文献でよく証明さ
れる。例えば、ツイスタ等の米国特許筒4,082,8
16号、フリッチフィールド等の米国特許筒3,760
.034号、およびサンブソン等の米国特許筒3.89
2,714号および第4,005,155号を参照のこ
と。
したがって、環状エステルの開環とそれに続くカルボン
酸基へのグラフト反応を、従来型の開始剤および/また
は触媒を用いることなく行うことができたことは驚くべ
きことである。
本発明のSGA重合反応に利用する溶剤は、カルボン酸
基または他の求核試薬もしくは求電子試薬を含んではな
らない、これは、存在しているカルボン酸部分含有エチ
レン性不飽和単量体と競合する傾向があるからである。
これらが存在すると、エフ状エステル分子を開環し望ま
しくない結果になる。
さらに実施上の問題として、本発明に使用される溶剤は
、程度に差はあるが概して比較的揮発性を何しているた
め、(所望のSGA重合を行なうため)使用する特定の
重合反応容器を溶剤蒸気で過圧することがないように、
十分高い沸点を有する適当な溶剤が一般に選ばれる。
本発明方法で利用される各種の溶剤としては、シクロヘ
キサノン、トルエン、メチルイソブチルケトン(MIB
K)、テトラヒドロフラン、アセトン、1.3−ジオキ
サン、1.4−ジオキサン、酢酸エチル、ヘキサン、エ
チルベンゼン(ETB)、ジエチルカルピトール、ジメ
チルカルピトール、ジエチルセロソルブ、セロソルブア
セテート(CSA)、グライム、ジグライム、トリグラ
イム、メチルアミルケトン(MAK)、エトキシエチル
アセテート、キシレン、メチルエチルケトン(MEK)
、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(2Mアセテート)、エトキシエチルアセテートなどお
よびこれらの混合物のような当業者にとって公知のもの
が挙げられる。
高温においても比較的蒸気圧が低いため高沸点溶剤が好
ましい。一般に、約100℃以上の沸点を有する溶剤が
好ましく、約135℃以上の沸点を有する溶剤がより好
ましい、さらに好ましい溶剤は、約135ないし約20
0℃の沸点を有する溶剤である。
好ましい溶剤としては、メチルアミルケトン、キシレン
、2Mアセテート、トルエン、セロソルブアセテート、
エトキシエチルアセテート、エチルベンゼン、ジエチル
セロソルブおよびこれらの混合物が含まれる。より好ま
しい溶剤は、メチルアミルケトン、キシレン、セロソル
ブアセテート、2Mアセテートおよびこれらの混合物が
含まれる。
本発明方法において、遊離基を発生することのできる適
当なビニル系単量体としては、l、3−ブタジェン、1
.3.5−ヘキサトリエンなどとこれらの組合せのよう
なある種のアルケニル単量体、およびスチレン、α−メ
チルスチレン(MAS)、ビニルトルエン(VT)、t
−ブチルトルエン(TBS)、O−クロロスチレン(O
C3)などとこれらの組合せのようなある種の芳香族モ
ノアルケニル単量体が含まれる。このようなアルケニル
単量体および芳香族モノアルケニル単量体は、不安定な
いわゆる「ディールス−アルダ−」アダクトを形成する
ことができ、このため本発明方法において、遊離基発生
剤として機能することができる。
遊離基を発生することのできるビニル系単量体として好
ましいものは、ビニルトルエン、α−メヂルスチレン、
し一ブチルスチレン、0−クロロスチレン、スチレンと
これらの混合物が挙げられる。
本発明方法に使用される少なくとも一個の開■;可能な
内部エステル結合を有する環状エステル分子としては、
ε−カプロラクトン(以下CAPという)、ζ (ゼー
タ)−エナントラクトン、δ(デルタ)−バレロラクト
ンおよびある種のアルキル−ε−カプロラクトンなどと
これらの組合せか含まれる。
本発明方法に適する環状エステル分子としては、さらに
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、エチルカー
ボネート、テトラメチレンカーボネート、2.2−ジメ
チル−4−フェニル−1,3−ジオキソラン−5−オン
、α−n−プロピル−δ−バレロラクトン、δ、δ−ジ
メチルーδ−バレロラクトン、3−エチル−1,4−ジ
オキサン−2−オン、3,3.6−ドリメチルー1.4
−ジオキサン−2−オン、テトラメチルグリコライド、
テトラフェニルグリコライド、3−オキサ−(−カプロ
ラクトン、β−プロピオラクトン、α、α−ビス(クロ
ロメチル)プロとオラクトン、β−ブチロラクトン、ピ
ハロラクトン(PVL)、チオ−ブチロラクトン(TB
L)、δ−バレロラクトン(DVL)、α、β、γ−ト
リメトキシーδ−バレロラクトン、l、4−ジオキサン
−2−オン、グリコライド、ラクチド、1.4−ジチア
ン−2,5−ジオン、トリメチレンカーボネート、ネオ
ペンチルカーボネート、エチレンオキザレート、β−メ
チル−ε−イソプロピル−ε−カプロラクトン、プロピ
レンオキザレート、4−ヒドロキシシクロヘキサンカル
ボン酸のラクトン、シスージサリチライド、ジー0−ク
レソタイド、およびトリサリチライドとこれらの組合せ
が含まれる。
少なくとも一個の開環可能な内部エステル結合を有する
環状エステルとして好ましいものは、γ−ブチロラクト
ン、δ−バレロラクトン、ビバロラクトン、チオ−ブチ
ロラクトン、β−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン
およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明方法において、ビニル系単量体により発生した遊
離基の存在下で該ビニル系単量体と付加重合ができ、か
つ環状エステル分子をその内部エステル結合部分で開環
させることのできるエチレン性不飽和カルボン酸単量体
としては、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA
)、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、
ケイ皮酸、2.3−ビス−(p−メトキシフェニル)−
アクリル酸、m−フ二二レンジアクリル酸、オレイン酸
などとこれらの組合せが挙げられる。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体として好ましいもの
は、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、アクリル酸
、メタクリル酸およびこれらの混合物である。
より好ましいエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、ア
クリル酸、メタクリル酸およびこれらの混合物である。
本発明方法において適当な重合温度は、一般に約160
ないし300℃、好ましくは約200ないし240℃で
ある。
適当な反応圧は常圧を含め約140kgf/cm2 (
約2,000ps i)であり、好ましくは常圧ないし
約21kgf/cm”  (約300psi)である。
理論にとられれるのは望まないが、完全な開示を行なう
ことが望ましく、現在信じられていることを以下に記載
する0本発明原理の一つにょる主鎖重合は、前記のエチ
レン性不飽和カルボン酸反応単量体と付加共重合ができ
る前記のビニル系反応単量体として、例えばスチレンの
ような遊離基発生ビニル系単量体成分を使用した場合に
、自己反応開始方式に進行する。従って、遊離基発生反
応体(例えばスチレン)4モルは、適当な高温度で自発
的に反応を行なって、不安定なディールス−アルダ−ア
ダクト2モルを生成し、下記の反応式lのようになる。
(反応式l) さらに反応式lに示されているように、遊離基発生反応
体(例えばスチレン単量体)とその不安定なディールス
−アルダ−アダクトとは、平衡混合物として共存し、こ
の混合物の平衡状態は少なくとも温度にも依存するもの
と信じられる。つい。
てこの平衡混合物の温度が、室温付近からそれ以上の温
度に高められると、2モルの不安定なディールス−アル
ダ−アダクトは分子誘導ホモリシスにより、下記の反応
式2のように、重合を開始することのできるモノラジカ
ルに変わるものと信じられる。
(反応式2) %式% 記号R・を、前記の二種類の化学構造体(反応式2の化
学平衡の矢印の右側に示した)の一つまたは両方に対し
て以下使用する。すなわち、このような化学構造体は遊
離基を含む炭素原子を有している。このようなモノラジ
カルを、以下単に記号R・で表わすことになる。
同時に、この遊離基R・の存在下で、(1)残存してい
るビニル系単量体(すなわちスチレン単量体)は、(2
)エチレン性不飽和カルボン酸単量体と結合して、下記
の反応式3のようにグラフト重合の主鎖を成長させるよ
うになる。
(反応式3) (式中、R1および R2は、−H,−CH5または−
COOIIであり、R1は−H,−CH,。
iとjはそれぞれ約lないし約500である。)反応式
3に示す反応生成物の主鎖は、ビニル系(例えばスチレ
ン系)単量体単位とエチレン性不飽和カルボン酸単量体
単位とが全体を通してランダムな順序で含まれている。
主鎖の末端部分は、例として挙げたビニル系単量体すな
わちスチレンから誘導された単量体単位を含む前記の遊
離基開始種(すなわち前記の不安定なディールス−アル
ダ−分子誘導ホモリシス生成物)である。
側鎖は例えば反応式4に示される機構で成長するものと
信じられる。さらに側鎖成長は1反応式1〜3に示され
た主鎖形成機構に対してほぼ同時に行なわれるように思
われる。すなわち主鎖が形成されている間に、環状エス
テルは、エチレン性不飽和カルボン酸’D i体と反応
するものと思われる。より詳しくは、前記の高温度では
、前記で例示したラクトン、とくにカプロラクトン(C
AP)のような環状エステル分子は、下記の反応式4に
示すように、エチレン性不飽和カルボン酸単量体のカル
ボン酸部分の存在下で、その内部エステル結合部で開環
する環状部分を有している。この反応機構により、グラ
フト重合体の側鎖が形成されるものと信じられる。
(反応式4) (式中R4およびR5は−Hまたは−C1(、であり、
k it Oないし50、mは2ないし11である。) 従って本発明による一実施態様である新規グラフト川合
体は下記の構造を有するものと信じられる。
(式中、R+ + Rz + R3+ R4、R5,s
j、ki3よびmは、前記反応式3および4で定義した
ものと同じであり、Rは、ビニルトルエン、a−メチル
スチレン、t−ブチルスチレン、0−クロロスチレン、
スチレンおよびこれらの混合物からなる群から誘導され
た不安定なディールス・アルダ−アダクトにもとづく末
端基である。)前記の反応(例えば反応式3および4)
は、所望のアルカリ可溶性グラフト重合体が例えば予め
選択した多分散性値、粘度値、沈降平均分子量(Lα、
溶融温度(Tm)値および/またはガラス転移温度(T
g)値に到達した時に停止ができるよう制御が可能であ
る。
前記のように、本発明の新規方法は、(1)遊離基を形
成することのできる少なくとも一種類のビニル系単量体
と、(2)この形成した遊離基の存在下で前記のビニル
系単量体と付加共重合ができる少なくとも一種類のエチ
レン性不飽和カルボン酸14体と、(3)前記のカルボ
ン酸111体の存在下で開環可能で、かつ該カルボン酸
単量体と化学結合ができる環状エステル分子とを混合す
ることを含むものである。
この「張合」段階は、例えば適当な反応容器内で液相で
撹拌して行なうのが好ましい0反応容器としては、例え
ば撹拌回分反応装置、連結撹拌槽を反応装置(いわゆる
C3TR)、プラグフロー反応装置(いわゆる「管型反
応装置」)、スタティックミキサー、インライン・ダイ
ナミックミキサー、エクストルーダなどが含まれる。
本発明のもう一つの態様あるいは特徴は、(前記の単量
体や環状エステル分子の存在しない状態で)溶剤を所望
の温度に予め加熱できる。その後に、前記の単量体と環
状エステル分子を一緒に混合して置いて、これを溶剤中
に注ぎ入れても、単に溶剤と混合することもできる0本
発明方法を実施するために別法として(前記のように単
量体と環状エステル分子の混合物をすでに含んでいる)
溶剤を加熱して、低温から所期の温度に・することもで
きる。
本発明の重合法は、前記のように重合体の主鎖と側鎖の
それぞれの成長段階が、相対的にほぼ同時に起ることを
とくに特徴としており、さらに、それぞれの重合体成長
段階が従来型の開始剤および/または触媒を使用せずに
起ることも特徴としている。
本発明方法で製造されるアルカリ可溶性グラフト重合体
は、技術的には(複数の「活性」カルボン酸部位または
部分を含む重合体であるために)「ポリ酸」と称せられ
るが、数平均分子量が、約500ないし約30,000
のものが好ましく、約750ないし約20.000のも
のがより好ましく、約i、oooないし約10,000
のものが最も好ましい。
本発明のポリ酸重合体は、重合体鎖延長段階の停止後に
通常の方法で反応用溶剤と分離する。
前記の反応機構の反応時間は、例えば、ビニル系単量体
、エチレン性不飽和カルボン酸単徹体、環状エステル分
子および溶剤の種類と量、反応温度、所望の分子量およ
び反応装置の設計(再循環および/または撹拌状態を含
め)により大幅に変化する。従って、反応時間は、数秒
、数分から数時間またはそれ以上になりつる。
本発明のアルカリ可溶性グラフト重合体は、室温で固体
または液体のいずれでもありうる。このようなグラフト
重合体の液粘度は、約50重量%の濃度で測定して約5
0ないし約1,000センチポアズである。
以下の実施例は、本発明の原理および実施について、適
業清か明確になるよう中に説明するためのものである。
これにより本発明の範囲を限定しようとするものてはな
く、各種の好ましい実施態様について中に説11するだ
めのものである。これら実施例において、ポリ酸重合体
の分子量は、装置としてウォーターズ150cクロマト
グラフを使用し、カラムとして「ミクロ」サイズ(すな
わちIXIO−6m)のスチラゲル(SLyragcl
)カラムを合計5種類(すなわちボアーサイズか、1x
lo’、1xlo4,1xlO’、500および100
人のもの)を使用し、測定条件として35°Cて、溶剤
としてテトラヒドロフランを使用するゲル透過クロマト
クラフィーにより測定した。流速はl m l 7分で
、0.2重量%の溶液を200延見注入した。
熱分析はテユボン装置1090B/910示差走査Q 
l”、、計(DSC)を用いて行なった。ガラス転移温
度(Tg)は、Tgに伴う熱容醍の全体の変化の中央点
の温度であると考えられる。前記のように本発明の原理
に従って製造したクラフト重合体のある種のものは結晶
性であるか、他のものは非品性あることか見出された。
結晶性用合体に関しては、融点(Tm)は、固相から液
相への熱容睦の全体の変化の始まる温度と考えられる。
非品性重合体はTmを示さない。
ド記の実施例は、本発明の種々の原理、概要、特徴、応
用を開示するために、発明者達か企図した最適の方法を
表わしているものである。
実施例1 [重合体の製造法(その1)] スチレン18.8g、アクリル酸18.8gおよびカプ
ロラクトン37.5gを含む混合単量体をPMアセデー
ト溶剤に添加して溶液を作った。
比較的高圧に耐えられるガラス製の開放アルプル数個に
、前記のPMアセテート溶液を約3gづつ入れた。つい
で溶液の入ったアンプルを、液体窒素(N2)により凍
結し、減圧し、室温に戻してからN2ガスでパージする
。この手順を3回繰返えしてからアンプルをシールする
溶液が入っているシールしたガラス製アンプルを、22
0℃に加熱しである通常のシリコーン油浴に浸漬し、ガ
ラス製アンプル中で混合重量体成分を溶液重合を行なわ
せた。この重合反応中に、ガスクロマトグラフィー(G
C)およびゲル透過クロマトグラフィー(GPCIによ
る分析のため、(浸漬開始から)5,15,30,60
,120および180分の後に、油浴に浸漬している試
料の入ったアンプルを油浴から取り出した。
(GCとGPCで測定した)単量体から重合体への転換
率(重量%)と重量平均分子量(Mwl を反応時間の
関数として第1表に掲げる。
反応時間が180分間の試料をさらにGPC分析した結
果、数平均分子ffl(Mn)が1,440、沈降弔均
分子1(MZ)が31,080であって。
多分散性比My/Mnは4.6、Mz/Mnは21,6
であった。
実施例2 [重合体の製造法(その2)] 重合反応温度を(220℃の代りに)200℃にした以
外は、実施例1の操作をほぼ繰り返した。分析結果を第
2表に掲げる。
反応時間が120分間の試料をさらにGPC分析した結
果、Mnが2,410、Mzが40,900であって、
多分散性比Mw/Mnは4.8、Mz/Mnは17.0
であった。
実施例3 [重合体の製造法(その3)] 重合反応温度を(220℃の代りに)180℃にした以
外は、実施例1の操作をほぼ繰り返した。分析結果を第
3表に掲げる。
反応時間が120分間の試料をさらにGPC分析した結
果、1iInが3,210、Hzが57.650、であ
って、多分散性比Mw/Mnは6.3、Mz/Mnは1
8.0であった。
実Mi4糺A [重合体の製造法(その4)] 重合反応温度を(220℃の代りに)160℃にした以
外は、実施例1の操作をほぼ繰り返した。分析結果を第
4表に掲げる。
反応時間が120分間の試料をさらにGPC分析した結
果、lJnが5,650、Mzが96,450であって
、多分散性比Mw/!ilnは7.2、Mz/Mnは1
7.1であった。
実施例5 [重合体の製造法(その5)1 重合反応温度を(220℃の代りに)260℃にした以
外は、実施例1の操作を実質的に繰り返した。分析結果
を第5表に掲げる。
反応時間が240分間の試料をさらにGPC分析した結
果、Mnが1,200.Mzが23,300であって、
多分散性比IJw/Mnは4.4. Mz/unは19
4であった。
実施例6 [重合体の製造法(その6)1 PMアセテート溶剤を添加パイプを通して、2eのいわ
ゆるパール(Parr)型加圧撹拌反応容器に導入し、
温度を約235℃にした。つぎにスチレン168.8g
、アクリル酸393.8gおよびカプロラクトン562
.5gを含む混合単量体を添加パイプを通して、235
℃のPMアセテートに約1時間かけて添加した。混合単
量体の添加が終れば、添加パイプな約50gのPMアセ
テートでフラッシュした。その後2Qの反応容器中で約
30分間、所期のSGA重合体を行なわせた。
GCおよびGPC分析のため試料を採取した6GC分析
の結果、重量体から重合体への転換率(%)は、スチレ
ン92%、アクリル酸72%およびカプロラクトン99
%であった。
特記しない限り、本明細書の百分率は、対象の成分の当
初の重量を基準にしたものである。
GPC分析の結果、 Mnは1,210、Mwは6.1
70、Mzは14,630であって、多分散性比Mw/
Mnは5 、  I 、 Mz/Mnは12.1であっ
た。
重合体を含有している溶液の粘度は、ブルックフィール
ド粘度計で測定して、室温で1,400センチポアズで
あった。
重合体の固形分は69重量%であった(溶液の重量%は
存在する重合体量を示す。すなわち、存在する溶剤およ
び/または未反応単量体は「固形分」としては含まれな
い)。
重合体を含有している溶液に、PMアセテート溶剤によ
ってさらに希釈した結果、第6表の固形分−粘度プロフ
ァイルが得られた。
第6表  粘度プロファイル i”     形   %1       1ルツクフ
イールド   度 (cP169          
          1.40口溶剤を分離した重合体
のガラス転移温度ITg)は−39℃であった。
さらにこの溶剤を分離した重合体を示差走査熱量計(D
SC)を用いて測定した結果、溶融温度(Tm)は+3
9℃を示した。
及旦勇ユ [重合体の製造法(その7)] スチレンを(168,8gの代りに)112.5gを使
用し、アクリル酸を(393,8gの代りに)450g
を使用した以外は、実施例6の操作を実質的に繰返した
。分析結果を下記に掲げる。
GC分析により単量体から重合体への転換率(%)は、
スチレン92%、アクリル酸67%およびカプロラクト
ン99%であった。
GPC分析では、unが1,130、Mwが6.310
、Mzが16,120で、多分散性比Mw/Mnは5.
6で、Mz/Mnは14.3であった。
重合体溶液の粘度はブルックフィールド粘度計で測定し
て、室温で5.000センチポアズであった。重合体の
固形分は65重量%であり、PMアセテート溶剤で重合
体溶液をさらに希釈した結果、第7表に示すような固形
分−粘度プロファイルが得られた。
第7表  粘度プロファイル 重AJIF5(%)       ブルックフィールド
 ゛ 度 (cP)65              
       5.000溶剤を分離した後の重合体の
Tgは一43℃であることがわかった6さらにDSCに
よる重合体のTmは+32℃を示した。
実施例8 [重合体の製造法(その8)] 2I2の反応容器中でSGA重合反応を(30分間の代
りに)約90分間行なわせた以外、実施例7の操作を実
質的に繰り返した。分析結果を下記に掲げる。
GC分析結果、単量体から重合体への転換率(%)は、
スチレン100%、アクリル酸96%およびカプロラク
トン100%であった。
GPC分析の結果、unはl、280、Mwは6.55
0.Mzは15,630で、多分散性比Mw/Mnは5
 、 1 、 Mz/Mnは12.2であった。
重合体溶液の粘度は、ブルックフィールド粘度計で測定
して室温で2,400センチポアズであった。重合体の
固形分は70重1%で、PMアセテート溶剤によりこの
重合体溶液をさらに希釈した結果、第8表に示す固形分
−粘度プロファイルが得られた。
第8表  粘度プロファイル 1八  固形I (%)       1ルフクフイー
ルド   度 cP)70             
       2.400溶剤を分離した後の重合体の
Tgは一37℃であることがわかった。さらに重合体の
DSCにより測定したところ、Tmはほとんど無視でき
る程度であった。
実施例9 [重合体の製造法(その9)] 重合反応温度を(235℃の代りに)250℃にした以
外、実施例7の操作を実質的に繰り返した。分析結果を
下記に掲げる。
GC分析の結果、単量体から重合体への転換率(%)は
、スチレン100%、アクリル酸96%およびカプロラ
クトン100%であった。
GPC分析の結果、unは1,290、Myは5.05
0Jlzは10,960で、多分散性比Mw/Mnは3
.9、Mz/Mnは8.5であった。
重合体溶液の粘度は、ブルックフィールド粘度で測定し
て室温で1,200センチポアズであった6重合体固形
分は70重量%であり、PMアセテート溶剤により、重
合体溶液をさらに希釈した結果、第9表の固形分−粘度
プロファイルが得られた。
第9表  粘度プロファイル ffi”形(%         ブルックフィールド
 ゛ 度 fcP170              
        1.200溶剤を分離した重合体のT
gは一43℃であることがわかった。さらに、DSCに
よる重合体のTmは+37℃を示した。
亙1jffi4’ll辷旦 [重合体の製造法(その10)] 混合単量体が(スチレン112.5gとアクリル酸45
0gの代りに)スチレン281.3gとアクリル酸28
1.3gとを含む以外は、実施例9の操作を実質的に繰
り返した。
GC分析の結果、単量体から重合体への転換率(%)は
、スチレン96%、アクリル酸91%。
カプロラクトン98%であった。
重合体溶液の室温での粘度は、ブルックフィールド粘度
計で測定して2,500センチポアズであった。重合体
の固形分は74重量%であった。
このtp−合体溶液を、PMアセテート溶剤でさらに希
釈したところ第10表の固形分−粘度プロファイルが得
られた。
第1O表  粘度プロファイル 重A体  汗ヨ   (%)       1ルブクフ
イールド ° Ie(cP174          
           2.500反応終了後、グラフ
ト重合体含有溶液を薄膜型蒸発缶を通過させて未反応m
N体と溶剤を分離した。
GPC分析の結果、IJnは1,330、Mvは3.6
80]zは7,020で、多分散性比111w/Mnは
2,8で、Mz/Inは5,3であった。
溶剤分離後のグラフト重合体のTgは一32℃であるこ
とがわかった。さらにDSCにより重合体のTmは+3
4℃を示した。
実11性」」2 [重合体の製造法(その11)] 混合単量体が(スチレン281.3g、アクリル酸28
1.3gおよびカプロラクトン562.5 gの代りに
)スチレン268.2g、メタクリル酸320.4gお
よびカプロラクトン536.4gを含んでいる以外は実
施例1Oの操作を実質的に繰り返した。分析結果を下記
に掲げる。
GC分析の結果、単量体から重合体への転換率(%)は
、スチレン92%、メタクリル酸71%およびカプロラ
クトン99%であった。
GPC分析の結果、Inは880、Mwは2,450 
Mzは4,770で、多分散性比&4w/Mnは2.8
Mz/110は5.4であった。
室温における重合体溶液粘度は、ブルックフィールド粘
度計で測定して750センチポアズであった。重合体固
形分は68重量%で、PMアセテートを添加して重合体
溶液をさらに希釈して第11表のような固形分−粘度プ
ロファイルが得られた。
第11表  粘度プロファイル 重合体固形分 (%)       1ルフクフイール
ド   度 (cP)6B             
         750溶剤を分離した後の重合体の
Tgは一39℃であることがわかった。さらにDSCで
測定した重合体のTmは+32℃を示した。
実施例12 [重合体の製造法(その12)] 混合単量体が(スチレン168.8g、アクリル酸39
3.8gおよびカプロラクトン562.5 gの代りに
)スチレン281.3g、メタクリル酸393.8gj
iよびカプロラクトン450gを含み、SGA重合反応
を22の反応容器で(30分間の代りに)約60分間行
わせた以外、実施例6の操作を実質的に繰り返した。分
析結果を下記に掲げる。
GC分析の結果、単量体から重合体への転換率(%)は
、スチレン97%、メタクリル酸78%およびカプロラ
クトン99%であった。
GPC分析の結果、Mnは1,020、Myは4.17
0、Mzは10,030で、多分散性比Mw/Mnは4
.1で、IJz/Mnは9.8であった。
室温における重合体粘度は、ブルックフィールド粘度計
で測定して3,000センチポアズであった。重合体の
固形分は68重量%で、PMアセテート溶剤で重合体溶
液をさらに希釈したところ第12表の固形分−粘度プロ
ファイルが得られた。
第12表  粘度プロファイル 重合体固形分 (%)       1ルフクフイール
ド 粘度 fcP)68              
      3.0n0溶剤を分離した後の重合体のT
gは、−34℃であることがわかった。さらにDSCに
よる測定で重合体のTmは+31’Cを示した。
笈監五↓ユ [重合体の製造法(その13)] 混合単量体が(スチレン281.3g、メタクリル酸3
93.8gおよびカプロラクトン450gの代りに)ス
チレン337.5g、アクリル酸187.5gおよびカ
プロラクトン225gを含み、2I2の加圧撹拌反応容
器に(325gの代りに)250gのPMアセテート溶
液を導入し、反応温度を(235°Cの代りに)約22
0℃とした以外は、実施例12の操作を実質的に繰り返
した。分析結果を下記に掲げる。
GC分析の結果、単量体から重合体への転換率(%)は
、スチレン96%、アクリル酸91%およびカプロラク
トン98%であった。
GPC分析の結果、Mnはl、700.111wは10
.010.Mzは21,190で、多分散性のMw/M
nは5.9で、Mz/Mnは12.5であった。
室温における重合体溶液粘度は、ブルックフィールド粘
度で測定して108,000センチポアズであった。重
合体固形分は72重1%で、PMアセテート溶剤で重合
体溶液をさらに希釈したところ第13表のような固形分
−粘度プロファイルが得られた。
第13表  粘度プロファイル 重合体固形分(%)   1ルウクフイ一ルド粘度(c
P172                    1
08.000溶剤を分離した後の重合体のTgは一4℃
であることがわかった。さらに重合体をDSCで測定し
たが、検知できるTmを示さなかった。(従ってこの物
質は、結晶性でなく非品性と考えられる)。
実施例14 [重合体の製造法(その14)] 混合単量体が(スチレン337.5gとカプロラクトン
225gの代りに)スチレン300gとカプロラクトン
262.5gとを含み、SGA重合反応を2βの反応容
器で(60分間の代りに)約90分間行なわせた以外、
実施例13の操作を実質的に繰り返した0分析結果を下
記のようにまとめることができる。
GC分析の結果、単量体から重合体への転換率(%)は
、スチレン97%、アクリル酸93%およびカプロラク
トン99%であった。
GPC分析の結果、Mnは2,720、Mwは10.0
60、Mzは20.670で、多分散性比Mw/lln
は3.7で、Mzl&Inは7.6であった。
室温における張合体の溶液粘度は、プルツクフィーVレ
ド粘度計で測定して65,000センチポアズであった
。重合体固形分は72重量%で、この重合体溶液をPM
アセテート溶剤でさらに希釈して第14表のような固形
分−粘度プロファイルを得た。
第14表  粘度プロファイル 重A    形  (%)       ブルフクフ忙
ルド ° 度 (cP)72            
        65.000溶剤を分離した後の重合
体のTgは一18℃であることがわかった。さらにDS
Cで測定して重合体のTmは+37℃を示した。
実施例15 し重合体の製造法(その15)1 混合単量体が、(スチレン300gとカプロラクトン2
62.5gの代りに)スチレン262.5 gとカプロ
ラクトン300gを含み、SGA重合反応を212の反
応容器で(90分間の代りに)約120分間行わせた以
外、実施例14の操作を実質的に繰返した。分析結果を
下記に掲げる。
GC分析の結果、単量体から重合体への転換率は、スチ
レン98%、アクリル酸93%およびカプロラクトン9
9%であった。。
GPC分析の結果、Mnは2,570、Myは9.40
0、Mzは19,360t’、多分散性比Mw/Mnは
3.7で、Mz/Mnは7.5であった。
室温における重合体溶液の粘度は、ブルックフィールド
粘度計で測定して31,000センチポアズであった。
重合体の固形分は73重量%でPMアセテート溶剤でこ
の重合体溶剤をさらに希釈して第15表のような固形分
−粘度プロファイルを得た。
第15表  粘度プロファイル 重合    形! (%)       1ルフクフイ
ールド   度 1cP173           
         31.000溶fil+を分離した
後の重合体のTgは一12℃であることがわかった。さ
らにDSCで測定したところ重合体のTmは+37℃を
示した。
1巖皿↓玉 [重合体の製造法(その16)] 混合単量体が、(スチレン281.3gとカプロラクト
ン562.5gの代りに)スチレン562.5gとカプ
ロラクトン281.3gを含み、PMアセテートを(2
50’C(7)代り4.m)220℃の温度に加熱する
以外は、実施例10の操作を実質的に繰り返した。分析
結果を下記に掲げる。
GC分析の結果、単量体から重合体への転換率(%)は
、スチレン93%、アクリル酸89%およびカプロラク
トン99%であった。。
GPC分析の結果、Mnハ2. 180. Mwは12
.880、Mzは98,240T’、多分散性比Mw/
Mnは5.9で、Mz/Mnは45.1であった。
室温における重合体溶液の粘度は、ブルックフィールド
粘度計で測定して132,000センチポアズであった
。重合体の固形分は74重量%で、PMアセテート溶剤
でこの重合体溶液をさらに希釈して第16表の固形分−
粘度プロファイルを得た。
第16表  粘度プロファイル 主人体固形! (%)       1ル9りフィール
ド 粘度 (cP174              
     132、口00溶剤を分離した後の重合体の
Tgは+11℃であることがわかった。さらに重合体を
DSCで測定したが、明らかなTmは示さなかった。
実施例17 [重合体の製造法(その17)] PMアセテートを(250℃の代りに)220℃の温度
に加熱した以外は、実施例1Oの操作を実質的に繰り返
した1分析結果を下記に掲げる。
GC分析の結果、単量体から重合体への転換率(%)は
、スチレン80%、アクリル酸69%およびカプロラク
トン99%であった。
GPC分析の結果、Mnはl、620、MwはII、1
60、Mzは26,260で、多分散性比uw/Mnは
6.9で、 Mz/Mnは16.2であった。
室温における重合体溶液の粘度は、ブルックフィールド
粘度計で測定して21,000センチポアズであった0
重合体の固形分は68重量%で、I) Mアセテートで
この重合体溶液をさらに希釈して第17表の固形分−粘
度プロファイルを得た。
第17表  粘度プロファイル 主人体  形   (%)       ブルックフィ
ールド   庁 (cP168           
          21.000溶剤を分離した重合
体のTgは一33℃であることがわかった。さらにDS
Cで測定した結果。
重合体のTmは+34℃を示した。
実施例18(実施例13の重合体の硬化法と硬化重合体
の物性) 実施例13で製造した重合体含有溶液25gを下記のよ
うに熱硬化性塗料になるように配合した。
メラミン(アミノ樹脂)3.75gと、ダウコーニング
(Dow Corning) 57 (以下rDC57
Jという)の(PMアセテートの)10重量%溶液約0
.225gとを重合体含有溶液に添加した。
DC57は主にペイント添加剤として使用されるシリコ
ーン油である。
メラミンは重合体硬化成分として機能し、本発明方法に
おいてはDC57シリコーン油はいゎゆるスリップ剤と
して機能する。
前記の重合体含有溶液を60分間混合し、得られた混合
物を冷間圧延スチール基体上に塗布し、ついで175℃
で15分間焼付ける。この焼付段階中に、硬化重合体混
合物に存在する溶剤はほぼ全量揮発し、厚さ約50.8
u (約2ミル)の塗膜を形成する。硬化した塗膜の裏
面衝撃抵抗(reverse impact resi
stancelは46 、1 Kg−cm(40in、
 −1b、 )で、直接衝撃抵抗値(direct−i
mpacL resistance)は138.3にg
−cm(120in、 −ff1b、)であった、ケー
ニッヒ硬度(振桿硬度)は98で、鉛筆硬度は2Hであ
った。(例えばASTM試験法D 2794−84およ
びD 3363−74参照のこと) 実施例19 (実施例14による重合体の硬化物の物性)実施例14
で製造した重合体含有溶液25gを、実施例18と実質
的に同様の方法で熱硬化性塗料になるように配合した。
ただし焼付時間は(15分間の代りに)30分間とした
。R終のメラミン硬化塗11Qは、裏面衝撃抵抗か96
.8にg−ctg  (84in、 −1b、)て、直
接衝撃抵抗か156.7に)H−cs  (136in
、−1b、)てあり、ケーニッヒ硬度が69、鉛筆硬度
かHてあった。
支五班ユJ (実施例15による重合体の硬化物の物性)実施例15
°C製造した重合体含有溶液25gを、実施例18と、
実質的に同様の方法で熱硬化性塗料になるように配合し
た。たたし焼付時間は(15分間の代りに)45分間と
した。最締のメラミン硬化塗膜は、表面4ti撃抵抗か
80.7Kg−cm  (70in、 −1b、)て、
直接1#撃抵抗か129  Kg−cm(l l 2 
 in、−Jlb、)てあり、ケーニッヒと硬度か50
.鉛筆硬度か2Bてあった。
実j111」2 (実施例16による重合体の硬化物の物性)実施例16
で製造した重合体含有溶液を、実施例18と実質的に同
様の方法で、熱硬化塗料になるように配合した。最絆の
メラミン硬化塗膜は、裏面衝撃抵抗値か34.6にg−
cm(30in、−1b、 )て、直接衝撃抵抗か11
0 、6Kg−C@  (96in、 −、Q b、)
であって、ケーニッヒ硬度か116.鉛筆硬度か2Hで
あった。
支ム桝ユニ [重合体の製造法(その18)] α−メチルスチレン(AMS)5.0g、スチレン4.
4g、δ−バレロラクトン(DVL)6.3gおよび7
’)’)ル1v(AA)3.0 gを含む混合111?
体を、エチルベンゼン(ETB)溶剤6.3gに添加し
て溶液を作った。
比較的高圧に耐えられるカラス酸の開放アンプル数個に
、前記のETB溶液を約3gづつ入れた。溶液の入った
各アンプルをつぎに液体窒素(N2)により凍結し、減
圧し、室温に戻してからN2ガスてパージした。この操
作を3回経つ返してから各アンプルをシールした。
つぎに前記のシールした溶液か入ったガラス製アンプル
を、230°Cに加熱しである通常のシリコーン油浴に
浸漬し、カラス製アンプル内で前記の混合中埴体成分の
溶液引合を行なわせた。このζに合反応中に、ガスクロ
マドクラフィー(GC)およびゲル透過クロマトクラフ
ィー(GPC)による分析のため、(浸漬開始から)1
5,30゜45および60分の後に、油浴に浸漬したシ
ールしである試料入りのアンプルをシリコーン油浴から
取り出した。
(にCとGPCて測定した)単楡体から重合体への転換
率(重量%)と虫l平均分子−:k (Mw)を反応時
間の関数として第18表にまとめる。
第18表  !社を体転換率 反応時間が60分間の試料をさらにGPC分析した結果
、数平均分子i(Mnlが1,120、沈降平均分子量
(Mzlが15,070であって、多分散性比Mw/M
nは3.6、Mz/&4nは13.5であった。
叉ifL乙旦 [重合体の製造法(その19)] スチレン3.7g、t−ブチルスチレンITBsI5.
7g、アクリル酸(AA)2.8gおよびカプロラクト
ン(CAP)6.6gを含む混合単量体を、メチルケト
ン(MAK)溶剤6,3gに添加して溶液を作った。
比較的高圧に耐えるガラス製の開放アンプル数個に、前
記のMAK溶液を約3gづつ入れた。ついで溶液が入っ
たアンプルを液体窒素(N2)で凍結し、減圧し、室温
に戻して、N2ガスでパージした。この操作を3回繰り
返してから各アンプルをシールした。
つぎに前記のシールした溶液が入ったガラス製アンプル
を、21O℃に加熱しである通常のシリコーン油浴に浸
漬し、ガラス製アンプル内で前記の混合単量体成分の溶
液重合を行なわせた。この重合反応中に、ガスクロマト
グラフ(GC)およびゲル透過クロマトグラフィー(G
PC)による分析のため、(浸漬開始から)30,60
,90゜120および150分後に、油浴に浸漬しシー
ルしである試料入りのアンプルをシリコーン油井から取
り出した。
(GCとGPCで測定した)単量体から重合体への転換
重量%と重量平均分子量(Mw)を反応時間の関数とし
て第19表にまとめる。
第19表  単量体転換率 反応時間が150分間の試料をさらにGPC分析した結
果、数平均分子量(Mnlが3,770゜沈降平均分子
力(M、lが59.440であって、多分散性比My/
Mnは6、l 、 Mz/Mnは15.8であった。
実施例24 [重合体の製造法(その20)] スチレン4.4g、ビニルトルエン(VT)5.0g、
アクリル酸(AA)2.sgおよびカプロラクトン(C
AP)6.6gを含む混合単量体をキシレン溶剤6.3
gに添加して溶液を作った。
比較的高圧に耐えられるガラス製の開放アンプル数個に
、前記のキシレン溶液を約3gづつ入れた。溶液の入っ
た各アンプルをつぎに液体窒素(N2)により凍結し、
減圧し、室温に戻して、N2ガスでパージした。この操
作を3回繰り返してから各アンプルをシールした。
つぎに前記のシールした溶液の入ったガラス製アンプル
を、210℃に加熱しである通常のシリコーン油浴に浸
漬し、ガラス製アンプル内で前記の混合単量体成分の溶
液重合を行なわせた。この重合反応中に、ガスクロマト
グラフィー(GC)およびゲル透過クロマトグラフィー
(GPC)による分析のため、(浸漬開始から)30,
60゜90.120および150分後に、油浴に浸漬し
シールしである試料入りのアンプルをシリコーン油欲か
ら取り出した。
(GCとGPCで測定した)単量体から重合体への転換
重量%と重量平均分子El(%lWlを反応時間の関数
として第20表にまとめる。
第20表  (n量体転換率 反応時間が150分間の試料をさらにGPC分析した結
果、数平均分子量(Llが4,190、沈降平均分子;
it (M、lが76.300であって、多分散性比M
w/Mnは6.7、Mz/Mnは18,2であった。
文Mfff12五 [重合体の製造法(その21)] スチレン4.4g、0−クロロスチレン(GC5)5.
3g、アクリル酸(AA)2.8gおよびカプロラクト
ン(CAP)6.6gを含む混合単量体をセロソルブア
セテート(C5A)溶剤6.3gに添加して溶液を作っ
た。
比較的高圧に耐えられるガラス製の開放アンプル数個に
、前記のC5A溶液を約3gづつ入れた。溶液の入った
各アンプルをつぎに液体窒素(N2)により凍結し、減
圧し、室温に戻してから、N2ガスでパージした。この
操作を3回繰り返してから各アンプルを、シールした。
つぎに前記のシールした溶液の入ったガラス製アンプル
を、210℃に加熱しである通常のシリコーン油浴に浸
漬し、ガラス製アンプル内で前記の混合単量体成分の溶
液重合を行なわせた。この重合反応中に、ガスクロマト
グラフィー(GC)およびゲル透過クロマトグラフィ=
(GPC)による分析のため、(浸漬開始から)30,
60゜90.120および150分後に、油浴に浸漬し
シールしである試料入りのアンプルをシリコーン油欲か
ら取り出した。
(GCとGPCで測定した)単量体から重合体への転換
重量%と重量平均分子ffi(Mwlを反応時間の関数
として第21表にまとめる。
第21表  単量体転換率 反応時間が150分間の試料をさらにGPC分析した結
果、数平均分子量(Mfilが3,050、沈降平均分
子量(M、)が57,590であって、多分散性比Mw
/lJnは7 、 O、Mz/Mnは18.9であった
叉1」LL旦 [重合体の製造法(その22)] スチレン9.4g、アクリル酸(AA)3.0g、およ
びビバロラクトン(PVL)6.3gを含む混合単量体
を、セロソルブアセテート(C3A)溶剤6.3gに添
加して溶液を作った。
比較的高圧に耐えられるガラス製の開放アンプル数個に
、前記のC5A溶液を約3gづつ入れた。溶液の入った
各アンプルをつぎに液体窒素(N2)により凍結し、減
圧し、室温に戻してから、N2ガスでパージした。この
操作を3回繰り返してから各アンプルをシールした。
つぎに前記のシールした溶液の入ったガラス製アンプル
を、200℃に加熱しである通常のシリコーン油浴に浸
漬し、ガラス製アンプル内で前記の混合単量体成分の溶
液重合を行なわせた。この重合反応中に、ガスクロマト
グラフ(GC)およびゲル透過クロマトグラフィー(G
PC)による分析のために、(浸漬開始から)30,6
0゜90.120および150分後に、油浴に浸漬しシ
ールしである試料入りのアンプルをシリコーン油浴から
取り出した。
(GCとGPCで測定した)単量体から重合体への転換
重量%と重量平均分子量(My)を反応時間の関数とし
て第22表にまとめる。
第22表  単量体転換率 反応時間が150分間の試料をさらにGPC分析した結
果、数平均分子量(Mnlが3,500、沈降平均分子
M(M、)が49,420であって、多分散性比My/
Mnは6.0、Mz/llnは14.1であった。
実施例27 [重合体の製造法(その23)] スチレン9.4g、アクリル酸(AA)3.0g、およ
びチオブチロラクトン(TBL)6.4gを含む混合単
量体を、セロソルブアセテート(C3A)溶剤6.3g
に添加して溶液を作った。
比較的高圧に耐えられるガラス製の開放アンプル数個に
、前記のC5A溶液を約3gづつ入れた。溶液の入った
各アンプルをつぎに液体窒素(N2)により凍結し、減
圧し、室温に戻してから、N2ガスでパージした。この
操作を3回繰り返してから各アンプルをシールした。
つぎに前記のシールした溶液の入ったガラス製アンプル
を、200℃に加熱しである通常のシリコーン油浴に浸
漬し、ガラス製アンプル内で前記の混合単量体成分の溶
液重合を行なわせた。この重合反応中に、ガスクロマト
グラフィー(GC)およびゲル透過クロマトグラフィー
(GPC)による分析のために、(浸漬開始から)30
.60゜90.120および150分後に、油浴に浸漬
しシールしである試料入りのアンプルをシリコーン油浴
から取り出した。
(GCとGPCで測定した)単量体から重合体への転換
重量%と、重量平均分子量(Mw)を反応時間の関数と
して第23表にまとめる。
第23表  単量体転換率 反応時間が150分間の試料をさらにGPC分析した結
果、数平均分子数(M7)か2,560゜沈降平均分子
量が42,900であって、多分散性比MVl/unは
6.0、Mz/llnは16.8であった。
Xl」LL旦 (重合体のアルカリ可溶性) 本発明によるグラフト重合体のアルカリ可溶性を示すた
めに、実施例7および9〜11のグラフト重合体を下記
のように試験した。
実施例7および9〜11のグラフト重合体の試料を薄膜
型蒸発缶に通して、グラフト重合体から溶剤と未反応単
量体を分離し、100ffi量%の[全固形分(TS)
Jクラフト重合体を得た(すなわち試料は事実上揮発物
質を含んでいない)。
この100重量%TSクラフト重合体1gを脱イオンに
水20gに添加した。つぎにこの重合体含有水を撹拌し
て50℃に加熱して、グラフト重合体が溶解するまで水
酸化アンモニウムを添加した。
グラフト重合体の溶解後、得られた溶液のpHを測定し
た0本発明のアルカリ可溶性の性状を第24表に示す。
第24表  重合体のアルカリ溶液 −1立腟−溶液 H 実施例79.1 実施例99.0 実施例10      9.2 実施例11      8.9 11叢lユ (床仕上塗装) 実施例1Oのグラフト重合体を使用して、第25表の組
成物構成に従って床仕上塗料を製造した。各成分に示さ
れている重量%は、床仕上塗料組成物全重量に対するも
のである。
第25表  床仕上塗料組成物 一皮一一玉一   −1−1−墨一 説イオン水       44.4 工フルション重合体            31.1
4重合体溶fi10.66 ワックスエマルション               
6゜DECMME                 
   4゜架橋剤         2゜ 界面活性剤        1゜ TBEP           O,8前記表中の「エ
マルション重合体」は乳化重合反応により製造された重
合体を意味する。より詳細には、前記のエマルション重
合体は市販のスチレン−アクリルエマルション重合体(
ウィスコンシン州うシーヌ、S、C,ジョンソンアンド
サン社(S、C,Johnson & Son、Inc
、)によりrC−41Jの商標名で市販されているもの
)で、全固形分約34重量%を含んでいる(すなわち残
部の約65重量%は揮発物である)。
実施例10のグラフト重合体の試料を、実施例28と同
様にしてアンモニア水溶液に溶解し、グラフト重合体の
TSが15重量%のアンモニア水溶液とした(第25表
ではこれを「重合体溶液」としている)。
前記のワックスエマルションは、より詳細には未酸化低
密度ポリエチレンエマルション(ペンシルヴエニア州、
フィラデルフィア、ロームアンドハース社より「ポリエ
ム(PoβyEm) 20 Jの商標名で市販されてい
るもの)で、約40重量%の全固形分を含んでいる(す
なわち残部の約60重量%は揮発性成分を構成している
)。
DEGMMEは、詳しくはジエチレングリコール千ツメ
チルエーテルである。
前記表中の架橋剤は、詳しくはTSが15重量%のZ 
n (NHxl (HCOs)iである。
前記表中の界面活性剤は、より詳しくはTSが約1重量
%の市販の界面活性剤である。Cプラウエア州つィルミ
ントン、デュポン社より「ゾニル(ZONYL) FS
JJの商標名で市販されているもの)。
TBEPは、詳しくは、リン酸トリス−(ブトキシエチ
ル)である。
第25表の組成物は下記のようにして配合した。エマル
ション重合体、重合体溶液、DEGMMEi3よび界面
活性剤成分を脱イオン水とともに混合した。ついでこれ
を撹拌しながら、架橋剤、THEP成分、最後にワック
スエマルションをそれぞれこの順番にゆっくり添加して
、ビニルタイル試験片塗布用のpHs、6でTSが16
重量%の床仕上溶液を調製した6 前記の床仕上配合品をビニルタイルに塗布すると、10
分間以内(塗布してから)に乾燥して非粘着性塗膜(ま
たは仕上塗料)を有するビニルタイルが得られた。さら
にこの仕上塗料は、望ましい均展性と、耐引掻き性なら
びに再塗布性を有している。
例えば、ビニルタイルの乾燥塗布面を市販の光沢計を使
用して測定した。とくに、仕上塗料を2回塗りした塗布
ビニルタイルの60°光沢値は70.9であった(光沢
計は読み直前のキャリビュレーションする)。
叉m旦 (インキ分散剤への応用) 実施例IOのグラフト重合体を、第26表の組成物構成
に従ってインキ分散剤を製造するのに用いた。
第26表  インキ分散剤組成物 一成一一一一分一   重量% 脱イオン水         51.59クラフト重合
体                    34゜水
酸化7ンモニウム溶液               
7.3イソプロパl−ル              
         5.65プロピレンクリコール  
                    l、46前
記表中のグラフト重合体は、実施例10で製造したグラ
フト重合体の75100重量%のものである。このグラ
フト重合体(CAP約50重量%、スチレン約25重量
%およびAA約25重量%から作られたもの)は高分子
樹脂の特徴を持っている。
前記の水酸化アンモニウム溶液は、アンモニアの28%
水溶液である(これはこの水性アンモニア溶液100g
にはNH3が28g含まれていることを意味する)。
第26表のインキ分散剤成分を混合して、水性アンモニ
ア基材混合物を調製する。この混合物を70℃に加熱し
て樹脂全部(すなわちグラフト重合体)を溶解し、樹脂
カット(resin cut)を調製する。本明細書に
おける「樹脂カット」なる語は、高分子樹脂(例えば本
発明のグラフト重合体)の水酸化アンモニウムの水性溶
液に対し用いられる。この樹脂カットのp Hは8.8
であった。第27表の組成物構成に従って、前記の樹脂
中に顔料を完全に分散させる。
第27表  顔料ビヒクル組成物 −」乳−m−jL−重  量  % 顔  料                 65樹脂
カツト         30 脱イオン          5 前記表中の顔料は白色顔料、詳しくはT i Ozにュ
ージャージー州ウニイン、アメリカンサイアナミド社製
)である。
前記表中の樹脂カットは、第26表に関して記載された
樹脂である。
第27表の成分を組合わせ、混合して顔料ビヒクルを調
製した。この顔料ビヒクルを1重量平均分子量(Mw)
約200,000を有するエマルション重合体と調合(
βet down) してインキビヒクルを製造した(
ここで用いる「調合する」という語は、この種の顔料分
散体に高分子量エマルション重合体を混合することを意
味する)、詳しくは、第27表の顔料ビヒクルは、下記
の第28表のインキビヒクル組成物構成に従って、前記
のエマルション重合体で調合した。
第28表  インキビヒクル組成物 −成一一一公一       U−4−顔料ビヒクル 
        60 工フルション重合体                
 35脱イオン水          5 第28表に示した顔料ビヒクルは、第27表に関連して
記載した顔料ビヒクルである。
第28表に示したエマルシコン重合体は、第27表に関
連して簡単に記載したエマルション重合体である。より
詳細には、このエマルション重合体は、スチレン−アク
リル酸エマルション重合体(ウィスコンシン州うシーヌ
、S、C,ジョンソンアンドサン社がr74FJなる商
標で市販)で、エマルション重合体が水にTSとして4
9重量%分散しているものである(すなわち49重量%
の不揮発物質が水に分散している)。
第28表に示した成分を組合わせ、混合してインキビヒ
クルを製造した。得られたインキビヒクルはTSが約5
7.6重量%で、粘度が約18.7秒であった[No、
 2ザーンカツプ(Zahn Cup)を使用して測定
]。
このようにして製造したインキビヒクルを光沢カード上
に引き延ばしくすなわち塗布し)、室温で一夜放置して
乾燥させる。(ここで用いる「光沢カード」という語は
、表面が塗布できる市販の基材のことである)、−夜装
置乾燥した光沢カードの光沢値を測定するため、前記の
光沢針を使用し、実施例29と同様に操作して、60°
光沢値。
が45.1であった。さらに光沢のある塗膜は、良好な
耐引掻き性と、光沢カードに対する良好な接着性を示し
た。
実」U乳31 (オーバープリントへの適用) 実施例1Oのグラフト重合体を、第29表の組成物構成
に従って水性オーバープリントフェスを調製するのにも
使用した。
第29表  オーバープリントフェス組成物−Jえ一一
−jL−重  量  % エマルション重合体                
 59゜樹脂カット          25゜スリッ
プ剤          lO1酸化亜鉛      
     5.9消泡剤            0.
1第29表に示されたエマルション重合体は、スチレン
−アクリル酸エマルション重合体(ウィスコンシン州う
シーヌ、S、C,ジョンソンアンドサン社が[ジョンク
リル(Joncryl) 77 Jの商標で市販してい
るもの)で、重量平均分子量が約200.000で、T
Sが48重量%のものである。
第29表に示された樹脂カットは、実施例30に記載し
た方法と実質的に同様にして調製し、また実施例10の
グラフト重合体の試料を使用して調製した水酸化アンモ
ニウム樹脂カットである。
第29表に示されたスリップ剤は、ポリエチレンワック
スエマルションスリップ剤(ウィスコンシン州うシーヌ
、S、C,ジョンソンアンドサン社が「ジョンワックス
(Jonwaxl 26 Jの商標で市販しているもの
)で、TSが25重量%のものである。いわゆる「スリ
ップ剤」とは、配合物の滑り性を向上しくすなわち摩擦
係数を低下)させるために配合物に一般に添加される。
「摩擦係数」なる語には、静摩擦係数も動摩擦係数も含
まれる[例えばアイ・エイチ・シエームス[,9,5h
ames)の「エンジニアリング・メカニッス」、ニュ
ーシャーシー、エンジェルウッド・クリフス(Engl
ewood C11ffs)のプレンティス・ホール社
Prentice−Ha11. Inc、が1966年
出版した第2版第1巻、第173頁参照のこと]。
第29表に示された消泡剤は、鉱油誘導体である[ニュ
ーヨーク、ライトコ社(Witc。
Corporation)か「バツルブレーカー(Ru
bbleBreaker) 748 Jの商標で市販し
ているもの)。
クリャオーバープリントフェスは、前記の成分(第29
表に示した)を用いて下記のようにして調製した。
樹脂カットを攪拌しているエマルション重合体にゆっく
り添加した。さらに樹脂カット含有エマルション重合体
を攪拌しながら、スリップ剤、ついて酸化亜鉛、最後に
消泡剤をそれぞれゆっくり添加してオーバープリントフ
ェス混合品を調製した。オーハープリントフェス混合品
のpHは9、lて粘度は110センチポアズである。
このようにして調製した混合品を、市販の線巻きドロー
タウンロッド((Wire−wound drawdo
wnrod )すなわちNo、 6  RDS口・ソト
)を用いて印刷したカートLに塗布した。カートに塗布
したオーバープリントフエスはついて125°Cて10
秒間乾燥した。
カードに対する接着性は優れていた。カードに接着して
いるオーバープリント塗膜はさらに良好な可撓性と耐引
掻き性を有することがわかった。
実施例29と同様に、オーバープリント塗膜の光沢値を
光沢針を用いて測定した。60°光沢値は53.5であ
った。
夫JLL支l (グラフト重合体の結晶性) 前記したように本発明のグラフト重合体はある種の状態
で結晶性を有することが見出された。
ある種の重合体は、主として重合体構造が最密構造をと
るために結晶性を有することは公知である[例えばジー
・オディアン(G、 0dianlの「重合の原理(P
rinciples of Polymerizati
onlJ、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社の19
81年出版1第2版、第28−29頁参照のこと1.し
かしながら、グラフト重合体は側鎖を有するため、一般
に最密構造をとるとは考えられない、さらに共重合が結
晶生成物を生成する傾向を減少させることも一般に公知
である(前記文献の144頁)。
従って本発明のグラフト重合体の結晶性は誠に驚ろくべ
きことである。
高分子物質の熱転移を調べることにより、一般に特定の
高分子物質の非品性、結晶性または半結晶性が決められ
る0例えば結晶の溶融温度(T、)とガラス転移温度(
T1)は、高分子物質が結晶性か非品性かを調べるのに
用いる主要な2種類の転移温度となっている(前記文献
の第29−31頁参照のこと)。
本発明のグラフト重合体の結晶性について、前記の公知
技術を利用して調べた結果、本発明のグラフト重合体に
存在している+1)カルボン酸部分の存在下で開環可能
な環状エステル分子と(2)エチレン性不飽和カルボン
酸単量体のモル比によって結晶性となったり非品性にな
ったりすることが見出された。
詳しくは、本発明のSGA法により製造されたグラフト
重合体をこの調査対象とした。(前記の)DSC技術を
利用した熱分析を実施例11〜17.22i5よび26
のグラフト重合体試料に対して行ないT、の存在を調べ
た(T、が存在すると結晶性を示すことになる)。
前記のように、実施例13ないし17のグラフト重合体
試料は、PMアセテートを溶剤として使用し、反応単量
体としてスチレン、アクリル酸(AA)およびε−カプ
ロラクトン(CAP)を含んだSGA法で製造されたも
のである。実施例11および12のグラフト重合体試料
は、同一の溶剤を使用し、アクリル酸の代りにメタクリ
ル酸(MAA)を使用した以外は、(実施例13〜17
と)実質的に同一の反応単量体を使用して製造したもの
である。実施例22のグラフト重合体は、エチルベンゼ
ン溶剤を使用し、反応単量体として、アクリル酸、δ−
バレロラクトン(口VL) gよびビニル単量体の混合
物(すなわちスチレン単独の代りにα−メチルスチレン
とスチレン)を含んだSGA法によって製造されたもの
である。実施例26のグラフト重合体は、セロソルブア
セテート溶剤を使用し1反応単量体として、スチレン、
アクリル酸およびビバロラクトン(PVL)を含んだS
GA法で製造したものである。
第30表  CAP対AAモル比についての実験結果q
Δ旦−2lJLj」」t    9λ乙り飄ヨ含」杢 
     観察されたT。
0.63     実施例!6      傘0.76
     実施例13       中0.88   
  実施例1437℃ 1.00     実施例1537℃ 1.26     実施例1734℃ 第30表に示されたデータより、前記のようにして製造
された特定のグラフト重合体において結晶性を持つため
には、CAP対AAのモル比が約0.76より大である
ことが必要なことがわかる(CAP対AAのモル比が0
.76またはそれ以下だとグラフト重合体は非品性とな
る)。
第31表 CAP対MAAモル比についての実験結果値
り亙ハAi上 江11渣1 級11吠ち−0,99実施
例1232℃ 1.44      実施例11     31’C第
32表  DVL j’tAAモル比についての実験結
果[IVL  対AAモル比   LλムL二川用合」
杢      観察されたT1■、50     実施
例22* 第33表  PVL対AAモル比についての実験結果P
VL刈二〜11り土   久λ乙り二重:自」杢   
   観察されたT。
1.50     実施例25* 前記第30表、第32表および第33表に示された星印
(*)は明確なT1が得られなかったことを意味し、従
ってこれに対応するクラフト重合体は非品性と思われる
当業者にとっては、ある種の状態および特定の応用分野
においては、結晶性を有するグラフト重合体が望ましい
ことであり、一方他の状態および異なった応用分野にお
いては半結晶性または全体が非品性であることが望まし
いことは当然理解できることである5 本明細書にはアルカリ可溶性のポリ酸グラフト重合体の
新規な製造法を記載した。またこの製造法で製造したポ
リ酸グラフト重合体をも記載した。多数の好ましい実施
態様を参照にして製造法および重合体を記載したが、本
発明はこれらに限定されるものではない、むしろ当業者
にとって前記により代替、変更および修正が明らかに可
能となるであろう、従ってかかる代替、変更上よび修正
は、本発明の特許請求の範囲の精神および範囲内に包含
される限り、本発明の一部を構成するものと考えるべき
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、少なくとも一個の主鎖と、その主鎮に結合している
    複数の側鎖を有するアルカリ可溶性グラフト重合体の製
    造法において、 撹拌されている反応帯に含まれている溶剤 の中で、(1)遊離基を形成することのできる少なくと
    も一種類のビニル系単量体と、 (2)その形成された遊離基の存在下で前記のビニル系
    単量体と付加共重合ができる少なくとも一種類のエチレ
    ン性不飽和カルボン酸単量体と、(3)前記のカルボン
    酸単量体の存在下で開環することができる環状エステル
    分子とを混合して、反応体開始性重合性混合物を生成さ
    せ、 該反応体開始性重合性混合物を、前記のビ ニル系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸単量体とを
    遊離基付加重合させて一個のグラフト重合体主鎖を形成
    するとともに環状エステル分子をその内部エステル結合
    部で開環させてグラフト重合体主鎖にグラフトさせるの
    に有効な予め選んだ温度と圧力に保ち、グラフト重合体
    に側鎖を形成し、 その過程においてグラフト重合体の主鎖と 側鎖の形成を実質的に同時に起させることを特徴とする
    製造法。 2、数平均分子量が約500ないし約30,000であ
    って、構造的に下記の式 ▲数式、化学式、表等があります▼ (式中、Rは、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
    t−ブチルスチレン、o−クロロスチレン、スチレンお
    よびこれらの混合物からなる群から選ばれた不安定なデ
    ィールス−アルダーアダクトを基体とする末端基であり
    、R_1およびR_2は、−H、−CH_3または−C
    OOHであり、 R_3は、−H、−CH_3、−COOH_1ーCH_
    2COOH、▲数式、化学式、表等があります▼、 ▲数式、化学式、表等があります▼ または ▲数式、化学式、表等があります▼ であり、 R_4およびR_5は、−Hまたは−CH_3であり、 iおよびjはそれぞれ約1ないし約500であり、 には0ないし50であり、 mは2ないし11である) で表わされることを特徴とするアルカリ可溶性グラフト
    重合体。
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