JPH0121029B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、入力軸と、入力軸をトーシヨンバー
を介して接続した出力軸と、入力軸に連結したス
プール弁と、該スプール弁に遊嵌し且つ出力軸に
連結したバルブボデイとからなり、該バルブボデ
イには圧力ポンプからの圧力油の供給及び排出を
それぞれ行う溝が設けられていて、出力軸に負荷
がかかつた時にトーシヨンバーの捩れによりバル
ブボデイに対するスプール弁の相対角度変位によ
り排出溝の開口量を制御し圧力油の流出を制御す
るスプール弁に関する。この種スプール弁は例え
ば動力舵取装置に用いられ、バルブボデイの供給
溝は自動車のエンジンにより駆動される油圧ポン
プから圧力油の供給を受け、排出溝はこの供給圧
力油を動力舵取装置のかじ取操作力を補助する油
圧シリンダーに、かじ取り方向に従い供給する。
この場合、出力軸の負荷の変動該油圧ポンプの圧
力油の脈動等によりバルブボデイとスプール弁間
の捩り方向の振動を発生することがあり、この振
動は、ステアリング圧力系を含めた自励振動を誘
起し、ステアリング・シヤフトを介してステアリ
ング・ホイールに伝達されこの結果、運転者に操
舵についての不安感、不快感を与える。

本発明は上記従来技術の欠点を除去するスプー
ル弁を提供することにある。

この課題は特許請求の範囲の特徴部分により解
決する。

本発明による構成によりバルブボデイとスプー
ル弁間に設けたゴム弾性リングに油圧ポンプから
の圧力油が作用するので、油圧が高ければ高い程
ゴム弾性リングがスプール弁とバルブボデイ間の
すき間に変形し圧入されるのでその摩擦力が増大
し、スプールとバルブボデイ間の相対振動を防止
できる。更に、例えば組立時にゴム弾性リングを
組付けなかつたようなことが発生すると、スプー
ル弁とバルブボデイ間の大きな隙間から圧力油が
容易に流出するので、圧力油が油圧シリンダーを
作動させなくなり従つて、ゴム弾性リングの組付
けがなかつたことを明らかに示すことになり、完
成検査も容易に実施できるものとなる。

次に実施例を示して図面により本発明を詳細に
説明する。

第１〜３図において、出力軸であるウオーム軸
９は、その左側に形成されたネジ溝１０をギヤー
ケース１１内に嵌合されたラツクピストン１２の
ネジ溝２６に一連のポール２７を介して螺合され
ている。その右端はピン１３を介して連結された
バルブボデイ１を介してスラストニードルベアリ
ング１４により回転自在に支持され、ウオーム軸
９左端の軸受２８と共に軸方向荷重を担持してい
る。

ラツクピストン１２の外周の一部には、ラツク
歯２９が設けられていて、クロスシヤフト３０と
噛合い、クロスシヤフト３０は図示されていない
ピツトマンアームおよびリンケージを通じて操向
車輪と接続している。入力軸１５はウオーム軸９
と同一軸線上に配置し、一端はウオーム軸９の内
径部に圧入されたラジアル軸受１６により支持さ
れ、他端はバルブハウジング３２の内径部にネジ
嵌合しているトツプカバー１７に固定されたラジ
アル軸受１８により、回転自在に支持され、更に
図示されていないステアリングシヤフトを介して
ステアリングホイールに接続されている。入力軸
１５とウオーム軸９はトーシヨンバー１９、固定
ピン２０およびウオーム軸９左端の固定ピン３１
により連結されていて、このトーシヨンバー１９
によりウオーム軸９の負荷に応じ互に制限された
範囲内で、相対角度変位出来る様になつている。

制御バルブを形成するスプール弁２は、僅かな
隙間でバルブボデイ１の内径部に嵌合され、入力
軸１５に設けられたドライブピン２１と係合し、
ウオーム軸９と入力軸１５との相対角変位に合せ
バルブボデイ１に対し回転変位し、外周に設けた
一連の軸方向溝供給側２２Ａ、排出側２２Ｂでも
つて圧油を切り換える様になつている。

スプール弁２の右端には、円周溝３が設けら
れ、圧油制御用軸方向溝２２Ａ（供給側）と、ス
リツト５を介して直通している。円周溝３と排出
側（油戻り側）環状室７とはスプール弁２の圧力
側とバルブボデイ１との嵌合隙間δ₁より更に大き
いδ₃（0.01〜0.05mm）隙間でもつて連通している。
又、円周溝３にはＯリング等のゴム弾性体６が組
込まれ、圧油の変化に応じ円周溝３の側壁３Ａ
と、バルブボデイ内面１Ａに同時に押圧されその
押圧に応じて摩擦抵抗により、両者の相対角変位
に抵抗を与える。

バルブボデイ１の外周部には、３の環状溝２３
Ａ，２３Ｂ，２３Ｃがあり、夫々、圧油供給口２
４、および夫々の油路２５Ａ，２５Ｂを通じ補助
操作用油圧シリンダーに連通している。

一方環状室７は、図示されていない戻り口を通
じ、油圧ポンプ戻り口に接続されている。

次に作動について説明する。

今開示されていないステアリングホイールを右
に切つた時（ウオーム軸９が左ネジとする。）、図
示されていないステアリングシヤフトを介して、
入力軸１５が右回転する所が車輪の接地抵抗によ
り、クロス・シヤフト３０、ラツクピストン１
２、ウオーム軸９は動こうとせず、その為入力軸
１５とウオーム軸９とはトーシヨンバー１９によ
り相対角変位を生じる。この相対角変位により、
入力軸１５に設けられたドライブピン２１がスプ
ール弁２を右回転させ図示されていない油圧ポン
プからの油圧を圧油供給溝２４、環状溝２３Ａ、
スプール弁２の軸方向溝２２Ａ、油路２５Ａを通
じて油圧シリンダーのシリンダー室２６Ａに圧油
を供給し、ラツクピストン１２を左方へ移動し、
クロスシヤフト３０を油圧で作動する。又、この
時もう１つの油圧シリンダーのシリンダー室２６
Ｂからの圧油は、図示されていない油路を通り、
環状溝２３Ｂ、油路２５Ｂ、スプール弁２の排出
溝２２Ｂ、油路２７、環状室７、図示されていな
い戻り口を通じて油圧ポンプの戻り口へ流れる。

一方スプール弁の軸方向溝２２Ａに生じた高圧
は、スリツト５を通じて円周溝３に伝達され、ゴ
ム弾性リング６をスプール弁２の側壁３Ａバルブ
ボデイ１の内面１Ａに押しつけ、この油圧に対応
した摩擦抵抗により、スプール弁２とバルブボデ
イ１の相対変位を抑制しようと作用する。この時
ゴム弾性リング６はその変形をさまたげようとす
る隙間８が完全に戻り側に開放されている為、圧
油の急激な変化に対しても、その圧力に応じ感度
高く応答出きる（第３図）。

更に、円周溝３が、戻り側環状室７と連通して
いる為、例えばゴム弾性リング６の組忘れがあつ
ても供給溝２２Ａ、スリツト５と環状室７が連通
され圧力が逃げるので昇圧せず、組忘れを即発見
でき、実車装着後の振動発生不具合に至ることを
未然に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の縦断面図であり、
第２図は本発明によるＯリングの装着説明図であ
り、第３図は第２図のＯリングに圧力負荷がかか
つたときの説明図である。 １……バルブボデイ、２……スプール弁、６…
…Ｏリング（ゴム弾性リング）、９……ウオーム
軸、１５……入力軸、１９……トーシヨンバー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 入力軸と、入力軸をトーシヨンバーを介して
   接続した出力軸と、入力軸に連結したスプール弁
   と、該スプール弁に遊嵌し且つ出力軸に連結した
   バルブボデイとからなり、該バルブボデイには圧
   力ポンプからの圧力油の供給及び排出をそれぞれ
   行う溝が設けられていて、出力軸に負荷がかかつ
   た時にトーシヨンバーの捩れによりバルブボデイ
   に対するスプール弁の相対角度変位により排出溝
   の開口量を制御し圧力油の流出を制御するスプー
   ル弁において、スプール弁とバルブボデイ間にゴ
   ム弾性リングを設けており、ゴム弾性リングに対
   し圧力側のスプール弁とバルブボデイ間の隙間を
   低圧側のスプール弁とバルブボデイ間の隙間より
   小さくしたことを特徴とするスプール弁。