JPH01201410A - 精錬炉からの出鋼時における溶融スラグの流出防止方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 二の発明は、転炉等の精錬炉において出鋼時に生ずる溶
融スラグの流出を防止するための方法に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

例えば、転炉において精錬を終了した溶鋼は、炉体上部
側面に設けられた出鋼口が下方に向くように炉体を傾動
させることにより、出鋼口を通してその下方に位置する
取鍋に排出される。このとき、溶鋼表面に浮遊している
溶融スラグの一部が溶鋼に混入し、溶鋼と共に取鍋内に
流出する。このように、取鍋内に排出された溶鋼中に溶
融スラグが混入していると、製品品質が劣化し且つ鋳造
作業にも支障を招く。

（発明が解決しようとする課題〕 そこで、従来、転炉の出鋼口から取鍋内に流出する溶鋼
流を、作業員が監視し、溶鋼流中に溶融スラグが混入し
たら、溶鋼の流出を止めることが行なわれていた。しか
しながら、このような方法では、溶徴スラグの混入流出
を確実に防止することができず、特に、無酸化出鋼の場
合には、出鋼口と取鍋との間がカバーによって遮蔽され
、出鋼口からの溶鋼流が目視できないため、上述の方法
は実施不可能であった。

また、転炉の出鋼口直上の溶融金属中に、溶鋼と溶融ス
ラグとの中間の比重を有するスラグボールを浮遊させ、
溶融スラグが流出する出鋼末期には、スラグボールによ
って出鋼口を閉鎖し、溶融スラグの流出を防止する方法
も試みられているが、このような方法でも、溶融スラグ
の流出を確実に防止することはできない。

従って、この発明の目的は、転炉等の精錬炉から、その
出鋼口を通して精錬を終ゴした溶鋼を排出するに当り、
溶融スラグの流出を確実に防止することができる方法を
提供することにある。

本発明者等は、上述した問題を解決すべく鋭意研究を重
ねた。出鋼口から流出する溶鋼流中に溶融スラグが混入
する原因は、上記溶鋼流によって出鋼口上方の溶鋼中に
吸込み渦が発生するからである。即ち、出鋼口からの吸
込み渦の高さが高いと、溶融スラグの混入が発生する。

そこで、吸込み渦の発生高さと出鋼口のノズル径との関
係を調べたところ、第３図に示すような関係にあること
がわかった。即ち、出鋼口のノズル径が大になるほど吸
込み渦発生高さは高くなる。

現在−船釣な転炉である容！２５０Ｔでノズル径が１７
０〜２２０ｍｍの場合の吸込み渦発生高さは、約２２５
〜２７５ｍａ＋であり、このような高さであると溶融ス
ラグの巻込みが発生する。

従って、ノズル径即ちノズルを通って流出する溶鋼の相
対流出速度を遅くすれば、吸込み渦発生高さは低くなり
、溶融スラグの流出が防止されることがわかった。

（課題を解決するための手段〕 この発明は、上記知見に基づいてなされたものであって
、精煉炉の出鋼口周辺に不活性ガスの供給管を設け、精
錬を終った溶鋼を、前記精錬炉から前記出鋼口を通して
排出する際に、その出鋼末期に前記供給管を通して前記
精錬炉内の溶鋼中に不活性ガスを吹き込み、前記不活性
ガスによって、前記精錬炉内の前記溶鋼の表面に浮遊す
る溶融スラグの、前記出鋼口からの流出を防止したこと
に特徴を有するものである。

次に、この発明を図面を参照しながら説明する。

第１図は、この発明の一実施態様を示す転炉の出鋼口部
分の垂直断面図である。第１図に示すように、転炉１の
出鋼口２には、耐火物からなるノズル３が設けられてい
る。出鋼口２０周辺には、耐火物からなる側壁を貫通す
る複数本の不活性ガス供給管４が設けられている。

不活性ガス供給管４の一端は炉内に向けて開口し、他端
は導管５を介して図示しない不活性ガス供給源に接続さ
れている。また、不活性ガス供給管４には、その長さ方
向に複数本の支管６が設けられ、支管６の一端はノズル
３に開口している。

出鋼末期に、不活性ガス供給管４を通して、転炉１内の
溶鋼７およびノズル３を通って流れる溶鋼Ｔ中に、アル
ゴンガスや窒素ガスのような不活性ガスを噴出させる。

この結果、ノズル３を通って流れる溶鋼の相対流出速度
は遅くなり、転炉１内における吸込み渦の発生高さは低
くなる。

第２図は、直径２２０Ｍのノズル３の周囲に設けられた
直径１．５閣の不活性ガス供給管４から、転炉１内の溶
ｍ７およびノズル３を通って流れる溶鋼７中に不活性ガ
スを吹き込んだときの、前記不活性ガスの吹込み量と、
ノズル３を通って流れる溶ｆｉ７の相対流出速度との関
係を示したグラフである。第２図から明らかなように、
ガス吹込み量が増加するに伴って相対流出速度は遅くな
る。

本発明者等が行なった試験によれば、不活性ガスの吹込
み量を４０　ＯＮｌ／ｗｉｎ以上即ち相対流出速度を０
．４以下にすれば、出鋼口２の上方に生成する吸込み渦
の発生高さは低くなり、従って、溶融スラグの流出が防
止されることが明らかになった。

不活性ガスの吹き込みによって溶融スラグの流出が防止
される理由は、ノズル３を通って流れる溶鋼７中に不活
性ガスが気泡となって混入する結果、ノズルを通って流
れる？８鋼７の見掛は上の流出速度が遅くなり、且つ、
第１図に示すように不活性ガス供給管４から転炉■内の
溶鋼中に噴出する不活性ガスによって、ノズル３の上方
の湯′面上に存在する溶融スラグ８が退けられるからで
ある。

〔実施例〕

次に、この発明を実施例により説明する。容量２５０Ｔ
の転炉によって精錬された溶鋼を、前記転炉を傾動させ
、その出鋼口に設けられた直径２２０　＋ｎｍのノズル
を通して、出鋼口の下方に配置された取鍋内に排出した
。溶鋼の深さが２５０　ｍｍ以下になった出鋼末期に、
ノズルの周辺に設けられた直径１．４胴の２８本の不活
性ガス供給管から、１０．０ＯＯＮ　１　／　ｍｉｎの
流量でアルゴンガスを噴出した。

その結果、取鍋内に排出された溶鋼中には、殆んど溶融
スラグが混入しなかった。なお、出鋼時間は２分であり
、出鋼中における溶鋼温度の低下は殆んど生じなかった
。

〔発明の効果〕

以上述べたように、この発明によれば、転炉等′の精錬
炉から、その出鋼口を通して精錬を終了した溶鋼を排出
するに当り、溶融スラグの流出を確実に防止することが
でき、従って、製品品質が劣化することはなく、鋳造作
業を円滑に行なうことができる工業上有用な効果がもた
らされる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施態様を示す転炉の出鋼口部分
の垂直断面図、第２図はこの発明における不活性ガス吹
込み債と溶鋼の相対流出速度との関係を示すグラフ、第
３図は出鋼口のノズル径と吸込み渦発生高さとの関係を
示すグラフである。 図面において、 １・・・転炉、　　　　　　　２・・・出鋼口、３・・
・ノズル、　　　　　　４・・・不活性ガス供給管、５
・・・導管、　　　　　　　６・・・支管、７・・・溶
鋼、　　　　　　　８・・・溶融スラグ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 精錬炉の出鋼口周辺に不活性ガスの供給管を設け、精錬
   を終った溶鋼を、前記精錬炉から前記出鋼口を通して排
   出する際に、その出鋼末期に前記供給管を通して前記精
   錬炉内の溶鋼中に不活性ガスを吹き込み、前記不活性ガ
   スによって、前記精錬炉内の前記溶鋼の表面に浮遊する
   溶融スラグの、前記出鋼口からの流出を防止したことを
   特徴とする、精錬炉からの出鋼時における溶融スラグの
   流出防止方法。