JPH01203436A - 改良されたカチオン交換膜及びその製法 - Google Patents

改良されたカチオン交換膜及びその製法

Info

Publication number
JPH01203436A
JPH01203436A JP63026631A JP2663188A JPH01203436A JP H01203436 A JPH01203436 A JP H01203436A JP 63026631 A JP63026631 A JP 63026631A JP 2663188 A JP2663188 A JP 2663188A JP H01203436 A JPH01203436 A JP H01203436A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
exchange membrane
cation exchange
cation
ion exchange
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP63026631A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Matsui
健一 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP63026631A priority Critical patent/JPH01203436A/ja
Publication of JPH01203436A publication Critical patent/JPH01203436A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は改良されたカチオン交換膜およびその製造法に
関する。本発明はとくにクロルアルカリの電気分解に有
用である。
(従来の技術) アニオンであるスルホン酸基および/またはカルボン酸
基を保有する含フッ素高分子からなるカチオン交換膜は
、クロルアルカリの水溶液を電気分解させて苛性アルカ
リおよび塩素を製造する際に、陰・陽画電極室を分離す
るのに用いられ、公知のものである。また、該カチオン
交換膜は、高濃度の苛性アルカリ水溶とは酸化力の強い
塩素に長期間接触するため、通常のハイドロカーボン系
の高分子より、そのすべての水素原子がフッ素原子に置
換されたパーフルオロ化物の方が実用的である。
上記のカチオン交換膜を隔てて、陽極室側にクロルアル
カリの水溶液を供給して通電すると、アルカリ金属のカ
チオンは陰極室側から電気的に引きつけられる。そのた
め水分子を一部同伴しながら膜を通過して行く。
したがって、陰極室側では水量が増しつつ苛性アルカリ
の濃度が高められる。そして陽極室側では電気的に中和
されたクロルイオン塩素ガスになって水から遊離する。
工業的には陽極室側に絶えずクロルアルカリと水を供給
し、陰極室側は苛性アルカリの濃度を所定の濃度に保ち
ながら、その一部を製品として抜き出して行く。
この苛性アルカリ水溶液の濃度は、原則的にはその用途
に合わせて選ばれるが、電解槽や電極の材質によっては
高濃度に上げられない場合もあって、画一的ではない。
ところで、使用されるカチオン交換膜は、陰極室側の苛
性アルカリの濃度に適したイオン交換容量に最初から設
定されている必要がある。すなわち、苛性アルカリの濃
度が低い場合は、イオン交換容量が大きすぎると電流効
率が低くなり、無駄な電力を消費してしまう。
ここでいうイオン交換容量とは、膜を構成する樹脂(乾
燥重りIg当たりに含まれるイオン交換基の量をミリ当
量で表わしたものである。
また、電流効率とは、通電した全電気量のうち苛性アル
カリの生成に有効に使われた電気量の割合のことで、1
00%に満たない分には、リーク電流のほかに、陰極室
側の水酸イオンの一部が膜を透過して陽極室側へ移行す
るのに消費されたものも含まれている。
また、イオン交換容量が小さ過ぎると、その膜の電気抵
抗が太き(なり、電力ロスは大きくなる。そして、高濃
度の苛性アルカリを製造したい場合はイオン交換容量を
少し大きくしておいた方が良い。もちろんイオン交換容
量が大き過ぎると別の弊害を生ずる。すなわち、水中で
の膨潤度が大きくなり、陽極室側のクロルイオンが、一
部、濃度拡散によって膜を通過して苛性アルカリ中に混
入したり、それとは逆方向に水酸イオンが膜を通過して
電流効率を低下させることがある。
したがって、使用されるカチオン交換膜は、製造すべき
苛性アルカリの濃度に合わせて最適のイオン交換容量を
選ばなければならない。
(解決しようとする課題) このようにこれまでは、製造すべき苛性アルカリの濃度
に合わせて、イオン交換容量の異なる膜を用意していた
従来の技術では膜のイオン交換容量はポリマーを作る段
階で決められていた。たとえば含フッ素高分子でテトラ
フルオロエチレンと(m=0または1.n=l〜3の整
数、X=スルホン酸またはカルボン酸あるいはコ亥基に
転換しうる基) の共重合体の場合、両者のモル比が所定の値になるよう
に共重合させておいてから製膜している。
本発明ではこの製膜方法はなんら制限を受けるものでは
ないが、たとえばXを5ozpまたはC00CH:lの
形で重合したものをフィルム状に溶融押出成形し、その
後、XをSO:l−またはC00−にケン化することが
できる。
膜の品種をいくつも用意することは、生産管理を行なう
上で繁雑であり、無駄が多く、また製造品質を安定化さ
せるにも極めて不利である。
この生産上の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、
本発明を完成するに至ったのである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、 (11アニオンであるスルホン酸基および/またはカル
ボン酸基をイオン交換基として保有する含フッ素高分子
からなるカチオン交換膜において、(その全面にわたっ
て)該アニオンと不溶性の塩を形成するカチオンがイオ
ン交換基の一部に結合していることを特徴とするカチオ
ン交換膜。
(2)アニオンと不溶性の塩を形成するカチオンが(a
)アルカリ金属を除く金属イオン群、(b)オニウム化
された窒素、硫黄または燐を有する有機化合物群の中か
ら選ばれた1種または2種以上の組合せからなるもので
ある前項1に記載のカチオン交換膜。
(31(b)に記載するオニウム化された窒素を有する
有機化合物が一般式[R,N ]”で表わされ、同じま
たは異なる4つのRのそれぞれが水素、もしくは少なく
とも一つが炭素数1〜20からなるアルキル基または炭
素数7〜20からなるアラルキル基である前項2に記載
のカチオン交換膜。
(4)  (b)に記載するオニウム化された硫黄を有
する有機化合物が一般式[R’33]+で表わされ、同
じまたは異なる3つのR′のそれぞれが水素、もしくは
少な(とも一つが炭素数1〜20からなるアルキル基ま
たは炭素数7〜20からなるアラルキル基である前項2
に記載のカチオン交換膜。
(51(b)に記載するオニウム化された燐を有する有
機化合物が一般式[甘“4P]+で表わされ、同じまた
は異なる4つのR゛のそれぞれが水素、もしくは少なく
とも一つが炭素数1〜20からなるアルキル基または炭
素数7〜20からなるアラルキル基である前項2に記載
のカチオン交換膜。
(6)R,R7およびi゛の炭素に結合する水素の一部
あるいは全部がフッ素に置換されている前項3〜5のい
ずれかに記載のカチオン交換膜。
(7)元のカチオン交換膜のイオン交換容量が0.5〜
2.0 ミリ当量7g乾燥樹脂である前項1〜6のいず
れかに記載のカチオン交換膜。
(8)  イオン交換基の1〜50%にカチオンが結合
している前項1〜6のいずれかに記載のカチオン交換膜
(9)  イオン交換基の2〜30%にカチオンが結合
している前項の1〜6いずれかに記載のカチオン交換膜
α鴫 含フッ素高分子がテトラフルオロエチレンと(m
=0または1. n=1〜3. X=スルホン酸また、
はカルボン酸あるいは該基に転換しうる基) との共重合体であり、イオン交換容量が0.5〜2.0
ミリ当量/g乾燥樹脂である前項1〜6いずれにか記載
のカチオン交換膜。
aD  アニオンであるスルホン酸基および/またはカ
ルボン酸基と不溶性の塩を形成する前項2〜5いずれか
に記載のカチオンの水溶液でカチオン交換膜を処理する
ことを特徴とする前項1又は2に記載の改良されたカチ
オン交換膜の製造方法。
(ロ)カチオンの水溶液に、さらに水と相溶し、かつカ
チオン交換膜を膨潤させる有機化合物を加えて処理する
前項11に記載の改良されたカチオン交換膜の製造方法
α尋 有機化合物がアミン類、アルコール類、尿素、ケ
トン類およびスルホキサイド類の中から選ばれた1種ま
たは2種以上の組合せである前項12に記載の改良され
たカチオン交換膜の製造方法。
α0 有機化合物がジェタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、尿素、エチレングリコール、グリセリンおよ
びジメチルスルホキサイドの中から選ばれた1種または
2種以上である前項13に記載の改良されたカチオン交
換膜の製造方法を提供する。
ここで、前記第1項に記載の「その全面にわたって」と
は、膜表面の場合は表面全体にわたってという意味であ
り、膜内部の場合は表面に平行な層を考えたときに、そ
の層全体にわたってという意味である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で用いられるカチオン交換膜のイオン交換容量は
、その膜の使用条件や用途によって異なるが、通常0.
5〜2.0 ミリ当量7g乾燥樹脂である。0.5 ミ
リ当量/g乾燥樹脂未満では膜の電気抵抗が大きくなり
過ぎて電力ロスが大になる場合がある。また2、0 ミ
リ当量7g乾燥樹脂を超えると、膜自体が水中で膨潤し
て膜の耐久性が失われたり、同種イオン、すなわちクロ
ルイオンや水酸イオンの透過を許す傾向が大きくなって
電流効率が著しく低下する場合がある。
本発明では、上記カチオン交換膜のイオン交換基にアニ
オン不溶性の塩を形成するカチオンを結合させてイオン
交換基の一部を不活性化させることにより、任意の割合
でイオン交換容量を縮減させることができる。
なお、カチオン交換膜の高分子中に保有されていたアニ
オンの量、すなわちイオン交換容量をカチオンによりm
滅させる割合は通常1〜50%であるが、1%未満では
縮減効果が明確に現われず、また50%を越えると、膜
が脆化したり、柔軟性を失ったりして、膜の機械的性質
が損なわれる場合がある。縮減の割合は、好ましくは2
〜30%である。
この縮減によって工業的に最も大きく貢献する利点の一
つにクロルアルカリの電気分解による苛性アルカリと塩
素の製造がある。これに用いるカチオン交換膜は含フッ
素高分子を主成分ポリマーとするものが好ましく、その
中でもテトラフルオロエチレンと (以下余白) (m=0または1.n=l〜3の整数、X=スルホン酸
またはカルボン酸あるいは該基に転換しうる基) との共重合物は最も優れたポリマーの一つである。
このポリマーの製造方法ならびにこのポリマーから膜を
製造する方法については、たとえば特許出願公表昭58
−501630号、同58−501821号に記載され
ている。
のちに実施例をもって詳しく記述するが、Xが5O1−
であるAミリ当量/g乾燥樹脂のポリマーとXがCOO
−でBミリ当量/g乾燥樹脂のポリマーとの2層からな
るカチオン交換膜に該カチオンを作用させて夫々のイオ
ン量をaおよびb%だけ不活性化すると、イオン交換容
量は夫々A(1−a/100)およびB(1−b/10
0)ミリ当量7g乾燥樹脂に縮減される。
ところで、SO3−層とCOO−層との両層からなる膜
があるが、この場合は前者を陽極室側に後者を陰極側室
にそれぞれ向けて使用するとよい。
SO3−層だけの膜の場合には、陰極室側に生成する水
酸イオンが膜を隔てた陽極から引き付けられ、陽極室側
に透過して電流効率を低下することが知られている。上
記の両層をもつ膜の場合は、C00−層が水酸イオンの
透過を妨げて電流効率の低下を防ぐ。
したがって、苛性アルカリの濃度に合わせてイオン交換
容量を変える必要があるのは、陰極室側の苛性アルカリ
の水溶液と接触するCOO−層の方であり、しかもその
表層部分がと(に重要である。
SO3−層は、膜全体の機械的補強の役割を持つが、電
気抵抗の出来るだけ小さい材料で作られていることが好
ましいので、この層のイオン交換容量は、原則的には、
出来るだけ大きいままにしておいた方が良い。
なお、この両層は、原理的には単に重ね合わされるだけ
でもいいが、電解性能の面から、接着剤接着や加熱加圧
接着、あるいはフィルムに溶融押出し成形する際に溶融
ポリマーがスリットダイスを出る前または出た直後に接
着するという溶融時接着などによって強固に貼り合わさ
れることが好ましい。
ところで、本発明においてカチオン交換膜のイオン交換
容量を縮減するためのカチオンは、膜の持つアニオン、
すなわちスルホン酸基SO3−および/またはカルボン
酸基CO〇−を不活性化させるためのものであるが、高
濃度の苛性アルカリ水溶液にも耐えることをも考慮して
選ばれなければならない。
これに該当するカチオンは、(a)アルカリ金属を除(
金属イオン群、(b)オニウム化された窒素、硫黄また
は燐を有する有機化合物群の中から選ばれた1種または
2種以上の組合せからなるものである。
ここで、アルカリ金属を除く金属イオン群の例として第
1B族(Cu、 Au)、第■族(lie、 ML C
a、 Sr。
Ba、Ra、Zn) 、第■族(Sc、 YI Lal
 Cel Tm+ Al l Gal In+ Tl)
第P/ (Ti+ Zr、 llf + Cel Sn
+ P b)、第V族(Sn)、第■族(Cr、 Mo
、 W)のイオンをあげることができる。これらの金属
の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩などのうち、水溶性
であり、かつ化学的に安定なものが好ましい。そのよう
な例としてCuC1□+FeC1,++NiC1□+ 
(NH4)CoC1z−6HzO,PtC1a 、 B
a (NOi) t + Ga5041CeHSOn、
(CH3COO) zcaなどがあるリアルカリ金属に
ついては、そのイオン交換膜中のスルホン酸基およびカ
ルボン酸基と安定な塩を作らない性質を利用して、交換
膜を透過するようにしているのであるから、除外される
のは当然である。
また、オニウム化された窒素を有する有機化合、物は、
好ましくは一般式[R4N]+で表わされるもので、同
じまたは異なる4つのRのそれぞれが水素、もしくは少
なくとも一つが炭素数1〜20からなるアルキル基また
は炭素数7〜20からなるアラルキル基である。好まし
い例としてはテトラメチルアンモニウムイオン、トリメ
チルステアリルアンモニウムイオン、ジメチルジへキシ
ルアンモニウムイオン、トリメチルトルイルアンモニウ
ムイオンがある。
オニウム化された硫黄を有する有機化合物は、好ましく
は一般式[R’lS]+で表わされるもので、同じまた
は異なる3つのR′のそれぞれが水素、もしくは少なく
とも一つが炭素数1〜20からなるアルキル基または炭
素数7〜20からなるアラルキル基である。好ましい例
としてはジメチルジエチルスルホニウムイオン、トリメ
チルオレイルスルホニウムイオン、トリメチルへキシル
スルホニウムイオン、ジメチルエチルトルイルスルホニ
ウムイオンがある。
オニウム化された燐を有する有機化合物は、好ましくは
一般式[i4’<p]+で表わされるもので、同じまた
は異なる4つの貸゛のそれぞれが水素、もしくは少なく
とも一つが炭素数1〜20からなるアルキル基または炭
素数7〜20からなるアラルキル基である。好ましい例
としてはテトラメチルホスホニウムイオン、トリメチル
オレイルホスホニウムイオン、トリメチルトルイルホス
ホニウムイオンがある。
さらにこれらの有機化合物は、そのR,R7およびR′
の炭素に結合する水素の一部あるいは全部をフッ素に置
換されていると、膜の長期安定性能が一段と向上する。
好ましい例としてはパーフルオロジメチルジヘキシルア
ンモニウムクロラオドがある。
つぎに、該金属イオンならびに該オニウムイオン(以下
、該カチオンと記す)を膜に付与するための処理方法に
ついて記述する。元の膜は、通常はクロルアルカリまた
は水酸化アルカリの薄い水溶液で濡れた状態にある。し
たがって、水で膨潤した状態にある膜を処理することに
なる。
この処理は、膜を電解槽に装着したあと、すなわち通電
作業に入る前に「前処理」の形で行なってもよいが、装
着する前に処理しておく。すなわち膜を製造したあとの
「後処理」の形で実施して、苛性アルカリ濃度別、顧客
別などの銘柄の膜として生産管理することもできる。
「前処理」の場合は、該カチオンの水溶液を陰極室と陽
極室に別々に流入させることが出来るので、組成の異な
る水溶液を処理剤として使用することが容易となる。す
なわち膜の両側に異なる濃度および組成の該カチオンを
選ぶことができ、しかも任意のpHのもとで処理するこ
とが容易となる。
また通電させながら処理することも可能となる。
このときは膜の厚み方向の該カチオンの分布を任意に制
御することも出来る。
「前処理」 「後処理」ともに共通していることとして
、処理液のpHの調整は重要である。膜と接触する水の
pHは膜の中のアニオン、すなわちSO3−およびC0
0−の電離度と深く関わっている。
pHが2以下になると000−は遊離のカルボン酸C0
OHになり、該カチオンはSO,l−とのみ造塩結合す
る。pHが2を超えると該カチオンはSO2−びCOO
−の両方と造塩結合しうるが、そのどちらと結合するか
は該カチオンの種類により決まる。例えばpH12では
、Ca”イオンは503−よりC00−に多(、Ba″
イオンはそれとは逆にSO,−に多く結合する。また、
Cu、Zn 、Fe、Tiなどの金属イオンは膜の接触
させた側の層に多く結合する。
ここで注意しなければならないことがある。たとえばあ
る該カチオンをpHが3ないし6で上記の膜に接触させ
ても、実際にクロルアルカリ水溶液を電気分解させる段
階になると10を超えるpHの苛性アルカリ水溶液と長
時間接触することになるため、その結合状態が変わるこ
とがある。
したがって、はじめから10を超えるpHの水溶液で処
理しておく方が管理しやすい場合もある。
なお、オニウムイオンの場合には、窒素、硫黄および燐
に直結する水素の個数により処理条件が異なる。すなわ
ち水素の個数が少ないとその分子の塩基度が弱まるため
、処理液としての濃度を上げ、pHを若干低めにするこ
とが好ましい。
ところで、該イオン交換膜には厚みがある。−般的には
75〜300ミクロンであるが、本発明は厚さで何らの
規制もされない。しかし、膜を該カチオンの水溶液で処
理する場合、該カチオンは膜の表面から内部に浸透拡散
する。したがって、膜の厚みが大きくなるに従い、該カ
チオンが膜の内部に到達する時間は長くなる。このよう
な場合は処理温度を上げることにより容易に時間短縮を
実現することができる。
ただし、これは見掛は上のことであって、膜の内部のミ
クロ構造からみると、膜の厚みより膜構造の緻密さの方
が重要である。これは該カチオン自体あるいはその水和
状態での大きさと相対的な関係にある。
この膜の微細構造は、電解中における膜の耐久性に大き
く関わっている。すなわち、苛性アルカリのアルカリ金
属イオンは、水和状態であっても、その大きさはかなり
小さいものである。したがって、一般的にはそれよりも
大きい該カチオンは膜の微細構造の比較的緩い部分に多
く集まり、それだけに脱落しやすい。したがって苛性ア
ルカリの電解中に膜から脱落しないように、該カチオン
を膜に強固に結合せしめるのが好ましい。
この問題につき鋭意検討した結果、膜該カチオンを付与
する際の微細構造を弛緩させておく方法が好ましいこと
を見出した。すなわち、カチオン交換膜に該カチオンを
付与する際に、水と相溶し、かつ該カチオン交換膜を膨
潤させる有機化合物を加えて処理する方法である。
これに該当する有機化合物はアミン類、アルコール類、
尿素、ケトン類、およびスルホキサイド類の中から選ば
れた1種または2種以上の組合せからなるものである。
そしてさらにジェタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、尿素、エチレングリコール、グリセリンおよびジメ
チルスルホキサイドを好ましい物質として選ぶことがで
きる。
処理温度は一般的には高い方が膜の膨潤の程度が大きく
、また該カチオンは膜の内部に拡散しやすくなり、微細
構造のかなり内部にも吸着することが期体される。この
温度依存性は、とくにオニウムイオンの場合に著しい。
そして、該カチオンの添加時期は特に限定されるもので
はないが、該有機化合物の添加と同時又は添加後が好ま
しいが。こような処理をした後は苛性アルカリ又はクロ
ールアルカリの薄い水溶液で洗浄しておく方がいい。
なお、膜に機械的強度を持たせるために膜の内部に補強
材を入れることがある。よく用いられる補強材の例とし
てポリテトラフルオロエチレン繊維がある。しかし、本
発明においてはこれら補強材の種類および形状には無関
係である。
以下に実施例をもってさらに詳細に本発明を説明する。
(実施例) 実施例1 cpz=cpzとCF z = CFOCF zcP 
(CF 3) OCF zcP zso zFを共重合
させて0.92ミリ当量/g乾燥樹脂のイオン交換容量
を有するポリマーSを得る。同様に、cpz=cpzと
CF z = CFOCF zCF (CF 3) O
CF zCF zcOOcH2を共重合させて1.0 
ミリ当量7g乾燥樹脂のイオン交換容量を有するポリマ
ーCを得る。このポリマーSおよび270℃で溶融押出
し方式によりそれぞれ125および25ミクロンの厚さ
のフィルムに成形する。この2種のフィルムを220℃
で加熱圧着すると透明な1枚の膜になる。これを苛性カ
リ15%およびジメチルスルホキサイド30%の水溶液
中に浸漬し、90℃、60分間処理すると、ケン化反応
が起こり、ポリマーS側はSO2−、ポリマーC側はC
00−をそれぞれイオン交換基とするカチオン交換膜が
得られる。
つぎに、苛性ソーダでpHを8に調整した硫酸カルシウ
ムの飽和水溶液を用意し、これの中に上記交換膜を浸漬
させる。カルシウムイオンはまもなく膜全面にわたって
均一に吸着される。この場合、カルシウムイオンの大部
分はポリマーC層側に吸着され、ポリマーS層側にはポ
リマーC層側の175程度しか吸着されない。
この場合の硫酸カルシウムの使用量は、化学当量計算に
より、処理後の膜のイオン交換容量がポリマーC側で1
0%縮減して0.9 ミリ当量7g乾燥樹脂になるよう
に温度と時間を選んで処理することができる。硫酸カル
シウムは過剰に加えておき、常に飽和溶液になるように
してもよい。
この処理前後の膜を塩化ナトリウム水溶液の電気分解に
用いると、膜の最大の電流効率を示す苛性ソーダ濃度は
それぞれ33および27%で、その濃度から外れると何
れも電流効率が低下する。
実施例2 CFz=CFzとCF z = CFOCF zCF 
(CF 2) OCF zCF zso zFを共重合
させて0.95ミリ当量/g乾燥樹脂のイオン交換容量
を有するポリマーSを得る。同様に、CF、 = CF
、とCF t = CFOCF zcF (CF *)
 OCF 2CP zcOOcH3を共重合させて1.
0 ミリ当量7g乾燥樹脂のイオン交換容量を有するポ
リマーCを得る。このポリマーSおよびCを270℃で
溶融押出し方式によりそれぞれ110および25ミクロ
ンの厚さのフィルムに成形する。この2種のフィルムを
220 ℃で加熱圧着すると透明な1枚の膜になる。こ
れを苛性カリ15%およびジメチルスルホキサイド30
%の水溶液中に浸漬し、90℃、60分間処理すると、
ケン化反応が起こり、ポリマーS側はSO,−、ポリマ
ーC側はC0o−をそれぞれイオン交換基とするカチオ
ン交換膜が得られる。
つぎに、苛性ソーダでpHを8に調整した硝酸第二鉄の
水溶液を用意し、これを上記交換膜のポリマーC側に接
触させる。第二鉄イオンはまもなくポリマーC層に全面
にわたって均一に吸着される。この場合の塩化第二鉄の
使用量は、化学当量計算により、処理後の膜のイオン交
換容量がポリマーC側で10%縮減して0.9 ミリ当
量7g乾燥樹脂になるまで硝酸第二鉄の濃度および温度
を選んで処理することができる。
この処理前後の膜を塩化ナトリウム水溶液の電気分解に
用いると、膜の最大の電流効率を示す苛性ソーダ濃度は
それぞれ35および30%で、その濃度から外れると何
れも電流効率が低下する。
実施例3 実施例2と同じ膜を、ポリマーCを陰極に向けて装着す
る。そして陽極室側に5%濃度の塩化ナトリウム水溶液
を、陰極室側に規定量の硝酸バリウムを含む水溶液をそ
れぞれ充填させる。その規定量というのは膜のCOO−
基の5%と造塩結合させるために必要な量を指す。
この処理前後の膜を塩化ナトリウム水溶液の電気分解に
用いると膜の最大の電流効率を示す苛性ソーダ濃度はそ
れぞれ34および30%で、その濃度から外れると何れ
も電流効率が低下する。
実施例4 酢酸カルシウム30%水溶液を実施例2と同じ膜のポリ
マーC側にロールコータ−で塗布する。
塗布量は膜のCOO−基の6%と同じ当量のCa”+が
付与されるように調整する。この塗布された膜をそれと
同じ大きさの2枚のポリエステルフィルムの間に挟み込
み、30℃のもとで4時間静置する。
この処理前後の膜を塩化ナトリウム水溶液の電気分解に
用いると膜の最大の電流効率を示す苛性ソーダ濃度はそ
れぞれ35および28%で、その濃度から外れると何れ
も電流効率が低下する。
実施例5 実施例2において硝酸第二鉄の替わりにテトラメチルア
ンモニウムクロライドを用い、その処理液にジメチルス
ルホキサイドを30%の水溶液濃度になるように加える
この処理前後の膜を塩化ナトリウム水溶液の電気分解に
用いると、膜の最大の電流効率を示す苛性ソーダ濃度は
それぞれ35および30%で、その濃度から外れると何
れも電流効率が低下する。
実施例6 実施例5においてテトラメチルアンモニウムクロライド
の替わりにパーフルオロ・テトラメチルアンモニウムブ
ロマイドを用いる。
この処理前後の膜を塩化ナトリウム水溶液の電気分解に
用いると、膜の最大の電流効率を示す苛性ソーダ濃度は
それぞれ34および30%で、その濃度からは外れると
何れも電流効率が低下する。
実施例7 実施例5においてテトラメチルアンモニラムク、ロライ
ドの替わりにパーフルオロ・ジメチルジへキシルスルホ
ニウムクロライドを用いる。
この処理前後の膜を塩化ナトリウム水溶液の電気分解に
用いると、膜の最大の電流効率を示す苛性ソーダ濃度は
それぞれ34および30%で、その濃度から外れると何
れも電流効率が低下する。
実施例日 実施例5においてテトラメチルアンモニウムクロライド
の替わりにパーフルオロトリメチルモノステアリルアン
モニウムクロライドを用い、ジメチルスルホキサイドに
その173重量の尿素を追加する。
この処理前後の膜を塩化ナトリウム水溶液の電気分解に
用いると、膜の最大の電流効率を示す苛性ソーダ濃度は
それぞれ34および27%で、その濃度から外れると何
れも電流効率が低下する。
実施例9 実施例8においてパーフルオロトリメチルモノステアリ
ルアンモニウムクロライドならびに尿素の替わりにジエ
チルジジへキシルホスホニウムブロマイドならびにグリ
セリンを用いる。
この処理前後の膜を塩化ナトリウム水溶液の電気分解に
用いると、膜の最大の電流効率を示す苛性ソーダ濃度は
それぞれ34および28%で、その濃度から外れると何
れも電流効率が低下する。
実施例10 実施例3において硝酸バリウムの替わりにパーフルオロ
・ジメチルジへキシルスルホニウムクロライドを用い、
これにトリエタノールアミンおよびグリセリンを水溶液
濃度がそれぞれ20%になるように処理液を調整する。
50℃、30分間処理したのち、陰極室側の処理液をp
H12の苛性ソーダ水溶液に置換する。
この処理前後の膜を塩化ナトリウム水溶液の電気分解に
用いると、膜の最大の電流効率を示す苛性ソーダ濃度は
それぞれ33および27%で、その濃度から外れると何
れも電流効率が低下する。
(発明の効果) 従来のカチオン交換膜はその目的に応じて最適のイオン
交換容量を有する膜を多種類それぞれ重合によって製造
し用意する必要がある。そのため繁雑な操作を要しかつ
無駄が多く品質の安定化の上においても極めて不利であ
った。
本発明によれば、ある一定のイオン交換容量の膜を実質
的に任意のイオン交換容量に交換することができるので
、従来のように多種類のポリマーを重合により製造する
ことなく多品質のかつ品質的にも安定したイオン交換膜
が容易に得られる。
特許出願人  旭化成工業株式会社

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)アニオンであるスルホン酸基および/またはカル
    ボン酸基をイオン交換基として保有する含フッ素高分子
    からなるカチオン交換膜において、該アニオンと不溶性
    の塩を形成するカチオンがイオン交換基の一部に結合し
    ていることを特徴とするカチオン交換膜
  2. (2)アニオンと不溶性の塩を形成するカチオンが(a
    )アルカリ金属を除く金属イオン群、(b)オニウム化
    された窒素、硫黄または燐を有する有機化合物群の中か
    ら選ばれた1種または2種以上の組合せからなるもので
    ある請求項1に記載のカチオン交換膜
  3. (3)アニオンであるスルホン酸基および/またはカル
    ボン酸基と不溶性の塩を形成する、請求項2に記載のカ
    チオンの水溶液でカチオン交換膜を処理することを特徴
    とする、請求項1又は2に記載の改良されたカチオン交
    換膜の製造方法
  4. (4)カチオンの水溶液にさらに水と相溶し、かつカチ
    オン交換膜を膨潤させる有機化合物を加えて処理する請
    求項3に記載の改良されたカチオン交換膜の製造方法
JP63026631A 1988-02-09 1988-02-09 改良されたカチオン交換膜及びその製法 Pending JPH01203436A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63026631A JPH01203436A (ja) 1988-02-09 1988-02-09 改良されたカチオン交換膜及びその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63026631A JPH01203436A (ja) 1988-02-09 1988-02-09 改良されたカチオン交換膜及びその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH01203436A true JPH01203436A (ja) 1989-08-16

Family

ID=12198797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63026631A Pending JPH01203436A (ja) 1988-02-09 1988-02-09 改良されたカチオン交換膜及びその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH01203436A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001079336A1 (en) * 2000-04-17 2001-10-25 Regenesys Technologies Limited Process for the preparation of ion exchange membranes

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001079336A1 (en) * 2000-04-17 2001-10-25 Regenesys Technologies Limited Process for the preparation of ion exchange membranes

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR850000053B1 (ko) 불소화 혼성막
US4212713A (en) Electrolysis of aqueous solution of alkali metal chloride
US5221455A (en) Bipolar membrane and method for its production
US20060173084A1 (en) Bipolar membrane and method of making same
SK15012002A3 (sk) Spôsob výroby bipolárnej membrány a použitie takto získanej bipolárnej membrány
JP3364224B2 (ja) シングルフィルム膜、その製法、及びその利用
SU1491342A3 (ru) Способ получени двухслойной катионообменной мембраны
CN106621841A (zh) 一种荷正电纳滤膜的制备方法
EP1188784B1 (en) Cation-exchange membrane selectively permeable to monovalent cation and process for producing the same
CA1336898C (en) High performance bipolar membranes
CZ84197A3 (en) Process for producing a bipolar membrane and process for preparing aqueous solution of alkali metal hydroxide by electrodialysis
JPH01203436A (ja) 改良されたカチオン交換膜及びその製法
JP3339961B2 (ja) 両性膜及びアルカリ金属水酸化物水溶液の製造方法
US4051002A (en) Electrodialysis for aqueous solution of base
JP2524012B2 (ja) バイポ―ラ膜及びその製造方法
US4414338A (en) Cation exchange membrane
JPH06145379A (ja) バイポーラ膜
Ling et al. Critical effect of pH on the formation of organic coatings on mild steel by the aqueous electropolymerization of 2-vinylpyridine
JPH0247491B2 (ja)
SU904527A3 (ru) Катионообменна мембрана и способ ее получени
JPH06179757A (ja) バイポーラ膜
JPH061865A (ja) バイポーラ膜
JPS6223773B2 (ja)
JPS5865727A (ja) 改良された含フツ素陽イオン交換樹脂膜
JPS63458B2 (ja)